角田光代のレビュー一覧

  • 紙の月
    表紙の綺麗な絵に惹かれて買ったが、中身は表紙からは想像できないようなシリアスな話でびっくりした。
    会社のお金を横領したという事件は度々聞くが、このような裏があったのだと思った。梨花はいつからおかしくなったんだろう。梨花と光大の関係は初めからママ活みたいだなと思っていたが、親子でもないのに服や家を買い...続きを読む
  • 八日目の蝉
    終わりが気になって一気読みした。涙なしでは読めなかった。自分の子どもが誘拐されたらおかしくなる、許せない。なのに、希和子を応援してしまう自分がいる。このまま2人で幸せになって欲しいと願う自分がいる。「歯茎に白い歯が見える。宝石みたいだと思う」「海も山も、春の花も冬の雪も。びっくりするほど大きい象も飼...続きを読む
  • タラント
    半分過ぎたくらいからどんどん引き込まれていった。
    ずーっと前に行ってしまった友人達が眩しいような妬ましいような。
    自分の善意からの行動が裏目に出て、情けなくなって無気力になったり。
    何か新しいことをして失敗するよりも、現状にしがみついていたい気持ちもよくわかる。

    でもいろんな出来事や家族や友人達と...続きを読む
  • 方舟を燃やす
    切なかった 
    昔からラジオやTVそして今はネットで いろいろな情報が溢れていている中、
    どれが正しいのかデマなのか?
    自分できちんと決めて生きなさいと言われても 
    誰かや何かに「一緒に・・・」って言って欲しい気持ちがあります 

    それは弱さじゃないんだって 教えてもらったような気がします 
  • くまちゃん
    恋人を振った側の人が次の話では振られる側になる、という構成になっていて、最後まで読むと、別れを受け入れて前を向こうという気持ちが湧いてくる短編集です。
    角田光代は数々有名な作品がありますが、個人的にはこの「くまちゃん」が一番好きです。
  • 明日も一日きみを見てる
    とてもとても良かった。わたしまでトトちゃんと暮らしているかのような気持ちになれる。
    「一匹の猫と出会うと、人は全世界の猫の幸福を願うようになる」。猫ちゃんは平和の使いだね。
  • 八日目の蝉
    誘拐犯である希和子に同情。
    あのまま小豆島で細々と暮らしていけたら良かったのに…。
    大きくなった薫が希和子のことを恨んでいるところは読んでいて辛かった。
  • 愛がなんだ
    好きな人ができたときにいきなりその人の優先順位がダントツ1位になるのはすごく共感できた。これまで仲良かった友だちと次第に遊ばなくなり、距離ができてしまうのは僕も経験した。テルちゃんみたいに予定していたことを反故にすることはないけれど、好きな人と会える可能性がある日はその可能性に期待して、なにか理由を...続きを読む
  • 対岸の彼女
    私にドンピシャでめちゃくちゃ面白かった!
    葵の中高時代と30代が同一人物と思えない。女の独特な人間関係が本当上手く書かれてた。

    小夜子の人間関係に疲れて家庭に閉じこもってしまうのも分かる。
    もう一度社会に出た一歩で、見える世界が開けウジウジ悩んでた事など忘れてしまう。でもやっぱり社会の人間関係など...続きを読む
  • くまちゃん
    昔に読んだけど再読。
    40代に入り読むとまた違った感想になるな。

    短編集なんだけど、みんなが恋をしてそれぞれがフラれちゃう話。
    登場人物がみんなつながっていておもしろい。

    あとがきの角田さんの言葉で、フラれることは旅を一回するようなことくらいの良さはあると思う、とあって心に響いた。
    旅から帰れば...続きを読む
  • さがしもの
    とっても良かった…。本にまつわる短編集。わたしにとっても、この本が、次に読むまでの自分の変化を感じられる鏡になってくれそうだと思う。何年かに一度読み返したい本。
  • さがしもの
    前読もうとした時はなかなか進まなかったのに今回はサクサク読めた。この短編集にも自分の成長や心の状態によって同じ本でも感じ方が変わるというお話があったが、わたしはそれをこの本自体に感じた。この短編集を通して感じたゆったりとした雰囲気が今のわたしにはちょうどよかったのかもしれない。
  • タラント
    おじいさんの手紙がめちゃくちゃ感動。
    もどかしくもある途中のさまざまな経過もこの手紙と表紙の絵で何もかも解消。
  • 源氏物語 1
    大河ドラマと並行して、源氏物語を読むなんて機会、今年しかないから。文庫化したタイミングでドラマと並走できる幸せを噛み締めたいし、やはりドラマのあのシーンは、などと考えるのが楽しい。。

    さて、とても読みやすい角田源氏。
    各帖の頭に、その帖に最適化された系図が載るので、そこも含めてとても親切な設計。
    ...続きを読む
  • もしも、東京
    東京ってすごーい。(私一応都民ですがね。w)
    ってまあ、実感できます!本当にっ!東京をより魅力的にするために、現実と離れた東京を載せているのかな。
  • タラント
    最初はどんな話か掴みどころがなかったが、読みやすく、分かりやすく、読み進めているうちに、この物語がどんなものかすーっと分かってきて、心にじわーっと染み込んできた
  • 八日目の蝉
    誘拐と逃走劇。子どもは誰のものか、という問い。子どもが大人になることまで描いて、さらにその問いは根源性を帯びる。その時、暮らす「母」は切実で、真剣で嘘がない。しかし、その後の解釈でいとも簡単に「母」の座は変わりうる。不在にもなる。

    あとはシスターフッド。入り込みすぎず、しかし、助け続ける。なんとい...続きを読む
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。
    とてもとても良かった、今まで読んだ猫にまつわる本の中で1番良かった。最後の養老孟司のパートの1番最後の節が本当に好き。
  • タラント
    「文学キョーダイ」で奈倉さんと逢坂さんがやたら勧めてくれていたので読んだ。僕も確かに、誰かの役に立ちたい世の中の役に立ちたいと、なんでか知らんけど焦ってた時があった。って特に何かをしていたわけでもないし、具体的なものに取り組もうとしていたわけでもなかった。いや、多少はあった。でもその所為で友人から疎...続きを読む
  • 幸福な遊戯
    初めての角田光代さん。幸福の遊戯はデビュー作らしくだいぶ昔の作品だったが、現代と変わらない女性の悩みというかモヤモヤが描かれていて、とても好みの作品だった。