あらすじ
「あたしこれから殺人計画をたてる」。我慢をかさね、やっと受かった高校で待っていたのは、元カレ剛太の「抹殺」宣言と執拗な嫌がらせ。すべての友に去られた沙織は、不登校の弟をコーチに復讐の肉体改造を決意するが……。理不尽に壊された心のゆくえを鮮烈に描く表題作をはじめ、ひそかに芽ばえ、打ち消すほどに深く根を張る薄暗い感情のなかに、私たちの「いま」を刻む7つの風景。
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Posted by ブクログ
悪意とか憎しみに関する短編集
人の悪意はこわい
自分の中にある悪意や憎しみも怖い
自分が意図してなくても憎しみに支配されてしまう可能性があってそれも怖いよな、と思った
そういう負の感情の表現が上手い
ただ、田中弥生の解説がこの本の〜は〜を表している。みたいに言い切ってるのが最悪だった
揶揄的な表現を解説でこうである。って決めつけるのって1番ナンセンスに思う
こういう作品って人それぞれどう捉えてもいいはずなのに
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すれ違う人、電車の向かい側の人
この小説の中と似たような心境の人がいるのではないだろうか
ありえない話ではない
私も踏み込むかもしれないそういう世界を見せてくれているようで新鮮だった
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え、このあとどうなるの?って思うのもあった。短編集。家族の話がじーんと来たな。引きこもりの弟の話とか。
昔自分をいじめた先生のくたびれた姿を見に行くと言う第一話…自分と重なった。あいつもうくたばってるだろうか、と思いながら生きてたら私も主人公のように恨み言をいいにいってやろうかとも思ったから。彼女に覚えていてほしくて走って逃げるように帰ったのは残念だった。
ルリの話、バスで人殺し宣言を聞いてしまう話とか、命に関わる話が多かった。
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短編集。現代社会のマイノリティとして普段目につかない問題に焦点を当てた作品。救いのない結末が多いくハッピーエンドはないけれど、ちょっとした視点の転換が用意されていて不思議な読後感。鬱状態に読むのはオススメできないが、多様な社会問題を考えさせてくれた本。
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ラロリー!
ありそうでなさそうな、なさそうでありそうな、そんな現実と架空の世界のあいだを描く、角田さんワールドが冴えてます。
復讐とは、得たのと同等のダメージを相手に負わせることなのか? 立ち止まらせてくれる物語。
じゅくじゅくした傷を抱えているときに読む本。
Posted by ブクログ
ちょっとゾクっ!とするような短編だったわ~。
主人公はみんなちょっとグレーのような靄のかかった状態にいる感じの設定で、昔のこととか過去のこととかに固執し恨んだり苦しんだりしちゃう。で、その背後には常に謎の女がすーっと現れるわけ。
ホラーやサスペンスではないんだけど、人間の深層心理に迫った話が7つ。
どれも短編なのに、内容がないようだけにちょっと濃い感じで出来てた。
これをそれぞれ長編にするとダークすぎちゃうんだろうな~。これくらいの話の長さで丁度いい。計算されて書かれたのかな~?
私は今までに、心底ある人を憎んだり恨んだりしたことはないけど、これを読むと「私ならここでこうする」とかちょっと過激なことを思いついちゃったり共感しちゃったちして、自分にびっくりした。
でも、私もここの主人公も一緒で、結局は何も出来ない弱虫ちゃんなんだよね。
っていうか、それが普通なのか~(笑)
ダークな内容だったけど、面白かったよ。
でも、世の中こういう人たちばかりじゃないのを祈るわ~。
Posted by ブクログ
意識無意識に抱く悪意とか憎悪を深く抉り出した短編集。いずれも真剣な考察を促される密度の濃いものであった。何でもない生活の奥底に潜む悪意。まざまざと見せ付けられ凍えるような怖さを覚えた。
Posted by ブクログ
このバスはどこへを読んでる時に、
前に読んでた小説と同じ「シュウ」が出てきたり、
読んでる時にバスに乗ってたり、
武蔵小金井駅にいたり、
見られてるんじゃないかというぐらい状況が合ってて笑った。
肝心の本編は、程よいクズ感というか、
こんな人いるいるーって感じの人が多かった。
クズでもなくてよくわかる人もいたけど、、、
人なんてこんなもんだよねと、思う事もあり、
もっと悪い人もたくさんいるし、ある意味リアルだった。
ぬるっと終わる話が多かった
・うつくしい娘
・晴れた日に犬を乗せて
・私たちの逃亡
以上が好きだった
ラロリー
Posted by ブクログ
それぞれ憎しみ、殺意が散りばめられたお話。
どの章にも出てくる殺意の塊のような女性が
同じ人なのかと思わせる。
悪意や憎しみに包まれてる人って同じ雰囲気を持つようになるのかも。
どの章も結末なんかない、悪意は終わらない
それでも私たちは生きていく。それが現実なんだと思わせる本だった。
おやすみ。怖い夢を見ないようにという
意味が姉弟の合言葉だと分かったときほっこりした
Posted by ブクログ
角田光代さんの七つの短編集。
それぞれの話には少し歪みのある人物が描かれていて、それぞれ背筋がすーっとするような感じがする。そんな中で表題になっている三作目は、本当に嫌な男が出てくるけれど、姉と弟の関係がいいなあと思わされる話だった。
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角田光代さんの長編は好きなんだけどな。
短編は読んでも心に残らない。
一人ずつ出てくる変な女は何なんだろう。
人の悪意をこれでもかと見せつけられてげんなりした。
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暗いというかネガティブというかダークというか、そういうものを抱えた女の人たちの短編小説。
題名にもなった「おやすみ、こわい夢を見ないように」が1番好き。
Posted by ブクログ
悪夢で目が覚めるほどでは無いけれど、起きてから「なんだか嫌な夢を見てしまった」という感覚が残る7編の短編集。どれにも、誰かに対する殺意だとか憎悪だとかすっきりしない感情が様々な形で登場してくる。唯一、少し違っていたのは表題作だ。主人公の沙織が元カレの剛太の嫌がらせで学校でも孤立する。そんな沙織を救おうとするのは、外へ出ることを拒むようになった弟の光。剛太への復讐のために二人がする特訓は的外れで滑稽なんだけど笑うことは出来ない。姉のために外へ出た光。復讐の物語りで終わらず姉弟の再生の物語りになって欲しい。
Posted by ブクログ
夏休み前、彼氏と別れた。休み明け、執拗で悪質ないじめにさらされる。我慢し続け、やっと受かった高校だったのに。
あいつ、ぶっ殺してやる…。
唯一なんでも話せる不登校の弟をコーチとし、元彼への復讐のための肉体改造にいどむ。
理不尽、悪意にどのように立ち向かうのか。薄暗い感情のなかに、自分たちの生活がある。
すっきりと青空が広がる話ばかりではない、表題他6編。
Posted by ブクログ
悪夢のような日常の短編集。
ありえないことなんてひとつもないだけに、こわい。
おもく、くらいので、再読したくはない。
でも読んでよかった。
いいひとぶる自分。
近いようで遠い家族。
好きなのに嫌いな友人。
好きだったのに嫌いになった恋人。
自分の日常を穏やかにできるのは自分自身。
Posted by ブクログ
『逃げ続けるんだ。目覚ましの音、パンの焼ける匂い、くだらない馬鹿話、千円以下のランチ、特に進展のない合コン、判で押したような穏やかな毎日の中に逃げ隠れて、息を潜めるんだ。憎しみに追いつかれないように。』
短編集。
すべての話の主人公たちはみな胸に殺意を抱いている。
だれも実行するわけでもないのに溢れる殺意を止められない。些細なきっかけで爆発するかしないかのギリギリの心情と、
殺意の日常性がよく描けていると思った
Posted by ブクログ
こわい夢見そうな読後感。。
でもなんかわかることがいろいろあった。
欠点を指摘してくる男とか
女の職場とか
いい人ぶる自分とか
非日常な一日からの逃避とか。。
Posted by ブクログ
可愛いタイトルに惹かれて読んだらこわいやんかスプラッタだとかオカルト的な話じゃないけど、不気味…。
日常に起こりそうな怖さって言うか…
執拗な嫌がらせをしてくる元カレに復讐するために肉体改造を決意する女子高生のお話は良かったなぁ。
Posted by ブクログ
愛する者へ向けたドロリとした感情がテーマとなる7つの短編集。
女の気持ち、男の気持ち、母親の気持ちなど、それぞれが置かれている状況は異なるものの、とにかく後味の悪いストーリーが多い。
そんななか、救いがあるのは表題作である「おやすみ、こわい夢を見ないように」。
この物語に潜む狂気にはヒヤリとするものの、パンドラの匣を開けたときに最後に残る”希望”のようなラストには胸の中がじんわりと温かくなった。
Posted by ブクログ
短編集
んーあんま好きになれなかった
殺したいとおもったこと、本気で殺したいとおもったことあたしにはあるかなと考えた
愛情と憎しみは背中合わせであり、愛しているって思っても消えてほしいと願うこと
それは限りなく近いとおもった
Posted by ブクログ
どの短篇も、本当に薄暗く漂うような物語。
ひとを羨んだり妬んだり、そういうマイナスの感情を持つ人々が
それをどうすることもできず、ゆらゆら生きているような。
それ以上でも以下でもない、というような物語たち。