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私たちはたくさんの愛を贈られて生きている。この世に生まれて初めてもらう「名前」。放課後の「初キス」。女友達からの「ウェディングヴェール」。子供が描いた「家族の絵」――。人生で巡りあうかけがえのないプレゼントシーンを、小説と絵で鮮やかに切り取った12編。贈られた記憶がせつなくよみがえり、大切な人とのつながりが胸に染みわたる。待望の文庫化!
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Posted by ブクログ
個人的な話になるけれど、本作を買った日は思い出深い1日だった。 というのもその日は出産を終えた妻と子供の退院の日で、病院に早く着きすぎてしまったため時間潰しに本屋に行ったのだけど、その際、たまたま本作が目に留まった。 双葉文庫40周年記念のクレヨンしんちゃんの装丁がかわいかったのと、帯にあった「わた...続きを読むしもあなたも、産まれて初めてもらうプレゼントは名前」というフレーズがとても気になって購入。子供がうまれたばかりということもあり、「名前」という作品には特に感銘を受けた。 本作は「プレゼント」をテーマにした短編集。一作あたりが10分くらいで読めるので、移動時間の合間なんかに少しずつ読んでみるのもよさそう。 ちなみに各話には与えられた「テーマ」から着想された挿絵があって、例えば「名前」というテーマに対して作家さんの描く物語と、イラストレーターさんの挿絵が意外と違っていたり、また逆に似ていたりしてなかなか面白い。 各話はどれもやさしい物語で、読後感は爽やか。かなりオススメの作品です。というわけで⭐︎5つ。
40周年限定カバーになっていて目に留まり、購入しました。 1番好きだったのは『名前』。私も小学2.3年生の時に名前の由来を発表する授業があり、全く同じことを親に言われました。「春に生まれたから」と。弟2人の名前は少し珍しい漢字が使われていて、意味もしっかりあって…。羨ましさもあり、なかなか自分の名前...続きを読むを好きになれませんでした。 でもこの本と出会い、なんだか少し救われました。 出会えてよかった。
これまでにもらったプレゼントを振り返ってみた。小さい頃に親からもらったずっと欲しかったローラースケートや、オモチャの指輪、大人になってもらったマカロンや靴など色々思いつくけど、物そのものを通して、贈ってくれた人との思い出やその頃の気持ちが物とともに記憶として残っている。 大人になると、物そのもの以外...続きを読むにも、言葉や行動、存在自体が贈り物だなと感じる瞬間と出会うようになった。 プレゼントだと気づかないくらい些細なことから大きな存在まで、心にしみる大事なプレゼントに気づかせてくれる話が詰まった一冊。
プレゼントに関する短編集 人からもらうものって姿形のあるものだけじゃなく、姿形のあるプレゼントだったとしてもそれと一緒に愛情とか仲直りしようとする気持ちとかが含まれてるみたいな内容でなるほどねえってなった 女性が主人公で大体のストーリーが暗いというか現実的でキラキラしてない現状とかから始まるのも角...続きを読む田光代らしくて引き込まれた その現実的な退屈とか不満とか色々ネガティブな感情とかがごちゃごちゃな生活の中で立ち止まって考えてみたら、ある物事とか今の状態とかが実はすごいありがたいってこととか、過去のキラキラの思い出が作り出したのが今だって気がつくみたいな現実離れしてないストーリーなのがすごいよかった
友人がプレゼントしてくれた一冊。本を読むのが苦手で、悩んでいた私のことを考えて選んでくれたのだと思う。タイトルとまさに同じ状況で、「私もこんな粋なことができる素敵な女性になりたい!」と思った。 私は、映画でも観ている途中で最初のほうの話を忘れてしまったりする。この短編小説は、短いからこそ何も忘れな...続きを読むいうちに読み終えることができた。どの物語にも印象的なシーンがあり、比喩表現一つとっても洗練されていて、これから先、私が同じような場面に出会ったら、この小説に書いてあるように感じるのだろうと思った。真似したいフレーズもたくさんあったなあ! 物語の一つ一つに感動ポイントがあって、電車で読みながら、涙をこらえるのが必死でした。何年も前に書かれた本だけど、人が感動する場面は変わらないのだなあ。
ハズレなしの短編集でした! どの作品も温かさに溢れていて大好きなのですが、特に「名前」と「うに煎餅」が好きです。
私の大好きな大切な本。表紙が綺麗だからという理由で図書室で手に取りページを開いてとにかくのめり込んだ。文章の無駄のなさ、言葉選びの美しさ、本当に全てが完璧だと思った。何度読んでも美しい。6年たった今でも読み返す。どの話においてもその様子や人の顔、家の中や匂いまで全てが想像出来る。挿絵が抽象的で更に想...続きを読む像をかき立てられる。きっといくつになっても手放すことはないだろうと思う1冊。
匿名
贈り物とは何か。
贈り物にまつわる短篇集。次に出てくるのはどんな贈り物なのかとわくわくしながら読んだ。描かれているひとつひとつの贈り物はどれもささやかだけど、どれもかけがえがなくてあたたかい。 ここに出てくる贈り物は実際に手にとることのできる品物でもありながら、それだけじゃない。平凡だけどそれなりに苦しい人生に、そ...続きを読むれでも誠実に向き合おうと決めたとき、ささやかだった風景が輝き出すこと。それをこそ作者は贈り物と呼んでいる。
形の有無に関わらず、それによってもたらされた経験そのものがプレゼントの本質なのかもしれないと思った。そもそも人生そのものが両親からのプレゼント。 後書きの「人は贈るより、つねに贈られる方が多い」に、はっとさせられた。
家族をしていてやりきれない事やそんな中でも日々の幸せを感じられる時が描かれている。 まーいっかと曖昧に思うことや後少しだけやってみるかで、上手くいくかは分からないけれども人と暮らすってそういう事かなと思わせられる。 また、松尾たいこさんの絵がとても素敵な本。
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角田光代
松尾たいこ
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