角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
解説にあった「本そのものの魅力がつまった本」というのがしっくりくる短編集だった。
どの話にも、本がただの「物」ではなく、その人の記憶や人生、誰かとの関係と強く結びついている。
本は必要なときに巡り合ったり、人と人を繋いだり、ときには誰かを変えるきっかけにもなる。
そんな本好きなら思わず「あるある」と頷いてしまう不思議な力が、静かに描かれていた。
特別大きな感動がある作品というより、本好き同士で読書についておしゃべりしたあとのような心地よさが残る1冊だった。
作中の人物たちや作者自身からも、「本が好き」という気持ちが自然に伝わってきて、読んでいて親しみを感じた。
あとがきを読むと、短編の主 -
Posted by ブクログ
似たもの同士のようで実は違う人間で、分かり合えたと思った次の瞬間にはすれ違って、隣に立っていたはずがいつの間にか対岸にいる。人間関係ってそういうあっけない距離感でできているんだと思った。
婚約が絡む男女関係や血縁のある親子関係では描ききれない、「何の制約もない女性同士」だからこそ描ける関係性だった。一緒に自殺未遂をしたという強烈な共有体験で繋がろうとしても離れてしまう。でも逆に、パート主婦と女社長みたいな、本来なら交わらなそうな二人が友だちにもなれる。
角田光代は「書かれていないものを読んでほしい」と言っていたけど、「些細なことを溜め込むと悲劇性と深刻身を帯びるが言葉にした瞬間に喜劇性を帯