角田光代のレビュー一覧

  • 紙の月

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    リカの自分を持ってないようで、一方で怖いぐらいの一途。恐怖。でもこういう女の人いるよね。リカ以外のお金に支配されている女たち。何も欲しがってないけど、どんどん与えられていく光太。お金って怖い。人間も怖い。

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    2026年08月13日
  • ツリーハウス

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    ネタバレ

    だいぶ読み応えがあった。
    読んでいたのはたったの2日だったのに、時代を越えて、生死を越えて、何十年もの月日を越えて彼らの人生を上から見守っていたような感じで、まるでこの一族の守護霊か何かになったような気分だった。

    私自身が最近自分の家族に対して感じていた、なにかを受け継いでいる感覚、なにかが繰り返されている感覚、ばらばらでもなにかで繋がっている感覚。その“なにか”がなんなのかはまだはっきりとは掴めていないが、そのなんとなくだが神秘に溢れた感覚を、この本を通して改めて強く感じ取ったように思う。

    祖母が、木や植物を見たときに感じた、「大丈夫だよ」と背中を押されるような感覚。自分の選択に何故か強く確信を持てる“あの瞬間”を、わたしもよく知っているな、と思った。ああやってふとしたときに垣間見る“希望”に、私たちは生かされ続けている。

    終盤で、良嗣はかつての祖母と重なるように窓の外の景色を眺める。そして、眠りにつく微睡みの中で頭にふと降りてきた「“希望”が全ての始まり」というメッセージ。

    私も、ふと意識が緩むようなときに、時間も生死を飛び越えて、糸の結び目のように絡まり合っている私たちという存在の神秘さに、なぜかとてつもなく魅了される瞬間がある。
    また、その意識の緩みは、たしかに自然物と対峙したときや、入眠の意識から無意識に入る境目なんかに開きやすくなるよな、とも思った。

    ルーツがないように思えても、どこにも属していないように思えても、たった今自分が踏みしめているこの大地が自分の居場所であり、自分が今まで辿ってきた道のりが自分のルーツになる。
    そして、そんな私たちをいつでも支えてくれているのが、“希望”であるということ。

    逃げてもいい、流されるな。
    「逃げる」を自分の選択として選び取って行動するというのは、ひとつの抵抗のかたちでもあると言える。
    逃げた先に何があるのかは分からない。
    けれど、「ここはなんか違う」「逃げたい」という本能的な衝動は、他者によって抑え込めるものでもないのだろう。

    自分のツケはあとから必ずまわってくる。
    後悔したって、仮定の世界は存在しない。
    それでも、そんな過去があったから今があるわけで、だからこそ「やっぱりこれしかないんだな」「これで良かったな」と思える。

    私はこの本に、いや彼らに、人生をかけて大切なものを思い出させてもらったような、そんな気がする。

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    2026年08月13日
  • 明日、あたらしい歌をうたう

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    はぁぁ、久しぶりに涙で文字が霞みました。色に溢れた美しいカバーを改めて眺めると、この本からのメッセージが静かに伝わってきます。悲しいけど、明るくて優しくて、ちゃんと前を向いている。人生は続いていく。深く温かな余韻が心地いい。

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    2026年08月10日
  • 紙の月

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    恋愛っていうのが 根源的なところで生殖本能と 不可分で、必然的に「排他性」やら「独占欲求」やらがセットでついてくるものである以上、恋に落ちた人がエキセントリックな行動に走るのは むしろ自然なことって僕には思える。最近 現実生活において は 人と人との出会いまでが システム化・マニュアル化されているかのように僕には感じられ、恋というものから その「病性」ないし「毒性」みたいなものが 漂白されて まるでニンニク抜きの餃子みたいだし わさび抜きの寿司みたいな一抹の物足りなさが そこら中にあって、そのせいか こうして小説の中で 恋に中毒し 自己抑制も客観性も理性も失って 闇に落ちていく人に出会うと なんだかとてもうれしい。

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    2026年08月09日
  • ちょっと角の酒屋まで

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    角田光代氏のエッセイ最高!
    オレンジページで20年間連載していたものを一冊に集約、いつもながらクスッと笑える言葉の数々、そうそう!と同意している自分、笑
    旅の多い角田氏らしい着眼点も楽しい

    ローカルごはんや、各地の「これなんだろう?」的料理の話、美容院移動など知らないことを知れたり、同意したり、懐かしんだり。
    食いしん坊の方々の雑誌から食の話が多いところも楽しい!
    シリアスな小説が多い方だから、楽しいエッセイとのギャップがいつもながら最高です!

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    2026年08月07日
  • 坂の途中の家

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    前半は、ワンオペ育児に疲弊した経験がある私でもくどく感じるほどの育児の孤独、大変さが続く。
    後半からからラストにかけ、どんどん引き込まれた。

    裁判が進むに連れ、里沙子が水穂に自分を重ねるように、私も里沙子に自分を重ねてしまった。

    「憎しみではない。愛だ。相手をおとしめ、傷つけ、そうすることで、自分の腕から出ていかないようにする。愛しているから。」
    水穂も里沙子も、幼少期の環境(特に母親)がこのような状況だったのに、夫もこのタイプを選んでしまう。
    電車の中で暴言を浴びながらも小さな声でしつこく言い返し続ける夫婦との対比もいい。角田さんは女性の
    描き方が繊細で深く、見事だと思う。

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    2026年08月05日
  • 字のないはがき

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    胸が締め付けられる。字の書けない小さな妹を疎開させることになり、心配な親は自分の住所を書いたはがきを大量に持たせる。元気な時は、丸を書いて毎日ポストに入れなさいと。大きな赤い丸で届いた翌日からは、黒い小さい丸に。それが×に変わってから、ハガキすら届かなくなる。心配になった両親はお迎えに行くと、病気で衰弱した妹が。

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    2026年08月05日
  • 字のないはがき

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    8月に読んでほしい絵本

    向田邦子さんの原作 エッセイの中の 字のない葉書 を絵本にした作品

    絵は作家の西加奈子、文は角田光代さん

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    2026年08月04日
  • 予定日はジミー・ペイジ

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    妊娠した。でも何とも嬉しくなくて喜べなかった主人公は、自分のお腹の子が予定日ぴったりに生まれたら、ジミー・ペイジと一緒になることを知る。
    私も妊娠した時、出産予定日が誕生日の芸能人を調べて、木村拓哉と一緒でテンションが上がりました。
    予定通りに生まれることはなくて、我が子はピカソと同じ誕生日になりました。

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    2026年08月04日
  • ゆうべの食卓(新潮文庫)

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    お寺の檀家の草むしり80あるらしいが20人程、終わって自己紹介あるが要らん要らん、知らない人ばかりだしここで交流の発展ないよ。
    満足 こんな面白い短編小説をオレンジページでやっていたとは、これだけ短くて読みやすくて心に残るって凄い 受賞作だけでも凄いが~いやいや凄いで片付けられない。小5の買い食いも角田さんの教育方針なのか味があるし タイの元妻と現妻のは面白いな 引き継いで交差すればいいのに、というか昔の読みたくなる なんか本が増えていくが記憶が消える本が増えるって事だよね、ダメだなぁ

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    2026年08月03日
  • 神さまショッピング

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    ネタバレ

    タイトルを見てまず「どういうこと?」と思いました。
    納得いく診断を求めて医者を渡り歩くことをドクターショッピングといいますが、その行動になぞらえて納得いく(?)神様を求めてあちこち行くことを本書ではそう呼んでいるということのようでした。なるほど。

    全8話の短編は全て世界のあちこちへ神様を求めて行くお話。その動機や場所や神様はそれぞれだけど、やむにやまれず求めに行くのは同じ。
    信心深くなくとも神様なんて信じてなくても、生きてたら何かにすがりたくなることはままあります。そういう時神様は確かに都合がよい。
    寄りかかることもお願いすることも非難することもできる存在ってそうそうない気もするし。

    本書を読むと「そんなところが世界にはあるのか」というようなところも出てきます。落ちそうで落ちないぴかぴかの岩とか。
    話は創作だけれども出てくる場所はきっと本当にあるところなのではと思いました。確認したわけではないんですが、角田さんはものすごく海外を旅してこられた人だから。

    神様に祈るその願いが欲そのものであるのは誰しも当然としても、それぞれの短編の主人公たちが願う願い事の内容が、ほとんど人には言いたくないような、あるいは絶対に言えないような後ろ暗いものが多いところが、とても面白さを増しているポイントのように思います。
    清々しくないのがいい(笑)
    人が普段直視したくないところを微細に描き出すのが本当に手練れ。

    「モンゴルの蓋」が好きですね。
    でも気持ちがよくわかるのが「絶望退治」かなぁ。切りたくても切れない縁というものに自分も悩まされてきたので本当にその絶望感よくわかる。「聖なる濁った川」は作中にも出てくるけれども遠藤周作先生の「深い河」を思い出します。ガンジス川に頭まで潜ったあと熱出したと書いてたのはどの作家さんだったろう?などと思い出しつつ日本人にはハードル高いなと思いました。信仰の力があれば潜れてしまうのだろうか…。

    全部創作というわけではなくて、どれか一編や二編くらいは全部本当に角田さんが体験した実話なんてはないか、なんて思ってしまうほどそれぞれに描かれた心情はリアル。充実の読後感でした。

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    2026年07月28日
  • 最後の晩餐

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    最後の晩餐、昔からよくあるテーマだけど、ちゃんと考えたことなかったな。

    自分勝手な最後の晩餐、現実味を持った最後の晩餐、どっちを想像してもいいんだと思う。
    私の最後の晩餐はなんだろう。おにぎりの後アイスとか。お寿司大好き。ワンタンメンもいいな。
    完全に自分勝手型で、いくらでもわがままな妄想ができそう。

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    2026年07月28日
  • 紙の月

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    面白かった。私は軽い散財癖があるので、梨花をはじめとした登場人物に感情移入してしまい、少ししんどくなった。身につまされた。お金って怖い。否、何事も使い方と使う人次第なのかもしれない。読後、お財布の紐をキュッと締めたくなった。堅実に地に足をつけて生きていこうと思った。

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    2026年07月26日
  • 今日も一日きみを見てた

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    BCとACの話すごくわかる。猫と暮らす人の猫を愛してる気持ちがとてもとても共感できて読んでいると、うちの猫ちゃんを撫でまわしたくなって、でもうちの猫ちゃんは撫で回せるタイプの猫ちゃんじゃないから、できる限りのコミュニケーションをとりに何度も中断した。とても素敵な本でした。

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    2026年07月25日
  • 神さまショッピング

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    自分以外の人が神さまに何を願ったか、それを知ってしまうのって、ほんのりと心地いい罪悪感がある。登場する寺社仏閣がどれも素敵で行ってみたくなった!私だったら何を願うかな。

    【読んだ目的・理由】角田光代さんの小説が読みたかったから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆4.5
    【一番好きな表現】だれかがかならず目にするおはかぎらない、だれひとりここを通らない日はだれの目にも映らない光景が、なぜこんなにも完璧であるのだろう。(本文から引用)

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    2026年07月23日
  • しあわせのねだん

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    エッセイってのんびりな人が細かく書くイメージだったけど、粗雑でせっかちな感じでめちゃくちゃ面白かった

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    2026年07月21日
  • 最後の晩餐

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    「最後の晩餐」をテーマにした、7人の女性作家さんの短編集。さすがの実力派揃いで、外れなく全部おもしろかった。たいてい一つくらいは好みじゃないものがあるものなのに。
    「最後の晩餐」というテーマはハマりやすいものではあるなとも思うし、女性作家さんばかりだったからか、背景とか心情とかが分かりみがありすぎた。
    少し前に亡くなった父のことを思い重ね合わせてうるうるしてしまう話もあったり。
    最後の晩餐に自分だったら何を選ぶだろう?明確な答えをみな持っているのだろうか?

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    2026年07月21日
  • わたしの容れもの

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    作家は、自分の身体の変化をこんなふうに言語化するのね。

    わたしも、少しは自分の頭で考えないと。

    考える事って、すぐに忘れるから、文章にして書き出す事が大切なんだろう

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    2026年07月21日
  • 最後の晩餐

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    「でもさ、行くと、それで満足しちゃそうなんだよね。あ、べつに人生にわとかじゃなくて、あそこのカレーの味に」
    「そんなの、満足すればいいじゃん」

    本を読んでると、自分の今まで整理がついていなかった感情に名前がつくことがある、わたしは、満足しちゃうのが嫌だったんだな。

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    2026年07月19日
  • 空中庭園

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    家族のそれぞれが抱えている闇を描いていると感じる。

    母娘の呪縛は、いつの時代も永遠なのね。

    もっと過ごしやすい家族関係が作れそうなメンバーなのになんだか上手くいってない家族の物語。

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    2026年07月19日