角田光代のレビュー一覧
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角田さんの旅とモノのエッセイ。
海外旅行って英語は話せないといけない、ちゃんとした宿を決めないといけない、何があるかわからないから怖い、好奇心旺盛で旅慣れた人が行く場所…とものすごくハードルが高いものだと思っていたのだけど、「人より心配性で小心者」の角田さんが「本当にその場所があるかどうかただ知りたい」との思いで、いろんな国にふわっと放浪し、ときには悪戦苦闘する姿に海外旅行の概念をぶち壊されたと思う。
何か体験をしないといけないとか、美味しいものを食べなきゃいけないとか、自分は海外旅行で失敗することが怖かったのかもしれないと気付いた。それも含めて旅なのに。
とにかくその雰囲気を味わってみ -
Posted by ブクログ
角田さんの本が好きで、もっと知りたくて読んだエッセイ本。
角田さんが一人で世界中旅していたり、トレイルランやボクシングなどのアグレッシブなスポーツをしたりする方だと想像していなかったので驚いた。自分の興味があるものにぽんっと入って取り組んでいく姿が素敵で、こういう年のとり方をしたいなと思った。
三浦しをんさんとの対談の中で、本の選び方でジャケ買いや好きな作家から選ぶ他に「書評を見て選ぶ」と言っていてそんな選び方があるのか〜!と目からウロコが落ちた。文庫の一番後ろにあるから一番最後に読むものだと思いこんでいた。
生活や恋愛、本に関する対談にしても(一番好きな「さがしもの」の「彼と私の本棚」 -
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ネタバレ短編集。人生ベストテンが圧倒的にアラフォー喪女に突き刺さる。グサグサと。
13歳の夏に数週間だけ付き合った男に会いにいった同窓会で元カレ(だと思っていたが実は偽物)にまんまと騙されホテルに行き、自分は恋もたくさんしたし今は結婚の予定もあるという嘘八百をべらべらと気持ちよく喋り、挙げ句の果てにはその男に高額な鍋を買わされてしまう。
そこまでならああああ痛い経験だ痛すぎるで終わるのだが、そこまで騙されて彼女は「あの男は13歳のあの夏からわたしに会いにきた彼なんだ」というこれまた都合のいい妄想に浸って幕を閉じる。
上手いなあ。
自分もアラフォーの冴えないおばさんで同窓会なんて行ったこともないがやはり -
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さてさてさんのレビューを見て読み始めました!
ちょっとファンタジー要素がある不思議な内容の話でいつの間にか引き込まれて一気に読んでしまいました。
特に好きなのは三章「なくした恋と、歩道橋のこと」タイトルも素敵です!
生き霊仲間で、超弩級の恋愛の話をするのですが、
その中の1人の権堂君が言うセリフで
「自分が好きだと思うのとおなじだけを、
相手がかえしてくれなくて、あるいは返してくれてるようには思えなくて、それで、どんどんどんどん、好きが吸い取られていって、気づいたらとんでもないくらいの好きになってるんじゃないかな」
おお!すごく納得いきました。
一番最後のところもすごく好きな言葉なので -
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自分だけがおかしい、ひねくれてる…なんて悩みは周りを知らないだけなんだと思った。
みんな、同じように悩んでるし、失敗しちゃうし、望む方向と違う方に進む羽目になったりする。
でもそれが人生なんだろうなぁ。
進み出したら、毎日乗り切っていくしかなくって、明日の為に今日を過ごして。
とても人間らしくて、主人公達に共感できてしまう。
日々を精一杯過ごすって人それぞれだけど、どんな形であれ素敵だなと思う。
でも、関係なくなると意外と人間関係ってあっさりしていたり。
平凡って思ってる人達の中にも日々の心の揺れや変化ってあるんだなぁ。
そして個人の背景にはいろんな人が存在しているって気づくとなんだか大切 -
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角田さんの描く女性像が本当に好きだ。
今回の主人公マキも、予期せぬ妊娠による戸惑いから、次第におなかの中の子へ湧いていく「ただ無事に生まれてくれればいい」という愛情の変化を遂げていく心理描写が、自身の妊娠体験とも重なる。
母親学級で知り合った、気の合わない妊婦に「うるせえ、うるせえ、うるせえ」と心の中で吐き捨てたり、無事出産できたらタバコを吸ってビールを飲みたい!と素直に言える「不良妊婦」なマキは、私そのものだ…。
女性は妊娠したら、聖母マリアのような慈悲深い愛を持つ母親になるわけではない。出産の苦しみ、その後も続く乳児期のお世話を経て、時間をかけて子どもと一緒に「母親」になっていくのだから、