角田光代のレビュー一覧

  • 晴れの日散歩(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「このところ、なんでもないときにふっと思い出すのである。……好きで買って、ある時期よく着ていた服のあれこれが、さーっと頭をかすめていくのである。そして驚くことに、こう思うのだ。『捨てなければよかった』」

    その後に続く文から、捨てなければよかったと思う服をまた着て街を歩きたいという実用性を求めているのではなく、思い出を噛みしめて若かった頃の服にまた袖を通してみたいという気持ちだとわかります。

    私もその気持ちがわかります。あのキラキラしていた時代の服をまた手に取って眺めたいという気持ちになることがあり、その気持ちがありながらも涙を飲んで処分した服を思うと後悔の気持ちがむくむくと浮かび上がります。

    それはまた着るかもと思うのとはまた違った感情だと思います。私の場合、そのどちらの気持ちもあるので、一向に服を捨てることができずにいます。

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    2025年11月07日
  • いま読む『源氏物語』

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    古典が苦手で、源氏物語も毛嫌いしてたけど、人によって解釈の違いが出るのが面白いんだな思った。
    男女で解釈が違うのも面白い。
    源氏物語の話が長いので、完全には理解しきれなかったが、読む前よりかは理解が深まった気がする。
    対話形式なのが個人的に読みにくかったので⭐︎3にした。

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    2025年10月27日
  • ロック母

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    主人公や周りの人たち、ほぼ全員ちょっとした狂気?みたいなのがあって、ずっと不穏な空気が流れてる短編集だった(のでちょっと重かった)

    全編通して特に何も解決しないし、スッキリした読後感がある訳ではないけど、
    常にそういうモヤモヤを抱えて人は生きるものなのかも?とか色々考えました…。

    表題にもなってるロック母がやっぱり良かった!
    (そういえば、まともな親が1人も出てこない笑)

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    2025年10月26日
  • Presents

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     人からもらったプレゼントをテーマに描かれた短編集。

     生まれて、親から1番始めにプレゼントされる「名前」
     そして亡くなる時、周りの人たちからの温かい「涙」
     この2作品には心を打たれた。

     その他の作品からも、
    目まぐるしい日々の暮らしの中、理想と現実のギャップに落胆しつつも、素朴で素直な気持ちに戻してくれるようなプレゼントを受け取っていることに気づかされた。
     幸せって、普段の生活の中にたくさん溢れているんだろうな。 

     松尾たいこさんのイラストの効果もあり、ほんわかと優しい気持ちになれた作品だった。




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    2025年10月26日
  • 平凡(新潮文庫)

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    いろんなことでバタバタして、
    とにかく読み終わるまで時間がかかってる。
    角田先生の短編はライトで相変わらず読みやすい。
    本作もどこかでありそうすぎる日常の5編。
    他人から見たら充分に見えても、
    自分なりの不満というのは誰もが抱えているよな。

    みんなそれぞれに納得したラストだったけど、
    果たして次の日にも同じことが思えるだろうか。
    物語のように一度納得したって、
    次の日には考えが戻っていることだって、
    現実にはさらさらある。
    そうやって生活していくことが生きていくということなんだろうけれど。

    月が笑う、こともなし、どこかべつのところでが好きだった。

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    2025年10月23日
  • 福袋

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    人生も福袋のようなもの。何が入ってるかワクワクしながら買って、期待はずれものが入っていてもそれを味わうしかない。ただそれだけ。

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    2025年10月20日
  • かなたの子

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    ネタバレ

    他人と他人の輪郭がなくなって孫と子、親、が全て1人の人間、または人類全てで1人の人間であるように感じられる作品たちだった。これは、10年経ったら、感じ方が変わりそうな本。今の私にはまだ咀嚼できていない気がする。1個目の話は、閉所恐怖症でなくてもしんどすぎました。

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    2025年10月13日
  • 月と雷

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    ネタバレ

    作中で、智のことを「根無草」と表現した文があった。
    それはそうかもしれないけど、そもそも生まれたときから根っこなんてなかった直子・智親子。
    正直、「よく生きてこられたなぁ」と思った。随分と「ただれた人生」だったーーー(汗)
    感じたことのない感情で胸焼けして、何故か麦茶をガブ飲みしたくなった。

    読み進めている最中、直子だけが突出して「モンスター」みたいに錯覚したが、実はこの作品に出てくる女性達、ほぼ全員おかしいと気がついてから、一気にページを捲る手が止まらなくなった。
    どこか狂気を孕んでいて、常識という枠なんて最初から知らない・または気付かないふりをしているような気もする。
    そして、それぞれの女性達の特徴は、少なからず誰しもが抱く感情・言動だと感じた。

    非常識な他人の行いのせいで、人の人生が捻じ曲がるなんて、実はそうそうあることではなく、
    むしろそれはただのきっかけにすぎず、本当は自らの選択でいかようにも転がるものなんじゃないか。
    作中の泰子の心情にはそう書かれていて、あー作者が言いたいのはここだと思って、共感できた唯一の内容だった。

    直子のような根無草人生を羨ましいと思う人は、実は相当数いるんじゃないか。
    知らない・考えない・差し伸べられた手は全て掴む…楽だし悩むことなんてなさそうで、実に「簡単」に見えるからだ。
    それをしないからこそ、「一人前の大人」だし、自分を律するというのは、一生をかけた努力と習慣の連続なのだと思うからだ。

    初の角田光代作品がこれでよかったのだろうかww
    次にどんな本を読むべきか、読後感はとても複雑。

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    2025年10月13日
  • 夜かかる虹

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    どちらかと言うと世間の普通から外れたダメダメ人間な人たちの間の葛藤が描かれていて情景がリアルに浮かんでくる。単に否定するような気持ちにはなれない。

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    2025年10月11日
  • 森に眠る魚

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    ネタバレ

    1990年代の話で、少し今とは違うなと思うところがあったけど 根本的には同じで母親達の抱えているものは変わらないと思う。

    私は所謂お受験 みたいな環境に身を置いていなかったので実感としてはないけれど、ママさん達の関わりだとか関係性みたいなところは、よくわかる。

    学校のクラスメイトだったら、仲良くしてないグループの人でも母親になると 子供達との関わりでグループとして活動しなくてはならない なんて場面はよくあるし合わない人だって、そりゃいる。

    いつだって人間関係は心を擦り減らす。

    今の人たちはもう少しドライに関係性を築いているんだろうか。

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    2025年10月11日
  • それもまたちいさな光

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    ラジオを通して本来繋がりのない遠くの人とつながっていたり、身近な人とも案外つながっていたりもする。
    本作は一つのラジオ番組を中心に、各リスナー達の周りで起こる出来事、パーソナリティの周りで起こる出来事を描き、大半が小さい出来事ではあるが前向きに進んでいく様子を綴っている。

    コンパクトで読みやすく、ふと疲れた心を回復してくれるような一冊だと思う。

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    2025年10月11日
  • それもまたちいさな光

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    女の人同士が修羅場になりそうな場面でもばちばちしなくて連携をとって協力する感じがいい関係性だと思った。

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    2025年10月09日
  • 森に眠る魚

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    ホラーのような怖さだった。
    ドロドロした話は苦手なのに、引き込まれて読むのをやめられなかった。
    ここまで極端ではないけど、結構リアルだなと思う。ママ同士のこういう事ってわりとよくある。
    この本を教訓のようにして、気をつけていきたい。

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    2025年09月30日
  • 韓国ドラマ沼にハマってみたら

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    私も韓国ドラマよく観ますか。
    ただぼーとして喜怒哀楽を出して
    観ていました。
    内容の濃い読書感想文でした。

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    2025年09月29日
  • くまちゃん

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    1話でaがbにふられ、2話でbがcにふられ…と続く連作短編小説。
    特に3話目の「勝負恋愛」が好みだった。

    恋愛小説だけど、ただ悲しい、辛いという感情だけでは無く、各話の主人公の視点を通して人生をいろんな角度から見ているような気分になった。
    恋愛、仕事、日々の生活、人との出会いなど、人生は単純なようで複雑だなぁと感じさせられた。

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    2025年09月29日
  • タラント

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    前振りが長すぎて冗長な印象。我慢できず読み飛ばし気味に読んでしまい、肝心の人の使命なんてものがあるのか、自分のやりたいことに従って生きるというテーマと、主人公の祖父がうまく繋がらず。

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    2025年09月29日
  • ひそやかな花園

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    ひさびさの再読。
    面白くはない。サーちゃんにイライラさせられたけれど、最後の独白であー、よかったね。と少し感動。

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    2025年09月28日
  • ツリーハウス

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    戦中、戦後、昭和から平成へと三代にわたる物語。祖母と孫が祖母の思い出の土地をめぐりながら、過去の出来事が語られるが、それは読者だけが知っている。

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    2025年09月25日
  • 源氏物語 8

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    ・浮舟‥薫大将は近頃宇治に通ってるらしい。そんな素晴らしい女がいるのか?好奇心旺盛な匂宮は辛抱たまらずこっそりと宇治に行き、浮舟の部屋に忍び込む。おっとこれはいつぞやの女と気がつくが、彼女の素性はわからない。なんとなく妻、中の君にも似ているが‥匂宮はどっぷり浮舟にはまってしまい、足繁く通うようになる。もちろん薫大将に見つからないように。そして京に邸を建て、住まわせる計画まで立てる。薫は薫でやはり浮舟用の部屋を作り、受け入れ態勢を整えている。二人の色男に言い寄られて、さぁ大変。匂宮の宇治通いを薫大将が知ることとなり、浮舟の心は穏やかではない。母や中の君にも申し訳なく、ついに死ぬ覚悟を決めた。

    ・蜻蛉‥浮舟は川に身を投げ命を絶った。宇治の侍従たちはさっさと自分たちで葬儀をあげてしまい、薫大将と匂宮、どちらの力も頼ろうとしない。二人のの嘆きようは痛々しいほどだった。
    ところが悲しみの中でも女性ハントに余念がない。
    薫大将は小宰相の君(明石の中宮に仕える女房)と女一の宮(匂宮の妹)、匂宮は亡き式部卿宮(蜻蛉の宮)の娘‥と、止まるところを知らない。

    ・手習‥なんと!あの浮舟が生きていた!川に飛び込む勇気もなく、大木の根元で泣いているところを僧都とその母親と妹の一行に助けられたのだ。妹の尼君は亡くした娘のことが忘れられないでいたので、美しい女君との出会いが嬉しく、小野の邸まで連れ帰り、甲斐甲斐しく看病した。そんなある日、故娘の婿殿がことのついでに妹の尼君の邸を訪れた。女の気配に興味が湧き、会わせてほしいと頼んだが、女君に激しく拒まれ、その日は仕方がなく帰った。が、どうしても諦めきれない。何度も手紙を出すが、相手にもされない。浮舟にしてみれば、これ以上の色恋沙汰はみっともなく、早く出家して俗世間から離れてしまいたい。妹の尼君はそれを許してくれないので、彼女が出かけている隙に僧都に頼み込み、慌てて出家の儀式を済ませてしまう。
    ところでこの僧都は、明石の中宮の祈祷も行っており、浮舟と出会った奇妙な体験を、つい中宮に話してしまう。それを耳にした小宰相の君(薫大将といい仲)、寝物語にその話をし、薫大将は浮舟がまだ生きているということを知ることとなる。

    ・夢浮橋‥居ても立ってもいられない薫大将は、浮舟の弟を連れて山深い横川へ僧都を訪ね、事の顛末を聞き出す。会うことはやめた方がいいと僧都に諌められ、その場は諦めるが、後日、弟を使いにして小野の浮島へ手紙を渡しに行く。しかし浮島は頑なに返事を拒み、弟にさえ打ち解けない。なんと強情な‥可哀想に思い、面倒をみてきた妹の尼君にしてみれば、腹立たしいほど可愛げがない。

    長い物語はここで途切れる。あれから千年の間に数多の人が続編を書いてきた。でも薫と浮舟の恋の行方は闇の中。読者の想像に任せるしかない。

    食わず嫌いだったね、私。イケメン貴族光源氏の恋物語、どうでもいいよと思いながら読み始めた。が、意外と話の展開が激しく、皇族間での恋愛しか認められていないので狭い世界ながら、家系図見ながらでないと誰のことだかわからないぐらい複雑な人間関係。なんだかんだ言いながら結局最後まで読み切った。話が面白いことに加えて、男女間の告白の仕方、歌詠みに始まり歌詠みに終わる。情事後の翌朝にはできるだけ早く手紙を出さなければならない(後朝の文きぬぎぬのふみ)、とか、女性は易々と男性に顔を見られてはいけない、とかマナーが色々あって興味深い。その他、四季折々の風景、草花のこと、行事のこと、衣装のこと、食事のこと、楽器や踊りのことなど、情景が目に浮かぶようで、紫式部の才能に心底感服する。

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    2025年09月22日
  • 世界中で迷子になって

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    前半は旅に関して、後半はお金を中心としたエッセイ集。恐らくは週刊連載なので、ネタを探しつつオチをつけるといった流れが小気味いい。寝る前などに読むのにピッタリな内容である。

    著者の旅のスタイルは、基本的にはアジアへのバックパッカーであり若い人向けのスタイルを30代まで続けてきたという。そこからある程度の経済的・時間的余裕を持った中年期の旅のスタイルが確立していく流れについては、個人的にも理解できる。観光名所やイベントをガチガチにスケジュールしてチェックポイントを回るような旅から、ゆったりと食や現地の人々との交流を楽しむスタイルへと変遷していく様は、まさに旅の醍醐味と言える。

    一方で著者の興味が割とお酒や買い物に向いているのは、個人的な趣向とは違っていたのでまぁそんな話もあるのか程度に読み流した。その辺の価値観が好きな人にとっては共感できるのだろうが、そこはかとなく疎外感を持ってしまったのがマイナスポイントではある。

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    2025年09月17日