角田光代のレビュー一覧
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大人になって、読書を積み上げてきた人に読んでほしい。とても読みやすいし忘れていたことがよみがえった。
初めての角田光代さん。今回は本についての本。その人にとってのほんの存在。無くても生きていける本を読む人々の理由が一つ一つの短編に詰まっていた。
本との出会い、きっかけ、昔の記憶
まるで人との出会いのように、すべて大切でこの世に存在していないと寂しくて、つまらない。
本は人のような存在だと初めて気付かされた。
角田光代さんは、なんといっても言葉が鮮やか。
「絵の具を溶いたような色の海と、風邪に揺れる椰子の木と、テラスにぶら下がったハンモックと」
子供の頃の、絵の具を溶いた時のワクワクする -
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すっごく良かった。私が本を読む理由がこの1冊につまっていて読み終えた後はさらに本が好きになっていました。
特に「さがしもの」と「彼と私の本棚」が好きな話。
私も旦那と彼氏彼女だった時に同じマンガを読んだり、音楽を聞いたり、映画を見たりしていた。
特にマンガは家族になった今も家の本棚にあって、そのマンガを見ると昔2人で新巻が出るのをすごく楽しみにしていたこと、本屋さんで大人買いしたこと、ここが良かったここがダメだったと話したことを思い出し、本そのもの、そして本にまつわる記憶が自分の一部になっているんだとこの本を読んでまさに実感した。
日焼けしたマンガのページは、そこから積み重ねた年月を想起させて -
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「帰りたいよぅ」
祖父が死んだあと、祖母が子供のような声で言った。ここから、中華料理店を営む親子三代の“根っこ”を探す旅が始まる。
祖父母は自分が生まれた時から“おじいちゃん、おばあちゃん”であり、両親は“父さん母さん”で、性の意識すら無い。
でも、間違いなく男女であり、自分と同じ年齢を経て今に至る。
人生は“簡易宿泊所”のようだ。
なぜここにいるのか、いつまでいるのか、ここを出てどこへいくのか……
「だってあんた、もし、なんてないんだよ。後悔したってそれ以外にないんだよ、なにも……」
その言葉は妙に重い。
「翡翠飯店」は世紀を超えて紡いでいく。
根など無くても紡ぎ続けることはできる。 -
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角田さんも穂村さんも大好きで興味を持った本。
角田さんは女性として、穂村さんは男性としての意見を交互にやりとりして進んでいく。
こういう女性が多いかもしれないけど自分は違うとか、もてる男性はこうだが自分にはできないとかいう話題も出てきて、男女の違いを紐解くという面白さももちろんあるけど、ただ角田さんと穂村さんが恋愛観について意見を交わし合うという意味でもすごく興味深かった。
特に印象に残ったのは次の二つ。
一つ目は、「もてる」というのは対人的な「スペース」、つまり「隙」が関係しているのでは?という考察。
隙、確かに大事だよなぁ、わかるわかる。
学生の頃からもてるのは、狙った獲物は逃さない -
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小さな子供を持つ専業主婦の里沙子が、乳幼児殺害事件の裁判員裁判に関わっていくことから始まる物語。
裁判員裁判を身近に感じることがなかったので、詳細な記述に私も参加しているような感覚になった。
同時に母親であれば体験したことがあるだろう感情を、今まさに体験していたり、距離を持って振り返って眺めていたり、複雑な感情が入り混じる様子がとても丁寧に描かれている。
そして、水穂という娘を殺めて裁判に立っている女性の裁判員裁判が進むのと同じようにに、里沙子は大きく揺らされながら、自分自身をゆっくり振り返っていく。
不器用で少し頑固、人との距離がやや長めの里沙子だが、その感情や思考、言動がどのようにし -
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「難しい」「全部読もうとすると挫折するから自分の読みたいところだけ読むくらいでいい」という感じの声をたくさん耳にしていたので、ビビり散らして長らく積んでいたけど読み始めたらめちゃくちゃ読みやすくて驚いた!それはきっと角田さん訳だからなのと、光る君へを見てたからだろうな。
光る君へってほぼ源氏物語オマージュで構成されてるやないか…と今更ながら。ドラマ見直したい。
こういうこと言うのは本当に無粋ってわかってるんだけど、光源氏、やっぱりめちゃくちゃにキモいですね
若紫の帖は狂気を感じたよ
末摘花は西洋系の顔立ちとスタイルだったのかしら、今の時代なら美人さんだったろうに…
しかし、1000年前の物