角田光代のレビュー一覧

  • 私たちには物語がある

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    書評、感想、ブックレビュー、この手の類は作家になって以来、ほとんど断ることはなかったという著書。断らざるをえなくなったのは、本業がご自身の許容量を超えるようになったごくごく最近。作家になるのならもっと読めと編集者からの言葉もあって悲壮な硬い決意をもってこれまで実践してこられた。その集大成が本書。どんな本でもほぼおもしろいというだけあって、どの書評にも嬉々とした感受性がこぼれんばかりに溢れている。しかも面白くない本も面白くないところが面白いという真に奇特な性分。読みたい本が書評の数だけ増えてしまった。

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    2014年04月29日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    うーむ。
     なるほど……。と言おうかなんと言おうか。
     女性が生む性だからなのか、産む性で有ることを社会的に期待されているからなのか、母、祖母、とさかのぼり、もしかしたらミトコンドリア・イブにまでたどり着く呪詛を感じる。すげーわ。

     社会や人情、世間の常識に照らし合わせて間違っているとしても、本人が辛いならば「辛い」って言うのは当たり前なんですよ、と言うことを切々と語っているなぁと。
     そして何より、逆もありき、と言うのが新しかった。端から見てどんなに辛そうでも、本人が大丈夫ならばそれでいいい。
     本人にとっては、本人が感じていることが真実なのだし、それを大切にしてほしいと思いました。

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    2014年04月17日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    実母とうまくいっていない長女の私にも娘がいるので、娘とはうまくやっていきたいと常に思ってます。

    なので、心に留めておこうと思うこともありながら、女同士はやっぱり難しく永遠のテーマなのかなぁとも思う。

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    2014年04月06日
  • 人生ベストテン

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    角田光代好きだなぁと思わせる一冊。
    なんてことない日常をこれだけ読み込ませる小説に仕上げるなんて。

    大きなドラマじゃなくたって、その人にとっては印象的だったり、衝撃的だったり、なんというかつまり人生にドラマがある。

    人生って面白いよなぁと思わせて、なんとなくほっとさせてくれるのが人生ベストテン。

    海外旅行先で出会った親子の話。
    機内で出会った泣いてる女。
    クロス屋の話。
    同窓会の話。

    印象に残る。

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    2014年03月30日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    結構、衝撃的でした。でも、よく考えてみたら。後輩にこういう親子関係の子いたなぁ・・・その子の弱さのせいだと思って、埒が明かない感じに嫌気がさしちゃって疎遠になっちゃったけど、切りたくても切れないのか・・・全然わかってあげられなくて、悪かったな。。。

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    2014年03月26日
  • 幸福な遊戯

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    2014.3.15ー15
    門田光代の原点はここにあるのかと思わせる、著者23歳の頃の主人公がほぼ同年代の作品。家族とは?自分とは?じんわりと考えさせられる良質な著書でした。

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    2014年03月16日
  • 庭の桜、隣の犬

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    タイトルに惹かれて買った本。
    ゆるやかな流れで専業主婦房子の日常が描かれていく、と思いきや、この夫婦の抱える空虚感が読んでいて怖い。空虚感、あるいはからっぽの箱、のイメージ。ふたりとも、そのことに気づいていないように見えることがさらに怖い。

    良し悪しではなく、結婚したらマイホームを建てて、子供を産んで・・・という「目標」を持っている房子の親世代は、少なくともからっぽの箱に何か入れようとしているのだけれど、若い夫婦の現実味のなさは、彼らがまさに言うように「ゼロ」の状態で、いまどきこういう夫婦もいるよね、こんなスタイルもありだよね、と思う一方で、なにか背筋を寒いものがとおっていく感じ。
    あぁ、こ

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    2014年03月05日
  • これからはあるくのだ

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    作者の眼から見えてる世界を見るのが、エッセイの面白さ。
    わかるわかる!というところがあると、本を通して、友達になったかのような気分になる。

    子どもの頃に、廃屋が好きだった‥という件を読み、そういえば、私も好きで、校内写生大会で、学校の廊下から見える小屋を描いたなと、思い出した。そこに人がいた痕跡とか、周りの明るさと対照的な暗さとかが好きだったのかな。

    好きなものの感性が同じだと、会えない著者でも通じ合える気がします。

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    2014年02月18日
  • マザコン

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    母親を描いた短編集。
    どれも面白かったけど、「初恋ツアー」「鳥を運ぶ」が面白かった。
    この人は本当に女性を描くのがうまい。

    当たり前のことかもしれないが、子どもは母親を見て育つ。意識していなくとも、母親のように生きてしまうものなのではないか。大人になるにつれ、その思いは強くなっていく。
    気づかぬうちに、母と同じような生活を送ろうとしている自分がいる。

    この本を読んで、改めて、母と娘とは同じ生き物のように感じた。あとがきには、母と娘の関係は、息子と娘の関係や、父と娘の関係とは全く異なるものだとあったのも興味深かった。
    女ってやっぱり複雑でめんどくさい生き物だ。

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    2014年02月17日
  • 空の拳

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    ボクシングの試合が見たくなります。

    ダイエット目的でジムに通っている女性もいると聞きますが、彼女らは男性を見る目が厳しくなるんだろうな。ヤワな男性を相手に出来なくなりそう。こんなストイックな世界に触れたら。

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    2014年01月12日
  • 私たちには物語がある

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    〜本が、物語がある世界とはなんてすばらしいんだろう。私はなんとすばらしい場所で生き、なんとすばらしいものを享受しているんだろう〜原文ママ。本にひとかたならぬ愛情を注ぐ角田光代さんの書評集、書ける人が書いているのだから内容についてはここで言うには及ばない。参考になったのは「つまらない」と投げ出した本を再読したときの印象の変化…偏見を捨て現在ある自分のまま謙虚に一冊の本人向き合うことの大切さを教えられました。新年に向けての良い読み納めとなったようです

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    2014年01月01日
  • かなたの子

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    心の闇をちょっとホラーテイストで描いた8つの短編。何れもゾクッとする内容は短編ながら濃い。解説を読んで著者の意図が鮮明になり流石と唸ってしまう。この作品をWOWOWはどのように映像化しているのか楽しみ。

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    2013年12月23日
  • 私たちには物語がある

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    角田光代さんの読書記録。幼い頃から本好きで、いつも本を読んでいた。それでも知らないもの、わからないもの、不思議なものに触れる感動を毎回新鮮に受け止めようとする、そんな角田さんの眼差しに、改めて驚く。ことばの使い方ひとつひとつが、すてきだなぁとおもう。

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    2013年11月27日
  • 私たちには物語がある

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    角田さんの読書感想文集!
    視点が面白く、同じ本を読んでるのにこんなにも感じ方が違うのか?など気付くことができて、よかった!

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    2013年11月15日
  • Presents

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    わたしが誰かの名前を呼ぶとき、極力ファーストネームにしているのは、この本を読んだから。
    この世に生まれて初めてもらう「名前」、
    それはきっとあなたの誕生を心から
    祝福する誰かがプレゼントしてくれた、
    願いと愛情。

    本作はプレゼントがテーマのアンソロジー。
    収録の最初の作品がすばらしいために、本全体の印象が良いものとなっている。
    もちろん全部、すてき。

    あのひとに、プレゼントを選びたくなりました。

    本作はプレゼントがテーマのアンソロジー。
    収録の最初の作品がすばらしいために、本全体の印象が良いものとなっている。
    もちろん全部、すてき。


    あのひとに、プレゼントを選びたくなりました。

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    2025年06月08日
  • エコノミカル・パレス

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    生活困窮小説。
    仕事を見つける気がないヒモの彼氏と、明日の生活費の心配ばかりをする毎日。34歳フリーターで、雑文書きとウェイトレス、スナックで働く。

    日々の中に楽しみも、希望もあるわけもない。問題に直面して、変えていこうとするわけでもない、不安を抱えながらも、毎日はすぎてゆく。

    1960年代ならば、未来に向かう明るさがあったかもしれない。2000年代の社会にある、虚無感、閉塞感。
    重たーい気分になるけど、角田光代はそんなとこが好き。

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    2013年10月12日
  • 空の拳

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    ネタバレ

    典型的なダメ文系の主人公が、全く知りもしないボクシングの世界に熱中し、離別していく三年間を描いた長編小説。表現に疑問が残る部分があって、前半がもう一つだったけれど、終盤をとても面白く読めた。リングの上でボクサーは何を思うのか、競技を通じて何を求めているのか、っていうことを一貫して描こうとしている姿勢がよかった。

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    2013年11月19日
  • マザコン

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    ネタバレ

    母にまつわる短編集。解説が「母は娘を支配する」の斎藤環で、そっちの本でも角田光代の「マザコン」は引用されていたし、解説も母娘関係に焦点を当てたものになっていたが、母と息子の物語も半分くらいある。息子の場合、大抵妻も出てくる。
    「共感」みたいな気持ちになるのはやっぱり娘モノだが、息子モノも面白かった。どちらにせよ、苛立ち、息苦しさ、胸くそ悪さ、ヒタヒタと染み渡ってくるような狂気…みたいなものを現出させるのがうまいんだなあ、この人は。それでいてこっちまで嫌になっちゃうような不快感はない。それで小説として面白く読めてしまう。
    特に好きなのは、「パセリと温泉」「ふたり暮らし」「クライ、ベイビイ、クライ

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    2017年03月15日
  • 菊葉荘の幽霊たち

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    におい。

    仕事をくびになり「暇」になった「わたし」は、ここに住みたい、という友人・吉元のために、空き室のない「菊葉荘」に忍び込み、住人の動向を探る日々を送る。

    「鍵を鍵穴に差し入れ、扉を開けると、よそよそしいにおいが染み出してきてわたしをつつんだ。~大きく息を吸いこみ、自分のものらしいにおいを嗅ぐ。これがいったいなんのにおいであるのかわたしにもわからない。」
    菊葉荘の蓼科の部屋に入り浸っている「わたし」が、久しぶりに自分の家に戻ってきた時の描写である。

    家=居場所=すみか=テリトリー=縄張り

    私は臭いに敏感な方で、他人の家から戻った時に服や体に染みついた他人の家の臭いというのが、ひどく

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    2013年08月17日
  • 空の拳

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    「もう一度あの場所にいきたいんです」ときとして人を潰すこともできるちいさな悪意がいっさい届かない静かな場所-いいなぁ!まぐれにも見える一瞬を逃さないため練習を積む立花、名声も栄誉も金もつかまなかったとしてもその手のひらで何かをつかんだだろう中神、心優しき坂本、「ザ・拳」の三年間がようやく筋肉になりつつある空也。ボクシングならではの成長物語。前半の冗長な運びはすべて終盤のため?ふつふつと感動。

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    2013年08月04日