角田光代のレビュー一覧
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角田源氏7巻は、「総角」、「早蕨」、「宿木」、「東屋」の4帖です。
八の宮の死から1年、薫は大君を好きになりアタックするも、大君は受け入れない。大君は、自分よりも妹の中の君を縁付かせようと画策するが、薫は中の君に手を出そうとしない。匂宮が中の君にアタックし、結ばれる。大君、死去。中の君は二条院へ移る。薫は女二の宮と結婚し、匂宮は六の君と結婚、中の君は身ごもっている。薫は亡き大君の気持ちを思い、なぜ中の君と結婚しなかったのかと悔やむ。薫は中納言から権大納言に昇進し、右大将を兼任。中の君が男の子を出産。宇治へ行った薫、亡き大君によく似た浮舟と出会う。
『源氏物語』のテーマ、つまり紫式部さんがこの物語で書きたかったことは、「因果応報」なのだということが身をもってわかりました。とにかくあちこちで似たようなことが繰り返される。男が結婚し子が産まれ、そのうち他の女を好きになって求愛、その女との子供もでき、妻が病に苦しんで死、亡き人をいつまでも忘れられずにいると、目の前にそっくりな人が現れ、その人のことを好きになって求愛……。人物が代替わりしたりするだけでほぼこれの繰り返しなので、全編通して「またか」もしくは「お前もか」が続きます。たまに女が出家しちゃったり、男の方が死んじゃったりすることもあるけど。
7巻では、とにかく浮舟とその母君が不憫。ま、薫くんは比較的話がわかるというか、他の男たちよりはマシかな、とは思うけど、浮舟を亡き大君の「人形」(ひとがた)として見ちゃってるところが嘆かわしくはありますね。
さて、残り4帖、いったいどういう結末を迎えるのか、楽しみたいと思います。
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・総角‥物語は父母を亡くし、宇治にひっそりと住む姉妹の話に移る。主人公は薫、あの光君の三番目の妻、女三の宮の長男だ。(実は父親は致仕の大臣(ちじのおとど、元頭の中将)の息子、督の君)
薫は長女大君のことが大好き。なんとかしてお近づきになりたく、何度も手紙を出し何度も宇治に足を運ぶ。が、大君はそれがいやでいやでたまらない。次女中の君の方に気持ちが向いてくれればいいのにと思っている。そのあまり、薫が部屋に忍び込んできた時に、中の君を置いて逃げたりもしている。一方、宇治姉妹に興味を覚えた匂宮(帝と明石の中宮との間の子)は中の宮にご執心。薫は大君を取られては大変と、一生懸命二人の仲を取り持つ。匂宮は薫ほど熱心ではないし、帝と中宮からは注意もされているので宇治通いは滞りがち。大君は妹が心配で、ついに病の床についてしまう。薫が駆けつけた時には死ぬ寸前。死の床で薫はやっと彼女の部屋に通され手を握り髪を撫でた。‥なんて禁欲的!なんてプラトニック!その時まで襖越しでしか会えなかったんですよ、(そんな状態からいきなり情事に至ることもあるから平安の性事情はよくわからない。
薫の看病虚しく大君は死に、そして匂宮は中の君を京都に連れ帰る決心をする。
・早蕨‥いよいよ中の君は二条院に引越し。段取りは薫が進める。引越し手伝いをしながらもなんとなく気持ちはモヤモヤ。大君が言うとおり、自分が中の君の面倒を見ればよかったのではないか‥とか。夕霧は、娘の六の宮を匂宮に嫁がせるつもりだったのにあてがはずれた。こうなったら薫が婿でもいい、とも思う。
・宿木‥今上帝には藤壺との間に二の宮、夕霧には藤典侍との間に六の君という娘がいて、二人とも娘の嫁ぎ先を案じている。結局二の宮は薫へ、六の君は匂宮へ嫁ぐのだが、婿殿はいずれも気持ちはは後ろ向き。なぜなら薫は亡き大君を忘れられず、匂宮は妹の中の君をに夢中。しかし中の君は匂宮が別の妻をもらったことで気持ちが揺れ、宇治に戻りたい気分になる。そんな気持ちを薫に訴えようと、気心知れた薫をつい御簾の中に入れてしまう。気を良くした薫は中の君を口説き始める。すでに妊婦であることを知ってるのにね。作者はよほど薫のことをお気に召さないのか、わりとボロカスに批判している。残り香で薫と中の君の仲を疑った匂宮は嫉妬、だがそのうちに可愛い男子が産まれる。
さて、姉妹の父親八の宮には隠し子がいた。妻の姪との間にできた娘(浮舟だ。それがまた亡き大君にそっくりだから、薫としてはほっとけない。
・東屋‥浮舟の母、中将の君は八の宮に認知したもらえず、幼い浮雲を連れて常陸守に嫁ぎ、東国で暮らしていた。常陸守の娘はたいそう美しいらしいと噂になり、何人か申し出てくる青年もいた。中でも左近中将は出どころも悪くないし、本当はもっと身分の高い人のところへやりたかったが、高望みもできないので話を進めていた。ところが浮舟が常陸守の実の娘ではないと知るや縁談破棄。仲人の勧めるまま実娘のまだ幼い妹と結婚し、あろうことか新婚生活を同じ家で始める。プライドの高い母中将は娘を不憫に思い、思い切って中君を訪ね、京都の邸に置いてもらえるよう頼み込んだ。
父八の宮が拒んだものを、とは思ったが、人のいい中の君は浮舟を邸に置く。それを知った薫はそわそわ、匂宮に至っては寝室にまで入り込んでしまう。母中将はやはり中の君に迷惑はかけられないと、別に用意していた三条あたりの小さな家に浮舟を移す。するとついに薫が動き出した。家に突然押しかけ一晩共にし、彼女を抱きかかえて車に乗せ宇治の邸に連れ去ったのだ。大好きな大君のコピー人形として。 -
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最初、登場人物のキャラ把握に少し時間がかかった。
今妊娠8ヶ月で、都内暮らしでもないし、幼稚園・小学校受験は全く考えていない。
けど、誰にでも、どこでも起こり得る話だなと思って、怖くなった。
子供に自分の理想を押し付けないように、と思っているけど、たぶん私が今想像している以上に子育ては順調に行かないと思うしたくさん悩むと思う。
「周りと比べない」ようにするのって、意識した時点でなかなか抜け出せないから難しい。
どうしたらよいか、今から前もって対策を考えておきたい。
・子供コミュニティ以外のつながりを大事にする
→旦那さん、両親、友達…
・利害関係のない、吐き出せる場を作る
→いわば他人と話せる環境。
・自分自身が息抜きできる時間を強制的に作る
→旦那さんの協力も必要なので相談する
・インプットを増やす
→周りの意見に引っ張られないように本やネットで勉強
こんなところかな?
産後とか、5年後くらいの私が見たら「考えが甘い!」って言われそう笑
てかそもそもこの物語は子供がどうこうというより、ザ女社会の悩みな気もしてきた。
友達に依存するとか、仲間はずれにするとか、テスト勉強するしないとか、そーゆー感じの。
けど子供のことになると旦那さんの方が熱心なケースは少ないのかな?
だから結局ママ同士で話すことが多くなるのかな?
わたしは、周りに少し上の子供がいるご家族も多いし、そんな周りの人に相談しつつ、くだらない罵り合いは回避して生きていきたい。
とはいえ今から起こるかも分からない妬み嫉妬を考えすぎてもしょうがないから、とにかく目の前のことに集中してベビたんを育てていこう。
楽しい育児生活が送れますように☺︎
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・夕霧‥夫、督の君が亡くなって、母親(一条御息所)のいる比叡山の山荘に移った落葉の宮。一条御息所を見舞うふりして落葉の宮に会いにいく夕霧。ある日とうとう思い余って寝室に入り込んだ。しかしこっぴどく拒まれ、ことに至らず。でもどれだけ言い訳しても一夜を共にしたことには変わりはない。宮はたいそう悩み、気持ちが悪くて仕方がない。母親に相談するが、その頃もののけに取り憑かれていた母はついに亡くなってしまった。死人に口無し。一条御息所から宮の面倒を見てくれと頼まれた、などと出まかせを言って、夕霧は落葉の宮を京に連れ戻し、結婚してしまった。落葉の宮、なんて男運のない人なんでしょう。夫、監の君にはイヤイヤ結婚され愛されず、そして今度はいくら好かれても自分がイヤで仕方ない男との結婚。女性側に選択権はなかったのか。夕霧の妻、雲居雁の宮は今まで夫の不貞など疑ったこともなかったのに、突然の心変わりにヤキモキ。父、致仕の大臣(ちしのおとど、元頭の中将)のもとへ里帰りする。あんなにおしどり夫婦だったのに夫からは「鬼のような女」と言われてしまう。
・御法‥紫の上の体はどんどん弱っていき、死を覚悟し始めた。法華経供養を二条で営むことになり、関係者が続々と集まる。御法(みのり)が終わっても明石の中宮(明石の御方の娘、今上帝の妻)は息子三の宮(匂宮)と共に二条院に滞在し、紫の上の心を癒す。しかしみんなの願い虚しく紫の上は死んでしまう。光君は最後まで出家を希望していた気持ちを汲んで、剃髪してやってくれと頼む。
・幻‥紫の上を失った今、夢も希望もなくしてしまった光君の様子を語る。
・雲隠‥タイトルだけの帖。光源氏の死を暗示する。
・匂宮‥紫の上、光君が亡くなり六条院は火が消えたように寂しくなる。が、話はその後も続く。時代は光君の子や孫の代。女三の宮との間の息子中将、薫(実は督の君との間の子)。明石の中宮と帝の息子匂宮。冷泉院と弘徽殿女御の娘、女一の宮。夕霧と藤典侍の娘、六の君‥などなど、家系図見なけりゃ理解できない。そしてなんとまぁ狭い京都の中で、わずかな血筋の間で男女の物語が繰り広げられていることにビックリ。兄妹以外はなんでもありだ。
成長した中将薫は自分の出生の秘密に疑念を抱き始める。
・紅梅‥致仕の大臣(ちじのおとど、元頭の中将)の息子、紅梅大納言(按察あぜち大納言) は三人の娘がいる。正妻との間に大君、中の君の姉妹と真木柱(髭黒と元妻との間にできた娘)の連れ子宮の御方。大君は守備よく東宮に嫁がせることができ、中の君は匂宮(明石の中宮と帝の間の子、東宮の弟)に嫁がせようと目論んでいる。が、匂宮はどうやら宮の御方にご執心。
・竹河 ‥髭黒大臣がなくなってから玉鬘は二人の娘の行く末が心配で仕方がない。できれば宮中入りさせたいと思っている、長女大君には冷泉院からの誘いがあり、しかも蔵人少将(夕霧の息子)と光君の息子(女三の宮腹)の二人からも求婚されている。玉鬘は、冷泉院は宮家だが彼自身は勢力が衰えており悩ましいところ、次女には薫君が相応しく、蔵人少将は問題外‥と考えを巡らせている。‥そして結局大君は冷泉院へ輿入れした。帝も大君には思いを寄せており、また冷泉院も昔好きだった玉鬘のことはいまだに気になる存在‥どこまでもおモテになる親娘なのだ。大君は冷泉院の寵愛を受け二児をもうける。が、第一、第二妻の弘徽殿女御、秋好中宮からのあたりが強く、玉鬘は院に嫁入りさせたことを後悔する。また、自分は長年勤めた尚侍の職を次女中の君に譲ることにした。(つまり中の君は東宮に仕える身となる)
宮中に居づらくて、里に帰りがちになる大君目当てに、中納言に昇格した薫君と宰相に昇格した蔵人(しっかり妻を娶っている)が足繁く通うことになる。
・橋姫‥ここから主人公はポンと変わる。光源氏の異母兄弟。光君とは対照的に、世間から忘れられ宇治の田舎で静かに暮らす八の宮とその娘だちの話だ。母親は次女が生まれた時に亡くなっている。父親の八の宮は出家はしてないものの、山奥に住む阿闍梨から仏の教えを聞き修行を積む。その阿闍梨は冷泉院のところにも出入りしており、そこで話を聞いた薫君は八の宮の生き方に感銘を受け、話を聞きに時々宇治に通うようになった。その宇治で、薫は彼の出生の秘密を知るという老女房に出会い、自分は光君の息子ではなく柏木との不義の子だったことを明かされる。
・椎本‥ 八の宮は死が近いことを理解し、自分がいなくなった後の娘たちの行く末を薫に託して山に入ったまま亡くなってしまった。姉妹は父親の死に目にも会えず、心細くて仕方がない。かと言って、薫に付いて京に行く気にはならない。薫は、やましい気持ちはありませんよという態度を取りながらもしっかりアプローチしていく。。そんな薫の行動を匂宮が知り、「私のこともアピールしといてね」と言い始め、自分でもせっせと手紙を書く。
何年も通っていたのに薫は姉妹の顔を見ることがなかったのですね。やっと念願の顔を盗み見ることができ、その美しさに魅了される。大君二十五歳、中の君二十二歳。
当時の高貴な女性たちは、その姿を他人に見せることはしなかった。高価な衣装で着飾って何しとるかって感じだ。 -
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角田光代のエッセイはどんな題材でももれなく読むことは決まっているけれど、角田光代と韓国ドラマ、という取り合わせがめずらしくて読む前からワクワクした。
角田さんはコロナ禍、おうちで過ごさねばならない毎日のなかで韓国ドラマにハマったのだそう。
ネタバレ満載で、各エッセイの冒頭に「これからご覧になるかたはその後にお読みください」といった注意書きが、しょっちゅう出てくるのが可笑しかった。
すでに見ている人が読んだら共感できたりして面白いのだろうけど、私のように「まだ見ていない」かつ「これから見るかもわからない」といったタイプでも、逆に別の視点から楽しんで読めた気がする。
韓国ドラマ(映画も)をみた角田光代さんは、とにかく泣きまくっている。大泣きしている。
勝手なイメージだったんだけど、韓国作品ってドロドロしたテーマが多いから、日本でいうところの昼ドラ的なものばっかりな印象があったけど、どうやら違うらしい。
朝鮮半島の複雑な歴史があり、セクシズムや男尊女卑がある。本気で愛を信じていて、本気でうつくしいものを描こうとしている。そして出来上がったエンタテインメントなんだ、と。
〈こんな重要で深刻なできごとを、映画をとおして知るなんて、と呆れる人もいるのかもしれないけれど、私はそのことに感銘を受ける。政治の場で何が起きたのかだけでなく、市井の人々にいったい何が起きたのか、その結果現実がどのように動いたのか、あるいは動かなかったのか、それを伝えるのは研究や学問だけではない、どんな手法でも伝えられるはずで、いや、映画やドラマという方法をとったほうが、もっと広い層に伝えていくことができるはずだという、作り手の念を感じるのである。私がもっとも感動するのは、どの作品もエンターテインメントとして完成されているところで、エンタメ化といってもできごとを美化するのでもなく、権力者側を正当化するのでもなく、また、おもしろおかしくするわけでもない。何が起きたかという事実あるいは真実を、よりわかりやすく、共有可能なナラティブとして提供するということだ。〉
私は、韓国作品の大袈裟だったり、ありえない!という展開だったりするところがどうにも苦手で、ママ友に勧められ挑戦しては一、二話で挫折する……ということを繰り返してきた。
けれど、「本気のエンタテインメント」という視点を得て、こちらも本気の視聴者になってみようかと思えた。
おすすめ作品と、その見どころもたくさん知ることができたので、まずはほぼ全員が薦めてくる『トッケビ』と、角田光代さんがもっとも好きだという『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』から、腰を据えて見ることにしよう。 -
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「若菜」からは瀬戸内寂聴から角田光代に切り替え。どちらが好きかと言われれば、やはり寂聴さんかな。下の者が宮中の出来事を物語るという体を取っているので、これという名刺には全て「お」をつけ、「おうたをお詠みになります」とか「拝舞をなさるお姿は風情があります」とか、おもばゆいけど心地よい。そして帖ごとの解説も、状況確認できて嬉しい。もちろん、角田さんの翻訳も、とってもわかりやすいし読みやすいんですよ、でも寂聴さんの勝ち。
・若菜(上)‥朱雀院は身体も弱くなり、出家しようと決心する。そうなってくると心配なのは、まだ片付いてない三女の女三の宮。嫁ぎ先には困らないが、院としては光君(角田氏は光源氏といわず光君という)にもらってもらいたい。押される形でついに光君は三人目の妻をもらう。おもしろくないのは紫の上。今までどんな女を連れ込んできても自分が一番という自負があった。しかし今度は妻なのだ。位が高く、しかも若い!気持ちを察した光君はより一層紫の上を大切に思い、つい女三の宮をないがしろにしてしまう。容姿も品格も知性も紫の上の方が魅力的なのだ。督の君(柏木、頭中将の息子)は、朱雀院がどれほど三の宮姫を可愛がっていたかを知っているので、自分ならもっと大切にきてあげられるのにと悔しく思う。
さて、明石の女御(姫君)に息子が生まれた。光君の直系の孫だ。明石の御方(母)も尼君(祖母)も少しでもそばにいたくて仕方がない。でもお世話役は紫の上。東宮の子なので将来帝になる可能性もある。畏れ多いことです。妻と娘を都に送り出し、明石の田舎でひとり出家していた明石入道は、息子出産の報を聞いて、もう自分は不要と娘に手紙を出して山奥に消えた。
光君40歳の祝宴、当の本人は遠慮がちだが、帝の命を受けて六条院で盛大に行われた。帝、東宮、朱雀院、秋好中宮と名だたる面々が参加。この時夕霧は右大将を任じられる。
・若葉(下)‥督の君は三の宮のことが頭から離れない。恋文を渡すが反応がない。仕方なく、三の宮の姉妹二の宮(落葉の宮)を妻として迎え入れることにした。が、やはり思いは三の宮へ。どうしても諦めきれず小侍従に頼み込み、会えるように図ってもらった。念願叶い寝室に忍び込み、一晩かけて口説くが相手はつれない。しかしそこは男女のこと、たった一晩の行為で妊娠させてしまった。しかもそのことが光君に知れてしまったからさあ大変。督の君はすっかり意気消沈。朱雀院五十歳の祝いの席で、渋々光君と顔を合わせ、たっぷり嫌味を言われた。光君だって父親の女に手を出して子供(冷泉帝)を産ませたくせにね。
髭黒の前妻は、玉鬘に座を奪われて以来気が触れてしまい、娘と共に里に戻されたが、里の父、式部卿宮はその娘の嫁ぎ先をずっと心配していた。そこへあの玉鬘への恋に敗れた兵部卿宮(蛍宮)が、その気もないのに気のある素振りを見せてきた。それに乗っかった式部卿宮、さっさと二人を結婚させてしまった。意に沿わない結婚で兵部卿宮は妻に対して冷たい。
そんな折、冷泉帝は引退を決意。東宮が帝になり、明石の女御が産んだ一の宮が東宮の位についた。夕霧は大納言に昇進。
紫の上はすっかり弱ってしまった。気持ち的にももう引退して出家したいという。一度は死にかかり、祈祷により蘇るが、その際またあの六条院の女御が現れる。葵の上のみならず紫の上にまで‥しつこい女だ。
この帖では、住吉神社へのお礼参り、朱雀院五十歳を祝う琴の会、それに続く御賀を描き、華やかなる平安の宮家の高貴な方々の行事の様子を綴っている。
・柏木‥督の君は自分のやらかしたことの重大さを改めて感じ、自責の念で寝込んでしまう。そして悩み抜いた末死んでしまった。‥え、人間ってそんなことで簡単に死ねるの?身ごもった女三の宮は男子出産の後、出家する。(その際にまたあのもののけ六条御息所が現れる)
夕霧は友人だった督の君の妻、女二の宮(落葉の君)が里に戻っているところを見舞い、情を移す。
・横笛‥夕霧は友(督の君)が死ぬ間際に何か言いたげだったことが気がかりで、光君に真相を確かめようとするが、はぐらかされてしまう。
・鈴虫‥中秋の音楽会が六条の院で行われる。冷泉帝が退位し、六条に戻ってきた秋好中宮は、実母六条御息所が時々もののけとして現れるのを、なんとかくいとめたいと思う。 -
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角田源氏6巻です。「夕霧」、「御法」、「幻」、(「雲隠」があるが数えない)、「匂宮」、「紅梅」、「竹河」、「橋姫」、「椎本」の8帖を収録。
大将(夕霧)は、亡き親友の妻だった一条宮(落葉の宮)をお見舞いに訪問しているうちに思いが募る。宮は、物の怪に患っている母一条御息所とともに小野の山荘に移るが、一条御息所は死去。大病を患った紫の上は、その後も衰弱し死去。悲しみに沈む光君、出家する前にと形見分けをし、紫の上からの手紙を処分する。今上帝と明石の中宮の子三の宮(匂宮)と、女三の宮の産んだ若君(薫)の二人は、何かにつけお互いに張り合っている。三の宮は元服し兵部卿となり、若君も14歳で元服し侍従に、またその年の秋には右近中将に昇進。世間では、二人とも気品があってうつくしいと評判で、〈匂う兵部卿、薫る中将〉と噂している。若君は自分の出生の秘密を知りたく思っているが、仏道修行を続ける母宮に聞けずにいる。右大臣(夕霧)は、六条院の東(夏)の町に一条宮(落葉の宮)を移らせ、北の方(雲居雁)の住む三条院と一晩おきに通っている。柏木の弟按察大納言の妻は真木柱で、死別した前妻との間に姫君が2人(大君と中の君)、真木柱の連れ子が1人(宮の御方)、そして真木柱との間に若君が1人いる。長女の大君を東宮に入内させた大納言は、中の君は匂宮に、と思っているが、匂宮は宮の御方に気持ちが傾いている。尚侍の君(玉鬘)と亡き太政大臣(鬚黒)との間に生まれた子は、男の子3人(左近中将、右中弁、藤侍従)に女の子2人(大君、中の君)。尚侍の君は、姫君たちをどう縁付けたらいいか悩み中。右大臣(夕霧)家の蔵人少将は大君を思い詰めているが、大君は冷泉院へ輿入れした。尚侍の君は中の君に尚侍の職を譲り、中の君は入内する。三位中将(蔵人少将)は左大臣の娘と結婚したが、まだ大君を思い続けている。世間から忘れられた親王、八の宮。故北の方との間には2人の女君がおり、男手ひとつで育てている。邸が焼失し、宇治の山荘へ移った。中将(薫)は、八の宮を訪ね交流を深めている。かつて権大納言(柏木)に仕えていた弁の君という老女房から、中将はついに自分の出生の真相を知る。兵部卿宮(匂宮)は、長谷寺に参詣し宇治に立ち寄る。八の宮の大君は25歳、中の君は23歳。宰相中将(薫)は中納言に昇進。念仏を勤めるために山寺にこもった八の宮はそのまま死去。例年より暑い年、中納言は涼しい宇治へ。襖の掛け金の穴から、中納言は大君と中の君をのぞき見る。
ついに紫の上が亡くなり、光君も他界してしまいました。主人公だった光君が急にいなくなっちゃって、なんとなく張り合いがないというか、どこを楽しみに読めばいいのかわからなくて、宙に浮いたような不安定な気持ちで読むせいか、どうにも盛り上がれなかった。主人公の不在って、こんなにもピリッとしないものなのねぇ。
紫の上を亡くした光君の、〈胸を打つ感動も、教養も、おもしろいことも、すべて広くにわたってあの人との思い出が重なっているから、悲しみをいっそう深くする〉という嘆きは、大切な人を亡くした者に共通した思いなのではないでしょうか。〈何を見ても悲しみが紛れることはなく、月日がたつにつれてますます紫の上を恋しく思う〉光君が詠んだ、
大空をかよふ幻夢にだに見えこぬ魂の行方たづねよ
(雁のように大空を行き交う幻術士よ、夢にさえあらわれない亡き人のたましいの行方をさがしてくれないか)
この歌に涙が滲みました。
あとここに書いておきたい感想としては、もう夕霧がひどすぎる。こんなヤツだったとは思わなかった。いい子だと思ってたのに、ショックだわぁ。ガッカリ度が半端ない。このへんは角田光代さんも「文庫版あとがき」で書かれていてうれしい。
光君の死後には、なんだかまるでおまけに書かれたような3帖があります。匂宮と薫、2人の若君の話、柏木の弟と真木柱の子供たちの話、そして玉鬘と鬚黒の子供たちの話。どれもモヤっとしてなんとなくキレがないように感じます。
そしていよいよ「橋姫」から、ラスト10帖、いわゆる「宇治十帖」に突入です。ここでちょっと復活というか、ようやく焦点が合ってきたような気がします。八の宮の姫君たちと、匂宮&薫のドラマになるのかな。光君の孫世代が、このあとどんなラストを飾ってくれるのか、楽しみです。
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タラント
角田光代
終戦記念日の今日、読み終えて良かった。
8章からなる長篇小説。シーンごとに考えさせられるものがある。貧困/戦争/障害/夢/実行力/震災/コロナ…さまざまなテーマを時系列通りでない構成で扱い、それが逆に起伏や読みやすさを持っている。
内容が深く厚いので、いくつか心に残ったことを。
・ネパールの学校の子どもたちの夢はみな「先生」だったが、おそらく他の職業を知らないからだという。
・後押しするムーミン
・うじうじすることも、そんな自分を嫌悪することにも慣れてしまっている
・国に命を捧げた若者が、戦地から帰ってきてしまった葛藤と「失ったものを数えず、残されたものを最大限に生かせ」という言葉 -
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豪華作家たちのアジアにまつわるアンソロジー
『アジア』とタイトルにある割には台湾と香港しか出てこないけど 笑
人は香りや味や音や言葉や、そして一瞬の風景でふっと過去の記憶の中に連れていかれることがある
どのストーリーもそんな郷愁に誘われる
若い頃、香港にハマっていた奈美子
当時のパーティで妊婦さんのお腹を生まれて初めて撫でた
その時のお腹の中の子、ケリーが日本で勤め始めたと聞く
『友達になってあげて』と古い友人に頼まれたけれど…
奈美子が知っている香港の熱い情熱と勢いと自由
それは25歳も年の離れたケリーが育ってきた香港の環境とはかけ離れていた
ぎこちない2人
でも2人の中にはそれぞれ、愛する香港を想う揺るぎのない気持ちがあって…
読んだことのなかった大島真寿美さんの『チャーチャンテン』が1番刺さりました
私は台湾に行ったことがなく、表紙のマンゴーかき氷のイラストにとりあえずそそられる~
台湾のかき氷にはこんなに角切りマンゴーがてんこ盛りなのかな??