角田光代のレビュー一覧

  • 源氏物語 8

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    たしかに唐突に終わる。浮舟は逃げおおせて欲しいと思ったが、そのことは描かれない。感じとしては逃げ切れそうにない。オープンエンドだが、明るい未来は示唆されていない。薫も宮も、未練がましい男性性は最悪だ。最後は「人形」であることを脱せられるか?というテーマだったのか。

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    2025年11月20日
  • 対岸の彼女

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    読者の興味をそそって引きを作る、過去と現在を行き来する構成が素晴らしいが、圧倒的に葵とナナコの過去パートが面白い。直木賞受賞作だが葵や小夜子がまわりとの関係に苦悩する心理への迫り方は純文学のそれに近い。胸に迫るシーンがいくつもあった。

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    2025年11月18日
  • 八日目の蝉

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    めちゃくちゃ面白かった。逆に映画もドラマも通らずにいててよかった。そのどれよりも駆け抜けて読みました。

    深く考えない、疑問を持たない、主張がない。自分を持っていないから、悪意や憎しみといった負の感情が薄い。これは僕のことかもしれない。反省。

    不妊の恨みは強すぎる、産婦人科としての身が引き締まる想いです。

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    2025年11月16日
  • 韓国ドラマ沼にハマってみたら

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    韓流にハマってる人にはたまらない書籍。
    そうそう!そうなんだよね!って思わず頷く場面がたくさんあった。
    私が1番共感したのは「韓流俳優の名前が覚えられない」のところ。
    韓流大好きなのに俳優さんの名前覚えられないんだよなぁ 泣
    そんな感じで共感できる箇所が多々ありとても楽しく読めた。
    この書籍を読んだ後はネットフリックスのマイリストが増えていること間違いなしだと思う 笑

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    2025年11月15日
  • 泥酔懺悔

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    小学校から大学まで同じだった友人に勧められて読んだ。
    語彙力なくて上手く感想言えないけど、個人的に中島たい子さんのが好きだった。
    もともとほぼ飲めなかったから下戸の気持ちもわかるし、世間的なお酒の立ち位置とか共感だったし、記憶なくす友達と重ね合わせて見てしまった。
    勧めてくれた友人はいつも私に新しい感性や向上心を与えてくれる。またおすすめを聞きたい。

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    2025年11月14日
  • 源氏物語 5

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    ネタバレ

    角田光代さんの後書き通り、作者の筆が冴え渡っている。わたしは特に、三の宮の父(朱雀院)が娘の行く末をなんとか幸福にと願っているところが身につまされた。娘の方はどこ吹く風なのだが。

    督の王(柏木)の死ぬ理由の屁理屈も弱っている時には、そう思うよなあ、という迫真だった。

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    2025年11月13日
  • 八日目の蝉

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    皆さんは、人が持つ愛や誠実さについて、真剣に考えた経験が一度はあるのではないだろうか。
    そしてそれらを成就することは、社会的・倫理的な正しさと、果たしてどこまで合致するものなのだろうか。

    この作品は、そのようなことに興味のある方には、最適の小説の一つだと言えるだろう。
    特定の状況や出来事の前後における、個人個人の成長や変化と、人間模様の移り変わりを観察することが好きな方にも、向いているといえそうだ。

    表向きは母性愛をテーマにしたこの作品。しかし同時に僕には"誠実さ"が陰のテーマとして宿っている気がしてならない。

    実在の事件をヒントに描かれた作品なので、全体的に悲壮な雰

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    2025年11月12日
  • 八日目の蝉

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    ネタバレ

    序盤のサスペンスフルな逃走劇から、終盤の誰もが胸を打たれる重厚なドラマまで、本当に濃度が高い読書体験だった。
    最重要のテーマとして、「母性」が扱われる。すべての人間に等しく「母性」が備えられているという願いが込められた、とても優しい作品だった。また、舞台となる1980年代の世相や時代背景(宗教施設等)を丁寧に描くことで、完璧な世界観を構築していた。
    7日しか生きられない蝉の一生と、複雑な生い立ちを背負う女性の一生を掛け合わせた作品名が秀逸。これだけ複雑な再生の物語を、「八日目の蝉」としてまとめあげる作者のセンスと着眼点に脱帽。
    終盤の、薫(恵理菜)が希和子の生涯を追体験しながら、人生の意義や家

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    2025年11月08日
  • 八日目の蝉

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    ネタバレ

    序盤は、ハラハラしすぎて、犯罪だし早く捕まって欲しい、、、と言う気持ちでいっぱいだった。
    後半、成長した薫(恵理菜)のその後や、千草が調べ上げたいろんな事実がわかるにつれ、何が正解だったのだろうと考えるようになった。
    元の両親のところへ戻らず、希和子と逃げ続ければ薫は幸せだった?でも誘拐している以上普通の生活は望めないわけだし、どうすればよかったのだとずっと考えてしまう。
    自分にも幼い子供がいるので、母の愛に涙が止まらなかった。

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    2025年11月05日
  • 新潮モダン・クラシックス 失われた時を求めて 全一冊

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    本文より引用
    「ぼくたちが生きているのは、ただたんに前に進む時間軸ではない。今まで過ごしてきたすべてが順不同に混在するなかで生きている。だから、昨日や一昨日よりずっと前、ジルベルトを愛していた日々を、今日生きることがあった。」

    あの時の「ぼく」が今を生きているんだね。
    まっすぐな恋心だけ捨てきれずに。

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    2025年11月04日
  • 八日目の蝉

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    ネタバレ

    『八日目の蝉』感想

    『八日目の蝉』は、日野OL不倫殺人事件をモチーフにした作品だと言われている。実際の事件では、女性Aが不倫相手Bとその妻Cの子ども二人を焼死させている。そして、BはAに二度の中絶を強要し、精神的にも身体的にも深い傷を負わせたうえ、CはAに対して「子どもができても簡単にかきだす」と侮辱した。
    この事件を知るとき、簡単に善悪で切り分けられない「誰もが被害者である」という視点が浮かび上がる。

    もちろん、何もしていない子どもを奪ったAの行為は決して許されない。しかし、Bが恋心を踏みにじり、希望をちらつかせながら追い詰めた過程を知ると、胸が締めつけられるような、ただただ惨く悲惨な現

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    2025年11月03日
  • 対岸の彼女

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    小学校、中学校、高校となんの痛みも不安も無くずっと気の合う友達と先生、優しい家族に囲まれて楽しく過ごしましたという人はおそらく滅多なことではこの世に居ないであろうと思う。胸の奥に眠る傷が思い出したようにズキリと痛む様な読後感に包まれました。ありえない様な失敗をしたことも苦しいほどの後悔をしたことも歳を重ねることで忘れているようでふとした時に蘇る。それが自分を変えていく力になることもある。いるね。あるね。私もね…の連続でした。

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    2025年11月01日
  • 対岸の彼女

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    立場の異なる二人の女性の友情とすれ違いの物語。

    相手を理解したいという思いや努力が、むしろ理解できない現実を浮かび上がらせ、相手とつながれない関係(=自己防衛)になる様子を上手に描いている。

    高校生の頃、葵は当時の友人のナオコと深い関係にあった。しかし、ナオコは相手が変わってしまって、「以前のようには話せないかも」と恐れるがあまり、葵と再びつながる関係にはなれなかった。

    大人になってから、仕事で仲のよい関係となった小夜子とは一度は同様につながれない関係となるが、再度一緒にいるようになる。

    無理に理解しあおうとせずとも、存在を無視しあわないことが、最終的な人間関係として自然な状態である様

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    2025年12月20日
  • 八日目の蝉

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    不倫相手の赤ん坊を誘拐するシーンから始まる物語。

    母親(希和子)は娘への与える愛を通して自分を保つが、娘を失い、自分を見失う。娘への愛情の奥には母親になりたいという強い思いがあった。

    娘(恵理菜)は母からの与えられていた愛を失い、自分を見失う。そして忌避していた母親と同じ不倫をする。愛情の奥には誰かに愛されたいけど、信じ切れない、拒絶もできない空白があった。

    前半は淡々と事実のみの描写が続くが、後半にかけて母親と娘が抱えている悩みが同じ心の空白である点がわかり、それぞれの愛情の奥にある心理を一気に描いてて、面白かった。

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    2025年12月20日
  • 対岸の彼女

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    ナナコと葵がタクシーから降りて別れを告げて以来一度を会っていない理由に、あまりにも共感できた。

    学生時代の友達と久しぶりに会ったとき、あんなにも仲がよくてよくお互いの家に遊びに行ったのに、昔のようにしょうもないことで笑い合える関係ではなくなったことに悲しみを覚えた。
    お互い今の環境に慣れて変わってしまった。
    そんなとき、昔の記憶が走馬灯のように蘇ってきて悲しくなる。

    でも、ただ悲しいだけじゃない。
    旧友と会うこと、会わなくても、今どこにいて何をしているか聞くだけでも安心する。あいつも元気でやってるんだなと。


    小説として素晴らしかったし、文句はないけど、ナナコが今どこにいて何をしているの

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    2025年10月28日
  • さがしもの

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    どれもかなり好きだったけど、あとがきエッセイにあった角田光代にとっての本の見え方がとびきり沁みた。ここにガッテンみたいな共感ボタンがあったら押しまくってるなあと思いながら読んだ。
    定期的に読み返したいし、身近にいる本が好きな人に是非おすすめしたい。

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    2025年10月27日
  • いつも旅のなか

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    これまで30カ国以上を訪れて、その度に色々なことを考えた日々を言葉にする、文字にする、答え合わせするような本。そう、そうなの。と何度も共感した。

    ・全て自分なりに考え、答えを出しーその答えを実践していく(ベトナム)
    ・うつくしさもやさしさも、おだやかさも品のよさも、それほど奥ゆかしいのである(ミャンマー)
    ・値段というものは、その国を知る手っ取り早い近道(キューバ)

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    2025年10月27日
  • 対岸の彼女

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    出会いが人生に与える影響力ってすごいなと思った。
    自分もこんな風に生きられたらいいのにな。と感じるような人と出会うと、強くなれる気がするし、自分を肯定できる気がする。
    ナナコと葵、二人の別れのシーンはすごく心が苦しいけど、二人だけで過ごした時間は嘘じゃなくて、二人だけにしか分からないことがあって、大人になってからもその記憶で乗り越えられたことがたくさんあるはずで。
    会えなくなっても、ずっと自分の人生に存在し続ける人ってすごい。

    『ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね。』

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    2025年10月27日
  • トリップ

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    10篇のそれぞれの登場人物は、
    それぞれの居場所にずっと違和感を持っている。
    こんなはずじゃなかった。
    でも、あっという間にここまで来てしまった。
    そもそも、自分にここ以外の選択肢なんて
    なんにもなかったんじゃないか。

    こないだ読んだ荻原浩さんの「あの日にドライブ」では
    主人公は銀行を不本意に辞めて、
    タクシー運転手になった。
    あの人も、こんなはずじゃなかったと思いながら、
    最後にはこの場所で頑張ろう、と希望の兆しを見せて終わった。

    トリップの登場人物には、そんな希望はない。
    長く長く続く絶望。
    でも、現実はこんなものじゃないだろうか。
    絶望の中で希望を見いだせる人は、たくましいけれど。

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    2025年10月25日
  • なくしたものたちの国

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    すごく好き。
    「どんなこともいつか懐かしくなる日がくるわ」
    なんだか泣きたくなって、そんな気持ちになる自分が嬉しい。
    絶対また時間をおいて読み返す。



    超弩級の恋は足りないから超弩級になるんだと思う
    自分が好きだと思うのと同じだけを、相手がかえしてくれなくて、あるいはかえしてくれているようには思えなくて、それで、どんどんどんどん、好きが吸い取られていって、きづいたらとんでもないくらいの好きになっているんじゃないかな

    なくしたものばかりだ、と、二袋目の写真を見ながら、わたしは思う。落としてしまったもの、なくしてしまったもの、置き忘れてしまったもの、いなくなってしまったもの。写真はそれらで満

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    2025年10月23日