角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読めば読むほど嫌な予感。絶対好転しない未来=破滅へ向かって走り続ける主人公の半生を描いた作品。彼女が小さな悪事に手を染めるたび、低く唸ってしまう。結末はわかっているのに、自ら深みに嵌まっていく彼女から目が離せない。ずっとずっと面白い。映画版のカバー下の表紙のイラストがほんわか系で、内容と全然合ってないのが気になります(笑)
苦しみと不満、不安に溢れた現実を過ごしていた彼女の元に突然現れた若い男。映画を作るんだと語る彼は、キラキラ輝いて見えて。自分を慕ってくれる彼と過ごしたいがため、彼女は生き、努力し、働き、結果的に1億円を横領した。彼女の知人たちも、彼女と似たような苦しみややるせなさを抱えて -
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匿名
購入済み世間一般的には幸せの部類に入るだろうが、何か物足りない人生。そうゆう気持ちって多くの人にあるものだと思います。彼女を可哀想な女性だとも思うけれど、散々好きな事をした馬鹿な女性だとも思う。
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Posted by ブクログ
何も変わらなかったはずの、その間になんの優劣も無かったはずの少女たちが大人になってそれぞれの生活を営み、なんとなく別々の人間になっているような気がして寂しくなる。それでも私たちはいつだってあの日のように笑い合える。自分が社会人6年目の20代折り返し地点に立ち、ずっと一緒にいた仲間達とのライフスタイルがバラバラになっていくこの時期にこの作品を読めてよかったと思った。自分達が何になりたいのか。何を持って「満たされる」のか。それは誰の何と比べた時の「満たされる」なのか。時にしょうもなくてみっともないと彼女たちを笑いつつ、その情けなさに分かるな〜と自分を見つめつつ。人間らしくかっこよくも無い可愛らしい
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Posted by ブクログ
『きみはおかしいと言われ続け、そのことの意味については考えず、そこで感じた違和感をただ面倒なだけだと片づけて物事に関わることを放棄した。
おろかで常識のない小さな人間だと、ただ一方的に決めつけられてきたわけではない。私もまた進んでそんな人間になりきってきたのではないか?』
終盤で理沙子が自分に問いかけるこの言葉に身が詰まる思いでした。
子育て中の母親だけではなく、誰しもが、状況は違えど「型にはまっていなければならない」そうでなければ「私は間違っている」という法則を信じ込められるような状況に置かれることってあるのではないでしょうか?
理沙子のように裁判を通して自分と自分を取り巻く環境と向き合 -
Posted by ブクログ
心にじんわりと温かいものが広がるような読後感を味わいました。
物語の中心にはラジオがあります。私自身も中学生の頃から姉と一緒にラジオを聴いてきたので、ラジオが日常に寄り添う存在であることに深く共感しました。リスナーの話に笑ったり、共感したり、応援したり、一緒に悲しんだりする。ラジオには、そうした共感の力があり、誰かとつながっている温かさを感じさせてくれます。
この作品では「何気ない日常」が丁寧に描かれているからこそ、登場人物たちの暮らしが自然と想像でき、とても読みやすかったです。読んでいるうちに、自分の生活の一部もこうして誰かに語られると、何か特別なものになるのかもしれないと思わされました -