角田光代のレビュー一覧
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依存と執着。ただれた人間関係の物語
いやあ、これはきつい笑
ジャンルとしては間違いなく恋愛小説なのだが、方向性が斜め上で見てられない。
主人公のテルコは、好きな相手に徹底的に尽くすタイプ。というか、都合のいい女。
今はマモちゃんにぞっこんすぎて、仕事も何もかも投げ出してしまう。もう社会人として終わってる。
一方でマモちゃんもめちゃくちゃだ。テルコのことが特に好きではないものの、便利な友人としてすっかり甘えている。おかげで、支払いやら買い出しやらで、何の遠慮もなくテルコのことをパシリとして使ってしまう。
そして気まぐれに抱く。死ねばいいのに笑
ところが、テルコはそんな生活に満足しているのだから恐ろしい。
どこかでブレーキがかかりそうなものだが、あらすじの通りに最後まで全力疾走だ。
そんな極端な登場人物ばかりが出てくる本作。なかなか共感はしづらいかもしれない。私はできない。
おかしな人間関係の観察記録、という読み方がちょうどいいかも。
あとどうでもいいけど、テルコの住まいが私の地元だった。そこは親近感。笑 -
Posted by ブクログ
購入本。角田光代さんの中年運動体験記エッセイ。
中年になり年齢と精神と肉体がどんどんアンバランスになっていくというのは、今まさに私も実感している。角田さんのようにマラソンするほどの気力はないが、私も体調を崩してからは運動するようになりました。
私も登ったことのある大菩薩嶺と棒ノ折山が出てきたのは嬉しかったな。どちらもとても良い山だった。このエッセイをよんだらマラソンやトレランにもちょっと興味が出てきました。
最後に書いてある中年体育心得8ヶ条。そうそうと思う所がいくつかあった。私は、中年だと自覚する、高い志を持たない、ごうつくばらない、褒美を与える、他人と競わないは実践できてるかな。 -
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有名な作品なので読んでみたが、なぜこのタイトルにしたのかピンと来なかった。
特にストーリーを想像していたわけではないが、このような話だったのかと多少のガッカリ感が残った。
この作品は女性中心の話で、出てくる男はダメ人間の象徴として描かれている。
主人公は2人の女性か?
誘拐犯の女性と、その女性に生後6か月の時に誘拐された女性。
この2人の女性は、どちらも妻子のあるダメ男に惚れてしまう。
誘拐犯の女性が生きるために選んだのがカルト集団。
当然のことだが誘拐された女性もカルト集団によるマインドコントロールを受けることになる。
どちらの女性もこの先の人生に明るい未来は見えていない。
この物語は母性を描いた作品なのでしょうか?
私は男性だから、この作品に共感しにくいのでしょうか?
男女の違いというより、カルト宗教と不倫が嫌いなので、この作品には入り込めなかった。 -
Posted by ブクログ
友人から勧められての購入
読んでいてつらくなった。6章立て、全て独立していて横のつながりは無し
主人公たちが狂気に飲まれていくのがわかる。そこにゾクゾクしている自分がいた。狂気は日ごろから内在しているわけではなくて、これまでの積み重ねや立場などの積み重ねでふっと飲み込まれ、包み込まれ、爆発してしまう。そんな話が多い。
以前、伊与原新先生の「海まで3キロ」などで、ふっと気持ちが軽くなって頑張ろうってなる瞬間の人が見れる小説だ。みたいなことを書いた。この本は逆で人間がふっと狂気に飲み込まれる瞬間を見ることができる。もうそこに行き着くまでの流れがなかなかにつらい。本当にどうしようもない社会の問題などの闇の部分に、読んでてこっちの心が負ける。でも不思議なんだけど、その狂気に飲まれてからラストまでの文章が何故かとても美しく感じた。
個人的には世界観、ストーリー、展開、全部すごいなって、素人の俺が思うほどだし。
でも個人的にはハッピーな作品が好きだから、せめて小説の世界ぐらい都合良く終わりたい。
先生に怒られている同級生を見て、自分までしんどくなりにいく必要はない。
この本を読む=自らしんどくなりにいって、そこに美しさを感じているんだから、だんだん読書変態になってきているのかもしれない。狂気も悪くない -
Posted by ブクログ
2017年 映画化
作者は過去のインタビューで「執筆中は登場人物全員が嫌いで、自分の人生に関わってほしくない人たちだった」と語っています。嫌な人を書く時も糾弾はせず、どこか自分にも同じ部分を見出して共感しつつも、距離をとって描いたと明かしています。
ここに登場するのは、自分の身近にいたら「ちょっと面倒くさい」人々。
男たちに次々に寄生する母親、定職につかずフラフラしてる息子、子ども時代に裸で男の子と遊んでいた女性‥
まっとうではない人物を描きながら、作品全体をおおっている文学性。リアルな内面描写は見事です。だから、登場人物に共感はできないけど惹き込まれ、ページが進みました。そこが角田さんの意図かもしれませんね。
純文学がお好きな方にはおすすめの一冊です。
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ネタバレ星3.5
『タラント』という言葉の意味は物語の後半になってようやく出てくるがどこか掴みきれない感覚を持ちつつ読み進める。
物語のテーマはとても深く、祖父・清美の戦争体験や足を失ったこと、義足と共に生きる苦しさが描かれている。清美の心情には胸が締めつけられ、切なくて涙が出る場面が多かった。
主人公のみのりも、大学進学で上京したものの思うように馴染めず、そんな中で出会ったサークル活動にのめり込んでいく。ボランティア活動を通して難民キャンプを訪れ、これまで知らなかった現実や情景を目の当たりにする。
何か役に立ちたいと思うが故にみのりがやってしまった事に対する後悔だったり自分に対して失望する感じが痛いほど伝わってきて辛くなった。
読んでいて、自分自身も多感な時期に、身近な環境やメディアの中だけではない世界にもっと興味を持ち、知る機会があったなら、考え方や生き方が少し変わっていたのかもしれないと思った。同時に、世の中にはまだ自分の知らないことがあまりにも多いのだと思った。
そして自分のタラントは何だろうと。
長編で読破するまで時間がかかったけど久しぶりにちゃんと読書をしたという感じがした良い作品でした。 -
Posted by ブクログ
何かの対談で西加奈子さんが取り上げられていて、角田光代さんの本なら間違いないはずと購入。
物書きという職業や昭和から平成の激動の時代を背景に、主人公の気持ちの移り変わり、成長していく様子を描いている話だった。
個人的に入り込みにくいテーマだったからかゆっくりペースで読んだ。仙太郎や母親の発言や毎回真に受ける和歌にはイライラしたり、まぁそういう考えの人もいるのかと思ったり、同時に自分が言われた気持ちにもなり、色々考えさせられた。
クリエイター的な仕事に就いている方や、近しい間柄の人間に対して漠然と大きな不満はあるものの、複雑な事情によりそう簡単に離れることはできない、みたいな状況の人に合う話なのかな、と思う。