あらすじ
最新の電子辞書にえいやと24000円を払ったら、品物と一緒にうたぐりぶかい自分がついてきた。アジアン定食8NZドルで寛容に触れた。人助けにと出した1000円には今も怒りが収まらない。生きていれば自然とお金は出ていって、使いすぎればサイフも気持ちもやせるけれど、その全部で私は何を買ったことになるんだろう。家計簿名人のカクタさんが、お金を通して人生の謎に迫る異色エッセイ。
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Posted by ブクログ
角田光代さんの(ご本人曰く)家計簿エッセイ。
どれも面白かったけれども、最後の2つの章「記憶」「一日」が印象的だった。
親と子の役回りは年を追うごとに交代、若しくは受け継がれていくものだし、二十代でお金を使ったもので三十代の自分は形成されていると感じる。今の時代、貯蓄に目が向きがちだけどこれからも興味のあることにもお金を使っていきたい。
(併せて20年前のエッセイなので、今との物価の違いをひしひしと感じた……)
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いいタイミングに読んだと思う。
‘しあわせのねだん’
っていくらなのかな?
と単純にタイトルに惹かれて手に取った。
それに
角田さんだから、読んでみたいなって気持ちもあった。昔は、エッセイは現実なかんじが苦手で読めなかった。
けれど、
年をとって、この作者さんは普段どんなふうに考えているのだろう?どんなふうに出来事を捉えるのかな?と、気になり好きな作家さんの好きな日常が書いてあるエッセイは読めるようになった。
(ほんとに昔はエッセイなんてない方がいい!なんで現実に戻すんだ〜って怒りが湧くほど笑、好きな作品てあればあるほど、どこまでもフィクションでいてほしくてそんな事思っていた)
‘しあわせ’の定義はなんぞや
から考えさせられるタイトルのもと、
私が想像してた内容とは全然違い、いい意味で裏切られた、というか自分の陳腐な思考を超えて「そっかー」と思う場面がたくさんあった。特に、あとがきのお金の使い方のところは、妙に納得。そうなのかもな〜としみじみ。
角田さんの良いところ、
良いところも悪いところも
それぞれ味を楽しめて良い点を見つけられること!
まさか、
まずいラーメンが
‘しあわせのねだん’に入っているとは!!こーゆー考え方って素敵だなって感心しすぎて涙が出そうになった。
Posted by ブクログ
お金に対する他人の価値観を知ることができる。
読みながら、私はそう思わないけれど…とか、そんなことに?とか思う事がある。けれど何を大切にしているかは人それぞれだから、一見他人からは、無駄に見えてもその人の糧になる事もあるのだと思った。
最後の解説のお金の使い方と精神状態に強く同意する。
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なんか作者さんと似ている気がして読んでて共感出来た。
短気だけど小心者で怒りが伝わらないとか、怒る理由を何時間も何日も考えるとか、、!
自分が使ったお金について分析しているのもおもしろかった!アクセサリー売り場で人群がって買いたくなっちゃって買っちゃうとか、洗濯機欲しくなって買っちゃうとか、欲に忠実ですごく好き!笑
私も基本的にはケチだけど、使ってよかったと思うお金と使わなかったらよかったと思うお金について分析してみようかな
Posted by ブクログ
軽く読みやすくてホイホイと読んでたら
ラストでお母さんとの旅行話でホロっときました。
うまい!と声をあげそうでした。
病院の談話室にあった本で2時間もかからず読めました。
読んで損なし…です。
Posted by ブクログ
エッセイ初めて読んで、退屈に感じたけど
最後の、「一日(1995年の、たとえば11月9日)5964円」を読んで、いいなあって思った
あとがきや終末の文章、すごく共感してしまった
私の中にあることを文章化してくれた感じがした
Posted by ブクログ
お母さんとの旅館に行った話が良かった。
お母さんは、いつも旅行に行く時には文句を言う。せっかく予約してお金まで払っているのに、理解できない。
でもそれは、自分が子供の頃に両親について行くだけで何も考えなかったり、時には文句を言ったり、それのやり返しが来ているだけだ…という所がなんか良かった。お母さんは、宿の方には感謝の気持ちや喜ぶ気持ちを打ち明けていたようだ。
自分も子供の頃は「なにこれ…」「まだ??」「え〜…」「やだ〜」とか頻繁に両親に言ったものだ。(未だに言う時もある。)
両親には本当に感謝しているし、自分もまたされる立場に近づいているのだなぁとしみじみ。
角田光代は、売れた作家でも一般人離れしていない感覚が好きだ。午前中から昼ごはんは何を食べるかで頭がいっぱいになり、休みの日はビールをのみ、それでも無駄なお金は使いたくない。家電も眺めるだけのことが多い。美味しいご飯屋さんを紹介してもらいたい。
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ちょっとここ数年家計簿をつけてみている。
その影響でおそらくこの本をとったのだと自分で思う。
なので不勉強で申し訳ないが角田さんのことは全く存じ上げなかったし、この本が平成17年(2005年)に出版された結構古めな本だということは知らなかったが、面白かった。
印象的なのは「鞄59,000円」
僕は今年クラッチバッグをメルカリで売った。
そのファッション性から社会人になって1年目に買ったものだ。
当時はスラックスにドレスシャツにジャケットのジャケパンスタイルを完成させるために絶対に欲しいものの一つだった。(スーツじゃなくて上下違うもの。もっと言えば当時の僕はグレーのジャケットにネイビーのスラックスにクラッチバッグを合わせることになぜか異様にこだわっていた。)
そんな思い入れがあるクラッチバッグをメルカリで売った。
もともと大人っぽく見られたい欲から前述のようなファッションをしたかったのだが、もう年を取るにつれてそういった欲もどこかに消え失せてしまったし、そうなってくると物は入らないし、手で持たないといけない。もはやクラッチバッグに財布を入れて持ち運んでいると、革の財布を革の鞄にいれて持ち運んでいることに意味があるのかわからなくなる。
クラッチバッグを売って以来鞄を買っていない。
そんな次第でクラッチバッグを処分したからこそ「鞄59,000円」にはめちゃくちゃ共感したし声を出して笑った。
そして読んだ後にまたなにか鞄を買いたくなったから不思議である。
あとがきにあるように僕たちの一部は何にお金を払ったかでできているしあのクラッチバッグも自分の一部になっているからなのかもしれない。
やはりときめく鞄は手に入れたいなと思った。
Posted by ブクログ
お金の価値観にまつわるエッセイ。人が何にいくら使ってそれにどんな価値を感じているか知るのが好きだから、読んでいて楽しかった。特にお金を使わないとその国のことはわからないという話が面白かった。
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お母さんとの旅行の話が好きです。古い喫茶店で800円のケーキセットを嗜みながら読むにはぴったりの一冊でした。クスッと笑えて共感でき、この上なく幸せな時間でした。
Posted by ブクログ
角田さんご本人がおっしゃっているように、私も彼女をテレビで拝見している限り、おっとりした方だと思っていた。それが何とも、せっかちエピソードが満載で面白い。特に秋刀魚を選ぶ親子の話。そしてイライラを抑える薬「イララック」なるものがある事も初めて知った。
「20代で使ったお金がその人の一部を作る」という言葉が響いた。自分は20代の時に何にお金をかけてきたのか。映画が好きな人、洋服が好きな人、食べることが好きな人…人それぞれにお金をかける所が違うけれど、それがその人を作り上げていくなら決して無駄ではないと思う。「ゆたかであるというのは、お金がいくらある、ということでは決してない」と著者は言っている。
最初にこの本が書かれたのが約20年前らしいので、ガラケーが出てきたり、タバコの値段が今の半分以下だったり時代を感じさせる部分もあるが、若い人に知ってもらいたい事もたくさん書いてあると思う。
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これならいくら使えるっていうのは人それぞれ違っていて、小さな金額でとても満足できる時や、逆もある。本当に必要な自分の心のエネルギーになるお金の使い方をしたい。
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やっぱり、角田光代の書く文章が好きだ。選ぶ言葉が好きだ。キュートで可笑しくて"そのまま"で、読んでいてなんだかとってもうれしくなった。他のエッセイももっと読みたいな。
「なににお金を費やしたかということが、その人を形成する」、「中身が何にもない人にはなりたくないよね」的なことを最後におっしゃっているのにめちゃくちゃ共感した。個人的に最近ずっと考えていた、"お金とは何か"の答え合わせが少しできた気がした。ありがとう角田さん。
Posted by ブクログ
著者の金銭感覚とそれが自身の生き方に及ぼす影響が綴られている。
本書を読むと貧乏育ちの私からは著者がかなりの浪費家に見える。
そして著者自身もそんな自覚はあるようです。
けれど私がそんなお金の使い方でも意味はあるのだと思ったのは本作品の後書きにあった一文
「私たちはお金を使うとき、品物といっしょに、何かべつのものも確実に手に入れている、ということだ。大事なのは品物より、そっちのほうかもしれない、とも思う。」
なるほど、そうだなあ。
でも読み方によっては浪費家の言い訳と取れないでもないか。
Posted by ブクログ
急に角田さんのエッセイが読みたくなった!
普段エッセイがはあまり読まない。
単純にストーリーがある方が好きだから。
でも角田さんのエッセイは読みたくなる!
テレビで拝見して以来、その人柄に惹かれている。
テレビで見せてくれる顔は角田さんのほんの一部だろうけれど、あのほのぼのとしたふんわりとした飾り気のない雰囲気が好きだ!
そしてその見た目の中、言わなければ分からないのに角田さんの黒い部分も惜しげもなく披露してくれるところも大好き。
このエッセイももう何度目の再読だろう…
角田さんの独り言を聞かせてもらっているようでクスクスと笑いながら、時には「わかる〜」と思いながら楽しませてもらいました。
Posted by ブクログ
ずーーっとクスクスしながら気楽に読める一冊。リラックスしたい時にお薦めです。角田光代さんと同年代の私はわかるわかる〜がたくさんありました(^^)
Posted by ブクログ
おもしろかった
本当に読みやすい文章をかくなぁ〜すごいな〜と思いながらぐんぐん読んでた
私たちはお金を使う時、品物と一緒に、何か別のものも確実に手に入れている
大事なのは品物よりそっちの方かもしれない
ってことばいいなと思った
なんでもいいって行きたいところも調べずただついてくるだけの母との温泉旅行で宿選びに失敗した話もすごく良かった
親子の交代ができたことが今は良かった思ってるみたいな内容の
Posted by ブクログ
お金の話を人は避けるけど(私の場合、お金の話は好きだが、遠慮して話す事は少ない)お金の価値観を見ると、その人の性が少し分かると思う。だからかな。幼き頃、母に結婚相手は、”お金の価値観が合う人、それも大切だよ”と言われた事がある。自分のお金に対する価値観と、自分の幸せをを改めて認識できた本。読みやすく面白かった。以下心惹かれ文の一部※一部簡易的記載有
☘️海外旅行。何を見たか、何を見なかったか、というのは、ツアー旅行か個人旅行かという違いではなくて、その場所でお金を使うか否かではないかと私は思うのだ。
☘️最悪の旅行9800円×2。最悪といっていい一泊旅行が、記憶の中で不思議な光を放った。
☘️酒も飲まず、外食もせず旅行もせず、貯めたお金。その人、中身が何もなかったんだ。20代自分で稼いだ、お金の使い方が30代の土台になる。経験になる。
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作者が購入した金額と、その時の素直なきもちを記したエッセイ。
値段という単位で見れば、高い低いという物差しがある。しあわせには種類はあれど良し悪しはないのかもしれない。
20代で使ったお金感は30代の生き方につながる。
お金で人を見ると、その人を形づくる生き方も見えてくるんだなと思った。
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角田さんは酒飲みなので、所々に出てくるお酒に関しての言葉に全て共感した。私も20代の頃はどこだろうと気にせず飲みに行っていたなぁ…
ご飯派とお酒派の話も、完全に同意。
自分が20代の頃どのようにお金を使ったかと考えると、やはり飲み代だったと思う。
怒りが涙になってしまうことも一緒で、わかる〜と思いながら読んだ。秋刀魚の話を読んだだけで私も子供にイライラした。笑
精神状態が良くない時に衝動的にお金を使ってしまうというのもよくわかる。
お金は貯めたいけど、それだけじゃなく、豊かに生きていきたいなぁ。
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20年くらい前の話題でも
心持ちはまだ鮮度があることを再認識できる
最近の値上がりと
新製品の進化と
社会の加速度的な変化とのギャップは埋めがたい
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光代の買い物によるエッセイ。趣味が(小さな)買い物の私としては、こんなやり口で記録していけばエンターテイメントになるのか、と少し発見でした。
「モノより思い出」なんてコピーもありますが、私からすると、モノを買ったことによって生ずる思い出もあるぞ、と今までは思ってたわけです。(レコードを買ったり古着を買ったり)
ですが、帯にもなっている「記憶9800円×2」は、 死んだ母親との最後の旅行の顛末をつづった話がな印象的でした。たしかに、先日友達と久々に会って、7年前の金沢旅行の思い出話になって、旅行って、まあまあいいお金の使い道だなと思うようになってきました。
Posted by ブクログ
やっぱりエッセイというのは
作家さんの人となりに迫れる面白いジャンルだなぁと思う。
角田さん、ずぼらなのか几帳面なのか、
無頓着なのか凝り性なのか、
相反するような性質をたくさん持ち合わせているところ、
物語の登場人物ではなく生身の人間なんだなぁと
お金を払うことで得るものは、
その場で交換するモノやコトだけとは限らない
何かにお金を払うことに対して考えさせられる内容だった
Posted by ブクログ
楽しく読み終わって 最後の章
全てはこの章を読むための前振りだったのか。
20代の時使ったお金がその人の一部を作るのではないか‥‥。ふむ。なるほど
そーしたら 私は 一体なにをしてたのだろうか。
中途半端にお金使ってたなー、
記憶にも残らない使い方してたってことは
私の人生 中途半端なんだろうなー。
今から20年後 あの時私はこれにお金を使った!あの頃の私はあぁだった!
と良くも悪くも言えるように 今日からのお金の使い方を考え直してみようかな。
お金の貧しさより、人生が貧しいのは切ないもの
Posted by ブクログ
家計簿エッセイ。1つの出費に対して作者の思うところ、ストーリーが綴られていてなかなかおもしろい。いちばん怖いのは貯金額だけが異様に高いことと書かれていたが、・・・自分は大丈夫そう。自分の土台を作ってるのはなんなのか思い返してみたい
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角田さんのエッセイが好きです。しあわせを感じた値段はだと思いますが想像力にすごいな⁉️と驚き、どこまでもイケてない9800円の旅館に笑いイララックに私も欲しい!でした。
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第8回紅白本合戦紅組5位
これくらいの値段で買ったもので、これくらいの幸せゲットできたよ~的な日常エッセイ。
例えば「ねぎそば 390円」てな感じ。
角田光代を読むのは実はこれが2作品目で、1作品目は、まだWeb小説という言葉も巷間に流通していない頃の2001年、多分雑誌「ダ・ヴィンチ」のHPで連載されていたのを、当時非正規雇用で働いていた某○阪○三荘最寄りの工場の生産ラインの検査用PCで、生産開始前の朝7時位に読んでた懐かしい思い出がある。ふふふ、直木賞受賞前の若きカクタ作品を読んでいたワタシ(`・ω・´)b
当時、Windowsはまだ95or2000の頃で、僕自身赤貧でMYパソコンを持っておらず、インターネットに触れるためのささやかな時間をここで過ごしていたのでした。
このエッセイを読んでまず思ったのが、「ああ・・・なんか『愛がなんだ』のテルコがしゃべっているみたいだな~」っていう、もう20何年も前に読んだ小説の事をパッと思い出せるくらいの「テルコ感」を感じたのでした。なるほどこれが「光代節」なのだなと思った次第。面白かったです。
Posted by ブクログ
いくつにも分かれているので、何かの合間に少しずつ読むことができます。
着眼点は日常にあることで、それに対しての感想や行動が記録されている本です。