角田光代のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレこの本の主なテーマは、人間、特に女性同士の友情や、わかりあえなさが主題なのだと思います。
読み終わって、学生時代の友人関係を思い出しました。
よくわからないこと、何でもないことで、すれ違ったこともありましたね。
物語の後半、小夜子が「年齢を重ねるのは出会うことを選ぶためだ、選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ」と気づくシーンは、人間のわかりあえなさを乗り越えていく希望を感じました。
けれど、私がいちばん印象に残ったのは、終業式の後、葵が父の運転するタクシーに乗って買い物に行くシーンでした。
クリスマスプレゼントに何か欲しいものをなんでも買ってあげるよ、と努めて明るく振る舞う父に対して葵 -
Posted by ブクログ
タイトルや帯のレビューから一見音楽の話なのかと思いきや、違った。
いや違わないけど、音楽は確かに大事な要素になってるけど、もっと広く大きく、愛の物語だなと思った。
いやー久しぶりに泣いた。
自然に目尻から涙がすぅーっと落ちてた。
あらたという少年とその母親であるくすかという女性が中心で、章ごとに視点と時代が切り替わる。
基本的に、物語の登場人物を取り巻く状況は暗い。
でもなぜかそこまで暗く感じない。
角田光代さんの絶妙な筆致もあるんだろうけど、ある歌手の歌を、あるいは愛する人を、心の支えにして前を向いて歩くくすかたちの姿が、読者の心をあたたかくしてくれます。
歌も、愛も、広がって -
Posted by ブクログ
いつもながら面白いエッセイだった。
作者の当時の年齢に自分が近づいてきたから面白さが増しているのだろうか。
1番印象的だったのは、どこか(タイやったけ?)への旅を通じて、年齢を重ねるにつれてそれまでの方法が合わなくなる日が来る、っていう感想を持っていたこと。
自分はそんなにたくさん旅をしてきたわけではないけど、このことは万事に通ずることだと思って強く共感した。
例えば人との関わり方。詳しく言うと、親や家族との関わり方もいつの間にか変わってしまうものだし、友達との関わり方もそう。体調を保つ方法だって、昔のままではいられない。
もしかすると、旅というのはそれをどストレートに感じられるものなのかもし -
Posted by ブクログ
先月から「ボクシング小説」を数作読み続け、
今のところ、全くもってハズレ無し・・・なのです。
今作も、とても楽しく読ませていただいたのですが、485ページと分厚いだけでなく文字数も多いせいか、日数がかかってしまった。
・・・・楽しい日を長く過ごせたので文句はありませんが・・・・
さて、本作は、
ボクサーが主人公では無く、ボクシング雑誌の編集者の視点で描かれており、より一層、現実的に味わうことが出来るのです。
この主人公も物語の最後にプロテストを受験するという味付けも、とてもとても美味しく頂くことが出来ました・・・・。
続編がある様です・・・近いうちにいただきます。 -
Posted by ブクログ
2007年刊行か…
時代を経ても廃れない作品ってこういうものだと実感する。
きっと100年後も読まれている。
普遍的で、圧倒的に身近で、共感必至で、
なのに非凡な魅力に溢れている。
今まさに30代。結婚している、していない(離婚した、してない)子どもがいる、いない
頻繁に会っていた友人ともどんどん疎遠になり
つい連絡を取ってしまう相手は
自分と同じようなライフスタイルを送っている友人だけ。
あまりにも強く実体験している今だからこそ
惹かれて一気読みした。
高校生の一歩闇に踏み込んでしまう危うさとか
痛烈すぎて…
そして何より、森絵都さんの解説が良すぎた!!!最高すぎた…天才だ、本当に。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ国際貢献のボランティアに打ち込むも、心が傷つき無気力となったみのりに、祖父の生き様が交差し、再び「使命」を見つけて行くお話。みのりの心理描写が丁寧で、とても文量が多いが、丁寧である分、読後の充実感が大きかった。
悩んで立ち止まるみのりと悩みながら突き進む玲、悩まず突き進むムーミンの関係が印象的。みのりと玲に亡くなったムーミンの声が降ってきて背中を押してくれるのは、二人の中にムーミンの純粋な「初心」が生き続けていたからかな。
また、各章に挟まれる清美の戦前戦後を生き抜く壮絶だけど素朴な描写が、陸が描いたものと分かる仕掛けには、陸の「清美の記憶を引き継ぐ」という素直な「タラント」が伝わってきて感動