角田光代のレビュー一覧
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昔誰かが、日記の書き方について話しいていた。その日一日のことを何時に起きて、とのんべんだらりと書くのではなく、その日のほんの20秒ほどのことを書き尽くしない、というようなことを言っていた。
この作品を読んでいて、それを思い出した。日々は些細な決断の連続であることはよく言われるが、ほんの20秒、あるいは10秒ほどの思考や、意識の流れ、感情によってその日は成り立っている。
そのような些細な描写の連続だった。
だからこそ、映像は地味だけど、彼らの寄るべのなさがありありと迫ってきた。私が普段見て見ぬふりをしている心もとなさを見せられた。
ただ、物語はどれも悲観的に終わるわけではなく、寄る辺なくも -
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ネタバレあとがきに「明日には忘れるようなどうでもいいことを書く」とあるように、友人とたわいもない会話をした後のような読後感でした。オレンジページの連載とのことで、各話さくっと読みやすい長さです。
食に関するエッセイが好きなので、この本でも、「食」の章が好きです。自分の気持ちを言語化してくれていると思う部分が多く、特に「『おいしい』の謎」の「違う家で育ち違うものを食べてきた大勢の『おいしい』がなぜいっしょなのかも、わからない。」ところには、確かに!と相槌をうちながら読んでしまいました。「ホテルのバイキングの朝食」でも、「こんなにたくさんの料理を、朝っぱらから、自力では用意できないという降参のもとに成り立 -
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なんともかわいい小説。
テルちゃんは完全にイカれてます。でもしんどいくらい共感する部分もある。心ではわかっているのに何故かいつまでも執着してしまう。
逆にマモちゃんを見ていて、自分の過去の行いを思い返すこともありました。あの時、自分はまったく相手のことを考えられていなかった。
いろいろ過去の恋愛を思い出しながら読み進められたのは、月9みたいにキラキラしていない等身大の話だからなのだと思います。
今泉力哉監督の映画が好きで、「愛がなんだ」もお気に入りの作品なのですが、今まで原作の存在を知りませんでした。読んでみて、描写や台詞回しなど今泉監督の原作へのリスペクトを感じました。 -
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とても新鮮な気持ちで
読み進めてたけど、
途中で「ムム?」この
既視感や如何に・・・
そう、この本過去にも
読んでました(笑
それはさておき、本を
閉じるその刹那、
大げさですが宝石箱を
閉じるような気持ちに。
収められた短篇の一つ
一つに、
輝石のようなかがやき
を感じたからでしょう
か。
この本は今さら恋愛話
なんてフッという方に
お薦めです。
色とりどり二十四篇の
物語のなかに、
貴方の記憶をくすぐる
一篇がきっとあるはず。
私も遠く若かりし日の
甘酸っぱいワンシーン
を思い出しました。
ワンシーンで十分だと
思うのです。
その記憶は紛れもなく
貴重な輝石ですから -
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私は自分のルーツを知らない。
「結婚失敗した」と喚き続ける不幸せそうな母を長年見続けたいせいか嫌でも知りたくないのだ。
なので、一族のルーツを知りたいと思った良嗣は、なんだかんだ言って健全に育ったんだなと思う。笑
異国の地で敗戦を知らされ、苦労し続けた祖父母。
今日の一日を生き延びることに必死なあまり子どもを飢えで死なせてしまうところや、お世話になった食堂の家族との別れはとても悲しかった。
そんな親の苦労を知らず平和ボケした子供たち。
必死に働き続けてる両親を見て育ったのに、みんな親不孝だ。
そしてさらに平和ボケした孫達。
特に基樹と早苗、お前らなんなん?
命を産んで繫げていくってそ