角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最近エッセイが好きでよく読んでいるが、その中でもこの本は、とくに五感を刺激してくれるエッセイだと感じた。
これまで食にまつわる小説やエッセイをいくつか読んできたが、どちらかといえば小難しかったり、手間暇のかかる料理が多かったりして、自分からは遠い世界、額縁の中に飾られた芸術を鑑賞するような感覚があった。
それと比べると、この本はもっと身近で、読んでいるあいだ、いままさに手元で同じ情景を見て、味わっているような感覚を呼び起こしてくれる一冊だった。
言葉選びや文章のリズムが心地よく、踊るように楽しんで書かれているのが伝わってくる。きっと話すときも、わくわくしながら嬉しそうに語る人なのだろう、と -
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ネタバレコインロッカーベイビーズをもう少し上品にしたような作品だった。引き込まれる面白さ、最初から最後まで不幸なお話。いや、ラストに希望はあったのか。個人的にはその希望のような終わりがフラグのように感じてたまらない。ただ、どうか幸せに生きてほしいと他人として感じた。
瀬戸内の島の事を聞くと、凪良ゆうの作品を思い出す。汝、星のごとくもたしか瀬戸内だったかな。違うか。小川糸のライオンのおやつの舞台は瀬戸内だった事は覚えている。やっぱりいいところなんだなぁってしみじみと思い、いつか行ってみたいと憧れも強くなった。
登場人物に女性らしさがとてもあった。男性には体感しづらい心情。女性という性を持ち、妊娠と出 -
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主人公のみのりの語り口が、過去に遡る時と、現代の時とあって、その構成が面白く、みのりの考えがよく伝わった。
最近読んだ、善良と傲慢や、何者、正欲などとは違い、登場人物一人一人に共感できるところや、何か近しいものが感じられた。その人物描写が素敵だと思った。
みのりの祖父についての文章が間に挟まっているが、これはみのりの甥の陸が書いたものであると言うのが素敵だと思った。
みのりの祖父が、戦争での経験を通して新しい挑戦や感情を放棄してしまった気持ちもよく理解できる構成になっており、世界で起きる惨事から目を背けてもいいんだよというメッセージがある。
みのりの夫の性格も素敵だと思った。先行き不透明でも悲 -
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ネタバレ虐待事件の補助裁判員という主人公の役割を通して、主人公や周りを取り巻く人々の心情などが語られていく。
子供ができる前に思い描いたようには仕事と育児の両立ができない、働けない、社会からも孤立せざるを得ない状況になり、全てが初めての子育てについて「人と比べずに」と正論を向けられたところで、私は間違ってない?どれが正解?と向かう先のない思いが消化不良を起こし、モヤモヤは自分の中に募っていく。
夫(嫁に対して)→いつも穏やかにいてほしい、情緒の浮き沈みに対応するのは面倒くさい、社会進出なんてどうでもいい、家さえうまく回してくれればいい、家の事以外で面倒な事をかかえてほしくない、問題に向き合わない
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【読み進め中のメモ↓】
辛すぎ
最初からずっとしんどい
ずっとソワソワしてるしずっと泣きそうだし
続きが読みたくないくらいしんどい
でも幸せになって欲しすぎる想いで読み進めてるけど
絶対幸せになれないんだろうなぁ
つらい
【読後】
なんで早く読んでなかったんだ?
良すぎるじゃん
と思ったが、今だから良すぎたかもしれない
現在0歳児育児中のため、有り得ないほどのめり込んでしまったように思う
1章は希和子と薫の逃亡のストーリー
2章は大きくなった薫にスポットを当てたストーリー
とにかく1章は辛かった
何がそんなにと思ったら、薫がかわいそうすぎて。
かわいそうなのは誘拐されたことでは -
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ネタバレ面白かった。
子ども時代の、日常から離れた夏の思い出から、だんだんと現実に近づいていく。
自分たちのルーツを知ったところから少しずつ紐解かれていって、そこにはそれぞれの苦しみや葛藤があって
知りたくないことも知らなくてはならないのが現実で
でも知った先に待っているのは決して不幸ばかりではないのも、リアルだなと思った。
角田光代の作品って、綺麗事だけじゃないところがいい。
賢人と紀子が結婚しましたとか、ドナーから本当の父が見つかって感動の再会とか、そういうおとぎ話的な展開にならなくて本当によかった。笑
ドラマみたいなことは起こらないけど、少しずつ、でも確実に心が動く瞬間があって、そういう細かい描 -
Posted by ブクログ
私はあまり恋愛に生きたことがないしテルちゃんが恋愛中心でマモちゃんみたいなどうしようもない男に振り回されているのが、全然理解できないと思ってた。けれど、読み進めていくうちに、マイナスであることもすべてひっくるめて好きになってしまう、そういう男を中心に生きてしまう、というかっこ悪くて一生懸命なテルちゃんが可愛く思えてきて、だんだんとテルちゃんの考え方や生き方もなんだか共感できる部分が出てきて。角田さんの描く人物ってものすごく人間らしくて、かっこ悪いところも嫌なところもマイナスの面がしっかり描かれていて逆にそういう部分が魅力的というか、愛おしく思えて、私はすごく好きだなあと思う。
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Posted by ブクログ
ネタバレ何回読んだか…大好きな本。
独身の時に初めて読んだ時も感動したけど、娘を持った今、ラストに向かうにつれ、離れ離れになる運命に涙が止まらない…!!
作品の疾走感がすごくて、引き込まれて夢中になって読んでます。読後は母娘2人の幸せをひたすら祈りたくなります…。映画もドラマも好きです。
自分が親になってから、印象が変わったこと。
若い頃はえりなの実母がすごく嫌な(いじわるな)人だと思ってたけど、夫に不倫され、あげく自分の子供まで奪われて(それも可愛い赤ちゃん期〜成長著しい幼児期)それは卑屈にもなるよね…とかなり同情心がうまれました。。帰ってきたえりなは実子なのに、自分に懐かないわ、知らない方言喋る -
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話の内容自体は、読んでいて気持ちのいいものではありませんでした。
本当に母親同士の世界がありありと描かれていて、読んでいて苦しくなる所ばかりでした。読みながら息を止めてしまっていて、本をとじたら、息がつける感じ。
なんで人は影響し合うのか、無意識にお互いの世界に入り合うのか。気にしてないと考えながらもその事ばかり考えている。気にし過ぎて、先読みし過ぎて、自分の首をしめる。
母親や妻という立場にとって「子ども」とか「生活」は、他人からどう見られるかが、ものすごく気になることだと思うし、地雷でもある。だからこそ崩れていってしまう人間関係が見事に描かれてました。