角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いかに自分の視点が狭かったかハッとした。演技が上手かとか表情がどうとか、目に見えるところにばっか集中しちゃってたな。
角田さんはもっと視野が広く、作品がどんなメッセージを持ってどんな役割を果たしているか、構図や背景について書いてる。もともとそういうところに感動してハマっていたのを忘れてた。まさに今見てるドラマ、俳優陣の演技が気に入らなくて惰性で見てたけど、メッセージを考えたらとても素敵な作品だったので、視野の広さを与えてくれてまた新しい視点で捉えられた。
韓国に詳しい方のドラマ評論だと詳しく時代背景を教えてくれる感じだけど、角田さんのは作家ならではの視点というか、物語が担う少し違意味での解説 -
Posted by ブクログ
ネタバレ女を騙してやることに、快感を感じる父親たち。
騙される女、騙されても最低男と離れられない女たち。
生まれたばかりの子が殺されることが後を立たない。
ニュースは、流れ続ける。
これが、この国の良心なのだろうと思う。
毎年、12万人強、中絶がおこなわれている。
彼女らを見捨てているのは、僕達、大衆なのかもしれない。
犯人ばかり肩入れしてしまう。
希和子の薫への愛情が切ない。
この事件がなければ、不倫していた両親のもとで、
薫は、幸せになったのだろか?
社会が女たちを見捨てるから、
エンジェルホームは、あり続けると思う。
たくさんの母親たちと共に。 -
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Posted by ブクログ
皆さんは、人が持つ愛や誠実さについて、真剣に考えた経験が一度はあるのではないだろうか。
そしてそれらを成就することは、社会的・倫理的な正しさと、果たしてどこまで合致するものなのだろうか。
この作品は、そのようなことに興味のある方には、最適の小説の一つだと言えるだろう。
特定の状況や出来事の前後における、個人個人の成長や変化と、人間模様の移り変わりを観察することが好きな方にも、向いているといえそうだ。
表向きは母性愛をテーマにしたこの作品。しかし同時に僕には"誠実さ"が陰のテーマとして宿っている気がしてならない。
実在の事件をヒントに描かれた作品なので、全体的に悲壮な雰 -
Posted by ブクログ
ネタバレ序盤のサスペンスフルな逃走劇から、終盤の誰もが胸を打たれる重厚なドラマまで、本当に濃度が高い読書体験だった。
最重要のテーマとして、「母性」が扱われる。すべての人間に等しく「母性」が備えられているという願いが込められた、とても優しい作品だった。また、舞台となる1980年代の世相や時代背景(宗教施設等)を丁寧に描くことで、完璧な世界観を構築していた。
7日しか生きられない蝉の一生と、複雑な生い立ちを背負う女性の一生を掛け合わせた作品名が秀逸。これだけ複雑な再生の物語を、「八日目の蝉」としてまとめあげる作者のセンスと着眼点に脱帽。
終盤の、薫(恵理菜)が希和子の生涯を追体験しながら、人生の意義や家