【感想・ネタバレ】紙の月のレビュー

あらすじ

ただ好きで、ただ会いたいだけだった――わかば銀行の支店から一億円が横領された。容疑者は、梅澤梨花41歳。25歳で結婚し専業主婦となったが、子どもには恵まれず、銀行でパート勤めを始めた。真面目な働きぶりで契約社員になった梨花。そんなある日、顧客の孫である大学生の光太に出会うのだった……。あまりにもスリリングで、狂おしいまでに切実な、傑作長篇小説。各紙誌でも大絶賛された、第25回柴田錬三郎賞受賞作、待望の文庫化。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

夫と上手くいかない冷えきった夫婦関係の女性が変わろうと銀行員として働き始めるも、そんな中で光太という若い男に出会ったことで横領してしまい、海外へと逃亡する話。
実話でも似た話ありそうだし、本人にしか分からない胸の内が赤裸々に描かれていた。
どんどんと金銭感覚が麻痺していく様がリアルで、捲る手が止めたくなるほど苦しくなるストーリーだった( ˟_˟ )
正義感が強い人ほど、歯車が狂うと別の方向に正義感が生まれてダメになるのかもしれない。
なんとなく惹かれて手に取ったけど読んでよかった◎角田さんの小説まだまだ読みたい。

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2025年12月08日

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★★★★★ 今年1かも
★★★★☆ 読んで良かった
★★★☆☆ 悪くない
★★☆☆☆ 途中でやめた
★☆☆☆☆ クソ

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2025年11月28日

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とても心苦しく恐怖を抱く内容。他者から見れば梨花の異常な行動が、本人はこれが正常と思い込み、どんどん沼に嵌まっていくところが非常に悍ましい。これ以上の異常行動を誰か止めてくれと願いながら読んでしまった。

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2025年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画も知らずにあらすじ見て読んでみた。
ただ普通の派遣会社勤務の梨花が少しずつ狂っていく様子が読んでいて怖かった。最初は好青年(?)だった光太がだんだんクズ男に成り下がっていくのもよかった。
いくつかの事件を基にしているようで、リアリティもあり、自分に起きたらどうしようという恐怖もあった

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

物語にどんどん引き込まれ、気づいたら読み終わっていた。
梨花の感じるモヤモヤや、高揚感、焦りまでも自分のことのように感じられるほど入り込んでしまった。
自分が何の上に成り立っているのか悟るシーンに圧倒されたし、強く共感した。

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

TVドラマの原田知世主演ものを観て、
映画の宮沢りえ主演のものを観て、
それから数年・・・後、
原作を読んでみた。
終始、原田知世さんのせつない表情が頭を駆け巡り、
夫婦のこと、若い恋人とのこと、お金にまつわる様々なこと、犯罪行為に懸命に取組んでしまうこと、海外に逃亡中のこと、
全てがツラく悲しかった。
最後の最後の締め括り方が映像版よりもグッと来てしまいました。
読んでヨカッタ・・・

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2025年06月18日

Posted by ブクログ

めっちゃおもしろかった…!1億円横領というからには、ものすごく大きなことをしたように思っていたけど、ちりつもちりつも…で1億円なのか…瑣末なことが積もり積もって想像もできないくらい大きな山になることをよく表していた。現実味がなくなるほどに。読んでいる間以外の時間も、なにかとても恐ろしい影のようなものがついて回っているような気がしたのは私だけかな。自分が犯したわけではないけど、小さなきっかけで陥ってしまいそうで。捕まった瞬間も、振った瞬間も、バレた瞬間も、何一つ映されていないのがなま恐ろしいというか…

そして、夫・光太の発言や態度、行動に本当にむかついた…!特に夫、甘えられるだけ甘えて、何見下してるんだ…なにくそ精神が出てもおかしくないと思った。

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2025年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2014年に映画化された小説。
大島優子が絶賛されていたっけ。
タモリと宮沢りえの深夜番組で宮沢りえのキュートさに惹かれた。可愛い大人。
宇都宮出張にかこつけて買った一冊だけど、一気に読み切った。ラストどうなるの!?映画では・・・楽しみだな!

以下はお気に入りの文の引用です。
「「安上がりな」よろこびをこそ、梨花は生活に求めていたのだった。」
「釈然としない気分は釈然としないまま、軽い不快感となって梨花の内にこびりついている。」
「当たり前だよ、二人のことだもん」
「ネオンサインに照らされて夜空はぶどう色だった。」
「あのとき白樺並木をともに歩いた自分たちが、この二十数年で、どのくらい離れた場所にきてしまったのだろうか」
「当然すぎて、当然だと思うこともしなかった。だってそんなことを、本当に梨花は頼んでもいないのだ。」

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2025年06月16日

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一億円を横領した主婦の話。タイに逃げたところから始まって横領するまでの経緯の話に戻る。他の登場人物から見た主人公の姿などの章もはさみつつ。読みながらなんとなく主人公の自分が自分の一部だとかどことない閉塞感とかが伝わってくる。

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2025年05月17日

Posted by ブクログ

そっちに進んではだめだよと声をかけてあげたくなるほど
泥沼にはまっていく梨花

現実のニュースでも時折横領が報じられるけれど
犯罪なんてこんな感じに起きてしまうんだなと思わせてくれる

久しぶりに夢中で読んだ一冊になった

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

読めば読むほど嫌な予感。絶対好転しない未来=破滅へ向かって走り続ける主人公の半生を描いた作品。彼女が小さな悪事に手を染めるたび、低く唸ってしまう。結末はわかっているのに、自ら深みに嵌まっていく彼女から目が離せない。ずっとずっと面白い。映画版のカバー下の表紙のイラストがほんわか系で、内容と全然合ってないのが気になります(笑)

苦しみと不満、不安に溢れた現実を過ごしていた彼女の元に突然現れた若い男。映画を作るんだと語る彼は、キラキラ輝いて見えて。自分を慕ってくれる彼と過ごしたいがため、彼女は生き、努力し、働き、結果的に1億円を横領した。彼女の知人たちも、彼女と似たような苦しみややるせなさを抱えている。彼女との類似性を描くことで、彼女だけが愚かでどうしようもない人間なのではないのだと表現したいのかなと。子どもがいるからと言って、幸せなことばかりでもない。お金があるからと言って、すべてを手に入れられるわけでもない。それでも現実と折り合いをつけて、妥協して、生きていくしかないのだ、と。
一方で、知人たちの話は、彼女の人生のパラレルワールドにも見えてくる。もし彼女がどの人生を歩いたとしても、彼のような人間と会ってしまったら、結局は同じ破滅的結末を迎えるんじゃないかな。それくらいのエネルギーを、彼女は持っている。彼女は遠い世界の人ではない。むしろ「大事にしてくれる人を大事にしたい、力になりたい、必要とされたいからなんでもする」という彼女の姿勢に、共感するところさえある。もちろん人のお金は労働の対価であり、奪うのは絶対に許されないことですが。そのハードルは、目的を前にした人間にとっては案外低いのかも。

今回再読なのですが、最初に読んだ10年前よりも、男の幼稚さが目につきました。若い男に溺れた彼女も彼女ですが、与えられるがまま好き放題過ごしたくせに、いらなくなったら泣き言を言って解放を望む。怒りを通り越して呆れてしまったのは、私も年を重ねたからかもしれないです(笑)

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2025年05月04日

匿名

購入済み

世間一般的には幸せの部類に入るだろうが、何か物足りない人生。そうゆう気持ちって多くの人にあるものだと思います。彼女を可哀想な女性だとも思うけれど、散々好きな事をした馬鹿な女性だとも思う。

#ドロドロ

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

男とお金に支配されていく主人公の様が面白い。
特にお年寄りのお客さんと信頼関係が出来ているからこそ、ここまでバレずに出来たんだろうね。

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2025年12月07日

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怖かった〜。
梨花は最初から不正をしようと思っていたわけではなくて、むしろ正義感の強い人だったのに、そんな人がどんどん深みにはまっていく描写が読んでいてハラハラしたし、悲しかった。
横領に手を染めるのは誰でも可能性あることのように思えて、本当に怖くなった。
気をつけよう。

ミリ単位で印刷合わせるのとかは苦手だから無理。笑

お金があっても幸せとは限らないんだな。

角田さんの作品なので犯罪者側を応援してしまうかなと予測しながら読んでいたけれど、今回は早く捕まったほうが梨花がこれ以上不正を繰り返さなくなるから、はやく捕まってほしいと願ってしまった。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

顧客の金銭を横領した梅澤梨花の物語と思いきや、"お金"という存在に翻弄される女性たちの物語だった。
梨花の報道をきっかけに梨花に思いを馳せる木綿子、和貴、亜紀だが、犯罪こそ起きていないものの彼らを取り巻く環境も梨花とそう変わらない、お金に翻弄される日々だと明らかになっていく。
客の預金を横領してしまう、消費者金融の借入れをやめられない、過度な節約をしてしまう、そんな女性たちの描写がリアルで、そこに至るまでの過程も生々しく、他人事ではないのではないかと思ってしまうほどだった。
お金で買える幸せとは何か、買えない幸せとは何かを考えさせられる話だった。

最近本をよく読むようになり、様々な著者の本を読んだが、角田さんの文章は言葉のつっかかりがなく、情景や心情が頭にすらすらと入ってくる読みやすい文章だった。
難しい言葉は多くなく、でも表現は豊かで情景をありありと思い浮かべられるところが良いなと思った。
また角田さんの本を読んでみたい。

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2025年11月12日

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原田知世のドラマで観て面白かったので原作も読みたいと思ってた。原作もやはり面白かった。この話を他人事と思えるか、自分ももしかしたらどんなきっかけで転落していってしまうかわからないと思うかで感じ方も変わってくると思った。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

ずーんとくるお話。女性なら少し共感できる登場人物がいるんじゃないかな。大きな事件のきっかけって第三者が思ってるよりもずっと些細なことで、何かがきっかけで誰でもそっち側になり得るんだよなと。お金のことっていまだ日本人はあけすけに友人と話すことをしないけど、同じような経験をした事がある人も知らないだけできっと沢山いるんだろうと思う。登場人物みんな幸せになってほしい。

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2025年10月04日

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不正をして堕ちていく梨花を、あり得ない愚かだと重い気持ちでずっと読んでいた
読み終わってみれば、この物語はそれだけじゃなくて、梨花以外の女たちもお金に翻弄されて、苦しんでいる
平林幸三や名護たま江も多額の財産はあっても孤独で寂しい人生だ

人は幸せを求めて生きている
でもお金で買える幸せってその場限りのものでキリがない
宝くじ当たったら何に使おう…なんてワクワクしながら考える
当たるはずないから、現実に戻る(笑) そんな人生
心が空っぽにならないように、形のあるものに価値をおかないように…
人生って落とし穴が沢山ありそうだ

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2025年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あらすじは知っていたので、もっと光太が策士で梨花を陥れていく展開かと思っていた。以外にもここまでの様々なストレスから梨花が自ら泥沼に嵌まっていく展開が何ともスリリングであった。
光太も徐々に堕落していった様子であったが、最後は何とか自分を取り戻していた様子であり、最後まではっきりとした悪役がいなかったように思う。横領自体は犯罪なのだが夫:正文の何気ない圧にこれまで堪えていた梨花のストレスは自分でも気づかない内に許容量を超えており、同情してしまう部分はある。だからといって皆が犯罪には知るわけではないし、彼女もほんの一瞬魔が差してしまったことで地獄の階段を降りてしまったのだろう。
梨花と旧知の3人にまつわる話が最後に繋がってくるのかと思いきや本線には絡んでこず、お金にまつわる夫婦や家族のエピソードが誰にでも起こりうるリアリティを感じた

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2025年09月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

4人の話が繋がるのかと思ったら繋がらなかった。お金に価値を置きすぎている?もしくはお金に価値を感じられなくなった?人の話。
ほんとうに銀行で横領した人もこんな感じで坂を転がるように使ってしまのかな。みんな性愛絡みで転がり始めるのかな、と実際の事件を調べたくなった(今から調べる)
お金をじゃぶじゃぶ使える状態だって人間は慣れてしまって幸せを感じなくなるんだろうなあ

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2025年08月29日

Posted by ブクログ

実は角田さんの小説は初めてです。「韓国ドラマ沼にはまってみたら」というエッセイ本で見て読んでみたくなりました。
まず、つい最近話題になった大手銀行の貸金庫窃盗事件となんて似てるのかと驚き、角田さんの取材力の正確さと10年以上前と、銀行のずさんな体制がほとんど同じことに一層驚きました。
作品は、極端に歪んだ主人公の自分探しの果てを描いたものなんだけど、ある瞬間、もしかしたらふとしたきっかけで自分の心の奥にも湧き上がるかもしれないのかもと思って読みました。

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2025年08月27日

Posted by ブクログ

ホラーだね!怖かった!
社員と同行してるときのヒリヒリした空気感、めっちゃ怖かった〜〜描き方が上手いな〜〜〜
高額な買い物をしたときの高揚感と万能感、分かるなあ…それ以上に怖さが勝つから買い物依存にはならないけど

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2025年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「お金は人を狂わせる」って
欲張りな人のことだけではなかった
ただのきっかけにすぎなかった
梨花が犯罪者なら正文は何なのか
道を踏み外した人間、踏み外させた人間
同罪ではないか

堕ちないでいるためにはどうしたらいいのだろう

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

正常性バイアスを描いている作品だと思いました。
主人公の梨花は、周囲から見ると異常なことをしているにも関わらず、自分ではそれを日常の延長線上だと思っています。
梨花と恋人、夫以外の登場人物もしばしば登場するのですが、本筋である梨花の話が気になりすぎて、サブキャラクターのエピソードにはあまり集中できませんでした。
自分が誰よりも力を発揮できることが犯罪だった場合、どうなるのか……という顛末を見せられているようで、梨花をすごいと思う一方で、かわいそうだとも感じました。
じわじわと転落していく人生を描いた、ホラーのような味わいのある作品です。
角田光代さんの作品は、毎度のことながら展開が気になって一気に読んでしまいます!

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2025年05月30日

Posted by ブクログ

宮沢りえさん主演の映画を観て、光太と関係を持つに至った経緯を知りたくて本を読みました
映画では省略されていた、少しずつ彼に惹かれていく描写が分かって良かった。
他の登場人物も、それぞれ違った生活が有って面白かった。会計時金額にびっくりする事とか、買い物の後の高揚感とか、共感出来る所も多くて、まるで自分が大金を使ってるかのような臨場感がありました。
私は到底越えられない壁を越えてしまった梨花も、実は誰にでも起こり得る未来なのかもしれないと、自分を戒めるように読んでいました。
タイでの逃亡生活も良かった。映画とは結構ラストの展開が違ったけど、また良かった

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2025年05月03日

Posted by ブクログ

飽きる瞬間がなく、一気に読み終えました。
あまり本を読まない私ですが、どっぷりハマって読めました。
お金の価値観が合わず別れた前の旦那さんが、お金を本当によく使う人で、その時は私もお札がただの紙切れのように見えた事を思い出しました。
執着がないからこそ、よく使う、そして横領までしてしまったことがリアルに思いました。

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画→小説の順で見た。
映画版で学生時代に募金をしないクラスメイトに腹を立てた梨花が父親の財布から金を抜き取って募金するエピソードがすごく印象的だった。
梨花の行き過ぎた正義に賛同してしまったからだ。

その無欲で正義感の強い梨花が狂っていく様が恐ろしかった。序盤の手持ちのお金がなくてお客から預かった金から5万円抜き取って会計したシーンも、すぐにお金をおろして元に戻したとはいえ、ものすごくハラハラした。この本は心臓に悪い笑


客のお金に手を付けたのも、はじめは光太の借金返済の為だったのに、当り前のように自分の家のローンまで返済に充てようとしててオイオイオイオイ、って声が出そうになった。
光太との出会いが梨花を狂わせたのだろうが、誰だっていつどこで何がきっかけでタガが外れるわからない。他人事じゃないのがまた怖い。


梨花は与える事でしか愛情とか喜びを表現できない人なんじゃないだろうか。
多分、これからもずっとそうなんだと思う。


梨花を取り巻く人達の話がまた面白かった。
木綿子は娘のためにと節約生活を強いるが娘が反発し、買い物依存症の亜紀は離れて暮らす娘への罪悪感から貢ぎ続けるも最後は金づる扱い。
当たり前だがみんな価値観が違う。


あと、登場人物の金遣いが荒くて驚いた。
単に出てくる人達が皆金遣いが荒いだけなのだろうが、今の時代では信じられない…
あと、契約社員とはいえ、月給30万稼いでも夫に対等に見てもらえないとかどんな時代?



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2025年06月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全然共感するポイントも何もなかったけど
実際に逮捕された女性がいるもんね。居るんだよリカみたいな人は。

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2025年10月09日

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何かを買うという行為を通じて、自分が何を手に入れようとしているのかを考えさせられる。各登場人物の心理や行動には極端なところもあるけれど、全く別の世界の話ではなくて、何かのきっかけがあれば自分もそちら側に転びうると思うし、共感できる部分も多かった。タイトルの紙の月、の紙はお金のことなのかな・・・?ペラペラで薄い月のイメージが、主人公が、お金を使うことで手に入れられたと錯覚したものや「自分」にリンクしているような気がする。

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

梅澤梨花
旧姓:垣本。郊外にあるわかば銀行の支店から一億円を横領。高校卒業後は東京の短大に進学。卒業後、カード会社に就職。

岡崎木綿子
旧姓:小田。梨花とM女子学園の中学・高校時代のクラスメイト。高校卒業後は都内の大学に進学した。

ちかげ
木綿子の娘。

山田和貴
梨花と二十年以上前につきあっていた元彼。食品会社の商品管理部。十年前は営業だった。新卒で入った睦実の指導係として、スーパーやデパートの食品部をまわっていた。

木崎睦実
和貴の不倫相手。和貴よりひとまわり年下。

由真
和貴の娘。

賢人
和貴の息子。

牧子
和貴の妻。十年前までは父が会社を経営していたため裕福な生活をしていた。父の死と会社の倒産で築三十年をゆうに経つマンションで住むようになる。自分の過去と子どもたちの現在を執拗に比べるようになった。

羽山
タイで梨花に声をかけてきた日本人。「日本にいられないようなことがあった」とバンコクに来たという丸顔の男。

平林光太
孝三の孫。孝三の家で梨花と初めて顔を合わせた時に名刺をもらい、後日に梨花を誘って付き合うようになる。感情をすぐわかりやすく表に出すタイプだが、それを梨花は愛おしく感じている。

梅澤正文
梨花の二歳年上の夫。食品会社に勤務。

中條亜紀
出版社で働くキャリアウーマン。梨花とは同じ学園出身。大人になってから料理教室で再会して友人となった。七年前、三十四歳の時に離婚した。裁判の末、親権を取られた。

前田曜子
亜紀と何度も仕事をしたことがある女性に人気のコラムニスト。

岩田
編集長。

井上
梨花の銀行の上司。

沙織
亜紀の娘。

佐倉
梨花とさほど年齢が変わらない男性行員。

平林孝三
梨花の顧客のひとり。七十代半ばの老人。十年ほど前に妻を亡くし、息子と娘はそれぞれに家庭を持ち地方で暮らしている。厄介な客を指す支店内の隠語である「クロちゃん」と呼ばれるようになった。

山之内
梨花の顧客の夫妻。九州に転勤になっている息子夫婦に孫が生まれた。孫のために定期預金しようと梨花を呼ぶ。

名護たま江
梨花がパートタイマーだった頃からの顧客。藤が丘で一人暮らし。ボケ始めており、誰かが夜中にこっそり入ってくるからと印鑑と通帳を梨花に預ける。

堤潔子
旧姓:山本。木綿子が七年ぶりに参加したM女子学園の同窓会で受付をしていた。

佐藤奈緒美
旧姓:岸元。
真ん丸い顔で背が低い。梨花が指名手配されたとき、木綿子に真っ先に電話をかけてきた。

山野辺
高校二年時の学年副主任。

石井
家庭科の先生。

立松
国語の先生。

笹倉真弓
中等部と高等部の生徒会長を務めていた。

まこちゃん

きっこ

ナオ

カーコ

えんちゃん

伸義
亜紀の元夫。

田辺智恵子
七十歳を迎えた一人暮らしの老女。息子は海外で暮らしている。梨花が偽の証書を渡す。

仁志まどか
光太の恋人。二十二歳の大学生。

真一
木綿子の夫。


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2025年07月15日

Posted by ブクログ

読んでいてすごく苦しかった。

どうして辞められないのか、罪を重ねていくのか、現実に戻れないのか。誰かに見つかるまでもう自分のことを止められない梨花を見ているのはこっちも辛かった。

自分での何に使ったか思い出せないくらいのお金で梨花は何を手に入れたかったのか。お金との付き合い方を改めて考えるきっかけになった。

人のお金を使ってしまった罪はどのように償うのだろう。

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2025年04月20日

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