角田光代のレビュー一覧

  • 世界中で迷子になって

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    角田さんの旅とモノのエッセイ。

    海外旅行って英語は話せないといけない、ちゃんとした宿を決めないといけない、何があるかわからないから怖い、好奇心旺盛で旅慣れた人が行く場所…とものすごくハードルが高いものだと思っていたのだけど、「人より心配性で小心者」の角田さんが「本当にその場所があるかどうかただ知りたい」との思いで、いろんな国にふわっと放浪し、ときには悪戦苦闘する姿に海外旅行の概念をぶち壊されたと思う。

    何か体験をしないといけないとか、美味しいものを食べなきゃいけないとか、自分は海外旅行で失敗することが怖かったのかもしれないと気付いた。それも含めて旅なのに。

    とにかくその雰囲気を味わってみたいと飛び出す勇気が必要だったんだなぁ。

    素晴らしい小説を沢山書いている方なのに、エッセイを読んでいると親近感がわいてお話してみたいなと思ってしまう。

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    2020年12月17日
  • 幾千の夜、昨日の月

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    こんな夜あったな、そういえば夜ってこういう気持ちになるなと個々人が抱く夜がどういったものなのか文書に触れて思い出すという経験が出来る貴重な本だと思う。夜のしんとして一人を感じる経験は誰でもしているんだなとすとんと分かった気がする。

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    2020年12月11日
  • 世界は終わりそうにない

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    角田さんの本が好きで、もっと知りたくて読んだエッセイ本。

    角田さんが一人で世界中旅していたり、トレイルランやボクシングなどのアグレッシブなスポーツをしたりする方だと想像していなかったので驚いた。自分の興味があるものにぽんっと入って取り組んでいく姿が素敵で、こういう年のとり方をしたいなと思った。

    三浦しをんさんとの対談の中で、本の選び方でジャケ買いや好きな作家から選ぶ他に「書評を見て選ぶ」と言っていてそんな選び方があるのか〜!と目からウロコが落ちた。文庫の一番後ろにあるから一番最後に読むものだと思いこんでいた。

    生活や恋愛、本に関する対談にしても(一番好きな「さがしもの」の「彼と私の本棚」に少し言及されていて嬉しかった)、人生の先輩の話を隣で聞いているようで居心地の良い本でした。

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    2020年12月05日
  • 人生ベストテン

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    ネタバレ

    短編集。人生ベストテンが圧倒的にアラフォー喪女に突き刺さる。グサグサと。
    13歳の夏に数週間だけ付き合った男に会いにいった同窓会で元カレ(だと思っていたが実は偽物)にまんまと騙されホテルに行き、自分は恋もたくさんしたし今は結婚の予定もあるという嘘八百をべらべらと気持ちよく喋り、挙げ句の果てにはその男に高額な鍋を買わされてしまう。
    そこまでならああああ痛い経験だ痛すぎるで終わるのだが、そこまで騙されて彼女は「あの男は13歳のあの夏からわたしに会いにきた彼なんだ」というこれまた都合のいい妄想に浸って幕を閉じる。
    上手いなあ。
    自分もアラフォーの冴えないおばさんで同窓会なんて行ったこともないがやはり行くもんじゃねえなと胸に刻んでおくことにするよ。

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    2020年11月29日
  • 私はあなたの記憶のなかに

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    短編だけど、入り込んで読めた。特に表題作の妻が残した「書き置き」が印象的だった。
    結末はどれも曖昧で、すーっと霧の中に吸い込まれていくような感じだけど、うっすらと先が見えるような気もした。

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    2020年11月25日
  • 源氏物語 上

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    古典なので、読みづらいのではと思っていたが
    とても読みやすく、登場人物の感情がよくわかるため
    分厚いのに最後まで読み進めることができた

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    2020年11月23日
  • なくしたものたちの国

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    さてさてさんのレビューを見て読み始めました!
     
    ちょっとファンタジー要素がある不思議な内容の話でいつの間にか引き込まれて一気に読んでしまいました。

    特に好きなのは三章「なくした恋と、歩道橋のこと」タイトルも素敵です!
    生き霊仲間で、超弩級の恋愛の話をするのですが、
    その中の1人の権堂君が言うセリフで
    「自分が好きだと思うのとおなじだけを、
    相手がかえしてくれなくて、あるいは返してくれてるようには思えなくて、それで、どんどんどんどん、好きが吸い取られていって、気づいたらとんでもないくらいの好きになってるんじゃないかな」
    おお!すごく納得いきました。

    一番最後のところもすごく好きな言葉なので抜粋します!
    「どこからここにきたか、ここからどこにいくか。
    それはまったく等しい事のように、わたしは思える。
    忘れないようにしようと、ひとつひとつのものや景色や人に触れてわたしは思う。
    別の場所で、違う場所で、違う姿で、違うかたちで、違う命のありようで出会ったときに、思い出せるように、忘れないようにしよう。
    愛した人たち、愛したものたち、どうか忘れませんよに。

    素晴らしい小説でした。挿絵も可愛いです。

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    2020年10月23日
  • かなたの子

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    ひたひたと恐ろしい。
    素晴らしい本だが、怖い話は好きではないので☆4

    最後の安藤礼二氏の解説が秀逸。

    土俗的な即身成仏伝説や輪廻転生、子どもの霊などが出てきたり、現代人の悩み?のような、人の弱さを描いたような話
    2話ずつまとめた形式で面白い。

    静かな怖さはさすがの角田光代氏!

    『同窓会』が想像できるシチュエーションすぎて、リアルに怖かった。

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    2020年10月20日
  • 月と雷

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    自分だけがおかしい、ひねくれてる…なんて悩みは周りを知らないだけなんだと思った。
    みんな、同じように悩んでるし、失敗しちゃうし、望む方向と違う方に進む羽目になったりする。
    でもそれが人生なんだろうなぁ。

    進み出したら、毎日乗り切っていくしかなくって、明日の為に今日を過ごして。
    とても人間らしくて、主人公達に共感できてしまう。
    日々を精一杯過ごすって人それぞれだけど、どんな形であれ素敵だなと思う。

    でも、関係なくなると意外と人間関係ってあっさりしていたり。
    平凡って思ってる人達の中にも日々の心の揺れや変化ってあるんだなぁ。
    そして個人の背景にはいろんな人が存在しているって気づくとなんだか大切さに気付ける気がする。

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    2020年10月06日
  • 物語の海を泳いで

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    角田氏の本の感想,批評,偏愛が興味深く,メモを片手に読み終わってみれば,たくさんの書名があり,読むのが楽しみだ.

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    2020年09月26日
  • なんでわざわざ中年体育

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    運動がそれほど好きではない著者が、フルマラソンをはじめトレラン、ボルダリング、登山などさまざまな運動(本書では体育)に挑む様子を描いたエッセイ。

    中年で面倒くさがりながらも果敢にチャレンジする著者の姿に勇気づけられる人も多いのでは。

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    2020年09月20日
  • ロック母

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    最近読み始めた作者なので、初期の頃からの短編集はとても新鮮だった。あとがきにご自身で評価する『迷える足跡』に納得。

    爆竹夜までの3作がイマイチで、このままいくのか?と不安になったが、カノジョ〜ロック母〜と屈折した思いの中にも小さな愛や笑いがあり、さすが!と。

    始め3作と後4作での読後の違いをうまく言葉に出来ないが、何かが違い、角田作品の引き込まれる感じ、どんどん面白くなっていったので、☆4

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    2020年09月14日
  • 月と雷

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    奔放な母と放浪のような生活をして大人になった智。妻が出ていった家に残された娘の泰子と一時期一緒に暮らしていた。 
    大人になった智が会いにやってきた事から、泰子の生活は変わりだす。
    解説の小池昌代さんの、直子の自由に一瞬嫉妬する。そして多くの女は、そんな直子に育てられた不幸の色気を持つ智に惹かれるのだ。に物凄く共感。
    普通の生活が、一番難しいのかも。

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    2020年09月04日
  • 物語の海を泳いで

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    ネタバレ

    売れっ子作家さんなのに、すごい読書量、もちろん数年に渡ってのことだけどそれにしても、すごい。量だけでなくその分析力、洞察力の鋭さはさすが!
    著者にこんな的確に書評してもらって書いた作家さんたちも嬉しいだろうな。
    この本を読んだら、読みたい本が次から次に出てきて時間が追いつかな〜い。
    せっせと読む時間を確保しなければ。

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    2020年09月03日
  • 予定日はジミー・ペイジ

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    角田さんの描く女性像が本当に好きだ。
    今回の主人公マキも、予期せぬ妊娠による戸惑いから、次第におなかの中の子へ湧いていく「ただ無事に生まれてくれればいい」という愛情の変化を遂げていく心理描写が、自身の妊娠体験とも重なる。
    母親学級で知り合った、気の合わない妊婦に「うるせえ、うるせえ、うるせえ」と心の中で吐き捨てたり、無事出産できたらタバコを吸ってビールを飲みたい!と素直に言える「不良妊婦」なマキは、私そのものだ…。
    女性は妊娠したら、聖母マリアのような慈悲深い愛を持つ母親になるわけではない。出産の苦しみ、その後も続く乳児期のお世話を経て、時間をかけて子どもと一緒に「母親」になっていくのだから、世間が思い描くようなお花畑なマタニティライフでは決してないし、そう過ごせない自分に劣等感を感じることもないんだ、がんばらなくてもいいんだと思える、救われる一冊だった。

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    2020年08月25日
  • 幾千の夜、昨日の月

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    夜がテーマのエッセイ。

    角田さんの文章は分かりやすく、情景が鮮明に浮かびました。行ったことのない国の夜も感じさせてもらえるので、旅している気分に。落ち着いたら海外の夜を楽しみに行きたいなと思いました。

    そして、多種多様な夜を感じられてきたんだなと感じました。その感性に刺激を受けて、自分の夜も振り返ってみたくなりました。

    心躍るときもあれば、孤独を感じるときもある。期待で胸を膨らませるときもあれば、不安で押し潰されそうなときもある。
    どんな夜も愛おしいなと思える本でした。

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    2020年08月24日
  • 字のないはがき

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    クレヨンで描いているのか、独特の掠れと温かみのある絵がいい。
    物と足で表される家族の動向。
    切り取られた先の現実を、想像せずにはいられない。
    見えにくいけれど、たしかに存在する父の愛が切ない。

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    2020年08月21日
  • 今日もごちそうさまでした

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    食にまつわるエッセイ。

    この人のエッセイ、好きかも♪ そう思った一冊。
    好き嫌いの多かった角田さん、ふとしたキッカケで美味しいことに気付いたとかいいなぁ♪

    自身も小さい頃は好き嫌い多めだったし、簡単なキッカケで今はほとんど好き嫌いもなし。
    『美味しい』と思える食材が少ない人生ってもったいない!! 
    食べれるようになるとやっぱりそう思っちゃうんですよね~(笑)

    スパーンと言い切っちゃう書き方とか、クスリと笑える表現とか^^ 楽しい人なんだろうなぁと勝手に想像(笑)

    『食』へのワクワク感が大幅アップした一冊になりました♪

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    2020年08月19日
  • 泥酔懺悔

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    総勢11名の情勢が、酒にまつわる、まあ総じてどうしようもない、どうかしている経験とその反省と言うか自らを省みて飲酒の鋼材と何故に人は記憶を失うまで泥酔しなければならないのかをシリアスに語るエッセイ集。非常に秀逸。

    なかでも山崎オナコーラさんの「ひとりでお酒を飲む理由」には身につまされてなるほどなるほどと、自分にとってのお酒の立ち位置、のみならず人との関わり方、一人でいることの楽しみ、みたいなものを的確に表現されていて膝を打つ思い。

    しかしまあ、みんな記憶をなくすんだね。ちょっと心配していたけれど、まあ、酒飲みなら普通だわな、うんうん。

    三浦しをんさん、角田光代さん、平松洋子さんといった大好きな作家のみなさんの文章が読めて幸せだ。
    これは酒好きのバイブルだな。酒場巡りしている女の子たちには是非読んで欲しいなあ。

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    2020年08月15日
  • みどりの月

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    キタザワもマリコも、オレンジの巻きスカートの女も苦手だ。
    読み始めてすぐに思った。ルーズで、グダグタで、図々しくて、

    「しっかりと」「普通はこうでしょ」ルールに縛られがちな自分を彼らは遠くの方でニヤニヤ笑っている気がするから(とんだ被害妄想だけれど)

    南も「私」も彼らに対してしっかりと(?)苛々するしそれを行動や言葉にするのだけれど完全に拒絶するわけではない。
    そこが読んでいてもやもやするし、苛々するし、でもそうそう、実際そうなんだよなぁとも思う。

    気になる、待っている、厚かましくてルーズな彼らのことを私も。

    苦手な人、自分とは相容れない人と関わった時、その時の気持ちを「ムカつく」「〇〇な気持ち」とか簡単に整理することも行動に移すことも現実は難しい。
    嫌だな、苦手だな、訳わからないなと思いつつも惹かれる、姿を探している。
    形容し難い気持ち達に折り合いをつけながら生きているんだと思う、私たち人間。

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    2020年08月11日