【感想・ネタバレ】紙の月のレビュー

あらすじ

ただ好きで、ただ会いたいだけだった――わかば銀行の支店から一億円が横領された。容疑者は、梅澤梨花41歳。25歳で結婚し専業主婦となったが、子どもには恵まれず、銀行でパート勤めを始めた。真面目な働きぶりで契約社員になった梨花。そんなある日、顧客の孫である大学生の光太に出会うのだった……。あまりにもスリリングで、狂おしいまでに切実な、傑作長篇小説。各紙誌でも大絶賛された、第25回柴田錬三郎賞受賞作、待望の文庫化。

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Posted by ブクログ

スリル満点で面白かった。

お金の豊かさ、息が詰まる苦しさ、お金と情の結びつきの無力さ、全て身を持って知ったような読後感でした。お金の価値って何だろう?と本質を問いたくなるけれど、正解がないものなのかもしれない。

もう取り返しはつかないのに、破滅が待っているのに、それでもどうにか救われてほしいような、許したくなる気持ちになってしまう主人公の梨花。一歩間違えたら誰もが梨花になってしまう可能性があるのでは?とハッとする場面も。

横領罪を犯してまで過ごした夢と絶望の狭間の数年が、ほんの少し羨ましく見えてしまったのは自分の生活が平凡すぎるからなのかもしれない……

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2026年03月13日

Posted by ブクログ

同業なので本当に息が詰まるような思いで読み進め、梨花が戻れなくなるほど胸が苦しくなった。自分の不祥事みたいな気持ち。学生時代を長く過ごした馴染みのある土地の話だったので尚のこと、自分のことと重ねて、今の銀行員が現金を預かるようなことはもうないというのに、自分が底なし沼に沈んでいくような恐怖を覚えた。かくいう私もこれを自分の顧客に勧められたのだが、銀行の担当者にこの作品を勧める顧客は、どうかと思う。

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2026年03月03日

Posted by ブクログ

毎週続きが気になるドロドロ系ドラマのようだが、先が気になるだけでなく、色々考えさせられた。

お金は人を変えてしまうし、一方でお金で人を変えることはできないとも思った。

誰しも他人に言えないことがあるだろうし、梨花の話は額が額だけに身近ではなくとも、全くの別世界の話ではないと思えてしまう。

読後も深く考えさせられるところが多く、でも決してイヤな感覚とかモヤモヤではない。

他の角田光代さん作品ももっと読まなくては。

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2025年12月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

夫と上手くいかない冷えきった夫婦関係の女性が変わろうと銀行員として働き始めるも、そんな中で光太という若い男に出会ったことで横領してしまい、海外へと逃亡する話。
実話でも似た話ありそうだし、本人にしか分からない胸の内が赤裸々に描かれていた。
どんどんと金銭感覚が麻痺していく様がリアルで、捲る手が止めたくなるほど苦しくなるストーリーだった( ˟_˟ )
正義感が強い人ほど、歯車が狂うと別の方向に正義感が生まれてダメになるのかもしれない。
なんとなく惹かれて手に取ったけど読んでよかった◎角田さんの小説まだまだ読みたい。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

★★★★★ 今年1かも
★★★★☆ 読んで良かった
★★★☆☆ 悪くない
★★☆☆☆ 途中でやめた
★☆☆☆☆ クソ

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2025年11月28日

匿名

購入済み

世間一般的には幸せの部類に入るだろうが、何か物足りない人生。そうゆう気持ちって多くの人にあるものだと思います。彼女を可哀想な女性だとも思うけれど、散々好きな事をした馬鹿な女性だとも思う。

#ドロドロ

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

銀行から一億円を横領した話し。主人公の梨花は顧客の孫である大学生の光太に恋をする。綺麗でいたい、特別な時間を過ごしたいと、願いを叶えるために、顧客のお金に手を付ける。最初は出来心だったが、沼のようにハマっていく。やめることが出来ない怖さを感じた。

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2026年03月29日

Posted by ブクログ

言わずと知れた名作。
角田光代さんがどこにスポットを当ててこの物語を描かれるのか、見てみたかった。

やはり凄いと思った。
繊細な心理描写もさることながら、だけど。
これまで真面目に生きてきた梨花が、一線を超える場面が、はっきりとどこ、と言えない部分が。
「後で戻すから一旦借りる」これ、自分も家庭内でした事が無かったっけ。
それから、夫婦の会話で感じる違和感、好きな人に満たされてると感じた時の「万能感」、またこの言葉やらのチョイスが凄いんですが、その漲るような力も、分かる気がする。
それに、光太にも梨花にも、誰かを陥れてやろうとか、明確な悪意はなくて。だからこそ、反省もせずエスカレートしていくんだけど…気持ちを理解できなくもない。
梨花の過去を知っている友人たちが思い描く梨花の姿が、それを肉付けしていく。梨花まではいかないまでも、お金に翻弄されて、確実に大切なものを失っていく人が多く描かれる。
読み終えてからも、色々と考えさせられる作品です。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お金と、心に満たされなさを持つ人の話だった。

主人公の梨花。ちょっとぼーっとしていて、何事も深く考えなくて、見たくないものは見ようとしない。そうして暮らしているうちに、日常の物足りなさや、退屈さを埋めるためにお金を使うようになる。始めは化粧品や、服。ちょっとお高めのデパートの惣菜。

少しずつ、少しずつエスカレートしていって、顧客のお金を拝借して、借金をして、その借金を補填するためにまた新たなお金を、かき集めて。そのうち贅沢が手放せなくなって、夢のような時間のために、現実で帳尻を合わせるよう奔走して。

自分の欲のために、自分の都合のいいように解釈して、見たくないものは見ないで、深く考えないで、ずーっと薄暗い悪意を抱えながら、言い訳してさらにお金を使っていく。

一瞬、すごくいい気持ちになるけど、続けているうちに金銭感覚が麻痺して、札束や金額の数字がただのかたまりになって、時間が分からなくなって、愛しているはずの恋人の話が全然耳に入っていなくて、生きている実感みたいなものが薄れていく。どこかぼんやり、地に足つかず宙ぶらりんのまま夢の中のように生きている。そしてその満たされなさを、また他人のお金で埋める。

光太くんが少しずつ、少ーしずつ心が移り変わっていくのを、光太視点で描かずに分からせるところがすごく上手だなと思った。

お金との距離感と、人との距離感。家族でも、恋人でも、親子でも、友達でも、銀行員と顧客でも。適切でないと一気にバランスが失われていく。

本当、少しずつ、少しずつ堕ちていくところや、心が変わっていくのが、じんわりと流れ込んでくるように伝わってきて、心地よく読み進められた。少しずつ、少しずつが、見事だった。

苦しいだろうな、とも思うけど、アホだな、とも思った。あと、もうとっくの昔から取り返しつかないのに、もうやめなよ、それ以上は…ヒリヒリしながら読んでいくのも楽しかった。

梨花と、生き方が違いすぎて感情移入はなし。なんで大事なことから目を逸らし続けられるの。感覚が鈍い感じがして、想像力がなくて。満たされなさを持つ人の、浅はかで弱いところが見えた。こうしてどんどん堕ちていく人、いるんだろうなって、それで大きな罪犯してしまうのかなって、想像できた。

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2026年03月20日

Posted by ブクログ

1億円を横領した女性銀行員と彼女の同級生たちの話。人間の弱いところを深く生々しく露呈した作品。お買い物中毒の話でもなく、若い男に貢ぐ話でもない。自分がどんな人間なのか、探しても探しても見つからず報われない主人公の話。

「かわいい子には旅をさせよ」とはよく言ったものだなと。若いうちからもっといろんな経験を積んでおけば、自分で自分の道を開拓できたのではないかと思う。
ずっと心に穴が開いたままの主人公が、顧客の預かり金から一時的にお金を抜いてしまったことから全ては始まる。

生きていくのにお金は必要だし、お金の余裕は心の余裕は事実。でも、人生で大事なものはお金では買えないものばかりで、お金って実は何でもない。紙で作られてるのがその証拠。もはや最近なんてキャッシュレスで目にも見えない。そう思ったらお金って恐ろしい。

主人公が報われないのは、お金で自分を見つけようとしたり、お金で人を変えようとするから。人は苦労したり、辛くて涙を流したり、何かを乗り越えたりしないと強くなれない。かく言う自分もまだまだ成長の過程にいる。そう思うと自分の身に起こってもおかしくないと読者は感じさせられるので、この小説に更に現実味が増す。

まだまだ感想はあるけれど、人生論みたいなものを語ってしまうほど考えさせられる作品でした。読みやすくて、終盤の嵐のような展開もすごく良い。紙の月というタイトルも素晴らしい。

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2026年03月13日

Posted by ブクログ

ひりひりと痛みが伝わってくる場面が多いのに、本人は気づかなくて読者としてもどかしい。一見何ともないが痛々しい状況を丁寧に描写し続けている。人間の欲って夢中になれる良さと同時に麻薬となって抜け出せないね。

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2026年03月10日

Posted by ブクログ

★★★★ 何度も読みたい

銀行の契約社員だった40代の女が、大学生と不倫し、顧客の資金を横領する話。また、彼女に関わった人の、事件発覚後の感情や生活も、オムニバス形式で語られる。

仕事上の自分が本当の自分なのか自信がなくなる、自分を見下すことでプライドを保つ夫に自尊心を削られる、誰かに選んでもらえて嬉しい、彼の周囲の若い女に勝てるのか自信がなくなる。主人公のした横領は、確かに大それたことだが、その原因一つ一つは共感できるもので、だからこそ生々しく、読み進める手が止まらなかった。
なぜこんなにのめりこんだのだろう。それはきっと、この作品が、主人公が、ずっと『自分』を探しているからだ。自分の一部であるだけの仕事が、いつしか自分そのものになってしまいそうな不安。退職してその不安から一時的に解放されても、組織に属すればそれはいずれまた襲ってくる。その、自意識の不安定さは誰しも感じているのではないだろうか。

また、主人公のお金への考え方が、他者から見えている姿と実際とで大きく乖離していたのは興味深かった。見返りを求めず奉仕している↔︎お金はあればあるのが当然。使いたい人が使うもの

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2026年02月16日

Posted by ブクログ

友人に勧められて手にした本書。
一億円を横領する女性の物語なのだが、とにかく怖かった。
怖くて怖くて両手で顔を覆うけど、指の隙間から覗き見るというような感覚で、怖いところはガンガン飛ばし読みしてしまった…
そして、ものすごい余韻。
角田光代さんはほんとにすごいなぁ。

ホラーでもないのになぜ、そんなに怖いのか。
それはやっぱり、自分も梨花のようになってしまうのではないかと思わせるような心理描写なのだと思う。
横領するなんてただのバカな人と思う。
一方で、仕事に対する不確かな自信や夫婦の会話の噛み合わなさ、学生時代に慈善活動をしたことなどの歪んだ自己満足感、自由なお金を得た時の解放感…すべてが自分にもあるあるで、一歩間違えば梨花のようになってしまっていたかもと思わせる。

まぁ、確かにそんな感情は誰しもが抱くもので、それがなぜ横領してしまうほど欲望に溺れてしまったのかと考える。なかなか難しい。

10年以上前に、同じ職場ではない仕事の関係者が、横領で逮捕されたことを思い出した。
とても頭がよい人と認識され、かなりのポジションを持ちテレビ出演もしていたが、横領の前からパワハラが酷く被害者は数え切れない程だった。
そして、いつも派手な出で立ちで威圧的に講演をしていた。

彼と梨花の共通点は…?

もしかしたら、一度お金で得た優越感や全能感で、ドーパミンやらアドレナリンが一気に放出して、麻薬中毒のようになってしまったのか。

頭の回転がよく、横領を誤魔化すための工作もアレコレ思いついて実行できるし、認知症の被害者を施設に入れてあげたいと思ったということから、想像力もある。

だとすると、病的な中毒症状なのかも。

印象的だったのは、梨花が光太が大学を辞め、就職せず過ごしていることなど、聞かされていたはずなのに覚えていなかったこと。
そこで彼女は決して光太を愛していたわけでなく、自分の優越感のために光太を利用していただけだったと気づくこともなく…光太だけが花火の奥に見える細い月を眺めながら、それを悟ったと思わせる場面。

梨花は誰かを愛することもできず、愛されることもない寂しい人生だった。
だから、自分で自分を幸せにするために必死だったのだろう。

私には愛する子ども達がいる。
彼らが愛されていることを実感できることは何だろう。お金に支配されずに、自分は愛されていて、幸せだと思える、そんな子育てをしたいと思う。

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2026年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ごくごく平凡な主婦の主人公が、ちょっとしたキッカケから始まって小さな過ちを重ね、やがて取り返しのつかない大犯罪をおかしてしまう様子がとてもリアルでした。
犯罪者になるには、何も特別な家柄や人格が必要なわけではなく、誰にでもその可能性がある、という事実を突きつけられました。
自分ではちょっとした心の隙間だと思っているものが、何かのキッカケで全然ちょっとしたものではないものに育っていってしまうのかもしれません。

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2026年02月09日

Posted by ブクログ

銀行勤めの主人公が色々な手を使って銀行から金を引き出し、好きな若い男に貢ぐ話だが、実にリアルな心情を描いています。
真面目一筋の主人公が落ちていく様や、もう後戻りできないと悟った様、場面ごとの感情がイメージ出来ます。
捕まるの?逃げ切るの?捕まりたいの?逃げたいの?と、最後の最後までドキドキしながら読みました。

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

読み終わってから少し心が重い。
経済的に安定したとき、前より自信がついた気がした。なぜだろう。収入が多ければ自分の価値が上がるとでもいうのか。そんなことを考えた。自分の言動を振り返った。無自覚だった変化に気づかされた。自分の価値、自分がどんな人間なのか、誰がどうやって決められるのか。誰かが決めることでもないが、稼げるお金、身なり、住んでいる家、社会的地位・役割など、分かりやすいもので比較し、満足したり不満に思ったりしてしまいがちだろう。これがあれば満足というものはないから、何かをきっかけにバランスを崩してしまえば、求める心を止められなくなる。

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2026年01月22日

Posted by ブクログ

プライドやお金への執着から主人公の人生が破滅していくお話。冷静に考えたら犯罪なのに、少しなら大丈夫だろう、バレる前に戻せば問題ないといった甘い考えや自分への言い訳が、人間の弱さを見せられているようでスリリングでした。そして日常に幸せを感じられず、欲のまま犯罪に手を染めてしまった主人公が可哀想でもあった。それと、ギャンブルや借金に依存する人ってこんな思考なのかな...と思いました。
値札を見ずに買い物したり、他人を見下したり、人の性格まで狂わせてしまう力があるお金って怖い。

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2026年01月11日

Posted by ブクログ

男とお金に支配されていく主人公の様が面白い。
特にお年寄りのお客さんと信頼関係が出来ているからこそ、ここまでバレずに出来たんだろうね。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

怖かった〜。
梨花は最初から不正をしようと思っていたわけではなくて、むしろ正義感の強い人だったのに、そんな人がどんどん深みにはまっていく描写が読んでいてハラハラしたし、悲しかった。
横領に手を染めるのは誰でも可能性あることのように思えて、本当に怖くなった。
気をつけよう。

ミリ単位で印刷合わせるのとかは苦手だから無理。笑

お金があっても幸せとは限らないんだな。

角田さんの作品なので犯罪者側を応援してしまうかなと予測しながら読んでいたけれど、今回は早く捕まったほうが梨花がこれ以上不正を繰り返さなくなるから、はやく捕まってほしいと願ってしまった。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

顧客の金銭を横領した梅澤梨花の物語と思いきや、"お金"という存在に翻弄される女性たちの物語だった。
梨花の報道をきっかけに梨花に思いを馳せる木綿子、和貴、亜紀だが、犯罪こそ起きていないものの彼らを取り巻く環境も梨花とそう変わらない、お金に翻弄される日々だと明らかになっていく。
客の預金を横領してしまう、消費者金融の借入れをやめられない、過度な節約をしてしまう、そんな女性たちの描写がリアルで、そこに至るまでの過程も生々しく、他人事ではないのではないかと思ってしまうほどだった。
お金で買える幸せとは何か、買えない幸せとは何かを考えさせられる話だった。

最近本をよく読むようになり、様々な著者の本を読んだが、角田さんの文章は言葉のつっかかりがなく、情景や心情が頭にすらすらと入ってくる読みやすい文章だった。
難しい言葉は多くなく、でも表現は豊かで情景をありありと思い浮かべられるところが良いなと思った。
また角田さんの本を読んでみたい。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

原田知世のドラマで観て面白かったので原作も読みたいと思ってた。原作もやはり面白かった。この話を他人事と思えるか、自分ももしかしたらどんなきっかけで転落していってしまうかわからないと思うかで感じ方も変わってくると思った。

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2025年11月08日

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ずーんとくるお話。女性なら少し共感できる登場人物がいるんじゃないかな。大きな事件のきっかけって第三者が思ってるよりもずっと些細なことで、何かがきっかけで誰でもそっち側になり得るんだよなと。お金のことっていまだ日本人はあけすけに友人と話すことをしないけど、同じような経験をした事がある人も知らないだけできっと沢山いるんだろうと思う。登場人物みんな幸せになってほしい。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

不正をして堕ちていく梨花を、あり得ない愚かだと重い気持ちでずっと読んでいた
読み終わってみれば、この物語はそれだけじゃなくて、梨花以外の女たちもお金に翻弄されて、苦しんでいる
平林幸三や名護たま江も多額の財産はあっても孤独で寂しい人生だ

人は幸せを求めて生きている
でもお金で買える幸せってその場限りのものでキリがない
宝くじ当たったら何に使おう…なんてワクワクしながら考える
当たるはずないから、現実に戻る(笑) そんな人生
心が空っぽにならないように、形のあるものに価値をおかないように…
人生って落とし穴が沢山ありそうだ

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2025年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あらすじは知っていたので、もっと光太が策士で梨花を陥れていく展開かと思っていた。以外にもここまでの様々なストレスから梨花が自ら泥沼に嵌まっていく展開が何ともスリリングであった。
光太も徐々に堕落していった様子であったが、最後は何とか自分を取り戻していた様子であり、最後まではっきりとした悪役がいなかったように思う。横領自体は犯罪なのだが夫:正文の何気ない圧にこれまで堪えていた梨花のストレスは自分でも気づかない内に許容量を超えており、同情してしまう部分はある。だからといって皆が犯罪には知るわけではないし、彼女もほんの一瞬魔が差してしまったことで地獄の階段を降りてしまったのだろう。
梨花と旧知の3人にまつわる話が最後に繋がってくるのかと思いきや本線には絡んでこず、お金にまつわる夫婦や家族のエピソードが誰にでも起こりうるリアリティを感じた

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2025年09月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

4人の話が繋がるのかと思ったら繋がらなかった。お金に価値を置きすぎている?もしくはお金に価値を感じられなくなった?人の話。
ほんとうに銀行で横領した人もこんな感じで坂を転がるように使ってしまのかな。みんな性愛絡みで転がり始めるのかな、と実際の事件を調べたくなった(今から調べる)
お金をじゃぶじゃぶ使える状態だって人間は慣れてしまって幸せを感じなくなるんだろうなあ

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2025年08月29日

Posted by ブクログ

実は角田さんの小説は初めてです。「韓国ドラマ沼にはまってみたら」というエッセイ本で見て読んでみたくなりました。
まず、つい最近話題になった大手銀行の貸金庫窃盗事件となんて似てるのかと驚き、角田さんの取材力の正確さと10年以上前と、銀行のずさんな体制がほとんど同じことに一層驚きました。
作品は、極端に歪んだ主人公の自分探しの果てを描いたものなんだけど、ある瞬間、もしかしたらふとしたきっかけで自分の心の奥にも湧き上がるかもしれないのかもと思って読みました。

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2025年08月27日

Posted by ブクログ

銀行員の梨花が、ある出来事をきっかけに少しずつ道を踏み外していく物語。最初はほんの小さな綻びだったはずなのに、気づけば取り返しのつかないところまで転がり落ちていく。その過程があまりにも生々しくて、読んでいて怖くなる瞬間が何度もあった。痛々しくて、正直かなり重い読書だったと思う。

ただ、読み進めるほどに「梨花は何を求めていたんだろう」と考えずにはいられなかった。本当の自分を探していたのか、それともただ今の自分から逃げたかったのか。彼女は結局どこへ行きたかったのだろう、と読み終えてからもずっと考えてしまう。

決して楽しい話ではないし、むしろ苦しくなる場面のほうが多い。それでも、読み終えたあとに残る余韻がなんとも言えない。

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2026年03月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全然共感するポイントも何もなかったけど
実際に逮捕された女性がいるもんね。居るんだよリカみたいな人は。

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

何かを買うという行為を通じて、自分が何を手に入れようとしているのかを考えさせられる。各登場人物の心理や行動には極端なところもあるけれど、全く別の世界の話ではなくて、何かのきっかけがあれば自分もそちら側に転びうると思うし、共感できる部分も多かった。タイトルの紙の月、の紙はお金のことなのかな・・・?ペラペラで薄い月のイメージが、主人公が、お金を使うことで手に入れられたと錯覚したものや「自分」にリンクしているような気がする。

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

最初は「真面目な主婦が、ちょっとした好意からお金を使ってしまう」という小さなほころびから始まります。しかしその一歩が、次第に感覚を麻痺させ、最後には**「自分は誰かのためにお金を使っている」「幸せになるためだから大丈夫」**という自己正当化へとつながっていきます。

主人公・梅澤梨花は、ごく普通の女性。結婚し、銀行でパートとして働き、何不自由ない暮らしをしているはずだった彼女が、若い男に出会い、少しずつ、しかし確実に崩れていく姿は、決して他人事ではないリアルさがあります。

角田光代は、この「日常が崩れていく過程」を実に繊細かつ冷徹に描きます。梨花の心理描写はとてもリアルで、彼女がなぜそうしてしまったのか、読者は「理解はできるけど、共感はできない」という複雑な感情に包まれます。

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2025年12月23日

Posted by ブクログ

銀行の金を使い込む主婦の話。恋愛の物語としては非現実的ながらエンタメとして面白かった。映画化されるのもわかる。 女友達が超倹約家だったり、浪費家だったりと金の使い方がいろいろ語られる。金に苦労している時期だったので興味深く読めた。

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2025年12月18日

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