角田光代のレビュー一覧
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ネタバレ数年後の自分を見ているかのようだった。
私は登場人物の誰でもないのに、同じような状況下に居るように思えた。
目に見えるハッピーエンドではなく、妥協で終わってしまった気がする。
人生なんてそんなものなのかもしれないけど、私はまだ諦めずに生きていきたいと思っている。
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8歳年下の彼氏と暮らす充留は、ある日、大学時代からの友人夫婦の「離婚式」に招かれる。昔の仲間が集まるそのパーティで、充留は好きだった男と再会するが、彼は人妻になった麻美とつきあいはじめ……。出会って15年、10代から30代へと年齢を重ねた仲間たち。友情、憧れ、叶わなかった思い--再開をきっかけによみがえるあの頃の記憶と、現在の -
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大人になると、何かしら「持ってる気」になってしまう。
仕事(会社の肩書きだとか収入、職種…)、あと、家とか奥さんや子どもやらなんやら。
それらがその人を表わす要素となってしまい価値基準になってゆく。
そんな、本当は「持ってない」はずのものが荷物(そんな否定的な意味ではない。)になってしまう。
実際は、何も持っていない。持ったつもりになったものをひたすら守って生きてゆくなんて…
仕事したくない!とか家ほしくない(むしろ欲しい)、結婚したくない(あと5年くらい、ひとりで自由にしたい…)なんて意味ではないけれど。
何も持っていない(斎藤佑樹は別…)ことを自覚して、そうやって生きてゆき -
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「みどりの月」。秩序が崩壊した同居空間へ迷い込んでしまった主人公。対局としての、普通の、規則正しい生活。読み進めるに連れて規則正しい生活の方が退屈に感じられてくるが、それが狂気なのか自然な心なのかわからない。
「かかとのしたの空」。昔友人とバンコクからシンガポールまで旅行したのを思い出す。まずカオサンロード。そして、ハジャイにもよったことがある。シンガポールでも、確かに痰吐いている人を見たことがある。この新宿歌舞伎町的雰囲気の方が自分には自然と受け入れられるといった、主人公と同じ感覚を持ったことを思い出した。アジア放浪旅行での男女の心理が描き出された作品。 -
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良い小説は、心を迷子にする。良い小説は、喜怒哀楽では言い表せない感情をも呼び起こす。
3つの中短編を収めた本書に、やはり私の心は迷子になった。
主人公が無意識のうちに積もらせていく感情。まとわりつく不安。そのぼやけた理由。現実と非現実の境。定かでない世界観。見えているものが信用できない。暗闇の中なにも見えなくても、音は鮮明に聞こえてくる。音が聞こえることで、自分の存在を確認している?
著者・角田光代さんは、現代を生きる若者を、寡黙なまま語る名人だと思う。不安定な若者心理に、明確な答えを求めたって無理。だから、必要以上には語らない。まして、定義なんてするわけがない。
心情の変化は、彼らの行