【感想・ネタバレ】紙の月のレビュー

あらすじ

ただ好きで、ただ会いたいだけだった――わかば銀行の支店から一億円が横領された。容疑者は、梅澤梨花41歳。25歳で結婚し専業主婦となったが、子どもには恵まれず、銀行でパート勤めを始めた。真面目な働きぶりで契約社員になった梨花。そんなある日、顧客の孫である大学生の光太に出会うのだった……。あまりにもスリリングで、狂おしいまでに切実な、傑作長篇小説。各紙誌でも大絶賛された、第25回柴田錬三郎賞受賞作、待望の文庫化。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

夫と上手くいかない冷えきった夫婦関係の女性が変わろうと銀行員として働き始めるも、そんな中で光太という若い男に出会ったことで横領してしまい、海外へと逃亡する話。
実話でも似た話ありそうだし、本人にしか分からない胸の内が赤裸々に描かれていた。
どんどんと金銭感覚が麻痺していく様がリアルで、捲る手が止めたくなるほど苦しくなるストーリーだった( ˟_˟ )
正義感が強い人ほど、歯車が狂うと別の方向に正義感が生まれてダメになるのかもしれない。
なんとなく惹かれて手に取ったけど読んでよかった◎角田さんの小説まだまだ読みたい。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画も知らずにあらすじ見て読んでみた。
ただ普通の派遣会社勤務の梨花が少しずつ狂っていく様子が読んでいて怖かった。最初は好青年(?)だった光太がだんだんクズ男に成り下がっていくのもよかった。
いくつかの事件を基にしているようで、リアリティもあり、自分に起きたらどうしようという恐怖もあった

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2014年に映画化された小説。
大島優子が絶賛されていたっけ。
タモリと宮沢りえの深夜番組で宮沢りえのキュートさに惹かれた。可愛い大人。
宇都宮出張にかこつけて買った一冊だけど、一気に読み切った。ラストどうなるの!?映画では・・・楽しみだな!

以下はお気に入りの文の引用です。
「「安上がりな」よろこびをこそ、梨花は生活に求めていたのだった。」
「釈然としない気分は釈然としないまま、軽い不快感となって梨花の内にこびりついている。」
「当たり前だよ、二人のことだもん」
「ネオンサインに照らされて夜空はぶどう色だった。」
「あのとき白樺並木をともに歩いた自分たちが、この二十数年で、どのくらい離れた場所にきてしまったのだろうか」
「当然すぎて、当然だと思うこともしなかった。だってそんなことを、本当に梨花は頼んでもいないのだ。」

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2025年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あらすじは知っていたので、もっと光太が策士で梨花を陥れていく展開かと思っていた。以外にもここまでの様々なストレスから梨花が自ら泥沼に嵌まっていく展開が何ともスリリングであった。
光太も徐々に堕落していった様子であったが、最後は何とか自分を取り戻していた様子であり、最後まではっきりとした悪役がいなかったように思う。横領自体は犯罪なのだが夫:正文の何気ない圧にこれまで堪えていた梨花のストレスは自分でも気づかない内に許容量を超えており、同情してしまう部分はある。だからといって皆が犯罪には知るわけではないし、彼女もほんの一瞬魔が差してしまったことで地獄の階段を降りてしまったのだろう。
梨花と旧知の3人にまつわる話が最後に繋がってくるのかと思いきや本線には絡んでこず、お金にまつわる夫婦や家族のエピソードが誰にでも起こりうるリアリティを感じた

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2025年09月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

4人の話が繋がるのかと思ったら繋がらなかった。お金に価値を置きすぎている?もしくはお金に価値を感じられなくなった?人の話。
ほんとうに銀行で横領した人もこんな感じで坂を転がるように使ってしまのかな。みんな性愛絡みで転がり始めるのかな、と実際の事件を調べたくなった(今から調べる)
お金をじゃぶじゃぶ使える状態だって人間は慣れてしまって幸せを感じなくなるんだろうなあ

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2025年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「お金は人を狂わせる」って
欲張りな人のことだけではなかった
ただのきっかけにすぎなかった
梨花が犯罪者なら正文は何なのか
道を踏み外した人間、踏み外させた人間
同罪ではないか

堕ちないでいるためにはどうしたらいいのだろう

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画→小説の順で見た。
映画版で学生時代に募金をしないクラスメイトに腹を立てた梨花が父親の財布から金を抜き取って募金するエピソードがすごく印象的だった。
梨花の行き過ぎた正義に賛同してしまったからだ。

その無欲で正義感の強い梨花が狂っていく様が恐ろしかった。序盤の手持ちのお金がなくてお客から預かった金から5万円抜き取って会計したシーンも、すぐにお金をおろして元に戻したとはいえ、ものすごくハラハラした。この本は心臓に悪い笑


客のお金に手を付けたのも、はじめは光太の借金返済の為だったのに、当り前のように自分の家のローンまで返済に充てようとしててオイオイオイオイ、って声が出そうになった。
光太との出会いが梨花を狂わせたのだろうが、誰だっていつどこで何がきっかけでタガが外れるわからない。他人事じゃないのがまた怖い。


梨花は与える事でしか愛情とか喜びを表現できない人なんじゃないだろうか。
多分、これからもずっとそうなんだと思う。


梨花を取り巻く人達の話がまた面白かった。
木綿子は娘のためにと節約生活を強いるが娘が反発し、買い物依存症の亜紀は離れて暮らす娘への罪悪感から貢ぎ続けるも最後は金づる扱い。
当たり前だがみんな価値観が違う。


あと、登場人物の金遣いが荒くて驚いた。
単に出てくる人達が皆金遣いが荒いだけなのだろうが、今の時代では信じられない…
あと、契約社員とはいえ、月給30万稼いでも夫に対等に見てもらえないとかどんな時代?



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2025年06月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全然共感するポイントも何もなかったけど
実際に逮捕された女性がいるもんね。居るんだよリカみたいな人は。

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

梅澤梨花
旧姓:垣本。郊外にあるわかば銀行の支店から一億円を横領。高校卒業後は東京の短大に進学。卒業後、カード会社に就職。

岡崎木綿子
旧姓:小田。梨花とM女子学園の中学・高校時代のクラスメイト。高校卒業後は都内の大学に進学した。

ちかげ
木綿子の娘。

山田和貴
梨花と二十年以上前につきあっていた元彼。食品会社の商品管理部。十年前は営業だった。新卒で入った睦実の指導係として、スーパーやデパートの食品部をまわっていた。

木崎睦実
和貴の不倫相手。和貴よりひとまわり年下。

由真
和貴の娘。

賢人
和貴の息子。

牧子
和貴の妻。十年前までは父が会社を経営していたため裕福な生活をしていた。父の死と会社の倒産で築三十年をゆうに経つマンションで住むようになる。自分の過去と子どもたちの現在を執拗に比べるようになった。

羽山
タイで梨花に声をかけてきた日本人。「日本にいられないようなことがあった」とバンコクに来たという丸顔の男。

平林光太
孝三の孫。孝三の家で梨花と初めて顔を合わせた時に名刺をもらい、後日に梨花を誘って付き合うようになる。感情をすぐわかりやすく表に出すタイプだが、それを梨花は愛おしく感じている。

梅澤正文
梨花の二歳年上の夫。食品会社に勤務。

中條亜紀
出版社で働くキャリアウーマン。梨花とは同じ学園出身。大人になってから料理教室で再会して友人となった。七年前、三十四歳の時に離婚した。裁判の末、親権を取られた。

前田曜子
亜紀と何度も仕事をしたことがある女性に人気のコラムニスト。

岩田
編集長。

井上
梨花の銀行の上司。

沙織
亜紀の娘。

佐倉
梨花とさほど年齢が変わらない男性行員。

平林孝三
梨花の顧客のひとり。七十代半ばの老人。十年ほど前に妻を亡くし、息子と娘はそれぞれに家庭を持ち地方で暮らしている。厄介な客を指す支店内の隠語である「クロちゃん」と呼ばれるようになった。

山之内
梨花の顧客の夫妻。九州に転勤になっている息子夫婦に孫が生まれた。孫のために定期預金しようと梨花を呼ぶ。

名護たま江
梨花がパートタイマーだった頃からの顧客。藤が丘で一人暮らし。ボケ始めており、誰かが夜中にこっそり入ってくるからと印鑑と通帳を梨花に預ける。

堤潔子
旧姓:山本。木綿子が七年ぶりに参加したM女子学園の同窓会で受付をしていた。

佐藤奈緒美
旧姓:岸元。
真ん丸い顔で背が低い。梨花が指名手配されたとき、木綿子に真っ先に電話をかけてきた。

山野辺
高校二年時の学年副主任。

石井
家庭科の先生。

立松
国語の先生。

笹倉真弓
中等部と高等部の生徒会長を務めていた。

まこちゃん

きっこ

ナオ

カーコ

えんちゃん

伸義
亜紀の元夫。

田辺智恵子
七十歳を迎えた一人暮らしの老女。息子は海外で暮らしている。梨花が偽の証書を渡す。

仁志まどか
光太の恋人。二十二歳の大学生。

真一
木綿子の夫。


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2025年07月15日

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