角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
20代~30代後半の男女の恋愛短篇集。一つ目の話の相手が次の話の主人公となって、続いて、ぐるっと周ってくる。ぜんぶ、お別れの話。で、だから、そのときの職業とつながっていることが多い。人生における成功と挫折。もう何度読んだかしれないけれど、角田さんの小説は、読んでいて、痛いことばかり。以下、刺さったところを抜き書き。
「映画を見て小説を読んで、集まって酒を飲んで何時間でも話して、ときには駅弁を食べるためだけに遠くのローカル線に乗りに行ったかつての日々は、機械的に打ちこんでいく数字にじょじょに埋没しつつあった。」
「あの男の子は、このアーティストの作品に出会わなければ、もっと自由に生きていただろう。―略-ふつうで平和な毎日が、けっして私をだめになんかしないと、そういう日々の先に私しか手に入れられないものがあるらしいと知った今ならば、わかるよ、あなたのことが。くまちゃん。」
「ちょっと泣きそうになって、英之はびっくりした。―略-だってあの女は、おれにはじめて恋というものの全容を、あますところなく見せたのだから。」
「あんたたちのだれも、私のような経験はしていないだろう。私のような恋愛はしていないだろう。どうだ。負けっぱなしだったことがあるか。ないだろう。」
「自分を認めないだれかをこき下ろしている間はその野っぱらに決していくことはできないし、野っぱらをみることがなければほしいものはいつまでたっても手に入らない。」
「「十八歳に戻ってもう一度人生をやりなおしたい」とくぐもった声で言った。―略-「まっとうな恋愛をして、処女のまま嫁に行く」」
「この人はぱっとする、この人はぱっとしないというのは、二分ほど話しただけでわかると、最近の希麻子は思っていた。当然、自分がこのままずるずる役者をやっていたってぱっとしなかろうということも、至極冷静にわかるのだった。」
「私はもう知ってるんだっもの、地味とかみみっちいとか、キャリアとかお給料とか、人生になーんにも関係ないんだって。なりたいものになるにはさ、自分で、目の前の一個一個、自分で選んで、やっつけてかなきゃならないと思うの。」
「目の前が真っ暗になる。世界が終わるんじゃないかと思う。終わっちまえばいいと思う。胃が痛み、何を食べてもおいしいと思えない。自分が何のとりえも魅力もない石ころに思える。思い切り存在を否定されたように感じる。頭がおかしくなるのではないかと思う。いっそおかしくなってくれればいいとすら思う。ふつうに道を歩いていたら、なんの前触れもなくその先が分断されている。戻る道も残されていないと思う。未来が勝手に切り崩される。街のいたるところに元恋人との思い出がこびりついていて、出歩くと目まいがする。勝手に涙が流れてくる。人と関わるのが、こわくなる。」
「またしてもふられるかたちで終わったとしても、おそろしいことに、きっと自分はまただれかを好きになるのだ。」 -
Posted by ブクログ
ネタバレキャラクターが多すぎて、誰が誰だか分からなくなるときもあったけれど、おもしろかった!ハルの父親を探す理由がいまいちピンとはこなかったものの、まぁ、それだけ必死だったということかな。幼いときにキャンプで出会った6人(?)の子どもたち。彼らは大人になってからも、思い思いにキャンプのことを覚えていて。タイトルから想像するような女の嫌な感じも、男の嫌な感じも味わえた。読むのにけっこう時間がかかったから長編なのかも。電子書籍はいまいちボリューム感が分からないのがつらいような、おもしろいような。良い作品でした。
7人でした。キャラクターが多すぎるんだよぉ!