あらすじ
いつかの記憶の扉が開く。
東京、大阪、上高地。3つの帝国ホテルを舞台に織りなす42の物語。
クロークに預けたままの、亡父の荷物。夫の秘密がそこに――。
開いた鍵の先に、妻が見たものは(「秘密を解く鍵」)
半年に一度しか会えない小学校6年生の娘。
ブフェに行くが、娘はなかなかマスクを外さない(「父と娘の小旅行」)
窓から射しこむ朝の光、錆びた流し台にしたたる水滴の音――
ホテルで眠る夜、どこかで出会った部屋たちの夢を見る(表題作)
1行でこころ揺さぶられる、珠玉の小説集。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
やたら上高地の赤い屋根のホテルが出てくるな、と思ったらそもそも帝国ホテルの冊子に連載してたストーリーでぜんぶ帝国ホテルを舞台にした話なのですね。シニア目か話が多いのも、歴史を表してるのね。ひとつひとつの話はそんなに覚えてないけど、じんわり心があたたまる体験ができる本。
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42編のホテルで過ごしたそれぞれの思い出のショートストーリー
それぞれの思いが優しく穏やかに描かれていて、朝起きて1遍読み夜寝る前にまた読み穏やかな1日が過ごせた作品でした
そして旅に出たくなる一冊でした(^^)
Posted by ブクログ
舞台は帝国ホテル。じんわり心が温まる、42編のショートストーリー
母に教わった「バーの味」、夫婦で訪れた憧れの上高地……。
全国3か所の帝国ホテルを舞台に織りなす、めくるめく部屋の物語。
帝国ホテル発行の会報誌「IMPERIAL」で11年間にわたって連載した、42編のショートショートを一冊にまとめました。
幻想的な夢の世界を描くものもあれば、現実の夫婦を描いたものもあり、また過去と現在を行き来して語るものも。42編すべて趣向の違う、角田光代さんの幅の広さを思い知る短編集です。
1話5ページで読める短い文章量ながら、じんわりと心が温まり、時には泣け、時には笑えるストーリーが詰まっています。
(文藝春秋 紹介文より)
ショートショートで、いろいろな想いでが詰まった一冊。
あたたかくてじんわり、良い本だと思いました。
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短いお話がたくさん収められているけれども、どの話も3つの帝国ホテルのどこかが舞台。ホテルを舞台によくこれだけの数の短編を紡げるなぁとまずは目次を見て驚き。
家族の話や友人の話がほとんどですが、どの話も心温まる展開。帝国ホテルは歴史と格式がやはりある分お話も厚みがあって短編と思えないほどどの話も背景や年月を想像させる奥行きを感じます。
さすが角田さんだなぁとうなります。
心が疲れているときに手に取ったらとても癒されそうな一冊です。
お父さんの話が特にいいなぁと思いましたね。(「父のちっぽけな夢」「あの日の出会い」)
装丁もかわいい。帝国ホテルなんて行ったことないしこれからも行く機会がなさそうだけれど、アフタヌーンティーセットをいただいてみたくなりました。
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「子どもが成長して大人になるのではなくて、自身の内の子どもを守ることが、大人になるということなのかもしれない。何があっても、かなしいときもしんどいときも、その子を傷つけないように、その子がずっと夢を見ていられるように、守れるくらい強く大きくなることが」
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帝国ホテル、入ったことも泊まったこともないけど、42人のドラマがつまった珠玉のお話でした。
いつか泊まってみたいと思いました。
今回の物語に登場したみなさんと同じように、緊張するだろうけど(笑)
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帝国ホテルを舞台にした短編集。
「しあわせは……」が一番好き!
「子どもが成長して大人になるのではなくて、自身の内の子どもを守ることが、大人になるということなのかもしれない。」
「求めるしあわせは、年齢によって変わり続ける。けれどけっして変わらないものもある。変わらないしあわせほど、なんでもなくささやかなものだ。しあわせは、子どものままで会える友だち。」
帝国ホテルって東京だけじゃなく、大阪と上高地にもあったのね。赤い屋根がステキな上高地の帝国ホテルのマントルピース見たい!
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帝国ホテルを舞台にした42編もの短編集。
ひとつひとつが、誰かの記憶の中で小さな宝物みたいに光っている。
そんなひとときを描いたストーリー。
角田さんは昔から好きな作家さんのお一人。
いくつになって読んでも、やっぱりじんわり心に響いてくる瞬間に出会える。
読んで良かった。
ホテルって、いつもよりちょっと贅沢で特別な場所。夫婦に親子、恋人、若い頃の自分、仕事仲間、さまざまな人との思い出をつなぐ特別な場所でもある。
切なかったり、胸がキュッとするもの、郷愁を感じるもの、幸せを感じるもの……
何だか懐かしい夢を見ているような、思い出をたどる旅のような気持ちになる。
読後のしっとりとした余韻もよかった。
上高地の帝国ホテルにいつか訪れてみたい。
「帝国ホテル」繋がりというと、帝国ホテル二代目の本館(通称ライト館)の完成までを描いた作品
「帝国ホテル建築物語」 植松三十里
もすごく良かったのを思い出した。
Posted by ブクログ
ホテルという場所に行きたくなる1冊
すべてショートで読みやすく、装丁がとっても好み♡
もともと旅好きで、ホテルという場所は、作中のように華やかで凛とさせてくれる場所だと思ってる
しっかし
42編も趣きが違う作品を仕上げた作者に、1番の拍手を
とくに好きな作品は
『母と柿ピー』
『父の背中』
『ママにさようなら』
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帝国ホテルと言えば,前職での職場での会食の後、決まって17階のバーに行くのが恒例だった。成功者とバブルの象徴のようなホテルだが、角田さんが描くと嫌な感じがしないから不思議。建て替えられるのは残念だが、その前に一度はバイキングに行ってみたい。
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大きなことが起きるわけでもない掌編の連なりで、ごくささやかな非日常の雰囲気が意外とよかったです。似たような年代の女性ばかりが主人公だからそういう趣向と思ったら、最後の方でなぜか1つ2つ男性主人公の編があったのが多少不思議でした。別にいいけどどうして。
Posted by ブクログ
ショートストーリーなので、
淡々と読めました。
帝国ホテルで、家族の記念を祝えるなんて、ゴージャス‼️
「もうすぐ会える」
が一番好き❤️
自分の娘に、昔出会っていたなんて、なんて素敵❤️
Posted by ブクログ
帝国ホテルを舞台にした短編集。
短いけれどどのお話にも小さな幸せがあって、
今まで敷居が高いと勝手に思っていた場所に親しみが感じられた。
ひとりでも誰かと一緒にでも訪れてみたい。
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ホテル(主に上高地のホテルと東京の帝国ホテルがモデル?)が舞台の珠玉の掌編小説。
主人公は若い女性だったり主婦だったりパートナーの亡くした男性だったり女性だったり孫もいる女性だったり、独身のバリキャリだったりと多種多様。
短いけどそのすべてにドラマがあり、読んだあとは心地よい余韻を残す。
Posted by ブクログ
何と42編もの短編、星新一のショートショートより短い話も多いのではないだろうか、ホテルや上高地の話が多かったが、きっとコロナ禍でどこにも取材に行けなくなって、過去の記憶をたどってブレインストーミングしたんだろうなと思った、他の女性作家もやたらとこの時期は短編が多かった、わたせせいぞうが絵をつけたら良いだろうなあという物語も多かったが、やたらと死や別れの物語も多く42編という縁起の悪い数字もあり最近身近な有名人が亡くなっていく中どうか身体にご自愛くださいと言いたい。
Posted by ブクログ
東京、大阪、上高地の帝国ホテルを舞台にした短編集。寝る前に数編ずつ読み進めて、心地よい眠りに・・・。
ホテルっていいな。とくに上高地の帝国ホテルにはぜひ行ってみたい。
せめて時々食事に行くホテルをこれからも自分の人生の折々に登場させていきたいなとも思った。
Posted by ブクログ
ホテルの扉を開けるだけで、ちょっとした人生の悲喜こもごもが沢山
詰まっている。
短編ながらとても味わい深く
舞台となった上高地の帝国ホテル
のマントルピースの前に座り
ながら珈琲を飲みたくなった。
Posted by ブクログ
ひとつ5ページ程度のとても短い短編集。帝国ホテルマガジンでの連載の書籍化であり、すべての短編の舞台が帝国ホテルである。性質上、帝国ホテルへの思いのある人が読むことをお勧めしたい。バリエーションに富んでいるが性質はどこか偏っているこの短編集そのものが、帝国ホテルという場所をよく表現しているなと思った。それにしてもこの短さに表現が詰まっていて驚くばかり。
Posted by ブクログ
【収録作品】母と柿ピー/月明かりの下/十八年後の、新たな幕開け/父のちっぽけな夢/変わって変わらず/父の秘密/とくべつな場所/あの日の出会い/いくつものありがとう/架空の再会/あたらしい場所/しあわせは…/私のはじまり /もうじき会える/未来の花火/だれかのための/家族の元旦/いちばんうつくしい山/黄色い花と金曜日/私の舞踏会/あのころの私と出会う/山の名前/ジャズと幽霊 /忘れものの重さ/彼女の真実/秘密を解く鍵/ここが彼女の家/未来を泳ぐ/ママにさよなら/違う道をいく/礎の一日/ベビールームの思い出/それぞれの季節/はじまりの一日/画面越しの乾杯/あなたを待ついくつもの部屋/このうつくしい世界で/幸福を切り取る/父の娘の小旅行/あなたはあなたの色で/花の妖精/光り輝くその場所
3つの帝国ホテルを舞台にしたショートショート。
一気に読むより、一つずつゆっくり読んだほうがいい。
Posted by ブクログ
久しぶりの角田さん(*´◒`*)
3つの帝国ホテルを巡る短編集。1話あたり5ページくらいなのに、ちょっと読むだけでお腹いっぱいになっちゃう。
特別な日に特別なホテルで過ごす時間。それぞれの想いや、スタッフの気持ちがいっぱい詰まってるんだなぁ。
とここまでは良いだけれど、個人的には上高地の話がなんだか読んでいて苦しかった。東京、大阪、上高地でそれぞれ同じ話数になっているっぽいけど、上高地少なめでも良かったのでは…
私の中の角田さんの作品は「都会の人々」のイメージで、都会のオフィスや下町で暮らす人などグラデーションはあれど、山の中のイメージはないのだ。上高地の描写はどれもステキだったのに、なぜか「ああ、また上高地の話が出てきた…」と毎回残念になるのが我ながら不思議だった。
「東京帝国ホテルを訪れるいろいろな人」の話を無意識に期待していたのだと思う。赤い屋根の山の中のホテルの話は別の作家さんで読みたかったのかもしれない。東京と大阪は縁がなさそうでも、上高地だけは「いつか行きたい」の気持ちがあるからかなぁ。
Posted by ブクログ
ホテルを巡る様々な掌編。ホテルの中に様々な人生模様がある。1人になって、夫婦で、家族で、人生を思い返す。ささくれた気持ちをリセットする。若い頃は敷居が高くて、今も贅沢に思えるけど、たまには自分の為にゆっくりするホテル時間もいいな。ホントに独りぼっちになった時にやりたい事に加えた。
Posted by ブクログ
全国3ヵ所の帝国ホテルを舞台に描かれたショートショート。ひとつの物語が5~6ページなので、細切れ時間に読むのにぴったりでした。11年にわたって帝国ホテル発行の会報誌に連載された物語の数々は、様々な思いを感じさせてくれました。角田光代さんの引き出しの多さに作家の凄さを感じました。
42の物語のなかで、私のお気に入りは『しあわせは······』と『私のはじまり』です。
「変わらないしあわせは、ささやかなものだ」という言葉を切に感じたことがあったのと、「新しく生きようとした決意」に触れたことがあったからだと思います。
2024年もあと1日。今年は多くの本と巡りあえて楽しかったです。来年も引き続き、こんな一年が過ごせますように。皆様も、どうぞよいお年をお迎えください。
Posted by ブクログ
帝国ホテルの会報誌連載の短編集。このホテルを知っている人、思い入れのある人が読むとより感じ方が違うと思う。秋の夜長にちょっと読書したい時におすすめ。どこか心温まる大切な話に出会えるはず。自分は人生で1番大切な場所と出会えるだろうかと深く考えさせられた。帝国ホテルの日本で最初のバイキングにぜひ行ってみたい。
Posted by ブクログ
ホテルというシュチュエーションでこんなにも多彩に物語が生まれることに驚いた。
非日常的な場所で人は出会ったり人生の転換を迎えたり、時には過去を振り返り気付きを得る。
ホテルに限定されているのにどの話も似通ってなどおらず繰り広げられる物語に飽きることなく読み耽った。
Posted by ブクログ
帝国ホテルを題材にした短編作品でした。ページを捲ると色々なエピソードが詰まっているのですが、たとえ辛い思い出であっても一流のホテルが舞台なので、良識的で最終的には穏やかな気持ちになりました。
Posted by ブクログ
帝国ホテルにまつわる短編集。
50代以上の女性主人公率が高めで、そこまで面白いとは思えなかったものの、家族の思い出や自分の若い頃の思い出が詰まっている帝国ホテルという存在を強く感じた。
浮気をしているかと思われた夫が、実はホテルのフィットネス会員であり、泳ぎに行っていたことが分かる話が印象的だった。浮気をしていると思うほど、きっと本人は生き生きとしていたのだろう。ホテルは宿泊しなくても、活力を与えてくれる場所なのだな。
表題作も良かった。私も今まで自分が泊まった部屋を一つずつ思い出した。良い部屋もあれば悪い部屋もあった。でもすべて、大切な思い出だ。
仕事でホテルを使うという人もいると思うが、私にとってホテルは非日常を提供してくれる素敵な空間だ。これからも色々な部屋と巡り合えるかと思うとわくわくする。
Posted by ブクログ
インペリアルホテルの銀座や上高地、大阪を舞台にしたもの。流れるような文章に各自の様々な思い出が深い味わいを与えてくれるが、読み進めると何度も同じシチュエーションが表れる。スポンサーなので仕方ないが少し残念。
Posted by ブクログ
帝国ホテルを舞台にした短編集。
あまりにも有名で敷居が高い感じがするけれど、この小説を読むと、帝国ホテルに行ってみたくなる。
中でも帝国ホテルで働いていた女性を取り上げたいくつものありがとうという話が好み。
様々な人々が帝国ホテルに対していろんな気持ちを持っていて、さすが日本を代表するホテルだと思った。
以前帝国ホテル大阪に一度だけ泊まったことがあるのだが、とても心地よかったことを今でも覚えている。
上高地や東京の帝国ホテルには行ったことがないので、いつか行ってみたいと思う。
Posted by ブクログ
とても短いお話が40話。7月末に購入してから、1.2話を読めない日もありつつゆっくり読みました。これは帝国ホテルに泊まりながら読んだら最高だろうな。杉本さなえさんの絵も素敵だし、いつか宿泊できる日まで大切に本棚にしまっておこう。