角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めての、角田光代さん。
表紙のカラフルさに惹かれて買いました。
過去・現在そして未来と、くすかと新の気持ちの変化が描かれている。特にくすかの体験は胸を熱くさせた。
人生は楽しいことばかりじゃない、辛い苦しいことが都度都度襲いかかってくる。どうしても生きることに必死で視野が狭くなるし、生きる価値を考えてしまう。
その時にふとしたところで流れてくる音楽。生きる価値に相当するもの、心の琴線に触れた瞬間に無色な世界から一気に世界が色づいていく。また時生との出会いも影響を受けたと思う。彼との出会いが、くすかの心を更に強くしたんじゃないかと思った。
また、くすかが新に、お父さんはなぜいなくなったの -
Posted by ブクログ
何かに偶然出会って心が変わったことはないし、
何かに救われたこともないけれど、
音楽は60年生きてきた中でずっとそばにあった大切な存在。
角田光代さんはトトはんのお母さん、
エッセイはたくさん読んだけど小説は未経験。
エッセイの角田光代さんは気づいていないだけでずっとそこにある身近なものを日常のわかる言葉で紡いでくれる人。
音楽を主題とした作品とのことで期待して初めて手に取った。
エッセイの印象と変わらない心にすんなり入ってくる言葉の数々、
隅々まで丁寧でテンポよく流れるように読み進められた。
ミステリー小説ではないと思うけどいろんな可愛い謎解きがとても楽しい。
救いがある未来があるエンディン -
Posted by ブクログ
辛いことがあるのは自分も相手も同じで、大人になればそんなことわかってるはずなのに、必死に生きるほどに忘れて大切にできない。学生時代は小さかったそれが、恋人、夫婦、子供と変容して分かり合えない世界が広がっていく。
この本を読んだ25歳の自分が、ちょうどまわりのそうした変化にさらされて、右往左往して全部諦めて切り捨てたくなってたときで、この本が苦しい。理解することを諦めて、傷つく前に遠ざけてきたことがたくさんあって、今もなおそうしている。楽なのに、時々襲われる空虚に死にたくなる、それが自分で選択してつくりあげてきた空虚だから余計に。
この本は、分かり合えなさの背中に手をあてて、それでもその先の -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々にページを捲る手が止まらない本だった!
読んだ後も、描かれていない登場人物の心情やその後について思いを馳せ、しばらく涙が止まらなかった。
私は、もう一生出会えないかもしれないけれど、出会えたことで自分の人生を変えてくれた人は絶対にいると思っているし、それを描いている物語が好きで、この本もまさにそうだった。
今の葵が誰かを傷つけることは口にせず、何でも受け入れようとするのは、きっと葵の中に「嫌いだと言う表現よりは好きだと言う言葉を使う、できないと言う表現をせずしたいのだと言う、むかつくと言うときには必ず相手を笑わせる」あの時のナナコが今も生きているからではないだろうか。
大人になると、 -
Posted by ブクログ
スリル満点で面白かった。
お金の豊かさ、息が詰まる苦しさ、お金と情の結びつきの無力さ、全て身を持って知ったような読後感でした。お金の価値って何だろう?と本質を問いたくなるけれど、正解がないものなのかもしれない。
もう取り返しはつかないのに、破滅が待っているのに、それでもどうにか救われてほしいような、許したくなる気持ちになってしまう主人公の梨花。一歩間違えたら誰もが梨花になってしまう可能性があるのでは?とハッとする場面も。
横領罪を犯してまで過ごした夢と絶望の狭間の数年が、ほんの少し羨ましく見えてしまったのは自分の生活が平凡すぎるからなのかもしれない…… -
Posted by ブクログ
ネタバレ一気に一度読み終わったが、内容も文章の言葉の的確さ、美しさ、儚さや、もうとにかくすごく良かった。また読み返して感想書きたい。それぞれご小品で別々の物語なのかな?と思ってたのが、全部繋がってて、感動。何度も読みたい。じっくり読みたい。
再読
どの作品も、ひりひりするくらい、気持ちの描写が凄い。手に取るようにわかる、というか。
ゆきちゃんとの再会も本当に嬉しくて感動的。
自分のもとに来なかったちいさな女の子のことも、その子のふるまいも、本人が、あ。と気づいた時の、せつなさでは言いきれない思いも。
デパートでの出会いからの、あばれ馬のような恋愛についての苦しいような描写も。
なくしたものたちの国