角田光代のレビュー一覧

  • これからはあるくのだ

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    20年以上前、初期のころのエッセイ。
    泣いたり笑ったり怒ったり、角田さんの身のまわりの出来事がキュートに綴られています。

    とびっきり良かったのが、あとがきにかえての文章。
    作家人生の原点になったと語っている幼稚園時代のエピソードがくわしく書いてあった。
    おとなになったら、はみ出てしまうこと、そうなってしまうのでも、そうさせられてしまうのでもなくて、きちんと自分で歩く道を選べるようになる。そう信じていた切実な少女。
    私は、まだきっとそういうおとなになれていない。
    自分で何かを選び取ってきたという実感がない。そのくせ現状に不満ばかり言っている。自分の足で、リズムで、自由な道を歩いているのに。

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    2016年09月23日
  • 世界中で迷子になって

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    わかる、わかる、とつぶやいたり、心の中で拍手したり。旅にしろ「モノ」にしろ良いものを選び、経験を積んで、自分のこだわりには妥協をしない、きっぱり感の一方で、心の中の葛藤、うだうだ感の共存しているところがなんとも共感できました。

    女性の視点をとても大事にした作品を次々と発表される素敵な方と思っていますが、自分とかわらない身の丈サイズの悩みに、時に吹き出しながらとても楽しみました。 旅もしたくなりますね~・・夏お疲れの方には、リラックスできる爽快エッセイ集。

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    2016年08月20日
  • これからはあるくのだ

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    ひとつひとつのエッセイが声を出して笑ってしまうくらいおかしくて、すいすいと読めてしまった。角田さんのイメージが柔らかくなった。

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    2016年08月16日
  • なくしたものたちの国

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    ほどよいファンタジー加減。切なさ。
    天国という考え方よりも、なくしたものたちの国はしっくりくる。
    今このタイミングで読んでよかった。

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    2016年06月08日
  • 三月の招待状

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    友人夫婦の離婚式の招待状から始まる、青春を引きずる男女たちの現在。
    大学時代って、そんなに楽しいものなんだろうか。社会に出て家庭を抱え、責任を持つ立場になる。それでも、いつでもあの頃の思い出と仲間を宝物のように捨てきれない彼らが、とても幼稚に思える。遥香の彼らに対する言葉が、私の思いを代弁している。

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    2016年05月26日
  • ロック母

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    ゆうべの神様…薄いガラスのような脆い心なのに容赦なく無慈悲に破壊されていく。
    緑の鼠の糞…鳥を大空に帰すことで自由奔放を世に解放しているみたい。
    爆竹夜…無秩序やら混乱やらをかき集めて圧縮して固めて爆竹と一緒に爆破できたら気持ち良さそう。
    カノジョ…評価はこの作品。前妻の影に怯えるうちに意識が自分のものなのか前妻のものなのかわからなくなる。意識のゲシュタルト崩壊。
    ロック母…居場所を失った母と娘は新しい命を受け入れることで何かが前に進むのかもしれない。
    父のボール…お父さんは家族を守るのに必死だったのだとすると哀しみがこみ上げてくる。
    イリの結婚式…民族問題とかいっても手をつないで踊れば解決す

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    2017年03月08日
  • なくしたものたちの国

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    なくすこと、変わること、忘れること、すべてをあまやかに肯定してくれるような、寓話性に満ちた連作短編でした。
    なくしてきたものは、なくしたものたちの国にちゃんとあるんだよ、なんて、どれほど心強いんだろう。
    私が失ってきたものはどこにあるんだろう、と考えてしまうことが最近よくあったのですが、こういう場所があるんだとすごく自然に信じられました。
    しかも私はいずれまた出会ってしまうらしい。
    姿やかたちが異なっていても気付く。かつてそれが、私のかけがえのないものであったことに。
    そういうの素敵だなぁ。
    収録されている5つの話どれも良かったです。

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    2016年05月18日
  • かなたの子

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    角田光代さんの作品は大好きでよく読んでいる方だと思うのですが、その中でもこの短編集は異色というか、とにかく怖かった…これはほぼホラーだ、と思いながら読み進めるのを止められない上質な怖さ。

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    2016年04月21日
  • おやすみ、こわい夢を見ないように(新潮文庫)

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    え、このあとどうなるの?って思うのもあった。短編集。家族の話がじーんと来たな。引きこもりの弟の話とか。
    昔自分をいじめた先生のくたびれた姿を見に行くと言う第一話…自分と重なった。あいつもうくたばってるだろうか、と思いながら生きてたら私も主人公のように恨み言をいいにいってやろうかとも思ったから。彼女に覚えていてほしくて走って逃げるように帰ったのは残念だった。
    ルリの話、バスで人殺し宣言を聞いてしまう話とか、命に関わる話が多かった。

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    2016年04月13日
  • 福袋

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    ひょっとしたら私たちはだれも、福袋をもたされてこの世に出てくるのではないか。
    この一文が全てです。
    何が入っているのかは分からない。
    それらを捨てることも、誰かに押しつけることも、どうすることもできない私たちは、ぶつぶつ言いながらもなんとか折り合いをつけて受け入れるしかないらしい。

    ここに登場する人物は、ふとしたきっかけで福袋から取り出されたものと対峙する。
    それは、自分がかつて持っていたもの。信じていたもの。欲しかったもの。知りたくなかったもの。
    ありとあらゆるそれらを眼前に見せつけられ、彼らは、もう目を背けることができなくなる。
    なんてことのない日常を、やっぱりそれらと共に生きていくしか

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    2016年05月09日
  • おやすみ、こわい夢を見ないように(新潮文庫)

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    短編集。現代社会のマイノリティとして普段目につかない問題に焦点を当てた作品。救いのない結末が多いくハッピーエンドはないけれど、ちょっとした視点の転換が用意されていて不思議な読後感。鬱状態に読むのはオススメできないが、多様な社会問題を考えさせてくれた本。

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    2016年03月15日
  • 空の拳

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    ボクシング物にはあるまじきナヨナヨとした主人公
    でも面白かったな
    ボックスよりずっと良かった

    恋も友情も青春も紙の上でしか知らない主人公がボクシングを通じて恋以外のものを得ていくのが良かった
    僕も小説でしか知らない世界がたくさんある
    そういう世界に憧れてはいるけど諦めが強い
    空也は憧れに手が届いてどんな気持ちなんだろうな

    僕にとってはスポーツが憧れなんだと思う
    だからこうやって読むけど、自分からは手を出さない
    手を出さなくてはいけなくなることなんてこの先あるのかな

    空也は貴重な経験をしたんだろう
    現実に神様はいるのかしら

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    2016年02月29日
  • おやすみ、こわい夢を見ないように(新潮文庫)

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    ラロリー!
    ありそうでなさそうな、なさそうでありそうな、そんな現実と架空の世界のあいだを描く、角田さんワールドが冴えてます。
    復讐とは、得たのと同等のダメージを相手に負わせることなのか? 立ち止まらせてくれる物語。
    じゅくじゅくした傷を抱えているときに読む本。

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    2016年02月24日
  • 予定日はジミー・ペイジ

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    はじめての妊娠を喜べない妊婦の10ヶ月の物語。
    喜べない自分、完璧でない自分を責めてしまう気持ち、とまどい、すごくよく分かる気がした。旦那さんがすごく優しくてほほえましい。何気ない日常や、食べ物描写がすごく上手で角田さんの描く物語やっぱり好きだなと再実感した!

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    2016年01月24日
  • ロック母

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    訳もよくわからず、当たりどころのない怒りみたいな懐かしい感情を思い出した。普通になったカンジを目の前にしたときのマリコがなんか気持ち良かった。ホントなら褒めてあげることなのかもしれない。でも、大人じゃないマリコだからできることなんだと思う。角田光代に「ロックだねぇ」って言ってやりたい。この短編の中には、不器用に恥かしげもなく思ったままにしか表現することができないロックな奴がたくさんいたように思う。何が言いたいのかよくわからないし、何でここで終わりなのとか思う部分もあるけど。マリコも、キヨちゃんもロックなおばさんになってほしいな。

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    2016年01月21日
  • 異性

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    角田光代、穂村弘が交代で異性について語った恋愛エッセイ。それぞれが独特の感覚でつながってゆく論点が、面白くでも感性豊かに紡がれているところが好感がもてる良書。

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    2015年12月29日
  • ちいさな幸福 All Small Things

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    15/12/18
    「ちがいますよ、顔がほころんじゃうデートですよ。たとえそれがすっごくつまんなくても、最低でも」(P54)

    あー角田さんすき。
    これ、表紙がちょっとざんねん賞。

    P76-77
     奇跡なんて、ほんと、毎日飽きるほどあるんだよ、と、耕太は天井を眺め、心のなかで妹につぶやく。(中略)
    亜紀、おまえにも早く、十円拾っても奇跡と思えるような毎日がくるといいな。飽きるほどあっても、絶対飽きないからさ。

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    2015年12月18日
  • くまちゃん

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    角田光代の小説は面白い。著者48歳、独身女性って・・・本作品をよんで身につまされるわけである。女性ではない既婚男性のわたしが読んでも納得させる筆力はすごい。独身女のさみしい独り言っていう括りで終わらないのが角田光代小説である。現在適齢期の男女におすすめの一冊。

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    2025年11月21日
  • 幾千の夜、昨日の月

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    8割方、旅先の「夜」について書かれたエッセイ。ちょうど旅行中に読めたのがうれしい。知らない土地でしか感じられない夜って確かにある。いろいろな夜が丁寧に鮮明に再現されている。

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    2016年03月21日
  • なくしたものたちの国

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    主人公の心の人生をともに辿る小説。なくしたもの、得たもの、いろいろあるけれど、本当はずっと蓄積されているんだなと。

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    2015年11月09日