角田光代のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ちょっとゾクっ!とするような短編だったわ~。
主人公はみんなちょっとグレーのような靄のかかった状態にいる感じの設定で、昔のこととか過去のこととかに固執し恨んだり苦しんだりしちゃう。で、その背後には常に謎の女がすーっと現れるわけ。
ホラーやサスペンスではないんだけど、人間の深層心理に迫った話が7つ。
どれも短編なのに、内容がないようだけにちょっと濃い感じで出来てた。
これをそれぞれ長編にするとダークすぎちゃうんだろうな~。これくらいの話の長さで丁度いい。計算されて書かれたのかな~?
私は今までに、心底ある人を憎んだり恨んだりしたことはないけど、これを読むと「私ならここでこうする」とかちょっと過激なことを思いついちゃったり共感しちゃったちして、自分にびっくりした。
でも、私もここの主人公も一緒で、結局は何も出来ない弱虫ちゃんなんだよね。
っていうか、それが普通なのか~(笑)
ダークな内容だったけど、面白かったよ。
でも、世の中こういう人たちばかりじゃないのを祈るわ~。 -
Posted by ブクログ
なんてことない日常を、つらつら書かれているのだけど、
その日常こそが、恐ろしい。というお話。
子供のころは天才少女と呼ばれ、鉄道の駅名地名を暗記し
その頭脳が認められ、テレビ出演することもしばしば。
しかし、10歳くらいから、天才少女が普通の女の子に戻りはじめた房子。
普通に家庭を築き、
普通の夫と、マンションを購入して暮らしているはずだった。
その夫は、向上心というもののカケラもなく。
何をするのもメンドウ。
そんなメンドウな夫が、会社にほど近い場所に一間のアパートを
借りたいと言い出した・・・
ここから始まる夫のこと、妻のこと。
そこに、愛があるのか、ないのか。
嫉妬があるのか、ないのか。
はたして、二人のビジョンは、同じものへとなっていくのか。
追い詰めていくのかと思えば、自分が納得するまでの行動で
満足しちゃったり、
とても普通すぎて、おかしい。
なかでも、普通じゃないようで、今では普通と誰もが認める
夫の母が、可愛らしくて、とても微笑ましい存在。
心に素直なまま動くことができるとういうことは、
素晴らしいこと。 -
Posted by ブクログ
時々ふと考える。もし自分が30歳を超えてフリーター、もしくはニートになったとしたらどのような生活が待っているのだろうか。友人に会わす顔はないな。恋人などもってのほかだな。孤独を覚悟しなければいけないな。などあたりまで考えたところで恐れをなしてこの想像をすぐに打ち切る。
「エコノミカルパレス」を読んだ。
34歳フリーターである独身女性の現実が描かれていた。
貧困具合、若い男性への負い目、生活観、親との亀裂、全てがリアルだった。
同棲をして数年が経過した無職の彼氏との会話は生活費のことがほとんど。稀にお互いがその日あったことや思ったことを話してもほとんどが無関心。性行為をしている気配もない。
どこまでもリアルな内容だった。
もしこの物語があと数十ページでも続いていたら主人公がもっと堕ちていく場面が容易に想像できた。
この物語は私達や若者に対して「しっかり仕事をしろ、今のうちに貯金をためておけ!」というアドバイスを送っているのではないだろうか。 -
Posted by ブクログ
「コドモマチ」
生まれてくる子供を待つ専業主婦のナミは昼ごはんを食べてから
夫の恋人をつけまわす生活をしている
クリーニング店で働き終わるのを待ち買い物をする彼女の後をつける
彼女が買った物を見て、ナミは夕食の準備をするかしないか決める
夫は太っていて気のきいた会話もできず好きに使えるお金も
さほど持っていない、そんな夫の恋人の後をつけ続ける理由。
恋人に対して、嫉妬心というものがないのでナミの気持ちは
分かりづらいけど、妙に淡々としているところが良かった。
「ヤルキマチ」
「最近、人を見下したくて見下したくてたまらない」
OLのコトちゃんは何もかもにやる気を失くしていた
そしてコトちゃんの彼も出会った頃に比べて
かなりヤル気を失くしている。
10年近く離婚してくれるのを待っている
待つ女と待たずにすむ女がいるのはなぜか
このままでいいハズがない!翌日、彼と奥さんが住む街へ出かける
次へ行っちゃえ、行っちゃえというのは簡単で
そうした方がいいのも分かっていても踏ん切りをつけられない
「ツウカマチ」
男の人との交際にこぎつけられないのは自分が
彼らをこわがらせるからだ、愛妻家アピールで敗れ
彼の好きな趣味の知識を入れ過ぎて敗れ
結局、悟った事と言えば、いきすぎた行動をすると
その裏側にあるものを勝手に想像して男は怖がるという事
こんなにもわかっているのにうまくいかない。
見極めが悪いと自分を責めてしまう
私は相手を怖がらせた事があるだろうか・・・
う〜〜ん、きっとあるんだろうなっ
「ドラママチ」
同棲相手の彼と温泉にいきがてら彼の実家にも
寄ることになったが、親戚一同が集まる中
彼は結婚について、式について、新居について
まるで二人で話し合って決めたことのように答える。
プロポーズの言葉ひとつなく成り行きのように話が
どんどん進んでいき彼の実家で見た先祖のモノクロ写真が
彼と結婚した後の日々を想像させる。
そして彼女の葛藤がはじまる
仕事帰りにスーパーへ駆け込み猛ダッシュで家へ急ぐ毎日
私も猛ダッシュで帰っているくちなので彼女の気持ちは痛いほど分かる
毎日が追われるように過ぎて行くことに・・たまにハッとする時がある。
一人の老婆が彼女の気持ちを変える。もし自分が老婆ほどの
年齢になって、今までの日々を思い返したとき
自分が見る光景は華やかな男でもなく、わくわくするようなデートでもなく
きっとスーパーの袋をぶら下げ無我夢中で走る
あの街なのではないか・・・・と
誰かのために急ぐ家路・・・幸せなことなんだね〜。
どの短編にも必ず喫茶店が出てくる。時間が合っていない
沢山の時計が飾られた喫茶店、壁という壁が大小様々なスピーカーで
埋め尽くされている喫茶店、ソーダーフロートが出てくる喫茶店
玄関で靴を脱いであがる喫茶店。
ソーダーフロートは憧れの飲み物だった
昔こんな色のシャンプーがあって、子供心にとても
そそられた記憶があります。
喫茶店に一人で入れるか入れないか、友達と聞きあった事も
あったなぁ〜。ちなみに私は一人で行くのが好きなタイプ
それも少し暗めな店内が好み♪
とても落ち着くんですよね〜。
喫茶店という場所が異空間に感じるのは何故なんだろう。 -
Posted by ブクログ
「生きるってなんだろう」って疑問は無駄ではあるが、意味とか無意味とか関係なく、追求しなければならない!って巻末の解説で三浦しをんさんが書いていた。
まず、三浦しをんさんのことを「をしん」さんだと勘違いしていたことをお詫びしたい。
アンパンマンだって、何のために生まれて〜何をして生きるのか、わからないまま終わるなんて嫌だって…
あのアンパンの頭の一部を食べることの意味なんて考えずに。
そして、本書を閉じた瞬間…
バローロをもう一度飲んでみたいと思った。
(あとがきの一文より)
とまあ、本文は登山報告書であり〜
一人二役のスーパーマリオブラザーズ哲学がちりばめられていた内容で
人生の指南書ともいえるくらい大切なことが書いてあった気もしました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトレッキングなんてしたことない角田光代さんがテレビの企画でイタリアのドロミテに登る旅行記(?)
私はここ数年山に登るんだけど、すごーく辛くてもしんどくても
最終的にお腹の中に残ってるのは楽しかった気持ちばっかりなんだよね。
だから角田さんの文章を読んで、
「分かるわー、登ってる時ってこういうこと思うよね。」
みたいなのがあって面白かったな。
降りてきて書いてるはずなのに、その時の気持ちを覚えているなんて才能だ。
いや、作家さんだからそういうものなのかもしれませんが。。。
トレッキングなので頂上を目指すことだけど目的にした山歩きじゃないんだけど、十分きつそう。
さすがアルプス。
ガイドさんの言葉がすごく胸に染みます。
あ、アルピニストとはアルプスに登る人のこと。
私もいつかアルピニストになりたいわー・・・。 -
Posted by ブクログ
主に、お風呂の中で読んでいた本。
(私の中ではお風呂本と呼ぶ)
ウトウトしながら読んでいたので、
何度落としそうになっていたことか・・・。
ゴメンナサイ。
この本を読んで、遠い昔の話だけど
自分がイタリアに行ったことを思い出した。
山なんて登っていないけれども。。
覚えていることと言えば、
イカスミパスタが美味しかったことと、
バスの運転手のラファエロの体毛がすごかったことくらいかもしれない。
いや、もっとあるか。。
なんか、ふらふらとイタリアを旅してみたいな。
イタリアじゃなくてもいいから山に登りたいな。
そんな気持ちになりました。単純ですね。
本の中では、
山登りがただ楽しいだけではないこともちゃんと書かれている。
トレッキングした様子やそこで抱いた感情を
そっくりそのまま本にしたような感じ。
でも、そんな文章を含めても山に登ってみたくなるから不思議だ。
それにしても、この本の中で書かれているイタリア人、いいね。
私がイタリアに行って抱いた印象と一緒な気がする・・。
ますますイタリア(ナポリ希望)に住みたくなってしまったじゃないか。
ただ、ナポリは治安は治安が悪い・・・。 -
Posted by ブクログ
この本の100人アンケートのデートの中には
甘酸っぱいものもあれば、切ないものもあったり・・・。
いろんな恋の形があるのですね〜。
100人アンケートではないけど、7番目の話が印象的だった。
私は恋愛に対して良いイメージも悪いイメージも
持っているわけではないんだけど、
やっぱり恋っていいものかもな〜なんて思えたなあ。
どこに行ったとか、記念日を盛大に祝った〜とか
そんなことあまり重要じゃなくて、
一緒にいる時間が楽しければ、
それだけでいいんじゃないのかな〜。
ふとした出来事が後々思い出してすごく幸せなことだったり、幸せな時間だったりする。
ささいな、ちょっとした幸せが続くことが一番の幸せである・・・と私は思う。
でもそれって、恋だけじゃなく何事にもあてはまるんじゃないかな〜。
10円拾って奇跡!って思ったように、
小さな幸せを噛み締めていくことって、
忘れがちだけど大切だと思う。
この気持ちを、いつも忘れないようにしたいな。
小さな幸せが積み重なって、いつか大きな幸せになると思うから。