角田光代のレビュー一覧
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妹が読み終わっていて、勧められて読んだ。
ちょうど子どもが産まれて母になったので、重ね合わせて読むことができた。
・不思議なタイトルで、なぜそうなったのか、考えながら読んだ。答えははっきりとは分からなかったが、森=先が見えない、ずっと続くように感じる場所
魚=森には絶対にいないことから孤独な存在
なぜ眠るなのか?棲むとか潜むでは何がダメなのか
そこにいる自覚がない、まだ見えていないから?
・母親という孤独感、周りを気にして他人と比べてしまう母親というポジションをリアルに描いていた。最初は楽しそうなママ友の様子に、まだ自分はよく分からないママ友会の様子を想像し、こんなふうなのかと思っていた。それぞれの視点で描かれる違和感に、自分も共感し、その度に出てくる母親のことが少し嫌になった。
1番好感が持てたのは瞳さん。というか自分に最も近いと思った。かおりさんや千花さんのように高級な暮らしはできないし、容子さんのような貧しさもない、繭子は論外。瞳さんは千花さんに依存している部分が悪く描かれていたが、あの程度では依存ではないだろうと思ったし、常識的で、だんだんと弱さが減り強くなっていくのも読んでいて応援したくなった。それ以外の人たちは、自分を見失っている様がよく描かれていた。自分を瞳に重ね合わせて読むと、千花やかおりへの憧れは強くなった。でも同じようにはできない、と冷静に思う自分もいた。
構成で気に入ったところは、5人の女性たちの現状をそれぞれ描く、最初と最後の形を揃えたところ。
もう一度読み返すなら「彼女」に呼称が変わったところは、あえて誰のことか書かれていないのでもう一度検証しながら読みたい。
この本を読んだ感想は、自分の生活から無理をしないこと。子育て中の母親は子どものことも自分のことも不安であるが故に周りと比べてしまうのだろうと思うが、背伸びをしたり低いところに合わせたりすることなく、無理をしないでいることが、自分にも子どもにも1番良いと改めて思う。
世界はそこだけではないだろうし、本文にもあった通り、何があっても世界は終わらない、続いてゆく。だから悲観せず、何事も自分に合うところを常に探していけばいい。そのことを忘れずにこれから育児をしていこうと思った。 -
Posted by ブクログ
海外ボランティアをテーマにした作品だったが、自分には正直あまり実感が湧かなかった。貧しい国の子どもの力になりたい、この現状を世界に知ってほしいという思いは理解できる。でも、悪い言い方をすれば、生まれた環境の「運の差」とも感じてしまい、どこか遠い世界の話に思えた。
ただ、パンデミックや震災が起きると、その「遠い世界」は一気に自分の日常になる。誰にでも突然起こり得ることで、決して他人事ではないということを考えさせられた。
また、人の死はすぐには受け入れられないものだと改めて感じた。父が亡くなった時も実感がなく、親戚が集まる行事のような「また普通に帰ってくるんじゃないか」そんな感覚だったこと思い出した。亡くなった人は、ずっと心の中で生き続けるのだと思う。
海外ボランティア、片足の祖父の過去、パラアスリートとのつながりなど、それぞれの話は興味深かったが、自分には一つの物語としてうまくつながっていないように感じて、別々の話を読んでいる感じ
収容施設から逃がした少年が、最後にパラアスリートとして再会する展開を勝手に想像していたので「違うんか」と少し拍子抜けした。でも、現実はそんなに都合よくつながるものではないね。 -
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食事の内容や風景、特に夕食は家族の形態によって変化していっている
独身で一人暮らし……好きなものを好きな時間に食べる
結婚 夫婦2人……値段よりも好きなものや美味しいものを食べ互いに近況を報告しながら日常を楽しみ会話も多い
夫婦+子供……とにかく時間通りに食べさせるのを徹底し、誕生日やクリスマス、正月などの季節料理を食べてお祝いをする
そして、子供に合わせた食事時間で日によっても違ったりする
再び夫婦2人へ(子供の独立により)……日常会話はあるがTVがついた状態で無音を避ける 量より質にと時間はある程度決まっている
これが当たり前で、あえて変えようとは思わないのはそれなりに満足しているので
2024/3 -
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角田光代さんの手による源氏物語の現代語訳第3巻。
澪標、蓬生、関屋、絵合、松風、薄雲、朝顔、少女、玉鬘の9編を収録。
第3巻は、都落ちの明石からの帰京、復権時期を描きます。
30代になっても光源氏の色恋は落ち着きなく、明石の君を京に呼び寄せるわ、都落ちの原因となった兄帝の后に懲りずに迫るわ、大変です。中でも、義母にあたる藤壺が病没の折に、その子である現帝が光源氏の義弟でなく実子であることがばれてしまうという安易な展開には笑うしかないです。
二股どころか、常時、四股も五股もこなす光源氏。事あるごとに言い訳、誤魔化し、嘘が飛び出し、モテ男の苦労が滑稽にも映りますが、当時の平安貴族たちはこの物語をどんなふうに読んでいたのでしょうね。 -
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本棚に文庫本があるのだけど、なんとなくオーディブルで再読。お別れがテーマにあるのかな。じわっと、これまで経てきた人生を振り返って、心をくすぐってくるような短篇集。表題作はやばかった。もうじきお別れすることがわかっている(とくにきっかけというのはない)恋人と一緒に、姪を連れて公園に行く。思い出すのは、小学校の一年生ぐらいの一時期、父親に連れられて女の人に逢っていたことがあるということ。それは父の不倫相手で、詳細ははっきりしないのだけど、親意外に、初めて身近に接する大人であったこと。父との間のことをうっすらと理解していたこと。そうしてひるがえってみるに、この、セーラームーンのペンダントをしている姪っ子は、おばである私に連れられ、一時期、この恋人と逢っていたことがあるということを、思い出すのだろうかと考える。なんか、うわ、と思った。ぞくっとした。自身にそんな記憶があるわけでもないのに。世にあまたいる恋人たち、過去の恋人たち、未来の恋人たち、が、なんというか、生々しく迫ってきた。
「誕生日休暇」のたくさんのifを経て今ここにいる私、も、感じ入った。たまたまバーで言葉を交わした、明日、結婚するという男の辿ってきた偶然の積み重ね。それは話さなければわからないことで、そんなときは臆することなく話せるような人間になりたいなと、超がつく人見知りで、一人で満足することの多い分、憧れるように思った。 -
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昭和〜平成〜令和のコロナまで
2人の主人公の人生の物語
口裂け女、コックリさん
ノストラダムスの大予言
雑誌の文通コーナー
そうそう、あったあった
と懐かしみながら読んだ
口裂け女は、話がどんどんふくらみ
みんな本気で怖がった事を思いだした
大震災や、カルト教団が背景に描かれるが
背景にあるだけで、
巻きこまれるわけでもない
たんたんと2人の生き様が描かれる。
終盤2人の人生が交差し
コロナに振り回され
デマに振り回されたりする展開は
読み応えあった
世の中にあふれるデマや噂
いざと言う時に右往左往しないように
何を信じるのか、
自分の価値観をしっかり持たないといけないよ…
と、優柔不断な私は終始問いかけられてるような気がした
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角田光代さんの手による源氏物語の現代語訳第2巻。
紅葉賀、花宴、葵、賢木、花散里、須磨、明石の7編を収録。
第2巻も第1巻に続いて光源氏の色恋話が進んでいきます。
「葵」の章では、正妻が初産後に病没し、その喪中に囲っていた少女と関係して妻にする。「賢木」の章では、父帝崩御の喪中に兄帝の妃を夜這う。という節操の無さで、そのために「須磨」で都落ちするも反省の色は薄く、平安貴族の恋愛観は大らかの極みです。
この序盤の光源氏の恋愛はとにかく自己中が凄いですね。自分の要望・欲望を女性にぶつけることが多く、相手への気遣いに欠けます。余裕の無さ・精神の未熟さばかりが目立ち、この後の成長に期待するのみ。
物語と直接は関係ないですが、男女間で交わされる和歌には、古い和語の美しい響きが感じられます。言語は時代とともに変化しますが、現代語に無い耳への心地良さは羨ましくもあり、残念でもあり。