角田光代のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレなんでこんなに切実なんだろう?角田さんの文章は、自分にとっては、あまりにリアルすぎて、切実過ぎて、もう読んでいてこう、辛い。面白い。辛い。読みたい。辛い。好きだ。こう、本当に、ビックリするほどに、ビックリするほどに、「わかる!」という錯覚を、抱かせてくれるのですよね。この切実さは、凄い。
本当にこう、ヒリヒリすんですよ。「他人事じゃねえ!」って感じ。読んでて辛いが、でも読まずにはいられねえなあ、って感じ。素晴らしい。うん、素晴らしい。これ、好きな人はトコトン好きだろうし、ピンとこない人は、とことんスルーする作家さんではなかろうか?どうなんだろうか?謎ですね。でもまあ、これはまごうことなき真実 -
Posted by ブクログ
文芸誌希望の文学青年な編集者が、何の因果かボクシング専門誌へ配属されてしまう。そうして否応なくかかわることになったボクシングの世界だったが、彼はやがてその魅力にはまりこんでいく…
物語はいわゆるスポーツ物の「熱さ」とは違い、あくまで物語のテーマのひとつとして「ボクシング」を扱っている、とう角田さんらしい俯瞰的な視線を感じる描き方がなされているように思います。
だからかえって、主観的すぎないボクシングの世界を深くいろんな角度から楽しむことができたように思いました。
実際に戦っている選手、トレーナー、家族、友人、編集者。それぞれの視点でのボクシングへのかかわりかたの違いが丁寧に描かれていて、 -
Posted by ブクログ
角田光代の人生ベストテンを読みました。
ごく普通の、でもちょっとコミュ障気味の主人公たちが出会う事件を描いた短編集でした。
表題作の人生ベストテンは、40歳になって自分の人生を振り返ると、人生のベストテンは中学高校の出来事しかなかった女性の物語でした。
同窓会の連絡を受けて、高校時代にちょっとだけつきあった同級生がどんなふうに変わっているか見に行こうと思い立ちます。
同窓会も終わり頃、その同級生に会うことが出来て2人だけで二次会に行くことになります。
そして、その後には驚きの結末が待っているのでした。
平凡な人生でもこのようなイベントがあったら少しは楽しくなるかもしれないなと思いました。 -
Posted by ブクログ
20年以上前、初期のころのエッセイ。
泣いたり笑ったり怒ったり、角田さんの身のまわりの出来事がキュートに綴られています。
とびっきり良かったのが、あとがきにかえての文章。
作家人生の原点になったと語っている幼稚園時代のエピソードがくわしく書いてあった。
おとなになったら、はみ出てしまうこと、そうなってしまうのでも、そうさせられてしまうのでもなくて、きちんと自分で歩く道を選べるようになる。そう信じていた切実な少女。
私は、まだきっとそういうおとなになれていない。
自分で何かを選び取ってきたという実感がない。そのくせ現状に不満ばかり言っている。自分の足で、リズムで、自由な道を歩いているのに。
-
Posted by ブクログ
ゆうべの神様…薄いガラスのような脆い心なのに容赦なく無慈悲に破壊されていく。
緑の鼠の糞…鳥を大空に帰すことで自由奔放を世に解放しているみたい。
爆竹夜…無秩序やら混乱やらをかき集めて圧縮して固めて爆竹と一緒に爆破できたら気持ち良さそう。
カノジョ…評価はこの作品。前妻の影に怯えるうちに意識が自分のものなのか前妻のものなのかわからなくなる。意識のゲシュタルト崩壊。
ロック母…居場所を失った母と娘は新しい命を受け入れることで何かが前に進むのかもしれない。
父のボール…お父さんは家族を守るのに必死だったのだとすると哀しみがこみ上げてくる。
イリの結婚式…民族問題とかいっても手をつないで踊れば解決す -
Posted by ブクログ
ひょっとしたら私たちはだれも、福袋をもたされてこの世に出てくるのではないか。
この一文が全てです。
何が入っているのかは分からない。
それらを捨てることも、誰かに押しつけることも、どうすることもできない私たちは、ぶつぶつ言いながらもなんとか折り合いをつけて受け入れるしかないらしい。
ここに登場する人物は、ふとしたきっかけで福袋から取り出されたものと対峙する。
それは、自分がかつて持っていたもの。信じていたもの。欲しかったもの。知りたくなかったもの。
ありとあらゆるそれらを眼前に見せつけられ、彼らは、もう目を背けることができなくなる。
なんてことのない日常を、やっぱりそれらと共に生きていくしか