【感想・ネタバレ】愛がなんだのレビュー

あらすじ

「私はただ、ずっと彼のそばにはりついていたいのだ」――OLのテルコはマモちゃんに出会って恋に落ちた。彼から電話があれば仕事中でも携帯で長話、食事に誘われればさっさと退社。すべてがマモちゃん最優先で、会社もクビになる寸前。だが、彼はテルコのことが好きじゃないのだ。テルコの片思いは更にエスカレートしていき……。直木賞作家が濃密な筆致で綴る、〈全力疾走〉片思い小説!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

顔が好みだの性格がやさしいだの何かに秀でているだの、もしくはもっとかんたんに気が合うでもいい、プラスの部分を好ましいと思いだれかを好きになったのならば、嫌いになるのなんかかんたんだ。プラスがひとつでもマイナスに転じればいいのだから。そうじゃなく、マイナスであることそのものを、かっこよくないことを、自分手で子どもじみていて、かっこよくありたいと切望しそのようにふるまって、神経こまやかなふりをしてて、でも鈍感で無神経さ丸出しである、そういう全部を好きだと思ってしまったら、嫌いになるということなんて、たぶん永遠にない。

ここがめっちゃすき、納得した。
映画と違って小説は小説で面白かった(´っω・`)

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2024年12月21日

Posted by ブクログ

2024/11/09
女性目線の恋愛について描いた話。ちょっと難しいかもしれないって紹介されたので読んでみました。女性目線の恋愛の中でもこの小説はさらに特殊な片思いの形を描いているように思います。
あとがきの島本理生さんの解説を読んで不透明だった部分がクリアになりました。
主人公のテルコは田中守(マモちゃん)のことが好きなのだが、マモちゃんはすみれさんという別の女性のことが好き。
マモちゃんに家に呼ばれれば飛んでいったり、音信不通になっても連絡が来ないか待ち続けたりするテルコと、そんな恋愛の形はおかしいと言ってくれるテルコの友人の葉子がいたり、進んでいく話は緩やかな紆余曲折…?
テルコとマモちゃんの関係性が対等じゃない(あとがき談)この恋愛のゴール地点はどうなるか分からないけど、共感できる部分とそうでないところとでモヤモヤさせるバランスが絶妙だなと読んでいて感じました。

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2024年11月09日

Posted by ブクログ

ショートケーキを半分こしたら、テルコはマモちゃんにイチゴをあげるんだろうなあ
私も一生あの人に執着して生きていくのかもしれない。
幸せになりたいっすね〜

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2024年11月16日

ネタバレ 購入済み

面白い!!!

報われない恋をしたことがある人なら共感できるところがたくさんあって、でも客観的に見るとどうしてそうなるの、、、?!って思うところがあり2つの感情を楽しめる面白いストーリーでした!どうかテルコちゃんには幸せになってほしいけどやっぱり彼を選んじゃうだろうな、、、。

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2019年04月17日

ネタバレ 購入済み

良かった

すごく続きがあるのではと思ってしまった。と言うか、の先テルちゃんが幸せになる気がして、テルちゃんがすごく強くて良かったと思える作品。途中までなんだこれ、と思いながら読んでいたけど、流石角田光代。言葉の節々に自分の人生と重なるところがある。

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2019年04月14日

Posted by ブクログ

成田凌が出ている映画で知っていたけど、内容は知らずページ数も少ないので読んでみました。

テルコがどうしようもないぐらいマモちゃんに惚れて、溺れて、雑く軽く扱われて…

ここまでではないけれども、自分の中で好きな人の優先順位が高くなってしまって、自分らしさが失われていった経験は過去あったなあと思いました。


あと最近の自分の恋愛観と同じことをテルコが言っていて、刺さりました。
顔とか、性格とか…『××だから好き』といった条件は、そうじゃなくなったら嫌いになるけど、
『存在が好き』、『マイナスもひっくるめて全部好き』って状態になったら、永遠にその人のことが好きだよなあと。

いい作品でした。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公にまったく感情移入できなかったけど面白かった。好きな人のために仕事に支障をきたすのやばいけど、主人公はそんな自分を客観的に見れているからアホじゃない。それなのに片思いの相手に会うと極端な行動をとってしまうのはまさに恋は盲目って感じ。普通は脈なしだと判断したら身を引くんだろうけど主人公にはその選択肢がない。ラストで彼女が選んだ道は狂気を感じて別の生き物を見ている気分になった。
マモちゃんのどこがいいのか分からなかったけど、「プラスの部分を好きになったら嫌いになるのは簡単だ(要約)」という文章で腑に落ちた気がした。あのシーンが1番印象的だった。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

映画を先に見ていたため、内容がすっと入ってきた。
テルちゃんの気持ちは痛いほどよく分かるし、それをよく思わない恋愛もあることはよく理解できる。
痛い思いをするか、盲信してついていく、あきらめるしかないのかな〜。
心情の変化がありありと見てるし、説明的文章がなくて読みやすい。

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 友達である葉子には猛反対されてもより燃え上がる恋。
 恋にひたむきすぎるテルコ。それは、まもちゃん(想い人)を「好き」、自分含めたその他すべてを「どうでもいい」に容赦なく分類するほどの徹底ぷり。仕事にも職場での人間関係にもがたつきが生じるほどに。

 でも、ここで面白いのは、両想いとなり恋人へと関係性が昇格する、という乙女めいた盲信はせず、自分自身を冷静に、時に卑屈に俯瞰しながら恋愛に狂っているところだ。
「マモちゃんの行動パターンはこの5ヶ月で完璧に把握した。三日、乃至四日会わずにいると、私に会いたくてたまらなくなるということでは、どうやらないらしいと近頃私は気づきつつある。単純に、ごはんをいっしょに食べる友人のローテーションなのだ。」
という文章や、自分の行為はストーカーと総称されるだろう、という悟ったような語り口が面白い。
 テルコは、他人の目にどう映ろうが、自分だけがこの独りよがりな恋愛観を理解していればよいと考えていた。多少の外野からのヤジは、むしろテルコを焚きつける要素でしかなかったのかもしれない。


「どちらにしても、マモちゃんは私の嘘を信じる。午前0時20分に、空腹のまま家で何もしていない人間がいるかどうかなどと彼は疑わない。人として品がいいのだ、と私は思う。」
 マモちゃんのことを全肯定するテルコは、マモちゃんの、飲み友さえ見つけられれば良い、テルコの事情にはさして興味がない軽薄なやつだと薄々わかってはいても、なんとか誉め言葉を探し出してきてマモちゃんに当てはめる。
 これは、恋が冷めないためのテルコなりの精一杯の抗いなのか、それともテルコが勘違いしないように頑張っているのにそれでも期待させてくるマモちゃんへの僅かな反撃の意味を込めての皮肉なのか。と、私たちならその二択のどちらかの心理だなと睨むだろう。
 しかし、その直後にマモちゃんに呼び出されて、テルコが「ひゃっほう」と声に出してわかりやすく浮足立っていることから、先述の「人として品がいいのだ」といった冷静ぶった発言も、単純に恋の熱に浮かされて出た言葉だという考えに大きく傾く。
 そう、恋に振り回されている間は論理が通用しない。私がこうして真面目に考察してみようとする姿勢こそ滑稽なのかもしれない。

「でも言っておくけどさ、マモちゃんは私が徹夜したなんて知らないよ、知ってたら自由席をありがたく受け取ってくれたと思うな、私、余ってるチケットがあるって言っただけだから」
 チケットを徹夜で取ることが、引かれるような行為だと自分でもわかっているのだろう。マモちゃんがありがたく受け取る以外の反応、例えば感謝がなかったり、引いたり、といった反応をされることが薄々わかっていたはずだ。また、それがもととなってテルコのマモちゃんへの幻滅へと事が進むことが怖くて徹夜したことを言わなかった、という側面もありそうだ。

 マモちゃんとの関係性をわきまえて、満足し、冷静に現状維持の関係を楽しんでいるように思われたテルコだが、ひとたび関係性に発展の兆しが見えると、「そうしているつもりはないのに、耳に届く自分の声はでれでれしている。」という具合にしっかりと大衆恋愛に沿った乙女の反応を見せている。
 マモちゃんといる時は、素気ない態度や胸中での冷えた分析を織り交ぜつつ、愛の暴走をセーブしている分その反動で親友の前では解き放たれ、でれついている。しかも、自分の声が耳に届くまでにはでれでれしているということに気がついていない様子だ。これは相当の厄介ものだ。愛の暴走をセーブできているというのはテルコの思い上がりで、その実、水面下で愛をより大きく育ててしまっている。結局テルコも例に漏れず、こうした客観的に見て頭の悪い恋愛をしてしまっているのである。

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2025年06月22日

Posted by ブクログ

人を好きになって執着し過ぎてしまう姿を見て、「やめればいいのに」と思ってしまうと同時に自分の中にもこんな気持ちがあったなと少しのあるあるを感じてしまう。

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2025年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

サクッと読めるかなと思って久しぶりの読書。
1週間くらいで読めた。
いつかマモちゃんのことスパッと捨てていい彼氏ゲットして前も向けて終わるのかと思ったら全然違った。もはやホラー。愛ではなくて執着だよ。
何度もえー!?!?って思う場面があった。もうここでさすがに目が覚めるでしょ、ってところ何回もあったのに。ここまで自分のこと蔑ろにするのは家庭に問題があったのか?と思ってしまうくらい。この恋愛は20代前半までだよ…。
ナカハラくんは色々理由をつけたとしてもちゃんと区切りをつけれてえらいと思うよ。
私もテルちゃんみたいな女の子のことは嫌いだと思う。恋愛でここまで人生狂わされたくない。
(嫌いだけど私もテルちゃんみたいな一面持ってるなと思う。自分を客観視できない時は特に。)

マモちゃんが成田凌なのはなかなかいいチョイスだと思う。成田凌にクズ役のイメージができてしまったのはこの映画が原因なのか?

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2025年01月18日

Posted by ブクログ

どこか自分と重なってしまうところがあって、悲しくなった。
でも、大体の人がそうなんじゃないかなって。
人が人を愛することってとても素敵だけど恐ろしさもついてくる。
色んな意見があると思うけど、私はそれでもいいんじゃないかなって思った。
自分の好きな人のために尽くすテルコやナカハラがすっごく愛しく感じた。
この内容に関してはまだ恋愛経験のない私は絶対的な意見を言えないし、わからない内容もちらほらあった。
自分が歳を重ねるたびに、この本を読みたい。
きっと考え方が変わっていくだろうから。
次、手に取る時が楽しみです。

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2024年12月22日

Posted by ブクログ

高校の時のあたしがここにいて心が痒くなった!
「好きである」と「どうでもいい」にキレイに二分されてしまうこととか、ひとつひとつの景色が既に懐かしい愛おしいと感じるのはその光景ではなくマモちゃんであることとか。
すみれさんが言っていた「恋人を身内と考えるか、1番親しい他人と考えるか」て話、私の恋人はどっちだろう?と考えたけど、そんなことより自分はどうだ?と思った。一緒にいる時間が増えて仲が良くなってあたりまえに感じても、いつか結婚しても、私は1番親しい他人でいたいと思った。

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2024年12月11日

Posted by ブクログ

最初読み始めた時は主人公とマモちゃんに対してイライラを積み重ねつつ読んでいた、主人公にはどこか同族嫌悪的な部分があり、マモちゃんへは単純にこの人の行動は人として如何なるものかどうなのか…という気持ち。
ただ、最後まで読んでみると、この2人だけでなく登場人物皆、何か抱えていて何かが欠けていてどこかが不器用で…。何か完璧でなくてもいいんだ、もっと適当に生きても大丈夫だ、とこの本のおかげで肩の力が抜けた気がします。

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2024年12月05日

Posted by ブクログ

大学生の時に映画を見て大好きになった作品。
映画内で印象に残っていたセリフは原作にはなかったことが判明。

自分もテルちゃんみたいに好きが始まったら全てが恋愛になってしまうタイプだし、先読みの先読みがお節介だと思われて失敗してしまうことがすごく多い。愛がなんだは自分の恋愛観みたいなものを客観的に見せてくる、苦しい作品でもある。
でもなんだかんだ辞められないんだよな、恋愛

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2024年11月17日

Posted by ブクログ

初めての恋愛小説。登場人物も少なく、非常に読みやすかった。好きな相手に執着した経験がある人には、ものすごく刺さる作品だと思う。

映画では中原くんがテルコちゃんに向かって言う「幸せになりたいっすね。」ってシーンがあるんですけど、原作には無いんですね〜。小説にも映画にも違った良さがあります。

テルちゃんの気持ちも理解できるけど、自分を大事にして欲しいと伝えたくなる。テルちゃんからしたら大きなお世話なんだろうけれど。

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2024年11月01日

匿名

購入済み

ストーカーの心境を見たとゆう感じでした。
恋に溺れる事はあれど、自分をこんなにも蔑ろにする男に、ここまでの執着ってわくものなのか?彼女だったら、もっと楽しい恋愛できそうなのに、そうゆう恋愛にしか心動かされないのか?恋の結末が見えてるのになんで?モヤモヤしっぱなしでした。

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2024年10月16日

Posted by ブクログ

つらいぜ~~~、、映画からの小説からの映画というふうにこの作品を楽しんだのだが、映画は成田凌がかっこよすぎた為、小説見たらマモちゃんがあんまかっこよくない男だったんだなと、その上でテルちゃんは好きだったんだなと、余計に沼の真実を知る。アラサー女子の恋愛を最近よく見るが、みんなこんな感じで拗らせちゃうな〜と思う

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2024年08月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読
この最初から最後まで胸が苦しくて、すごくわかるけど絶対ダメって知ってる片思い。素敵な人の周りを物欲しげにうろついて、自分で自分を満たせないかわりに誰かを満たすことで、自分を肯定してほしいって全力でアピールする愛情乞食。わたしがなったことも、されたこともあるけど不毛だし痛いし正直自分でも終わりどころを探してるところもあるのに。具体的な魅力があるわけでもないのに大好きだからやめどころがわかんない。テルちゃんも、わたしも、終わりはまた先延ばしになってしまった。

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2024年08月17日

Posted by ブクログ

かわいい小説。
テルちゃんは完全にイカれてます。でもしんどいくらい共感する部分もある。心ではわかっているのに何故かいつまでも執着してしまう。
逆にマモちゃんを見ていて、自分の過去の行いを思い返すこともありました。あの時、自分はまったく相手のことを考えられていなかった。

いろいろ過去の恋愛を思い出しながら読み進められたのは、月9みたいにキラキラしていない等身大の話だからなのだと思います。

今泉力哉監督の映画が好きで、「愛がなんだ」もお気に入りの作品なのですが、今まで原作の存在を知りませんでした。読んでみて、描写や台詞回しなど今泉監督の原作へのリスペクトを感じました。

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2025年03月26日

Posted by ブクログ

「なんだか、どんなふうにかはわからないけど、世界はみんなどこかで折り重なって、少しずつつながっているのかもしれない。」(本文より)
あざとくて何が悪いの?で鈴木愛理さんも同じようなことを言っていました。
映画も良かったです。

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2024年10月27日

購入済み

恋とか愛とはちょっと違う、見返りを求めない複雑な恋愛感情。
主人公は今まで読んだ恋愛本に出てくる女性とはかなり違っていた。
こんなに一人の人に一方的に執着することは、自分には出来ないなと思った。

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2020年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

星3.4

どこにでもありそうな、平坦な、大きな事件や事故があるわけでもない、ただ当人にとっては大きな問題がある。
そんな、どこかにありそうな「日常」を描いた物語は、その主人公の思考の動き、表現が面白ければ面白い。

序盤から主人公の思考の動き、言葉選びや表現は面白かった。
だから、面白かった。

大きな事件や事故があるわけではない、と書いたけれど、主人公はなかなかの変人である。

好きな男に片思い。病的な片思い。常軌を逸していると、冷静な立場からは思えるだろう。

冷静な立場からは変人、と捉えられる主人公の物語といえば「コンビニ人間」もそうだったが、彼女たちの思考の中には、多少なりとも納得させられる点や、共感できる部分もある。
大人なら、ほとんどの人が片思いを経験したことはあるだろう。
誰かにお熱になったとき、大なり小なり常軌を逸した行動をとった経験が、ほとんどの人にあるのではなかろうか。
私も、心当たりはあった。
冷静さを失う瞬間、行動。

多くの人が、どこかで冷めて(覚めて)成長していく。

読んでいる最中は、変人を客観的かつ安全地帯から冷静に「やべー方向に進んでるな」と、冷笑するように、性格悪く達観するような立場から
もしくは
あ、ここはわかるぞ、そうだよな、そうなっちゃうこともあるよな、と、やや共感する立場から
その二択の捉え方がいったりきたりするような感覚だった。

中盤から、きっとこれはテルコの成長の物語なのではないか、と思うようになった。
部屋が荒れて、そこに友人の葉子がやってきてテルコが再びアルバイトを探し始めたとき、きっとテルコの目が覚めるのだろう、と。
そこを振り切った後半と、結末は予想外だったし、そこが点数を押し上げた。

マモちゃんとの関係性を維持するために、好きでもない男に抱かれても、愛が無くても、まさに「愛がなんだ」という覚悟で、好きでもない男との交際を決意する。

永遠にマモちゃんの呪縛から逃れられず、永遠に続く、なにものより優先される片思いを続ける哀しさ。
哀しさを感じる結末のようにみえるが、それだけとは思えないのが、この物語の巧さとも思える。

ここに登場する人物たちは、誰一人として、正解といえる恋愛はしていない。
そもそも恋愛に正解なんかあるのか、というと疑問であるが、この場合の「正解」とは、100人に聞いて、少なくとも半数の50人以上は「いい恋愛だねー」とか「幸せだねー」と言うだろうな、ということとして定義する。

そうすると、ここに出てくる人たちは、みんな
「そんな恋愛やめたら?」などと、周囲からいらんお節介を焼かれそうな恋愛をしている。
葉子の、自分が優位に立つことに対する執着も
葉子の母の、尽くす恋愛も
ナカハラの、いつか報われるのでは?という期待も、決して葉子を悪く言わない間違えた優しさも
マモちゃんの、浅い発想と、テルコを切ると宣言して結局踏ん切りつかずキープするだけはしてしまう芯の無さも

ひたすらに、みんな違ってみんな変。
みんな間違っている。

唯一、ナカハラは少し希望の見える結末だったかのように思えるが。

それはさておき「間違ってる」と書いたが、それって誰が決めることなんだろう、と思った。


結局、当事者にとっちゃあ「いらんお節介」なんだろう、と。
幸せは自分で決めたらいい。
外から見て、テルコ、そんな報われない恋愛はやめなさいと言ったところで、そんなものは不毛なのである。

そう、この「愛がなんだ」は
「お前らが言う愛がなんだ」と、自分が信じる道へと進む連中のことを指すのだと、私は解釈した。

そして、腑に落ちた。

だから、結末がとてもよかった。

だから、面白かった。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

好きな人のためにどんなことも差し置いて行動する主人公。はたから見るとダメ人間だろう。それなのに同性の友達が良くしてくれる。片思いのストーカーなのか、恋愛ですらないのか。読後も何とも言えない感情。ただ、文章が面白い。

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

読んでるとマモちゃんの不幸を望み、山田に電気ショックをあてたくなる。
結局似たもの同士なのか、誰かに尽くして誰かを軽んじてバランスをとってしまうものなのか。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

面白かった。珍しく電車の中でも酔わずに集中して一時間ほど読めました。登場人物に全く共感も理解も出来ないけど面白かった。

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2025年11月05日

Posted by ブクログ

角田光代さんの作品を読もうと思い立ったけど、何から読もう、、そう思った時映画化されている「愛がなんだ」を手に取りました。

決してハッピーエンドとは言えない結末に、現実味を感じました。
テルちゃんからマモちゃんへの愛が深すぎてちょっと怖いまであるけど、少なからず自分重なる部分もあってゾッとする。

なんで、あんなワガママな人にこき使われてたんだろうなんて思うことあるけど、頼られたり、それで喜んでくれたりすると、嬉しいんだよね。その人がいることで自分の存在意義を見出せるといいますか。

テルちゃんは今の状態で突き進むことを決心していたけれど、私はそうならないように、生きていきたいと再確認するきっかけにもなった気がします。

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

他人から見たらどこがいいの?と思う人を、好きになることがある。そんな男やめときなよテルちゃん!と言いたいが、どうしようもなく執着してしまう気持ちも分かる。泥沼だった恋からわたしは脱出したけれどテルちゃんは……執着の恋も、ここまでいくといっそ清々しい。

恋人を身内と考えるか、一番したしい他人と考えるか……わたしは一番したしい他人派かも。

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

超真っ直ぐストレートな恋愛小説。

盲目な恋を経験したことがある身なので冷静に読めなかった笑。ただ、恋愛なんて痛い思いしてナンボですから。

シラフでは会えないから一杯引っ掛けてから会いに行くシーンが特に切なかった。マモちゃんの前では理想の自分でありたい、という想いが空回ってて、それでも繕わなきゃ会えなくて。好きな人の理想が自分なら楽なのにね。

ただ面白いのがこれだけ身を焦がすような片思いをしていても、ある日突然目が覚めて現実に戻される。その辺りも非常にリアルで面白かった。
表題にもある「愛がなんだ」という気づきが、今後のテルちゃんを支えてくれると思う。

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2025年03月09日

Posted by ブクログ

バレンタインデーである。
1年に1回くらい「愛」とは何か考えてみてもよいのかもしれない。
2月8日の日経新聞プラス1で「人生で大切にしたい愛の言葉」ベスト10が掲載されていた。
どれも深い感慨のある、よく噛み締めたい言葉だったが、サルトルの言葉が最も突き刺さった。
曰く「『愛する』とは、その本質において、『愛してもらおうとする企て』である」

この小説はテルコのマモちゃんへの愛が詰まっている。つまりテルコのマモちゃんから「愛してもらおうとする企て」の書だ。思い切り空回りしていて、最後までとんでもない方向に突き進んでいく。

とてもステキで美しい。

♫やさしさで溢れるように/JUJU(2009)

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2025年02月14日

Posted by ブクログ

2021.1.23
エネルギー消費率、好きになった人:それ以外=100:0なテルコちゃん。好きになったマモちゃんに全力を尽くしても全然付き合えないテルコちゃんが選ぶ道はいかに?っていうおはなし。

女の子って怖いってなるときあるけど、今まで感じたその怖いとはまったく違う種類の怖さを主人公テルコちゃんから感じた。そんなテルコちゃん、私からすると狂人すぎて自分と重なる「行動」はなかった。なかったんだけど、でも恋愛にかけるウェイトとか行動力の度合いが違うだけで、私も一般的にもそういうものの断片ならあるかもって思ったのも事実。もうとにかくがむしゃらに好きだった人ってパチンってその人の記憶消せるわけじゃない、みたいな。でもちょっとテルコちゃんは極端すぎて、小さい子の片思いの形を無理やり大人に押し込んで歪ませたらハイ、テルコ完成、ってかんじ。話の内容としては、3分の2過ぎたあたりから、どうなるのかな、続きが気になる、はやくはやくってなった。終わり方は、なまぬるいくせに小さな衝撃の種が埋もれてる、っていう感じ。ただ、ちょこちょこ、描写表現がうわあいいなー、とか、あーわかるってすんなり入ってくるところがあってそこが好きだった。なにより久しぶりに小説読んで、自分の読み方が変わってることに驚いた。表現とかどのへんが作者の経験から来てるのかなとか気づいたら考えながら読んでた。レビューとか読んで期待値上がってたからか、自分が物語だけに集中して純粋に読めなかったからか、次読む本1冊選ぶときこの作者さんか他の人かだったら後者トライしてみたいけど2冊あるならこの人選ぶかも?ってくらいの印象。ふつーに、よかった、てかんじ。

「逃げ出したいくせに、追い出されたくはないのだった。」「あたしはさ、男尊女卑はおかしいって思うわよ?思うけど、それを正反対にひっくりかえしたって世のなかはよくなんないわよね?女がえばって男を思うように動かしてさ、男がへいこら言うこときいたって、それは平等とは言わない。」

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2025年02月10日

Posted by ブクログ

『それもまたちいさな光』に続いて角田さん作品を。多分なにも邪念(?)なく読めたらすごくいいのかもしれない!でもだめだ、どうしても成田凌が浮かんでくる。実写化されたものはそのイメージに引っ張られてしまうなあと思ったのでした。

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2025年01月20日

Posted by ブクログ

主人公のテルコは自分のことよりも男(マモちゃん)を優先。自分でもおかしいと頭で分かっていながら、愚直に真っ直ぐに想う気持ちが突き抜けすぎてる。。
人それぞれの愛の形があって、愛がなんだってタイトルが腑に落ちる。

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2024年12月02日

Posted by ブクログ

映画を観て原作を読んだからか読みやすかった
恋は盲目って言うもんねって共感しながらも客観的に読みました。今後テルちゃんの恋が実りますように。

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2024年09月23日

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