角田光代のレビュー一覧

  • 源氏物語 中

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    ネタバレ

    源氏物語中巻。光君も年を取ってきて、若い玉鬘や三の宮に疎ましがられているのはなんだか物悲しい。そんなことを言っている間に紫の上が亡くなり、悲しみのうちに光君も死んでしまうのだが…。しかし夕霧はいままで真面目で幼馴染の妻を大事にしていたのに、親友の遺した妻に見苦しくつきまとって外堀を埋めるようにして自分のものにしてしまうのがすごく不愉快でびっくりした。しかもこのパートが長くてうんざりする(笑)。
    上巻のように光君が好き勝手するという話ではなくて思い通りにいかないことばかりで、角田光代さんがあとがきで書いているように「人」の物語になったように感じる。いっそう生々しい物思いをどっさり読むことになって、結構気が重い。光君も死んでしまったけど、下巻はどうなるんだろう。楽しみ。

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    2026年01月01日
  • ひそやかな花園

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    多様性が求められる現在
    いろいろな家族の形があり
    どれが正しくてどれが間違いかなんて
    誰にも決められないけれど
    意志を持ってその状態にある人ばかりでなく
    この本に登場する子どもたちのように
    気づいたらその家族で
    そのことに苦悩しなければならないこともある

    「普通」って難しい

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    2025年12月31日
  • かなたの子

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    常に不穏な空気が漂いざらざらした気持ちにさせられる。そして闇が迫って来るような焦燥感、恐怖感がひしひしと伝わってくると同時にどこか切なさと優しさを感じる不思議な作品。
    一見独立したホラー風の短編8篇は「目に見えない糸」で繋がり、一つの壮大な物語として構成されているのに驚かされる。
    1話目の「おみちゆき」が土俗的な物語の源流であり、何かの共通のキーワードが時代を経て現代へとその業、因果がバトンタッチれていく。

    本書を読んで感じたのは、根底にあるのは日本が貧しかった時代に食うに困り自分達の暮らしを守るために「命の選別、切り捨て」を行ってきた社会の闇だ。
    そして主人公たちは気付く、自分も誰かの犠牲の上に生かされた命であり、選別する側にもされる側にも成り得るということに。
    我が子、お腹の子を自ら手に掛けなければならなかったのがどんなに辛く切なかったか…
    その業、因果が血縁や土地に受け継がれ主人公を狂わせていく描写は背筋が凍った。
    自分と相手の境界線や現実なのか夢、異界なのかが曖昧で自分は見られている側ではなく本当は見ている側なのではないか混乱してくる。
    意図的な曖昧な表現は、得たいの知れない闇に迷い込んだようで想像力、好奇心を煽られ著者の仕組んだ迷路に入り込んでしまったようにも感じた。

    昔から「子は宝」と云われながらも本書では恐ろしい響きを放ち読み手に迫ってくる。
    この社会の闇は現代社会の貧困、いじめ問題でも有り得る事でグループから間引いたり、居なかったことにしたりと現代の私達の心のなかに息を潜めているように感じた。

    最後の御来光の描写、全ての闇を打ち消すような暖かい光、皆何かを背負い許されようと、もがき苦しんでいる。
    でも自分の巻いた種ならしょうがないとも諦めも付くが、自分の預かり知らぬ因縁で不幸になるのは御免被りたい。

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    2025年12月30日
  • 森に眠る魚

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    マイナスな感情を言語化した本は読むことがあまりないので、途中負の感情がまじまじと言語化されていてゾクゾクした。

    総じて言えるのは、人は人、自分は自分でありそこは境界線を引かなければ自分自身が一番苦しむということ。そして絶望するような失敗があったとしても、日常はごく普通に続いていき、その失敗は生きていれば、なんともないと思える瞬間に巡り合わせるということ。

    母親の物語であり、まだ親になったことがないが、子どもの人生と自分の人生も、しっかりと切り分けていかなければ、過度な期待や思い通りに動いてくれない子どもに苛立ってしまい、子どもを苦しませることになるということを肝に銘じなければならないと思った。

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    2025年12月23日
  • しあわせのねだん

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    ネタバレ

    角田さんの考え方が色々なお金の使い方に表れていて、面白く読めました。何にいくらお金を使っているかという話は中々友達ともしづらいので、他人の家計簿を覗き見ているようで興味深かったです。
    母の誕生日に温泉旅行をプレゼントしたら泊まった旅館が最悪で何もしなかった母に文句を言われまくった思い出について書かれた「記憶 9800円×2」は、子供の頃の自分と母の役回りの交代について考えさせられてじーんときました。
    お金を払うことで自分がしあわせになれるかどうか、をお金を使う時にしっかり考えていきたいと思いました。

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    2025年12月22日
  • いつか、アジアの街角で

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    台湾旅行のお供に読みました。飛行機などの移動中に読むのがちょうどいいボリューム。台湾や香港の食べ物や文化にまつわる短編集。探偵事務所の話が好きでした

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    2025年12月21日
  • 私的読食録(新潮文庫)

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    食すとは、生きることに直接つながる。どんな極限の場合でも、人は食べなければ生きていけません。

    人間の三代欲求「食欲」「性欲」「睡眠欲」があるけど、食欲は千差万別というか、ある意味幅広い欲求があると思います。各小説に出てくる食べ物は、美味しそうだったり、あまり口に入れたくないものだったり‥。

    それでも、酸っぱい、甘いなどの表現で文章が引き立ちます。食べ物で幸せになれる場面もたくさん。

    紹介させる小節が、食べ物主体となったことで、より身近に感じられた面白い作品です。お二人の対談も楽しくて、読んでいてお腹が空いてきました‥。

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    2025年12月21日
  • ねこがしんぱい

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    10歳7ヶ月の娘
    7歳7ヶ月の息子に読み聞かせ

    角田光代さんの絵本。

    家でお留守番させてるペットのこと
    心配だよね〜

    実は…

    飼い主のしらない一面が
    いっぱいあったりして。
    こうだったら面白い。

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    2025年12月19日
  • 韓国ドラマ沼にハマってみたら

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    昔は取り憑かれたように韓国ドラマ見ていましたが、「愛の不時着」を最後に見なくなっていた。これを機会に角田さんお勧めドラマ、ちょこちょこ見てみます。あまり恋愛もの推していないところが好感。寂しいけど恋愛に興味なくなったお年頃なのよ。

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    2025年12月18日
  • 薄闇シルエット

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    結婚して『やる』とか好きな事していて『いい』面白いことしていて『いい』となんで許可されなきゃならないのか。

    すごくわかる。なんで許可されなきゃやっちゃいけないと思っている自分にイラッとする。『許可なんぞされなくたって好きなことしますよ、私』という姿勢をどうしてできないのか?なんかそういうのってきっと全部自分の思い込みなのかもしれない。他人と比べて持ち物検査して、人にあって自分にない物があると『あぁなんか私ちゃんとしてない』って落ち込んじゃうのも自分の思い込みなのかも。

    私からしてみたらハナちゃんはいろいろ持ってる。他の人からみたら私の人生や持ち物は充実しているのかもしれない。そうやって考えると角田先生が以前どこかの小説でおっしゃっていた『人は他人と比べることで自分の不幸を見つける』に納得できる。

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    2025年12月18日
  • 月夜の散歩(新潮文庫)

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    エッセイを読むならやはり同世代の作家さんのものがいい。「わかる〜!」って思うことがたくさん。
    「テレパシー会話」なんてまさしくそれ!固有名詞がでてこない(*^_^*) それでもなんだか会話は成立する。わかったりわからなかったりするが、まぁいいか!これを悲観的に考えるのではなく、年齢とともに身につけた"すばらしき能力"という思考が好き。

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    2025年12月08日
  • 韓国ドラマ沼にハマってみたら

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    韓ドラにハマった角田さんのコラム集。私は登場人物区別ができやんくて「ウヨンウ弁護士は天才肌」「怪物」「あなたが眠っている間に」しか見てないんやけど、コラム読みながらまた韓ドラ見たくなった。ちなみに見た上の3作はほんまに面白くて大好きなやつ。韓国映画ならブラインド良かった!

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    2025年12月07日
  • あなたを待ついくつもの部屋

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    ホテルの扉を開けるだけで、ちょっとした人生の悲喜こもごもが沢山
    詰まっている。
    短編ながらとても味わい深く
    舞台となった上高地の帝国ホテル
    のマントルピースの前に座り
    ながら珈琲を飲みたくなった。

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    2025年11月27日
  • 源氏物語 5

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    若菜、ずっと催し物だったりみんなの着てる服とか調度品の話とかでめちゃくちゃ退屈だな…本当にドラマチックな章なのか…?と思ってたら柏木が暴走するあたりでめちゃくちゃ面白くなった
    平安時代の読者も意趣返し好きだったりするのかな。光君、ざまあ。と思ったりしたのかな。私は思ったよ
    自分がしたことが返ってきたのに、いやむしろ自分の方がやばいことしてるのに、柏木と三の宮にキレてるのなんなんだよ笑
    光君、本当不遜で鼻につくわぁ〜いくら美しくたってもう40超えたおじのくせに……‼️

    若菜(下)で、光君が過去の女の悪口を紫の上に話し出して嫌だな〜と思ってたら御息所でてきて「だよなあ!」となった。想定の上で書いてるの、紫式部ほんとすごいわ…

    あと柏木と小侍従の友達コンビかわいい
    男女が気軽に会えない世界なのに、きっと御簾や几帳を隔ててコソコソ軽口叩き合ってるんだろうなあと思うともうそこがくっつけと思ってしまう 幼馴染喧嘩っプルいいじゃん


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    2025年11月27日
  • ツリーハウス

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    自分の両親や祖父母も自分と同じように若いころ色々なことにもがき、苦しんで歳を重ねたということに気がついた。物語の中で語り手が変わる。その度に家族の見え方が変わってくるのが面白い。

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    2025年11月27日
  • 幸福な遊戯

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    角田光代さんの話の中でも純文学っぽかったんだな〜という印象。「幸福な遊戯」は話の設定が川上弘美さんや江國香織さんみたい。主人公の依存度が高いのと周りの対応…ちょっと家族に問題がありそうな話が多かった様に思う

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    2025年11月27日
  • かなたの子

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    この人の作品は、どこか心が暖かくなる様な、人間の柔らかくて温かい部分を描いた作品しか読んだ事が無かったので、「死」そして「生」を描いたこの作品は、何となく驚きだったし、コレが真髄か。と思った。
    安っぽい言葉になってしまうが、ホラーでもサスペンスでもないのに、人間怖い雰囲気がある。
    あと、女性ならもっと色んな事を感じられるのかも知れない。と思った。

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    2025年11月21日
  • ゆうべの食卓

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    若い世代から壮年世代の食事にまつわる連作。一つひとつが短いので気楽に読める。
    子供が巣立つとか、そのタイミングで離婚するとか、その辺りの話では私が世代に相当するので、なんか妙にリアルに迫ってきた。
    シミュレーションを体験しているかのような。
    しかし、やはり食べ物が出てくるお話は、楽しいな。

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    2025年11月21日
  • 降り積もる光の粒

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    旅好きだが旅慣れない、時刻表が読めない、地図が読めない、オマケに方向音痴で、車の運転ができない角田 光代さんの旅エッセイ集。

    今まで出版されてきた旅エッセイと比較すると、少しパンチがないように感じますが、この作品はこれで良かったようにも思います❗️

    1番好きな話しは、旅には神さまがいるという『神さまと再会』です❗️

    後半にある発展途上国での女性の差別をレポートした、『アフリカ声なきメッセージ』と『インド 彼女たちの、涙と怒りと』、『パキスタン ひとりで歩く』を読むと、未だに女性の地位が低い国があることに、恥ずかしながら気付かされます。

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    2025年11月10日
  • ご本、出しときますね?

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    村田沙耶香さんのインタビューを読み漁っていたところこの番組を知り、当方リトルトゥースでもあるので是非観てみたいと思い、映像を探していたら書籍化されてるとの事で読みました。
    若林さんと仲の良い西加奈子さんや朝井リョウさんのインタビューも載っていてとても面白かったです。

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    2025年11月09日