角田光代のレビュー一覧

  • おやすみ、こわい夢を見ないように(新潮文庫)

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    意識無意識に抱く悪意とか憎悪を深く抉り出した短編集。いずれも真剣な考察を促される密度の濃いものであった。何でもない生活の奥底に潜む悪意。まざまざと見せ付けられ凍えるような怖さを覚えた。

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    2012年07月19日
  • 福袋

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    7人に届いた福袋のお話(袋状じゃないものも多いですが…)

    “母の遺言”の兄弟姉妹に対する感覚がとてもリアルで
    一番頑張ったという母の褒め言葉が欲しかった姉に
    やるせなさとうんざり感を覚えるところがとても好きです

    他人ならまあいいかと思えるところも兄弟姉妹という
    特別な関係の中ではいちいち気に障るという心理を
    リアリティを持って書いてくれているところが素敵でした

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    2012年07月17日
  • エコノミカル・パレス

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     時々ふと考える。もし自分が30歳を超えてフリーター、もしくはニートになったとしたらどのような生活が待っているのだろうか。友人に会わす顔はないな。恋人などもってのほかだな。孤独を覚悟しなければいけないな。などあたりまで考えたところで恐れをなしてこの想像をすぐに打ち切る。

    「エコノミカルパレス」を読んだ。
    34歳フリーターである独身女性の現実が描かれていた。
    貧困具合、若い男性への負い目、生活観、親との亀裂、全てがリアルだった。

    同棲をして数年が経過した無職の彼氏との会話は生活費のことがほとんど。稀にお互いがその日あったことや思ったことを話してもほとんどが無関心。性行為をしている気配もない。

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    2012年05月29日
  • ドラママチ

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    「コドモマチ」
    生まれてくる子供を待つ専業主婦のナミは昼ごはんを食べてから
    夫の恋人をつけまわす生活をしている
    クリーニング店で働き終わるのを待ち買い物をする彼女の後をつける


    彼女が買った物を見て、ナミは夕食の準備をするかしないか決める
    夫は太っていて気のきいた会話もできず好きに使えるお金も
    さほど持っていない、そんな夫の恋人の後をつけ続ける理由。
    恋人に対して、嫉妬心というものがないのでナミの気持ちは
    分かりづらいけど、妙に淡々としているところが良かった。


    「ヤルキマチ」
    「最近、人を見下したくて見下したくてたまらない」
    OLのコトちゃんは何もかもにやる気を失くしていた
    そしてコトち

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    2017年09月20日
  • エコノミカル・パレス

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    ユリイカの角田光代特集を読んでいたら、寄稿する方々口をそろえたように、「エコノミカル・パレス」を褒めているので再読。家にあった文庫本、2005年初版だから、たぶんその頃読んでおり、そのときは読み込みが足りなかったと記憶している。今回は、しっかり読めた。出口の見えない、経済的不安からの無力とやけくそ。ラストの刹那。どこに向かうのか。。。2012年の今も彼らは抜け出せていないのではないかと、心配しています。

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    2012年03月04日
  • あしたはアルプスを歩こう

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    「生きるってなんだろう」って疑問は無駄ではあるが、意味とか無意味とか関係なく、追求しなければならない!って巻末の解説で三浦しをんさんが書いていた。

    まず、三浦しをんさんのことを「をしん」さんだと勘違いしていたことをお詫びしたい。

    アンパンマンだって、何のために生まれて〜何をして生きるのか、わからないまま終わるなんて嫌だって…
    あのアンパンの頭の一部を食べることの意味なんて考えずに。


    そして、本書を閉じた瞬間…
    バローロをもう一度飲んでみたいと思った。
    (あとがきの一文より)

    とまあ、本文は登山報告書であり〜
    一人二役のスーパーマリオブラザーズ哲学がちりばめられていた内容で
    人生の指南

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    2012年03月03日
  • あしたはアルプスを歩こう

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    ネタバレ

    トレッキングなんてしたことない角田光代さんがテレビの企画でイタリアのドロミテに登る旅行記(?)

    私はここ数年山に登るんだけど、すごーく辛くてもしんどくても
    最終的にお腹の中に残ってるのは楽しかった気持ちばっかりなんだよね。

    だから角田さんの文章を読んで、
    「分かるわー、登ってる時ってこういうこと思うよね。」
    みたいなのがあって面白かったな。
    降りてきて書いてるはずなのに、その時の気持ちを覚えているなんて才能だ。
    いや、作家さんだからそういうものなのかもしれませんが。。。

    トレッキングなので頂上を目指すことだけど目的にした山歩きじゃないんだけど、十分きつそう。
    さすがアルプス。

    ガイドさ

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    2012年02月25日
  • まどろむ夜のUFO

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    どこかちょっと壊れた人たちの物語。これが94年で、「空中庭園」が03年、「対岸の彼女」が05年と考えると、彼女が描こうとしている「壊れた部分」というのがなんとなく見えてきそうな気がします。
    好みの小説でした。

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    2012年02月16日
  • あしたはアルプスを歩こう

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    主に、お風呂の中で読んでいた本。
    (私の中ではお風呂本と呼ぶ)
    ウトウトしながら読んでいたので、
    何度落としそうになっていたことか・・・。
    ゴメンナサイ。

    この本を読んで、遠い昔の話だけど
    自分がイタリアに行ったことを思い出した。
    山なんて登っていないけれども。。

    覚えていることと言えば、
    イカスミパスタが美味しかったことと、
    バスの運転手のラファエロの体毛がすごかったことくらいかもしれない。
    いや、もっとあるか。。

    なんか、ふらふらとイタリアを旅してみたいな。
    イタリアじゃなくてもいいから山に登りたいな。
    そんな気持ちになりました。単純ですね。
    本の中では、
    山登りがただ楽しいだけでは

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    2012年02月13日
  • 幸福な遊戯

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    角田光代のデビュー作。
    あとがきで永江朗も書いてるが、本当書くことがぶれないなぁ。
    そして、いまも昔も好き。

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    2012年02月10日
  • 幸福な遊戯

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    これがデビュー作なのかと、あとがきで知る。彼女の小説を読むのは四冊目かな?
    角田光代のエッセイはすごくすごくすごーーーく好きなのだけれど、小説は苦手だった。暗いし、わぁ!ってならないし。
    でも、大学二年の今、読んでみたら、なんかもうこれはすごいわと思ってしまった。無自覚のどろどろが文字になっている。人気ってことは、みんな同じようなことを考えているのかという安心感と、どの人もこんな人生なのかっていう未来への絶望。

    ぐだぐだしてるシーンの描写が好き。

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    2012年01月31日
  • ちいさな幸福 All Small Things

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    この本の100人アンケートのデートの中には
    甘酸っぱいものもあれば、切ないものもあったり・・・。
    いろんな恋の形があるのですね〜。
    100人アンケートではないけど、7番目の話が印象的だった。

    私は恋愛に対して良いイメージも悪いイメージも
    持っているわけではないんだけど、
    やっぱり恋っていいものかもな〜なんて思えたなあ。

    どこに行ったとか、記念日を盛大に祝った〜とか
    そんなことあまり重要じゃなくて、
    一緒にいる時間が楽しければ、
    それだけでいいんじゃないのかな〜。

    ふとした出来事が後々思い出してすごく幸せなことだったり、幸せな時間だったりする。

    ささいな、ちょっとした幸せが続くことが一番

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    2012年01月25日
  • 幸福な遊戯

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    角田光代さんのデビュー作と、全く意識せずに読みました。なのに、書かれているテーマや表現、また作品に現れている社会に対する視点・見通しが、一貫していると感じた。ほんとに良い作家さんであると思う。

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    2012年01月07日
  • おやすみ、こわい夢を見ないように(新潮文庫)

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    日常の小さな殺意を題材にした7つの短編集。大きな事件は起きないけれど、自分の中にあるかもしれない小さな殺意を、ふと考えてしまう1冊。

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    2011年12月27日
  • これからはあるくのだ

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    角田さんのエッセイって、人柄がにじみ出てる気がする。意外な視点から物事を見つめてるのも面白いし、おっちょこちょいだったり方向音痴だったりぼーっとしてたり、ほっこりする。

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    2011年12月17日
  • ちいさな幸福 All Small Things

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    この人の書く文章にはいつも吸い寄せられる。文章に絶対的な好意を持てるわけじゃないのにどうしてだろう?

    「印象に残ったデートって?」
    まず、これを小説のテーマにしようという着眼点がすごいと思う。

    十円玉を拾うような幸福。
    小さなようで、実はとんでもない幸福が私たちの周りにはあふれている。

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    2011年12月17日
  • ロック母

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    1992年から2006年の作品を収めた短篇集。
    無秩序で無意味、不可解で不自然な世界を表現するのに右に出るものはいない角田さんの真骨頂たる作品集。
    今日もどこかの街角で、理不尽で理解し難い出来事が起こった時には、角田さんがじっくりと人間観察しているような気がする。

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    2011年11月28日
  • ナナイロノコイ

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    読んだことのない作家さんばかりで楽しかった。
    それぞれ個性的です。

    個人的には、女性同士の友情を扱ったものが面白かった。
    角田さんもいいけれど、谷村さんの話がとくに印象的。
    こんなに開放的になることはないし、主人公に共感はできないけれど、女と女をつなげるモノが何かっていうことに気付くきっかけって、あるなあと。
    女の場合、恋が女同士をつなげる事もあるんだよね。
    男の人はどうなのかわからないけど。

    それと、唯川さんの作品が、さっぱりしてて、読後がよくっていいなあと思う。

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    2011年11月27日
  • 三月の招待状

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    ネタバレ

    数年後の自分を見ているかのようだった。
    私は登場人物の誰でもないのに、同じような状況下に居るように思えた。
    目に見えるハッピーエンドではなく、妥協で終わってしまった気がする。
    人生なんてそんなものなのかもしれないけど、私はまだ諦めずに生きていきたいと思っている。
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    8歳年下の彼氏と暮らす充留は、ある日、大学時代からの友人夫婦の「離婚式」に招かれる。昔の仲間が集まるそのパーティで、充留は好きだった男と再会するが、彼は人妻になった麻美とつきあいはじめ……。出会って15年、10代から30代へと年齢を重ねた仲間たち。友情、憧れ、叶わなかった思い--再開をきっかけによみがえるあの頃の記憶と、現在の

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    2015年06月01日
  • 空中庭園

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    全体を見たらごく平凡な家族も、
    一人一人の視点から見たら、こんなにもたくさんの秘密や闇が
    あるものなのかねぇ


    6人の視点から見た連作小説になっていて、
    ある章に出てきた人物が、別の章では主人公になっている
    そうやってまたがった時の印象の違い。
    これ自体が人間の不思議さを表しているね


    この家族だけが特別なのではなく、
    どんな家族もこういう姿を持っている
    ひょっとしたらうちの家族も… なんて考えると非常に怖い笑

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    2023年07月08日