角田光代のレビュー一覧
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短編集は読みやすいから好き。区切りがいい時がわかりやすい。悪い事を挙げるとすれば、一つ一つがバラバラの物語だから、読み終わる頃には何個か話を忘れてしまうところ。感想が書きづらい。
酒井駒子さんの絵が大好きで手に取った本だったけど、自分の日常からじゃ想像できないような人々の日常ばかりなのに、世界のどこかで実際に起こっている事のように親近感を覚える、そんな話ばかりでした。
まず「だれかのいとしいひと」って題が良すぎる。みんなそれぞれ誰かの愛おしい人なんだって思うと、みんなの事が愛おしい存在に思えてくる。
海と凧を読んで、社会人になる前に冬の海で凧揚げをしようと決めた。
「くっきりとした輪郭に -
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ネタバレ帝国ホテルにまつわる短編集。
50代以上の女性主人公率が高めで、そこまで面白いとは思えなかったものの、家族の思い出や自分の若い頃の思い出が詰まっている帝国ホテルという存在を強く感じた。
浮気をしているかと思われた夫が、実はホテルのフィットネス会員であり、泳ぎに行っていたことが分かる話が印象的だった。浮気をしていると思うほど、きっと本人は生き生きとしていたのだろう。ホテルは宿泊しなくても、活力を与えてくれる場所なのだな。
表題作も良かった。私も今まで自分が泊まった部屋を一つずつ思い出した。良い部屋もあれば悪い部屋もあった。でもすべて、大切な思い出だ。
仕事でホテルを使うという人もいると思うが -
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須磨・明石から帰京した光源氏は勢力を取り戻し、栄華の頂点へと上ってゆく。藤壺の宮との秘めた子が新帝となり、明石の女君は女の子を出産後に上洛。広大な六条院が落成し、光源氏は地位も権力も手にするが、やがて陰りが見えはじめる。「澪標」から「玉鬘」までを収録。
ようやく地位が復活して都に戻ってくることができた光源氏は、過去のつらい時期を乗り越えた影響なのか、より一層輝きを増して見えるという描写。やはり躓いたことのない人よりは、試練を乗り越えた方が人として成長し魅力的になるということなのでしょうかね。ずっと信じて待っていた紫の上のことを考えると、早々にほっつき歩く光君にはいい加減にしろよお前・・・とい -
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いつか読みたいな〜と思っていた源氏物語が角田光代さんの訳で出ていると知り、手に取る。読みやすいねえ。
Audibleで瀬戸内寂聴さんの訳も聞いたのだけど、分かりやすさ、飲み込みやすさなら角田さんが圧倒的だった。しかし、瀬戸内さんの時々耽美を感じ、ハッとする様な訳も好きである。
ここにやはり、もう色んな人が訳したけど、それでも新しく別の人が訳す意味があるんじゃないだろうか。同じ物語で同じことを伝えているが、感じ方や印象が変わる。
さて、本編についてだが、光君、思ってた以上にタチ悪いね。ビックリしたよ。
空蝉や夕顔のことはまだ良いとして(良くないが)、個人的には、若紫への執着が気持ち悪すぎる。決 -
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表紙のイメージからてっきり「食べ物」「旅」のアンソロジーかと勘違い。実際は台湾や香港を感じられるアンソロジーでした。
特に好きだったのは、
「隣に座るという運命について」
幽霊疑惑のエイフクさんとのクスリとなるエピソードが好きでした。大学生が描かれており、懐かしい気持ちにもなりました。
「チャーチャンテン」
初読みの作家さん。何だか“縁”を思わせるストーリーも、作品に漂うごちゃごちゃしてるけど安心感のある雰囲気も、とても心地よくて好みでした。
「停止する春」
「あぁ、これは…」。心が痛むのに読まずにいられない。言葉が自分のなかに爪痕を残していくような妙にあとを引く感じ。島本さ