感情タグBEST3
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キタザワもマリコも、オレンジの巻きスカートの女も苦手だ。
読み始めてすぐに思った。ルーズで、グダグタで、図々しくて、
「しっかりと」「普通はこうでしょ」ルールに縛られがちな自分を彼らは遠くの方でニヤニヤ笑っている気がするから(とんだ被害妄想だけれど)
南も「私」も彼らに対してしっかりと(?)苛々するしそれを行動や言葉にするのだけれど完全に拒絶するわけではない。
そこが読んでいてもやもやするし、苛々するし、でもそうそう、実際そうなんだよなぁとも思う。
気になる、待っている、厚かましくてルーズな彼らのことを私も。
苦手な人、自分とは相容れない人と関わった時、その時の気持ちを「ムカつく」「〇〇な気持ち」とか簡単に整理することも行動に移すことも現実は難しい。
嫌だな、苦手だな、訳わからないなと思いつつも惹かれる、姿を探している。
形容し難い気持ち達に折り合いをつけながら生きているんだと思う、私たち人間。
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「みどりの月」。秩序が崩壊した同居空間へ迷い込んでしまった主人公。対局としての、普通の、規則正しい生活。読み進めるに連れて規則正しい生活の方が退屈に感じられてくるが、それが狂気なのか自然な心なのかわからない。
「かかとのしたの空」。昔友人とバンコクからシンガポールまで旅行したのを思い出す。まずカオサンロード。そして、ハジャイにもよったことがある。シンガポールでも、確かに痰吐いている人を見たことがある。この新宿歌舞伎町的雰囲気の方が自分には自然と受け入れられるといった、主人公と同じ感覚を持ったことを思い出した。アジア放浪旅行での男女の心理が描き出された作品。
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何か読むものがほしくて、
本屋で購入。
エコノミカルパレス
に似てるなあと思って読んでいたら、
解説によれば、
この連作集の次にくるのが
エコノミカルパレス
になるらしい。
オススメ度からすると、
あまり読者に評価されていない
作品のようだが、
私はこの小説が嫌いじゃない。
心にうったえるものがある。
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『みどりの月』『かかとのしたの空』の2編からなる。
『みどりの月』は狂ってる。
二組のカップルが共同生活をする。人間関係はおかしいし、主人公以外の3人の考え方がおかしい。
『かかとのしたの空』は冷めた夫婦が無計画長期旅行に出る話。途中から現地で出会った「女」が付きまとってくる。この「女」がなんか憎らしい。そう読ませる作家がうまい。
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『みどりの月』と『かかとのしたの空』
という2つのお話。
2つのストーリーは全然違うのに、どこかリンクしている気がした。
「かかとのしたの空」での、荷物の描写は面白かった。
旅に出る前は、
【捨てるのは一瞬で、手放したとき自分がむりやり背負わされていた重い荷物を勢いよくおろしたような物理的快感があった。】
と晴れ晴れした気持ちだったはずなのに、
旅に飽き、疲れがたまり、「思ってたのと違う」と気づき始めた頃になると、
【それでも荷物は重かった。疲れが癒えることはなかった。不要なものを捨てたぶんだけ、同じ大きさの、倍の重さの何かが入りこんでいるように感じられた。帰りたいとは思わなかった。ただ何かが噛み合わないのだった。】
と真逆の捉え方になっていた。
分量が少なくて読みやすそうと思って手に取ったけど、
登場人物が皆それぞれに「諦め」とか「逃避」に走っていて、でも結局現実からは逃げられない。読みながらもやもやして、読後もすっきりしなかった。
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軌道を修正しながら人生を歩む女性が主人公の話と、タイの放浪話
一話目は大変客観的な描写で、言葉で一つ一つの動作をこんなに具体的に表現できる物なのかと思った。
二話目は割と抽象的な話、聞いたことある街名があったところはリンクできた。
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収録されているのは『みどりの月』と『かかとのしたの空』。どちらも何かから逃げているひとたちの話。
今の心境としては、逃げるということを肯定したい気持ちでいる。無責任かもしれないけれど。
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2つの短編で、両作品は直接の繋がりはないがどちらの物語も似たような匂いが立ち込めているような気がした。けだるくて、やるせなくて、染みついてしまってもう用意にとれなくなってしまった臭みたいなもの。腐れ縁という言葉におきかえることもできるかも。爽やかさとは正反対の蒸れっとした空気を感じた。「かかとのしたの空」で主人公達をしつこく追いかけてくる女は怖かったけど、割と身近にある(いる)何かを象徴しているのかもしれない。女から逃げよう。
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二つ話が入ってて、もしかしてあとの方に出てくる女は
一つ目の話の女かと思ったけどそうではなく。
読むにつけ、あまりにも気だるくてもわ~っとしてて
とくに、みどりの月の方は途中気持ち悪くなってしまった。
でも何かあると思って読む。
そして特にない。淡々と状況が綴られてる。
なんとなく、本を閉じるたび石鹸でゴシゴシ手を洗う自分。
まだ、かかとの下の空の方がそんな風にはならずにすんだかも。
どちらも、好みではないお話。
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2話の短編集?
でも繋がってるような登場人物が出てきた。
男と付き合って、同棲始めたら結婚してて前妻と一緒に住んでる??っていう奇妙な話。どうなってんの?って話だった。
で、皆で海外逃亡するみたいな話。
2話目は海外を漂浪する男女の話。途中、付いてくる女が1話目の前妻みたい。逃げても逃げても捕まっちゃう!
こえぇ~!
薬の感じがする話だった。
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普通の人たちではない話でした。
普通って何?とりあえず我慢強さは私も見習いたいところ。
あと。バックパッカーはいいな~
予定も決めずに旅をするのは憧れるけど、未来への不安はやはり感じるな~とそんな事を思いながら読みました。
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片づけても片づけてもちらかす人々。
撒きたいのにどこまでもついてくる女。
イライラする状況をつくりだすことが巧み。
べつに何か感動するわけじゃない。けど、
細やかな描写がリアルだし、
やりきれない現実と虚脱感が伝わってくるし、
ダサい人々は明日の自分かもしれないからひやっとする。
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若い4人が暮らすマンションでの物語で。
①主人公の恋人
②恋人の遠い親戚(送か枯れてはいるが、実際戸籍上は妻)
③その女の恋人(だらしない)
④主人公!
20代とかそこらへんて、過渡期というかモラトリアムというか
思春期とはまた違ったゴチャゴチャしている期間なのかもしれない。
でも、きっと30代で自立してもドロドロしちゃうだろうし。
40歳になって迷うのもイイと思う。
あー、これ以上書いていると、論語を台無しにしてしまう…
幸い(もしくは不運にも)、今の自分はゴチャゴチャした生活になっていないけれど
もう少し、立派なへらへら人間を目指して、日々モヤモヤと精進してゆきたい。
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角田の本は、
ほんとうに実際にこういう旅をしたことが
ある人が読むと心に響くらしい。
(ということはたいていの人にはつまらない)
ボク自身、作者と同じように年に1~2回の
ペースで長期海外節約旅行をする。
タイやマレーシアやシンガポールに対する印象、
ルーズな主人公たちと現地の人たち、
リアルにこんな感じなのだ。
あーなつかしいとも思い、しんどい事も思い出し、
こんなに全部書いちゃったらもう旅行で
書くことなくなるんじゃないと心配したり。
いつ日本に帰ろうか、まだいいやという
けだるさが伝わってくる一冊。
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ひさしぶりに読んだ小説。
2つの話が入っていて、
主人公がなんとなく似てる。
終わり方もなんだか似てた。
よい意味でも悪い意味でもなく、
それはなんだか「悪くない」かんじだった。
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角田さんらしさが出てる小説の一つでしょう。
人との交わりを通じながら、自分は一体どんな人間で
どこへ行こうとしてるのか・・・
こういう小説は、自分にとって難しいというか
想像出来ない場合が多い・・・
誤解を恐れずに言えば、
読んでても、あまり楽しくないような気もするし
もっと深い世界で読みふけりたい欲望も出てくる。
そこには多様性が込められてて
見方によっては、読者の心の深層を深くえぐるような
描写があるのだろう。
角田さんの感受性には、まだ付いて行けない。
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男女四人の奇妙な共同生活。別れの予感を抱えた夫婦の、あてのないアジア旅。最も注目を集める作家が、今を生きる若者達の胸にひそむ明るい孤独感とやるせない心の行方を描く。
恋人のキタザワに誘われ、同居することになった南。ところが、そのマンションにはキタザワの遠い親戚マリコとその恋人サトシが住んでいた…。成り行きまかせで始まった男女四人の奇妙な共同生活を描く表題作ほか、別れの予感を抱えた若い夫婦があてのないアジア放浪に出る「かかとのしたの空」を収録。今を生きる若者たちを包む、明るい孤独とやるせない心をうつしだす作品集。
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2編の短編からなる短編集。
不思議な雰囲気を醸し出していて、なかなか物語に入り込めなかった。
両作品ともいえるけど不可解なのは、ああいった状況に陥ってまでなぜ一緒に居続けるのか?そして、なぜあのラストなのか?ってこと。
両作品とも「イライラ」が常態化していて、なんか読んでても、読み終えてもすっきりしない。
星は、2.5。
Posted by ブクログ
この作者は、不快感・不潔感を書くのが上手いのだと思う。
読むと決して良い気持ちにはなれなく、むしろ少しイライラする。
と同時に、ところどころに良い表現があり
(タイトルにもなった「みどりの月」のくだりとか)
そこに魅力なのかもしれない。
Posted by ブクログ
二つのお話が掲載されているのだけども、どちらにも鬱陶しい女が出てくる。ああ、いるんだよこういうヤツ…でも、いなくなったらなったでちょっと物足りない気分になるんだよなあ…。とか、妙なとこで共感したりして。なんか、旅したくなりました。