角田光代のレビュー一覧
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出会えてよかったと思える一冊。しばらく余韻に浸っていたい。
新の現在と、母・くすかの過去が交互に描かれ、離れているはずの二つの時間が少しずつ近づいていく構成が印象的でした。
自分の出生や父親について知らない新。なににも夢中になれず、それでもどこかで自分は特別なのではないかと思いたい。でも同時に、そんなはずはないと気づいてもいる。その揺れる気持ちや感じる劣等感がとてもリアルで、胸が痛くなるほど共感しました。
くすかの過去の物語は、結末を知ったうえで読むからこそ切なく、苦しい。
大切なものが一つでもある人は強い。人はそれだけで、どうにか前を向いて生きていけるのかもしれない。
大切な人に読 -
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とても良い作品に出会えて幸せだと思えるものを久しぶりに読みました。
今の自分に刺さることが多く、最後は泣きながら読んでいました。
音楽といっしょに生きてきたと言っても過言ではないくらい、小学生の時から音楽を聴いて過ごしてきたのでふと脳内再生される歌詞とか共感できる部分が多く…語彙量がないので上手く感想を書けないのですが、読み終わったあとのこの感動と晴々とした今この瞬間を書き残したいと思い感想をかかせていただきました。
続きを読みたいけど読んだら終わってしまうけど読みたい!!と葛藤した小説も初めてでした。笑
私はだいすきな作品です。
自分の子どもにも中学生くらいになったら読んでもらいたい一冊です -
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何かのインタビューで角田さんは、「書く時にズルはしない」とおっしゃっていて、それは作中で何かむりやり出来事を起こさせて背景描写をワープして登場人物に自分の書きたい事を喋らせる、みたいな事はしないようにしている、というような話だったと思うのだけど、確かにそう言われてるだけあって、読むほうもズルして斜め読みして分かった気になれないのがこの作品だなと思った。
終盤の、みんな理不尽に耐えられないから、見たい現実を見ようとするし更には作り出そうとまでしてしまうんだ、という部分、確かにそういう人いるなぁと思った。
次読む時はじっくりと丁寧に読んで、このタイトルになった理由を考えてみたい。 -
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読み終わって、言葉を越えた共感を持つことが出来たときが、読書の楽しみと言うのだろう。
昨日読みかけた本に、文章について書いてあった。単語というレンガを積み上げたかたち、それが文章である。確かに日本語の文章はそういう構成で出来ている。そして一編の作品はその集合体で出来ている。
無数にある単語の中から作者が選んだ、一つ一つの言葉が好きで、出来上がった文章が好きで、そして一編の物語になった時、それがぴったり合った好きな作品になる。
好きな言葉があり好きな文章になっていて、それを読み終わると何かすっと腑に落ちた気持ちがする、その上作品に溶け込む感じがする。優れた作品からは作者の言いたかった、作品に託し -
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ネタバレ何がどう良いかとか、どんな物語だったとか、説明できない。ただただ、心が揺さぶられ、気付けば涙が流れていた。本や映画などの作品に触れた後、ほんのたまにしか感じることのない、この感情。余韻。息苦しさ。興奮。吐き出したい気持ちがあるのに、言葉にできない。
希望も絶望もある。眩しい青春も、耐えられない現実もある。彩りのない世界も、色とりどりの世界もある。人生を変える出会いや別れがある。不器用で、とてつもない愛がある。色々な形の愛がある。感情が混ざり合って、どう言葉に残したらいいか分からない。ただ、この本を読み終えた今、確実に、世界の色が変わった。 -
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再読です。泣きました。
10代で読んだ頃はあまりピンと来ない部分もあったので、いつか読み直そうと思っていた作品です。
主人公の年代になった今、胸にグッとくる場面がいくつもありました。
家庭や仕事、立場の違う同い年の女性どうしの話だったかなと記憶していたのですが、物語はもっと複雑で。主人公の二人の女性、それぞれの過去を遡って、窮屈な人間関係に悩みもがきながらもどうしようもないような学生生活を語り、それが現在にどんな影響を与えているか、まるでミステリーのように読み解く事ができます。
とにかく心理描写がすごくリアルで。私も知らずに人を傷付けてはいないかな、なんて考えさせられもしました。大事な気付 -
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とても癒されました。
毎日の暮らしの中に共存している
猫という生き物が、たくさんの
作家の方々の憩いであり
生きがいであり、無くては
ならない存在でした。
家の猫も保護してから3年
猫を飼った事もない家族の中で
その存在感の大きな事、
角田光代さんの文章の中に
(以前は、自分は自分はという
感じで暮らしで辛かったところに
猫がきて自分以外の事に心を
持っていけるようになった事で
楽になった)とありました。
まさにそれです。疲れたけど
とりあえず猫に餌をあげようと
声をかける事で気持ちが良い
方向に切り替えていける。
猫って不思議な生き物です。 -