あらすじ
いじめ、うわさ、夏休みのお泊まり旅行…お決まりの日常から逃れるために、それぞれの少女たちが試みた、ささやかな反乱。生きることになれていない不器用なまでの切実さを直木賞作家が描く傑作青春小説集
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Posted by ブクログ
すごいな、これ。1994年頃に描いた作品とは思えないくらい現代で。
や、現代の学校模様のほうがテクノロジーの進化でより、卑劣か。
4つの短編小説なんだけど、どこかで身に覚えのある感じ。
当事者だったり傍観者だったり、どこかに自分という存在がこの話にいて、
それがまたゾッとした。よくないことだ。
とくにいじめを描いた「放課後のフランケンシュタイン」は厭な話だった。
中二病感あって、ずいぶんと昔に学校というものを卒業したわたしでも感慨深かったです。
Posted by ブクログ
夏っぽい本が読みたくて、
仕事帰りにいつも立ち寄る書店をうろうろしていたら。
本作が特集コーナーに面陳列されていて。
青いプールと制服を着た女の方たちがインパクト大。
思わず手に取りました。
思春期のモラトリアムとか、
不安定さ、死にたくなるような衝動、
破壊的な衝動でとめられないいじめと暴力、
割り当てられた役割を演じること、
性への興味、
怒涛のように迫ってくる短編集でした。
爽やかな表紙から想像していたものとは、
全く違いました。
あとがきにもあるように、
完全なフィクションで、
大人になった私にとって完全な他者か?
と問われると…
通勤中に読んでたら、
少しだけザワザワして
降りる駅ギリギリまで、
読み進める手を止められませんでした。苦笑
Posted by ブクログ
河出文庫を2冊買うとブックカバーがもらえるフェアの対象になっていて購入した。
小学校、中学校、高校。この小説で著者が描くのは、いずれもたくさんの”一瞬”を生き続ける女子たちによるスクールデイズだ。
【パーマネント・ピクニック】
仲が良かったハルヲの死をきっかけに、自分たちも後追い自殺をすることにした男女2人の中学生。
やりたいこともなくて、今の私たちって用も無いのに学生鞄をぶら下げてフラフラ出かけているだけだ。でもちゃんと元の場所に連れ戻されるように学生証を持って。その姿を2人は認知症のおばあちゃんと重ね合わせる。
「受験しますか、しませんか?」っていう問いと、「生きますか、死にますか?」っていう問いは、実は大差ないのかもしれない。
【放課後のフランケンシュタイン】
カンダ、という女の子を徹底的にいじめ抜くマリ。
カンダが学校に来なくなると、次はカナコというクラスメイトをいじめのターゲットにする。マリが抱えているぐるぐると渦巻く潜在的な怒りには、読者である私たちもたじろいでしまうほどだった。
そんな折に、学校周辺で変質者が出たという噂が立ち上る。
【学校ごっこ】
小学校生活を、与えられたキャラクターで演じるように過ごす田中希実子。「頭の弱い子」というレッテルをはられ、次第に本当にそのとおりに自分がつくりかえられていく。
でも、思えば私もそうだったのかもしれない。リーダーシップのある大人びたクラスの中心的存在という役割を与えられていた。そして私はその期待に応えるべく振舞っていたような気がする。私はまだマシな役割だったのが幸運だが、希実子はどれほど窮屈だっただろう。
小学校て、つくづく恐ろしい場所だと心底思う。
【夏の出口】
高校3年生の夏休み。推薦をもらえるところで適当に進学する予定だったナオだが、急にその進路に嫌気がさす。
でもだからと言ってやりたいことがあるわけでもない、目指す将来があるわけでもない。ただ何もやりたくない。
卒業式の日取りや、入学先、そういった形式的なあらゆる物事ばかりがどんどん決まっていって、目に見えないものすごい力で背中を押されていくのを感じている。
私たちは小学生の時の恋のように、ただそこに立ち止まって、ただ「好きだ」と思って生きていきたいだけなのに。
少女たちのその素朴で切実な願いを、大事にしてあげられたらどれだけ良いだろうと思った。
ゆっくりでいいんだ、ゆっくりに大人になればいい。考える時間は、本当はきっとまだたくさんあるのだから。
Posted by ブクログ
私もなんとなく普通の未来がこわくてレールからはみ出したタイプなのでそういうことはよくわかります。
説明できないけど、そういうことなんだと思います。
Posted by ブクログ
1995年くらいの作品
小学生、中学生、高校生の少女達の感情
その時でなく 歳を重ねてから腑に落ちる
考えていなそうで
案外いろんなこと考えていたあの頃
解説西田藍に興味がわいた
「小さな世界の衝撃」とする解説に驚いてしまった
私が感じたことを見事に文章にしている
アイドルやりながらエッセイとか書いてるらしい
可愛い
なんか悔しい
「パーマネントピクニック」
思春期の危うい死生観
死を望むことに明確な理由がない
だから醒める時も一瞬
「学校ごっこ」
小学生、そうだった様な気がする
私達は 学校で自分の役割を理解して
演じていたのかもしれない
「夏の出口」
高三女子達の一夏の冒険にならざる冒険
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逃げ出したい気持ち、このままでいいのかという焦り、もっと奇抜な人生を送りたいという進路の悩みを鮮明に描いている。その不安定な感情に懐かしさやもどかしさを覚える。
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読み進めるうちに蓋をしていた小学生から高校生時代の感情を覗いている感じ。理由なく何でもできる気でいたり、何者にもなれない気でいたり..。「放課後のフランケンシュタイン」が好みかな。私の電熱器のコンセントはいつ抜かれたんだっけなぁ。いいや、蓋しとこ。
Posted by ブクログ
短編集。思ったよりも暗くて重い話が多かった。学校ごっこ、子どもの無邪気で可愛いところと不気味なところがよく描かれていると思うけど、なんだか怖い。最後の夏の出口は好きだった。タイトル忘れてしまったけど、いじめの話はなんとも後味がわるい。あの主人公の家庭環境とか、ああなった背景が描かれていないから余計に。
Posted by ブクログ
抱えきれないこの気持ちをわかってくれなくていい。
小学生、中学生、高校生。恋愛、友情、いじめ、人間関係。少女の学校生活はそんなに単純じゃなくて、もやもやは大人どころか同級生の誰にも伝わらない。
「パーマネント・ピクニック」違う学校に進学した同級生の死と、一緒に死のうと約束した友則とのズレ。いつもどこかへ歩いていくおばあちゃん。主人公の割り切れない気持ちは、多かれ少なかれ誰もが抱いたことがあるのでは。同級生の男子は、自分よりももっと単純で俗物。けれど、主人公も結局は自分の気持ちを持て余し、その単純な友則に慰められるしか、今は行くところがない。
「放課後のフランケンシュタイン」自分の中の熱を持て余し、気に触る同級生をいじめてしまう。いじめると言う行為の理由は、好きなのか嫌いなのか、曖昧なところなのかもしれない。変質者が出たという噂に、どんどん尾鰭がついて、噂だけだと知っていても次第に膨れ上がる影。女子ってめんどくさいなあ、と言ってしまうとそれだけの話かもしれないけど、この主人公をまったくわからないという人とは相容れない。
「学校ごっこ」小学校は先生が決めた役割をみんなで演じる小さな世界。誰かから決められた役割なのか、元々の自分の個性だったものなのか、もうわからない。それを不公平だと、おかしいと、指摘できる子はいるんだろうか。気付いてしまったら、演じられなくなったら、学校にはもういられないのでは。
「夏の出口」女子高生という自分にどれだけの価値があるのか、自分でも決められないし、他人に決められるのもなんだか受け入れられない。だから何もやりたくない。女子高生という私が煩わしい。何も考えていないことをしているとき、ようやく生きていると思えるのかも。
Posted by ブクログ
まだ自分の存在を認識できない少女たちのささやかな反乱。小学生から高校生までの不器用で切実な日常を描く青春小説。
女子の世界は、男子にはとてもじゃないが理解できない。その言動の意味するところや目的が想像を越え過ぎる。あの頃の女子たちはこんなことを考えていたんだと、今さらながら納得する。
Posted by ブクログ
小学校から高校生までの少女たちの閉塞感、不安感を描いた短編集。どの少女たちもさほど深い思慮があるわけではなく、残酷なほどに生き物として生きている感じだ。そう、子供の頃はそうだったと思い出す。
Posted by ブクログ
中・高生くらいの人間関係が一番難しかった。女だからかな。まだまだ子どもだったなー。そんな誰でも経験するような、10代女子のおはなし。なんか胸が痛い。
Posted by ブクログ
・パーマネント・ピクニック
・放課後のフランケンシュタイン
・学校ごっこ
・夏の出口
の4編からなる短編集。
タイトル通りすべて中学生、高校生が主人公。
どれを読んでも心がひりひりする。
なんでこんな思春期の心理描写上手いの?
”放課後のフランケンシュタイン”のいじめのえげつなさ。
まるっきりないものは書けないわけで、角田光代の中にも
黒角田の部分を垣間見た気がした。
”夏の出口”これが秀逸。
永遠に出口が見つからないような気がするこの年頃のあの不安定な感じ。
この女子高校生4人の感情があまりにリアルで高校生の頃の自分(遠い昔)を思い出さずにはいられなかった。