角田光代のレビュー一覧

  • 太陽と毒ぐも

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    二者択一に出ていたセリフのように男女が一緒に暮らすということはドレッシングのようなものかもしれない
    お互いが譲歩と変更をすることで混ざり合うことでやっと混ざり合うのだろう
    この短編ほど極端な欠点ではなくとも誰にでも欠点はあるその欠点を二人の関係が落ち着いた頃に嫌気がさして拒絶するか受け入れるか次第ではないか

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    2021年07月23日
  • Presents

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    人生にもらう贈りものにまつわる短編集。

    贈りものとエピソードという形で
    簡潔にまとめられているんだけど、
    ほとんどの話で忘れられない景色が語られるのが
    印象的だった。
    満開の桜、商店街を歩く母のうしろ姿、
    夕方の海、靴の並んだ玄関…。

    贈りものって、品物そのものより、
    それをくれた人、その人との関係を思い出すと
    あとがきで角田光代さんが書いていらっしゃるけど
    確かに、その品物はなくしてしまっても
    心に残り続けるものがある。
    強い感慨を持ったこと、
    その時目で見たもの、肌で感じたこと、
    そんな形のないものたちを象徴するのが
    贈りものなのかもしれない。

    贈りものをあげるのももらうのも、
    自分は結構好きで、特にあげるのが好きで、
    なぜかというと、
    品物を選んでいる時相手はその場にいないわけで、
    なのに贈る相手のことを思い出したり、
    たくさん考えないと品物が選べないわけで、
    物理的には共有されない、
    精神的に強く結びついたその時間が
    なんだかすごく尊いもののように感じて、
    だから好きなのです。

    この作品はもらう側の視点だから
    贈りものを選ぶところは描かれないんだけど、
    贈りもの以前の関係性が
    強くクローズアップされてるのは一緒だなって、
    やっぱり贈りものは、その人との時間など
    形のないものの結晶だなと思うわけです。

    各編の主人公の女性たちは
    ままならないこともありながら
    ひたむきに考えて、たくましく選んで、
    贈りものをくれる人に支えられながら
    強く生きていく。
    僕ら孤独じゃない、人生捨てたもんじゃない、
    この先茨の道でも、切り立った崖でも、
    何とか歩き続けていけそうな気に
    させてくれる作品でした。

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    2021年07月22日
  • 薄闇シルエット

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    結婚して家庭に入りたくはないけど、仕事をバリバリしたいわけでもない、ずっと今のままでいたい37歳ハナのまわりの変化と、変化を求めてくる社会への苛立ち

    ずっとこのままでいたいと思ってるわたしにとってハナの心情行動すべてが身につまされた
    あまりにも心情が一致していたので、後半からはハナの身の振り方に
    なにも決めたくないわたしの人生の救いを見出し始めしまったので、
    『まだ始まっていない希望にむかって恐れず頑張っていきましょう』と終わらせたのが、足バタで地団駄踏むくらいいやだったな


    ずっとこのままでいたい誰にも迷惑かけてるわけでもないしちゃんと毎日働いてるのになんで結婚とか仕事とか決断をもとめられなきゃいけないんだろ
    なにも考えたくないから逃げつづけてたことすべてに対峙させられて読み進めるのが怖いくらいに、心が乱れた内容でした。



    PS
    ストーリーとしてどうこうとかいえないくらい、
    27歳のわたしの心情と一致しているので文庫本を買ってマーカーで羽毛立つくらいに線をひいておきましょう。

    『何かが決定されることをわたし自身が拒んでいる』
    結婚に思うところがあるわけではない、仕事に思うところがあるわけではない、私はただ、かわってしまう、ということがこわかっただけなのだ。金太郎飴の、外気に触れない真ん中に居続けたかった。
    わ
    『わたしはどこへも行きたくなかったんだな。そればかりでない、だれにもどこにもいってほしくなかったんだな』


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    2023年07月07日
  • 源氏物語 下

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    いつかは読もうと思っていた源氏物語をついに読み終えました。
    下巻は光る君のなくなった後の世界。上巻のような華やかさや完璧さはないながら、ひとの心や苦悩、すれ違いや欲望はよりあらわになったような。

    そして、あの,ラスト。
    終わってないんだな。

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    2021年07月13日
  • わたしの容れもの

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    40代を過ぎた筆者が綴る、変わりゆく自分のからだについての32篇のエッセイ。

    歳をとるにつれ、視力が落ちたり、食べ物の好みが変わったりするけれど、それは必ずしも劣化ではないということ。それは変化であり、それを楽しみ、付き合っていくためのユーモアや工夫が必要であるということを感じた。

    それから、訪れる変化が全て加齢のせいではないので、ナーバスにならず、冷静に自分の変化を見つめられるようにしたいと思った。

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    2021年07月10日
  • 三月の招待状

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    私も彼らと同じように未だに大学時代を懐古している人間なので、人ごとと思えず一気に読みきりました。
    何も変わらないことは、良いことでもあり良くないことでもあり、でも悪いことではないんだろうなとぼんやり思えました。
    男女の友情がいつしか男女の友情でなくなったのちは、長い時間を経てこれくらいの人間同士の交わり方になっていくのかな。

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    2021年07月09日
  • 世界中で迷子になって

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    自分のことなのにこんなわかりやすく言語化できるのすごいなぁ
    はじめての旅がその後の旅の仕方を決める、って言うのはまじでそれ◎

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    2021年07月04日
  • おまえじゃなきゃだめなんだ

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    好きな感じの短編集だった。本当に短いストーリーがいくつも入っている。指輪にまつわる2組のカップルのストーリーがいちばん好き。婚約指輪。離婚指輪。自分の婚約指輪とか結婚指輪とか、結婚式を挙げたこととか、そういうのが全部、より大切に思えるようになった。

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    2021年06月19日
  • 薄闇シルエット

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    主人公のハナは無意識の内に他人を見下しているのだなと思った。
    友人・家族・恋人など自分の周りにいるあらゆる人を俯瞰で見て、くだらない人生だと冷めた目でみていたのではないか。
    ただ、決して他人と自分と比較して自分の方が優れていると思っているわけではなく、あんな風になるくらいなら今のままでいる方がマシ!と思い込むことで自尊心を保っているようにみえた。
    だからハナの周りには「仕事はきちんとしてるがいい歳した独身の女性」ばかり集まるのだと思った。まさしく類は友を呼ぶとはこのことだと痛感した。
    自分もそうならないように常に他人へのリスペクトと感謝の気持ちを忘れないようにしたい。

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    2021年06月13日
  • 晴れの日散歩

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    オレンジページに連載されていたものを書籍化したエッセイ。角田さんの日々の記録みたいな感じでサラッと読める。文体や感性がやっぱり好き。

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    2021年06月06日
  • ドラママチ

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    日常に飽きてマンネリ化し悪い部分ばかりがクローズアップされてこうやって一生終わっていくのかと絶望する瞬間を切り取ったような話が多かった。
    結婚しててもしてなくてもそれは同じ。
    それでも、つまらないと思ってる日常の大切さに気づく瞬間もある。

    幸せいっぱいの人は読まない方がいいけど、日常に絶望を感じることがある人はそれなりに楽しめる気がする。

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    2021年06月04日
  • おまえじゃなきゃだめなんだ

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    さてさてさんのレビューを見て購入!
    昨日読み終わりました。

    この本の良さはさてさてさんのレビューを読めばわかると思います…笑

    自分もさてさてさんと同じ3作品が印象に残りました。

    特に最後の「消えない光」
    こんな清々しい別れ方があるのかと気持ちが良かったです。
    角田光代を一度読むと角田光代作品ばっかり読んでしまう

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    2021年05月25日
  • 幾千の夜、昨日の月

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    私が同じ夜を過ごしたら見過ごしてしまうような
    ふーんと通り過ぎてしまうような
    些細なでも素敵な一コマをこんな素敵な言葉で表現できるなんて、なんて素敵なんでしょう

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    2021年05月17日
  • 私はあなたの記憶のなかに

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    短編集。角田光代の長編の筆力には圧倒されるが、短編もまたいい。香りさえも感じさせるほどの具体的な表現力に脱帽する。

    さて表題の作品は、消えた妻を探す夫の物語。夫婦のいくつかの思い出の場所へ出かけるが、そこで出会う暗示的な人達が印象深い。

    身近な人が消える。しかし、それによって呼び覚まされていくその人に纏わる記憶がある。もし、私が消えても、誰かの記憶の中に生き続けるのなら、それは真の消滅ではないのだと、漠然と思った。

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    2021年05月15日
  • 薄闇シルエット

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    つまんない。
    なんか急にしらける。

    そんな時は、とにかくやる理由がないし、しらける理由はたくさんあるし、それに何も困ってないし、居心地いいし。

    なのに何故かとても切なくなる。

    やりたいことをやる。
    大人につれて、それは非現実的で、つらいこと、そしてこうあるべきという型にはめられた世界に飲み込まれていく。

    ハナの価値観は、やることの意味ではなく、やりたい気持ちに対してまっすぐであること。眩しい!
    でも本人は猪突猛進ではなく、居心地の良かった過去や見えすぎている未来に囚われて、進めない。

    同じことをはじめても、そこで求める価値観によって、人それぞれ違う形になっていく。古着ではチサト、布絵本ではキリエ。知らない間に向かうべき方向性が異なって、息苦しくなる。なんか昔のロックバンドの解散理由みたい笑

    新鮮で楽しかった日々が、いつから金太郎飴の毎日になったんだろうと、考えさせられる。

    知らない間に、自分のコップの水がいっぱいになって、こぼれないようにそろそろ歩く毎日。そして巡らない水はどろどろに。

    しかし、そこから不意に水がこぼれたら。

    ハナは、母の死で不意に水がこぼれる。ずっとそこに在ると思い続けていた人を失い、喪失感からたくさんのことに気付く。そしてやりたい気持ちが湧き出てくる。

    ハナとの対比として、キリエが面白い。キリエは、いっぱいの蛇口のついたバケツにどんどん湧き出る水が注がれているイメージ。ハナのコップから注がれた水は、あっという間に違う水と混ぜ合わされて、アイデアとして蛇口から放出される。

    ハナは、母との別れ、キリエとの出会いの中で、挫折する。でもこれが、自分を見つめ直すきっかけになる。傷つきながらも、踏み出したことによる、新しい手触りに心が動いてる様子は、とても応援したくなる。

    タケダくん、結婚してやる、なんて言い方はないよー。力んでると、変な言葉になってしまうのはとてもわかるけど。ゆるんだタイミングに出る本音の言葉のほうが飾らなくて良かったりするんだよなぁ。

    その人は、その人になるしかない、か。

    つまんないことを、切り捨てることはすぐできる。でも、はじめることで、わかっていたつもりでも沢山の不確実なことがあって、それに打ちのめされたり、うまく乗り越えたり、はたまたリセットされることもある。

    変わることの怖さ、変われないことの切なさ、変わったことによる希望(とちょっと挫折)。

    ちょっと頑張ってみようかな、と思える本でした。

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    2021年04月25日
  • おまえじゃなきゃだめなんだ

    上手くいったり、いかなかったり、幸せだったり、そうじゃなかったり、過去だったり、現在だったり、甘かったり、辛かったりの恋愛小説。ジュエリーショップで個々の話が交差するのが面白い。

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    2021年04月11日
  • 三月の招待状

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    わたしも「大学時代に決着」できてないタチだから、自分に重なるところがいっぱい。

    神田川沿いを酔っ払って肩組んで歩いたり、高田馬場のロータリーで校歌歌ったりが「ちょっと前」に思えちゃう。一緒にいた子たちと再会すると、すぐ「わちゃわちゃ」し始める。

    遥香に言わせれば「おばちゃん」だし、成長してないのかもしれないけど、たぶんこのまま変わらないんだろうな。


    いつか「しょぼくれた夫婦」に私もなるのかな?

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    2021年04月06日
  • 予定日はジミー・ペイジ

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    主人公の感情の起伏に見事に乗り、自分が見る夢がだいぶ面白くなった(起き抜けに無心でメモするほど)。この本は、妊娠という未知の世界への不安を少し軽減してくれ、また日常に彩りを添えてくれたので、けっこう感謝している。

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    2021年04月06日
  • 物語の海を泳いで

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    言葉選びというか語彙というか表現が豊かすぎる……あまりに流れるようにいろんな本の紹介があって何の本を紹介してたんだかわからないままその文章を味わって読んでしまうことばかりだった。自分が読んだ本もいくつも紹介されていて嬉しい。あわせて紹介されている本も読んだりするとまた感じることがあるかなあと楽しみになった。

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    2021年03月22日
  • 私的読食録(新潮文庫)

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    様々な作品に登場する食べ物、そのシーンを、二人の作家が読みながら食べ尽くす。そんなエッセイ。読みながら、作品を食べたいと思った。そして、おなかが空いた。グ〜。

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    2021年03月21日