角田光代のレビュー一覧

  • 方舟を燃やす

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    昭和期の都市伝説、世紀末ブームを経て、SNS経由で“ニュース”が広がる時代へ。何かを信じることと、信じたことを人に伝えることの間にある一線に鈍感であっていい時代などなかった。食、子育て、災害…迷いも決断も個人のものだけど、社会的責任は? 答えに詰まる作品。
    理不尽な出来事の理由や意味が分からない不安から、信じたい現実を信じる。分かるけれど、クリスチャン的には、だからこそ信仰が必要、とも改めて思った。全てを制御できると考えず、すべきことをしたら人知を超えた存在に委ねる。どうにかできるという驕りを捨てないと、理不尽な世界で絶望せずに生きることは難しい。

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    2026年01月24日
  • 神さまショッピング

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    目に見えない何かを、目に見えない何かによって救われようとする。人間って弱い生き物。
    救うのは自分自身でしかないのにね。

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    2026年01月22日
  • おまえじゃなきゃだめなんだ

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    短編が連なる構成で、
    一つひとつの物語に入り込む前に終わってしまう感覚があった。
    今の自分は、もう少し長く感情を預けられる物語の方が合うのかもしれないと思った。

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    2026年01月21日
  • トリップ

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    「小説宝石」に収められた(2000年1月号~2003年7月号)の掌編10篇です。デビューから10年頃こんな小説を書いてたんだ、と思うアンニュイな作品群です。タイトル通りですね。

    角田光代ファンにとっては好ききらいがあるかもしれませんが、巻末の解説に中島京子さんを配し「『トリップ』は重要な作品です」と太字の印字で絶賛しています。大衆小説というより、人の内側にトリップした“純文学”の作品といえるかもしれません。

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    2026年01月21日
  • 方舟を燃やす

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    ネタバレ

    2000年問題、地球滅亡、コロナのワクチン問題など我々はどの時代も情報に踊らされる。そして、それら情報に絶対はない。しかし、そんなわけないこともない。
    「絶対そうだ」や「そんなわけない」と情報の表面だけをみてすぐに信じたり切り捨てるのではなく、そうかもしれないと情報の中身に目を向ける必要がある。
    我々はどんなことでも物語や経緯がないと動くことができない。人に人の物語があり、あらゆることに物語を作ろうとする。そして、自分で作った物語を盲目的に信じようとする。しかし、他人の物語にはつい切り捨てがちで信じしようとしない。
    物語は合っていることもあれば間違っていることもある。
    だからこそ、自分で作った

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    2026年01月18日
  • 神さまショッピング

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    学生の頃、就活ついでに都内の神社巡りをしていたのを思い出した。
    それぞれの主人公にいろいろな願いがあって面白い。

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    2026年01月17日
  • だれかのいとしいひと

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    短編集です。ほっこりするお話だけではなく、不器用で素直になれない人物がたくさん登場します。

    「誕生日休暇」が良かった。
    仕事を少し休んで、予定を入れない旅行へ行くのも悪くないなと思いました。

    「花畑」は、もう例えようがなく不幸なんだけど、人間らしさが滲み出ていました。主人公の家族愛、突き放せない複雑な感情の奥をさらけ出して文章にしています。そして、それを綺麗な情景と共に映し出して小説にする、何だか写真集のような短篇集でした。

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    2026年01月17日
  • 方舟を燃やす

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    ネタバレ

    ずっとふわふわ、もやもやしながら読んでいた。なかなか進まなかった。イライラもした。
    登場人物の誰にも共感できないと、しんどいんやなと思った。(私の読み方の癖でもあるが)
    これはこれで貴重な読書体験ではあったかな。

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    2026年01月17日
  • かなたの子

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    テーマを同じにし、時系列を昔→現代にした作品を2つずつ並べている短編集。
    一つ目、出られない閉所というものの恐怖は想像しただけで震え上がる。恐ろしい。
    二つ目、電波系の人は怖い。でもその人が変になるきっかけが自分だったら罪悪感も半端ないんだろうな。
    三つ目、四つ目は産まれなかった命を巡る話、命は巡るんだなあ。

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    2026年01月11日
  • ねこがしんぱい

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    表紙の猫の絵を見て買わずにいられましょうか。その昔飼っていた猫にそっくり。

    猫が心配な気持ち、わかります。猫が人に懐かないというのも嘘だと思っています。わが家も隣家に餌やりを頼んで旅行に出かけたとき、家の裏の道に差しかかったらウチの猫が「ミャーミャーミャーミャー」鳴いて塀の上を走ってきました。隣家の人曰く、わが家の留守中、ウチの猫の姿は一度も見なかったそうです。

    世界中でいちばん可愛い猫だと思っていたから、あの猫が死んでしまってから何も飼えずにいます。

    ちなみに頁を開いて出てくる猫は、表紙ほど可愛くはありません(笑)。でもやっぱり猫が好き。

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    2026年01月08日
  • 東京ゲスト・ハウス

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    ネタバレ

    なるほど、想ってたより昔の本なのか
    1999年出版と聞くととても納得できる物語。
    文章は読みやすいし、テーマも悪くない。角田光代別の作品も読んでみよう。
    うわべの自分の存在に気づき、自身の本質と向き合おうとする主人公を描くのがおそらく主題。
    あんまり納得のいかないことも多い。主人公はすぐマリコを諦めるし、あまりにも口下手。
    あと登場人物が揃いも揃ってやなやつすぎる。こんなに他人って冷たいかね。
    主人公も旅人だけど、本質的には旅に酔っていないことがわかるのは好き。旅人は旅人然としていることが多いし、それってすごく鼻につく。自身を振り返る。過去の栄光?に縋って生きている人間はあまりにも多い。
    マリ

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    2026年01月05日
  • ピンク・バス

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    なんか…難しかった。人の心情がふかーく描かれていて、気分が沈んでいく。感情移入しやすぎてちょっとうわーってなった。
    作品としては面白いなとは思ったけど後味が悪かった。

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    2026年01月05日
  • 神さまショッピング

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    8編の短編集
    世の中にはたくさんの場所にたくさんの神さまがいて
    信じる人信じない人
    すがりたいけどすがれなかった人

    後半の3篇は少々シビア。

    神様の存在を真剣に考えたことはない。
    自分の中に自分だけの神がいて
    俯瞰して自分をみているような気がしてる。
    たまに助けてくださいと頼ってみる。

    この本は神について考えるきっかけになったかもしれない。

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    2026年01月03日
  • 方舟を燃やす

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    [私たちは知らない。ただしいはずの真実が、覆ることもあれば、消えることも、にせものだと暴露されることもある。それだけではない、人のいのちを奪うことも、人に人のいのちを奪わせることも、あり得る。]

    [自分が大人になるまでに、ポケットベルができて携帯電話ができてパソコンができて今はみんながスマホを持っている。あのころには考えられなかったスピードで他人とやりとりできるようになった。これほど大きく世界が変わっているのに、なぜ、見知らぬ人とかかわりたいという気持ちは変わらずあるのだろう。もしかしたら、こんなふうに幼稚な罵雑言があふれかえるところを見ると、見知らぬ人に向けた悪意や憎悪や、名もないネガティ

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    2026年01月03日
  • 源氏物語 中

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    ネタバレ

    源氏物語中巻。光君も年を取ってきて、若い玉鬘や三の宮に疎ましがられているのはなんだか物悲しい。そんなことを言っている間に紫の上が亡くなり、悲しみのうちに光君も死んでしまうのだが…。しかし夕霧はいままで真面目で幼馴染の妻を大事にしていたのに、親友の遺した妻に見苦しくつきまとって外堀を埋めるようにして自分のものにしてしまうのがすごく不愉快でびっくりした。しかもこのパートが長くてうんざりする(笑)。
    上巻のように光君が好き勝手するという話ではなくて思い通りにいかないことばかりで、角田光代さんがあとがきで書いているように「人」の物語になったように感じる。いっそう生々しい物思いをどっさり読むことになって

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    2026年01月01日
  • ひそやかな花園

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    多様性が求められる現在
    いろいろな家族の形があり
    どれが正しくてどれが間違いかなんて
    誰にも決められないけれど
    意志を持ってその状態にある人ばかりでなく
    この本に登場する子どもたちのように
    気づいたらその家族で
    そのことに苦悩しなければならないこともある

    「普通」って難しい

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    2025年12月31日
  • かなたの子

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    常に不穏な空気が漂いざらざらした気持ちにさせられる。そして闇が迫って来るような焦燥感、恐怖感がひしひしと伝わってくると同時にどこか切なさと優しさを感じる不思議な作品。
    一見独立したホラー風の短編8篇は「目に見えない糸」で繋がり、一つの壮大な物語として構成されているのに驚かされる。
    1話目の「おみちゆき」が土俗的な物語の源流であり、何かの共通のキーワードが時代を経て現代へとその業、因果がバトンタッチれていく。

    本書を読んで感じたのは、根底にあるのは日本が貧しかった時代に食うに困り自分達の暮らしを守るために「命の選別、切り捨て」を行ってきた社会の闇だ。
    そして主人公たちは気付く、自分も誰かの犠牲

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    2025年12月30日
  • 森に眠る魚

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    マイナスな感情を言語化した本は読むことがあまりないので、途中負の感情がまじまじと言語化されていてゾクゾクした。

    総じて言えるのは、人は人、自分は自分でありそこは境界線を引かなければ自分自身が一番苦しむということ。そして絶望するような失敗があったとしても、日常はごく普通に続いていき、その失敗は生きていれば、なんともないと思える瞬間に巡り合わせるということ。

    母親の物語であり、まだ親になったことがないが、子どもの人生と自分の人生も、しっかりと切り分けていかなければ、過度な期待や思い通りに動いてくれない子どもに苛立ってしまい、子どもを苦しませることになるということを肝に銘じなければならないと思っ

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    2025年12月23日
  • しあわせのねだん

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    ネタバレ

    角田さんの考え方が色々なお金の使い方に表れていて、面白く読めました。何にいくらお金を使っているかという話は中々友達ともしづらいので、他人の家計簿を覗き見ているようで興味深かったです。
    母の誕生日に温泉旅行をプレゼントしたら泊まった旅館が最悪で何もしなかった母に文句を言われまくった思い出について書かれた「記憶 9800円×2」は、子供の頃の自分と母の役回りの交代について考えさせられてじーんときました。
    お金を払うことで自分がしあわせになれるかどうか、をお金を使う時にしっかり考えていきたいと思いました。

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    2025年12月22日
  • いつか、アジアの街角で

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    台湾旅行のお供に読みました。飛行機などの移動中に読むのがちょうどいいボリューム。台湾や香港の食べ物や文化にまつわる短編集。探偵事務所の話が好きでした

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    2025年12月21日