あらすじ
好きだから許せる? 好きだけど許せない!? 男と女は互いにひかれあいながら、どうしてわかりあえないのか。カクちゃん&ほむほむが、男と女についてとことん考えた、恋愛考察エッセイ。
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Posted by ブクログ
角田さんも穂村さんも大好きで興味を持った本。
角田さんは女性として、穂村さんは男性としての意見を交互にやりとりして進んでいく。
こういう女性が多いかもしれないけど自分は違うとか、もてる男性はこうだが自分にはできないとかいう話題も出てきて、男女の違いを紐解くという面白さももちろんあるけど、ただ角田さんと穂村さんが恋愛観について意見を交わし合うという意味でもすごく興味深かった。
特に印象に残ったのは次の二つ。
一つ目は、「もてる」というのは対人的な「スペース」、つまり「隙」が関係しているのでは?という考察。
隙、確かに大事だよなぁ、わかるわかる。
学生の頃からもてるのは、狙った獲物は逃さないようなギラついている子より、「なぜか可愛く生まれちゃったの」と言わんばかりに無垢を武器にしている子だった。
男子の場合は、「もてたい」を全面に出してもてる子もいたけど、それは自分の欲を露わにして腹を見せることで生まれるオモシロ系の隙によってもてていたんだと思う。
以前穂村さんの作品を読んで、「穂村さんって年を重ねるごとにもてる気がする」みたいな感想を書いたのだけど、それも完全に「隙」だ。
もてたい!という必死感が年を重ねるごとに薄れていって、いざ好かれると、こんな自分の何が良いの?って不安に感じてしまいそうな穂村さんってめちゃくちゃ隙がある。好き。笑
二つ目は角田さんの「自分をふった恋人が別れた後、幸せになって欲しいか、不幸になって欲しいか」という話。
角田さんは不幸になって欲しいと思ってしまうという話から、以下の文章が続く。
『私にとって、小説を書かせている部分と、その、ふった恋人の不幸を願う部分は、かかわり合っているというだけのことだ。自分でもうまく説明できないのだが、私が小説を書こうと思い、書き続け、なお書きたいと願う、その核の部分は、きらきらしたまぶしい正のものではなくて、黒くてゆがんで湿った負のもの、という気が、どうしてもしてしまうのである。』(p129)
ここを読んで私はため息をついた。
私が角田さんの小説を好きな理由がここに全部つまっている気がする。
角田さんの胸の内に渦巻いている負の部分が原動力になって生み出された小説、そして今後生まれる小説。
まだ読んでいない作品も含めて、これからたくさん読むことができるって幸せだなぁ。
Posted by ブクログ
穂村さんと角田さんの往復書簡形式で進む恋愛エッセイ。読んでいると男女どちらの言い分も共感できる。
特に「好きな人」「まあまあ」「眼中にない人」の区分けは初対面の最初数秒で決まる女の残酷さ、すごくよく分かる。しかも一度区分けされるとそこからの転換はほぼないのだから怖いし、逆に考えると最初の判断ミスで実はものすごく相性のいい人を弾いてしまっている可能性もあるのだけど。
あと、モテとは美醜や内面じゃなく心のスペースであるということ、分かってはいるけど耳が痛い…。
Posted by ブクログ
対談形式よりもずっと読みやすい。
私的すぎて閉口する場面もなくはなかったが、そこも含めて。
すべての男性、女性の意見とは言わないけれども、性差を見事に言葉で表している。正しくは性差からくる個人の差異、かな。
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穂村弘と角田光代が飲み屋で恋愛談義しているような本。
どちらも好きな作家!
割と混んでる電車で読んでいたら、目の前にいた女子高生三人が私を見て?笑っている気がする。
『ちょっとちょっと、あんな本読んでるよー』みたいな眼?
えー別にそんな本か、タイトルか。
自意識過剰かな。。
モテ、非モテ、恋愛カースト
主電源オフなら何してももてない。
…etcについて、2人の見解が交互に出てくる。往復書簡のようであり、2人で雑談してるみたい。
二村ヒトシを混ぜて対談してもらいたい。
Posted by ブクログ
わたしが女だからだろうけど、ほむほむの指摘が意外だったり鋭かったりで唸りまくり。雑誌に交代で連載してたのかな、なんかふたりの往復書簡を盗み見てるような感覚もたのしい。
Posted by ブクログ
男女の考え方ってこんなに違うんだと考えさせられた。
一つ一つがかなり短い短編になっているから読みやすかったし、2人の掛け合いが面白かった。
自分の今までの恋愛と照らし合わせて、考えたりして面白かった。
Posted by ブクログ
男と女って切り口は結構乱暴なところはあるのだけど、なんとなくわかる、の積み重ねで、うーんそれは違うなぁ、とか、いやーそれはわかる!確かに!がちょいちょい混じってきて、結果それなりに共感ができる、って言うのが実は作家の力なんだろうな、と思う。自分の考えのようで自分を小出しにしかしない、というところが上手い
2023.10.17
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Posted by ブクログ
面白かった。
女性は最初の数秒で恋愛対象になるかならないかを判断しているはとても共感した…笑
女性と男性の恋愛に対する認識の違いはけっこうあるんだなと改めて感じたし、なるほど〜という気持ちで読めた。
男性は過去に付き合った女性を資産目録に入れるとか、モテる人にはスペースがある、とかが印象的。
そして、スペース=自信で、その自信は恋愛や異性に対する自信ではなく、自身の内に直結した何かである…他者を受け入れる余裕がある感じ、というのはかなり共感した
Posted by ブクログ
永遠に分かり合えないのかも?
歌人・穂村弘と作家・角田光代が男と女を代表し、それぞれの考えていることを意見交換していく。穂村さんの意見に、そういうものですか、と感心するような納得するような。角田光代さんも女子校育ちだとは知らなかった。
ジェンダー論に踏み込むかもしれないけれど、アップデートしたこういう意見交換をまた読んでみたいと思った。時代や世代が変わるとここで語られている「男性」と「女性」もまた変わるのではないか。
Posted by ブクログ
好きと思ったならば相手が10キロ太っても好きと言えるか。
性格と容姿は比例する事が多い。
内面より外見を褒められる方が人はうれしい。
女子は頑張ってお洒落して化粧をしているからデート代は男が出すべきだと考えられる。奢られる女は頑張った努力の対価。
割り勘男は奢られ女を誘わないし、おごり男は割り勘女を誘わない。
男は変化を望み、女は固定を望む。
私を女は子供に主張し、男はコレクションに転移させる。
〇〇の父親ですとあまり言わないし、△△コレクターのなんとかですと女は言わない。
別れ際の摩擦係数を下げるために本気で愛していた時期があったことにする。
女は非日常を常に求めているが男は日常を得るために非日常を演出する。
会って3分で友達か恋人かのクラス分けは決まる。それが変わることはない。
女の方が好きな人にしか目が向かない。
未婚女性が増えているのは審美眼が変化しないため。
女性の好きな人は1人であるが、男はまあまあいいと思う人が何人もおり、格上げが容易に行われる。
女(ブス)は自分の価値を認められたい、男は自分だけが価値を見出したい。
例えば本を大勢の人に読んでもらうためには大勢の人に読んでもらうように書かなければならない。
時間とともに恋愛カーストは強化される。
ブスデブださいスパイラルからはぬけだせにくい。
かっこいい人は意識せずともかっこいい。
ダサい人の髪型の違いなど些細なものでしかない。
モテとは美醜ではなくスペース(スキ)
人間として他者を受け入れる余裕があり、いきなりキレたりせず、こちらの話しを聞いてくれ、困っている時は一緒に考えてくれる人間がモテる。
男は過去の出来事や思い出を資産に感じる、だから一度好きになった人を嫌いに感じることが少ない
女はなにかのきっかけで生理的に受け付けなくなる
男はいつも最初の恋人になりたがり、女は誰も最後の愛人でいたい
女性とつきあったことのない男性は高い確率で避けられる、すると永遠に女性とつきあったことのない男性のままとなってしまう
そのような人は女子校育ちで男の兄弟のいない女性としか話が合わない
男女共学上がりや兄弟がいたり現実の男を知る女性からは幼く見える
女性とつきあったことのない男独特の無神経さがある
それのない人には今までの過ちや失敗が関係しているのかもしれない
女の私の男は私の子供という意味に近い
男は夜景や女、野球サッカーチームを所有した気になりがち
だから、自分より遥かに上手なプロに対しても自分的意見を言える
女は所有されたがち
男女の年齢が近いと見える事は多いが、離れてしまうとやや視点がぼやけ、お互いの差は年齢の差であると勘違いする
女は男よりも好きなうちは許せる度が高い
反対に好きでなくなっても早い
男はアイドル好きほど好みの範囲が実は広い
女は逆に狭い
女性はほぼすべてケチな男やクチャクチャ食べる男が嫌いである
好きな時は我慢できるから言わないし、嫌いになっても興味がないから言わない。
男は好きだからという理由で何かを許容する考えがないが、ラインを秩序や場の空気で変える。
女性はどきっとするような反論をしたりするが、ただ本当の事を言っている認識である
付き合っている女性よりも付き合う前の女性に対しては、将来の可能性を狭めないために言いたいことを言いにくい。
女は別れた恋人からのプレゼントを捨てるが、男は使い続ける
女はモノに記憶が入るが、男はモノはモノだと考える
女は非日常体験を楽しむ能力に優れている
女にとってモノはわたし
モノから共通点を見つけに行く
女性に比べ男性は服への意識が低い
服にこだわりのある男性は内なる自分が強い
人は憧れから自分には似合わないものを買いがちである
だから自分とかけ離れたタイプの人を好きになる事もある
根幹が変わらない女性は男にオレがいなくてもいいと思わせてしまう
男は価値観が合わない女性にオレにはもったいないと別れを切り出す
こじつけの理由をどうにか作り出して。
女性は付き合うためにも別れるためにも理由が必要。
男はなぜその人が好きなのか理由がわからなくなる事もある。
女性は恋愛を長編小説と考えるが男性には4コマ漫画に過ぎない。
長編小説は未完のまま終われないから気軽に描き始めることができないのだ。
Posted by ブクログ
恋愛における男女の違いや傾向を
2人がリレー形式で語るエッセイ。
男女2人が交代で書いてるから
互いに気づかされる事も多く、
読む側も共感したり驚かされたり。
楽しかった。
飲み会で止まらなくなりそうな議題!
Posted by ブクログ
2013.10/31 作家の角田さんと歌人の穂村さんが、恋愛にちょっと奥手?な男女それぞれの代表となってテーマを絞って、雑誌の連載で交互にやり取りしているのが往復書簡の様で面白い。相手の発した言葉から、更にテーマが移っていき、恋愛って!男女の違いって!!と楽しく読んだ。多分に主観的でもあるのだけれど、二人とも自身の経験や友人知人の情報から一生懸命考えて掘り下げて言葉を紡いでいる。好感がもてた。
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穂村弘氏と角田光代氏が「異性」について語る、リレー式エッセイ。ウンウンとヘッドバンキングするかのごとく頷く内容もあれば、「それ、男女の差で片付けるのは乱暴でしょ!」って突っ込んでしまう内容もあり、飲み屋であーだこーだ喋ってる気分になってくる。こんなに鋭い切り口に持っていけるのは、このお二人だからに他ならないけれど。
生物学的に言えば、男性と女性では子孫の残し方が異なるから、相容れない部分があるのは仕方あるまい。恋愛は、絶妙なバランスで成り立っているよなあと、改めて思った。
Posted by ブクログ
男女のことって尽きない、面白い話題だ。
お二人がずっと喋って(本だけど)るの見ていられる。
見ていられるし、自分も喋りたいことが出てきて、己の中の新しい思いを発見したというか。
三浦しをん氏とも、してくれませんか?穂村さん・・・。
Posted by ブクログ
角田光代、穂村弘が交代で異性について語った恋愛エッセイ。それぞれが独特の感覚でつながってゆく論点が、面白くでも感性豊かに紡がれているところが好感がもてる良書。
Posted by ブクログ
「異性」に関するお二人のリレー形式のエッセイ。オトコノコの不思議、オンナノコの不思議。共感できるところたくさん。お二人の鋭い切り口、考察に目から鱗。結局わからないところがあるから異性に魅かれるのでしょうかね。あのセリフの裏側に隠された真意とかなー。参考になります、穂村さん。2013/200
Posted by ブクログ
角田さんと穂村さん、それぞれの綴った文章から男女のことについて実際にあったことを踏まえながらやりとりしていく。
このやりとり自体も読んでいて楽しかったのだが、お互いが綴っている内容も大変興味深く思わず納得させられることが多かった。
そのうちのひとつ…
たぶん、女性の脳は圧倒的に現在優位なんだろう。そう考えることで、私はこの現象を自分自身に納得させてきた。女性にとって「今」が全て。だから、そこまでの経緯がおごりか割り勘かは、「今」となっては問題にならない。
一方、男性たちは過去から「今」までを連続的に捉える傾向がある。過去の女性たちとの思い出を或る種の資産のように思ってみたり、「戦国武将でいうと俺は信長タイプ」と大真面目に語ってみたり。男性の脳内では過去から「今」までの時間が一直線に繋がって並んでいるのだろう。(p30-31)
Posted by ブクログ
穂村さん、角田さんという
好きな作家さんのリレー式エッセイ。
異性も恋愛も形なし。
だから頭で考えようとする。
感情だけでは覚束なくて
足元がふらつくときもあるから。
そう思っている私には
本一冊を脳内に入れて
辞書化したい一冊でした。
相容れないんだよなあ
そして好きになったら
頭はどこかで考えることを停止させようとする。
ブレーキとギアの繰り返しでした。
Posted by ブクログ
異性についてふたりが文通しているみたいなエッセイ。
名前の通り角ばった角(つの)を食い込ませてくる角田さんと、ただでさえ掴めない輪郭をさらにほわほわと滲ませてくるほむほむ。
大人の男女が触れる異性の真理は、核心をつきすぎている!
Posted by ブクログ
往復エッセイだけれども
表現巧者の2人だから
男女の違いについて
なんだかとてもすごい高みに上っていく気がする
何か所も引用しておきたくなる本
ずっと往復していくことが
可能じゃないか
と思わせる終わり方
Posted by ブクログ
交換日記のようなエッセイだったが、なかなか同意できる部分も多くて面白く読んだ。バルーンすかーとのくだりは、その解釈と見抜いた女性にドキッとしました。
Posted by ブクログ
おもしろかった。
見事におもしろかった
意識の違いって、こんなに明確に分析表現できるものなんだなぁ。
なんとなく、最後の方の物語云々を読んで恋愛をするには自分が主人公になることが必要なのかな。
特に女性には。そう感じた。
いや、自分の人生の主人公は自分自身ですよ的論法は承知してるんだが、それよりも明確な物語化というか。
言うなれば他人に自分のラブストーリーを語ることを恐れない主人公気質…
男性はそれが過去の武勇伝になっちゃうんだろうなぁと会社のおっさんたちを見てて思った。
Posted by ブクログ
穂村弘ということだけで読む。
期待していたようなものではなかった。
つまらない訳でもないが、穂村弘の良さというか、面白さがあまり感じられなかった。
さらっと読めて、印象には残らない。
つまらないわけではない。
Posted by ブクログ
恋愛カースト制度的に最下層で燻りっぱなしの者としては、ハートをグッサグサさされまくった一冊であった。
恋愛、男と女をベースに、二人の作者が「前章の一部を引用して」書き続ける。
対話のようで、対話とは少し違って見える。
面白い。
Posted by ブクログ
渋谷デザイナーズマーケット内の「BOOK TRUCK」(移動本屋)で300円(うろ覚え)で購入
ジェンダーに関わる本が選書されていて、たくさんの本に出会えた
なかなか実生活ではしない、男女が面と向かってお互いに異性について話するっていうのが面白い
p.s.2022/12/07
昨日、(たしか)nhk にでてる角田光代さんをみた。めちゃめちゃ穏やかな人で、そのような方から鋭い言葉が出てくることが意外。再読決定。また違う読み方ができる
Posted by ブクログ
モテるかどうかは、対人的なスペースがあるかどうかだ発言に激しく同意。お二人の交換日記のように交わされる恋愛論によって、男女のスタンスのちがいが明らかになっていく様子がとても面白かったです。
Posted by ブクログ
男女交互の文通のようなエッセイから男女の主に恋愛に関する共通点と相違点がわかる
モテない人間がどのような誤解を持っているのかなどが読み取れて興味深い
Posted by ブクログ
二人とも好きだから買ってみて、あーなるほどねーって思うとこもあったけど、なんとなく流し読みしてしまった。2人それぞれの恋愛としては理解できるけど、世代が違うから自分に置き換えられないものもしばしば。
Posted by ブクログ
人気著作も数多い作家の角田光代さんと、歌人の穂村弘さんが、同じテーマ…主として恋愛について自分の考えをや意見を述べたちょっと風変わりなエッセイでした。
「1.好きというハードル」「2.内面か外面か」「3.おごられ女、割り勘女」
・・・・・・・「17.男の勲章、女の勲章」「18.錯覚と致命傷」
「21.ファッションがアピールするもの」・・・・・etc
全部で「24」あるテーマについて、それぞれのエッセイが対比されるように書かれているのですが、こんなにも男女の間で考えが違うのかと、興味深く読めました。
一つ例にとるなら「おごられ女、割り勘女」。
女性の角田さんの文章を読んで穂村さんは驚いたと述べています。
男性からみて女性がこんな風に思っているとは驚きだったというのです。
「デート費用をどうするか」にすら、裏で働く細かい女性心理、男性心理が読めて面白かったです。
私も自分なりに考えてみると、おごったりおごられたりは、恋愛の感情とは全く別の問題だと思います。年上の者あるいは社会的立場の者が年下や部下におごったりするのは、あってもいいことだと思いますが・・・。
「異性」というタイトルどおり、異なる性別の生き物の恋愛考察を学ぶには、ちょうどいい作品です。これを完読して両方の言い分を理解できれば、恋愛上手になれること間違いなし!
私には理解できない部分もあり、到底恋愛上手にはなれませんが・・・。