角田光代のレビュー一覧
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ネタバレ星3.5
『タラント』という言葉の意味は物語の後半になってようやく出てくるがどこか掴みきれない感覚を持ちつつ読み進める。
物語のテーマはとても深く、祖父・清美の戦争体験や足を失ったこと、義足と共に生きる苦しさが描かれている。清美の心情には胸が締めつけられ、切なくて涙が出る場面が多かった。
主人公のみのりも、大学進学で上京したものの思うように馴染めず、そんな中で出会ったサークル活動にのめり込んでいく。ボランティア活動を通して難民キャンプを訪れ、これまで知らなかった現実や情景を目の当たりにする。
何か役に立ちたいと思うが故にみのりがやってしまった事に対する後悔だったり自分に対して失望する感じが -
Posted by ブクログ
何かの対談で西加奈子さんが取り上げられていて、角田光代さんの本なら間違いないはずと購入。
物書きという職業や昭和から平成の激動の時代を背景に、主人公の気持ちの移り変わり、成長していく様子を描いている話だった。
個人的に入り込みにくいテーマだったからかゆっくりペースで読んだ。仙太郎や母親の発言や毎回真に受ける和歌にはイライラしたり、まぁそういう考えの人もいるのかと思ったり、同時に自分が言われた気持ちにもなり、色々考えさせられた。
クリエイター的な仕事に就いている方や、近しい間柄の人間に対して漠然と大きな不満はあるものの、複雑な事情によりそう簡単に離れることはできない、みたいな状況の人に合う -
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解説にあった「本そのものの魅力がつまった本」というのがしっくりくる短編集だった。
どの話にも、本がただの「物」ではなく、その人の記憶や人生、誰かとの関係と強く結びついている。
本は必要なときに巡り合ったり、人と人を繋いだり、ときには誰かを変えるきっかけにもなる。
そんな本好きなら思わず「あるある」と頷いてしまう不思議な力が、静かに描かれていた。
特別大きな感動がある作品というより、本好き同士で読書についておしゃべりしたあとのような心地よさが残る1冊だった。
作中の人物たちや作者自身からも、「本が好き」という気持ちが自然に伝わってきて、読んでいて親しみを感じた。
あとがきを読むと、短編の主 -
Posted by ブクログ
扉を開けるたび、誰かの「大切な記憶」に出会う
東京、大阪、上高地の3つの帝国ホテルを
舞台にした42のショートストーリー
母に教わった「バーの味」や
夫婦で訪れた憧れの上高地など
誰の人生にもある「特別な一日」や
「忘れられない光景」が
角田さんの手によって丁寧に
瑞々しく描かれている…
1話がわずか5ページという短編ながら
その一編一編が驚くほど濃密!!
幻想的な夢のような世界もあれば
現実の夫婦の何気ない会話にクスリと笑ったり
過去と現在を行き来する物語に
ふと涙がこぼれたり…
42編すべて趣向が異なり
角田光代さんの作家としての人を
見つめる眼差しが
とても温かくて -
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ネタバレどの情報を信じるのか。
その情報は真実なのか。
病院でおばさんの会話を鵜呑みにした飛馬、マクロビオティック料理を信じた不三子。
そのせいで2人共、大切なモノを無くしてしまう。代償が大き過ぎた。
情報に振り回されるのは昭和も平成も令和も変わっていない。戦時思想も口裂け女も反ワクもある意味、同じなのかもしれない。(ノストラダムスの大予言も信じてたなぁ。)
自分が信じて行って来た事は果たして良かった事なのか。家族が離れてしまって自問自答する不三子に、胸が苦しくなった。
情報が氾濫する今日、真実の見極めはより難しくなっている。冷静に考えて行動しないといけない、と感じた。