角田光代のレビュー一覧
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購入済み
友達に求めるもの
読み始めたら、止まらなくなってしまって真夜中まで黙々とタブレットとにらめっこしていました。
現在と過去が交差していて、どちらかというと過去の話の結末に興味がわいて、先へ先へと気がせきました。
いくら仲がよくてもさ、お互いの気持ちまでわかるわけじゃないし、わかってくれているように思えても、それはただの錯覚なんだよな。
学生時代の友達って卒業式で分かれたっきりなんて奴らばかりで、連絡を取ろうとも思わないけど、でも、それでもいいんだなと、考えさせられる作品。 -
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角田さんの感性が伝わる本でした。
旅と物に関してのエッセイです。
私も旅は好きです。私の場合は、今は国内ですが、彼女の今回の話は海外でしたので新鮮でした。特に最初に行かれたラオスには魅力を感じました。
彼女の本を読むのはこれが初めてです。年は何と同い年でした。なので共感できること多いかなと思いましたが、出来ないこともありました。
3つ印象に残ったエッセイを書きます。
1、人目を気にせず笑ったのが、特注万年筆のオーダーの決断までのくだりは、ノックアウトの瞬間笑えた。
2、共感できたこと、長距離バスのトイレは応援したくなりました。
3、びっくりしたことが、同じ歳です。大げさに書いてあると思うが、我々の世代はパソコンもスマホも自在に使える世代とおもっていたので機械音痴と表現してありビックリです。 -
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最終章の「イリの結婚式」の一部を仕事で読み、気になって本編を読んだ作品。主人公がハムスターの死によって彼氏と死に対しての価値観の違いを認識し、そのまま破局してしまう話。
死に対して諦めてしまっている主人公となんとかする方法があると模索してしまう彼氏は、一見彼氏の方が温かい人物なんだろうけど、でも彼氏のやってることは結局自己満足でしかなくて、それは主人公にとっての本当の優しさでは無かったんだろうなあ。彼氏の、自分にもできることがあるって必死に生にしがみつく感じも分かるし、主人公の、そういう人は結局自分が安心・満足したいだけで自分も将来どこか手軽な応急処置をされて放っておかれるって不安になってしまうのも分かる気がする。
結婚というのはそういう価値観の違いを愛情だとか幸福感で乗り越えていった先にあるものだと思うけど、それができないくらい主人公にとっては彼氏との価値観の違いが大きいものだった。友達たちは「そんなこと」と笑うけど、彼女たちにとってはそれは愛情で乗り越えられることであり、主人公にとっては譲れなかっただけの話だと思う。イリの結婚式を見てこうなるはずだったと主人公は思っているけど、そこまで後悔している感じではなかったのが印象的だった。結婚する気もないしする相手もいないし、主人公の場合はそんな男と別れたばかりだけど、でもそれでも明るさと希望に満ち溢れた感じと並々ならぬ幸福さから、そんなことをぼおっと考えさせる力が結婚式にはあるよね~ -
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ネタバレなんでこんなに切実なんだろう?角田さんの文章は、自分にとっては、あまりにリアルすぎて、切実過ぎて、もう読んでいてこう、辛い。面白い。辛い。読みたい。辛い。好きだ。こう、本当に、ビックリするほどに、ビックリするほどに、「わかる!」という錯覚を、抱かせてくれるのですよね。この切実さは、凄い。
本当にこう、ヒリヒリすんですよ。「他人事じゃねえ!」って感じ。読んでて辛いが、でも読まずにはいられねえなあ、って感じ。素晴らしい。うん、素晴らしい。これ、好きな人はトコトン好きだろうし、ピンとこない人は、とことんスルーする作家さんではなかろうか?どうなんだろうか?謎ですね。でもまあ、これはまごうことなき真実ですが、僕は角田さんの小説が、超絶に好きです。これは真実だ。
主人公の「私」は、ちょいと気になる年下の男の子「立花光輝」に、本当に真心から?いやまあカッコつけとか感謝からの恋愛発展?みたいなんは絶対期待しただろうけども、とりあえず、大学行くための(だっけ?)お金を援助してあげようとして、バッチバチにキレられて、全ての人格を否定されちゃうくらいに罵られるんですが、が。
あれだ。同じ角田さんの著書「紙の月」では、あっちの本では、主人公の女の人、年下の男の子に、お金援助したやん。成功した、ようになったやん。一旦は。何故にこの話では、こんなに駄目だったんだろう。年上女が年下男にお金を援助するのは、あっちは成功してこっちは失敗した。なんでやねん。まあ、それが、人間の個性、っちゅうヤツでしょうかね?まあ、作品の違い、といいますか。
でも「紙の月」はアレはアレでオッケーで良かったですし、こっちの話でも、主人公の「私」は、「立花光輝」と出会ったのは、絶対にええことだと思うんですよね。タチバナコウキ、間違いなく、良いヤツだと思いますし。いやあ、人生って出会いだなあ。
とにかく、よーわからん感想になりましたが、この小説は間違いなく面白かった。自分にとっては。本当に「リアル」でした。マジで。 -
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文芸誌希望の文学青年な編集者が、何の因果かボクシング専門誌へ配属されてしまう。そうして否応なくかかわることになったボクシングの世界だったが、彼はやがてその魅力にはまりこんでいく…
物語はいわゆるスポーツ物の「熱さ」とは違い、あくまで物語のテーマのひとつとして「ボクシング」を扱っている、とう角田さんらしい俯瞰的な視線を感じる描き方がなされているように思います。
だからかえって、主観的すぎないボクシングの世界を深くいろんな角度から楽しむことができたように思いました。
実際に戦っている選手、トレーナー、家族、友人、編集者。それぞれの視点でのボクシングへのかかわりかたの違いが丁寧に描かれていて、背伸びしすぎない現実的な人びとの一喜一憂をじっくりと感じ取れます。
ことさらに泣かす描写も、スポ根的に燃える展開も用意されてはいませんが、彼らの静かでひたむきなドラマに気づくとハマっていました。それこそ執拗で的確なボディブローのように、徐々に面白さが染み込んでくるのです。
かなりの分量のある物語ですが、それだけ、ボクシングとボクシングの魅力と、そしてかかわる人々の生きざまが詰め込まれているということです。ずっしりと読み応えのある物語でした。 -
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角田光代の人生ベストテンを読みました。
ごく普通の、でもちょっとコミュ障気味の主人公たちが出会う事件を描いた短編集でした。
表題作の人生ベストテンは、40歳になって自分の人生を振り返ると、人生のベストテンは中学高校の出来事しかなかった女性の物語でした。
同窓会の連絡を受けて、高校時代にちょっとだけつきあった同級生がどんなふうに変わっているか見に行こうと思い立ちます。
同窓会も終わり頃、その同級生に会うことが出来て2人だけで二次会に行くことになります。
そして、その後には驚きの結末が待っているのでした。
平凡な人生でもこのようなイベントがあったら少しは楽しくなるかもしれないなと思いました。 -
Posted by ブクログ
20年以上前、初期のころのエッセイ。
泣いたり笑ったり怒ったり、角田さんの身のまわりの出来事がキュートに綴られています。
とびっきり良かったのが、あとがきにかえての文章。
作家人生の原点になったと語っている幼稚園時代のエピソードがくわしく書いてあった。
おとなになったら、はみ出てしまうこと、そうなってしまうのでも、そうさせられてしまうのでもなくて、きちんと自分で歩く道を選べるようになる。そう信じていた切実な少女。
私は、まだきっとそういうおとなになれていない。
自分で何かを選び取ってきたという実感がない。そのくせ現状に不満ばかり言っている。自分の足で、リズムで、自由な道を歩いているのに。
ありふれてなんかいない日常を、私らしい感性できちんと向き合って生きていきたいと思った。