角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現在の小夜子と過去の葵、二つの時間軸が交互に描かれる作品。「ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが うんと大事な気が今になってするんだよね」(P112)という一文が強く印象に残った。読み終えてからこの言葉を振り返ると、葵の過去の経験が色濃く反映されていることに気づき、大きな重みを持って響いてくる。
「ひとりぼっち恐怖症」(P110)という言葉は、時期は違えど、現在の小夜子と過去の葵、双方に通じるものだと感じ、この点には強く共感できた。
葵はナナコに、小夜子は葵に依存し、離れたくないと思っていた。そして、2人とも自分がどうすればいいのか、誰かに「正解」を求めていたのではないかと思う。
葵は学生時代、小夜子は主婦という違いはあるけれど、人と関わって生きていく以上、嫌なことや傷つくことを完全に避けることはできない。それでも、人は誰かと関わりながら生きていく。その中で、怖くても一歩踏み出していくしかないのだと思った。
人との関わり方について深く考えさせられる作品だった。自分自身にも重なる部分があり、共感できるところも多かった。読み終えてからもいろいろと考えさせられる、とても好きな作品だった。 -
Posted by ブクログ
母と娘問題を含む短編が8個収められています。
わたしは日頃から母娘は、呪縛関係だと思っています。
母、娘問題は、女に生まれたら、誰しもがおりに触れ、考え、悩む問題だろう。
完璧な母親などいない、母親も変化すると知る事は大切だ。ひとつ言えることは、愛されて育てられたという根底は、人の人生の支えとなるだろう。一方で、人は欲張で、もっと、もっとと、良き母親像を求めるのだろう。わたしは自分の母が、もっとこうだったら、ああだったらと何度考えた事だろう。
母、娘の呪縛を、物語りに落とし込むなんて、言語化する作家ってほんとに深い思考力だなぁと、尊敬する。
300冊の本を読んで、読むことは、人生の地図を見ながら先に進む事なんではと考えるようになった。
もっと本を読んで、いろいろな母親や娘の生き方を知っていたら、自分の子育てをもう少し違う角度から見られたかもしれない」
まぁ。悔やんでいても仕方ないので。
自身の母については、広い視野で捉えるようにする事。
良かれと思って、いろいろ口出しをして育ててしまった娘たちは、成人し結婚もした。今後は、母娘の呪縛を取り払えるように努力しつつ、自立した物同士、残りの人生を歩んで行きたい。