角田光代のレビュー一覧
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須磨・明石から帰京した光源氏は勢力を取り戻し、栄華の頂点へと上ってゆく。藤壺の宮との秘めた子が新帝となり、明石の女君は女の子を出産後に上洛。広大な六条院が落成し、光源氏は地位も権力も手にするが、やがて陰りが見えはじめる。「澪標」から「玉鬘」までを収録。
ようやく地位が復活して都に戻ってくることができた光源氏は、過去のつらい時期を乗り越えた影響なのか、より一層輝きを増して見えるという描写。やはり躓いたことのない人よりは、試練を乗り越えた方が人として成長し魅力的になるということなのでしょうかね。ずっと信じて待っていた紫の上のことを考えると、早々にほっつき歩く光君にはいい加減にしろよお前・・・という感情しか湧かないのですが、明石の女君もさすがに子供が手元からいなくなって可哀想だし。複雑な心境の紫の上が切ない。過去の相手の縁の人も出てきて、ますます関係が広がりそうな感じ。 -
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いつか読みたいな〜と思っていた源氏物語が角田光代さんの訳で出ていると知り、手に取る。読みやすいねえ。
Audibleで瀬戸内寂聴さんの訳も聞いたのだけど、分かりやすさ、飲み込みやすさなら角田さんが圧倒的だった。しかし、瀬戸内さんの時々耽美を感じ、ハッとする様な訳も好きである。
ここにやはり、もう色んな人が訳したけど、それでも新しく別の人が訳す意味があるんじゃないだろうか。同じ物語で同じことを伝えているが、感じ方や印象が変わる。
さて、本編についてだが、光君、思ってた以上にタチ悪いね。ビックリしたよ。
空蝉や夕顔のことはまだ良いとして(良くないが)、個人的には、若紫への執着が気持ち悪すぎる。決して現代の価値観に当て嵌めることはできないが、強行するところとか読んでてテンション下がった。
続巻もゆっくり読んでいきたい。 -
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表紙のイメージからてっきり「食べ物」「旅」のアンソロジーかと勘違い。実際は台湾や香港を感じられるアンソロジーでした。
特に好きだったのは、
「隣に座るという運命について」
幽霊疑惑のエイフクさんとのクスリとなるエピソードが好きでした。大学生が描かれており、懐かしい気持ちにもなりました。
「チャーチャンテン」
初読みの作家さん。何だか“縁”を思わせるストーリーも、作品に漂うごちゃごちゃしてるけど安心感のある雰囲気も、とても心地よくて好みでした。
「停止する春」
「あぁ、これは…」。心が痛むのに読まずにいられない。言葉が自分のなかに爪痕を残していくような妙にあとを引く感じ。島本さんの心理描写にひかれました。
角田光代さんの短編「猫はじっとしていない」では、ストーリーとはまた別に、猫の町がすごく気になりました。
アンソロジーは初読みの作家さんとの出会いが嬉しい!
今回は大島真寿美さんとの出会いが嬉しい。
他作品も読んでみたい。 -
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佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』。インパクトの強い緑色の瞳をしたオスのトラ猫が表紙の絵本です。おそらく子どもの頃にも読んだことがあったと思うんですが内容はほとんど記憶になく、大人になって改めて読んでグッときました。
1977年に発売されて以来、今なお多くの人に読まれ続けている大ロングセラーであるこの絵本への、13人の作家によるトリビュート短篇集です。
佐野洋子さんの息子さんで絵本作家の広瀬弦さんや元旦那さまの谷川俊太郎さんも執筆されています。結構著名な作家陣ばかりですが、私は読むのは初めましてな作家さんが多かったですね。
どういうこと?と理解が追いつかないお話もあれば、ちょっと不思議なお話もあり、せつなかったりしんどかったりおもしろかったりこわかったり、猫がまったく出てこなかったり、13人それぞれ個性豊かなお話でした。ただ、私が期待していたものとはどれも「なんか違った」なぁ、という感じ。
でも江國香織さん、角田光代さん、山田詠美さんのお話がおもしろかったかな。 -
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小説家や歌人などによる子どものお悩み相談会。
子どものお悩みというのが、子供側の事情を詳しく書いたものではなく「謙虚になるにはどうしたらいいですか?」「遅刻グセがなおりません」といった一行のみ。
だから、お悩みに対するアドバイスというより、それをテーマにしたエッセイのようなものだった。参考になるかどうかは、微妙だった笑。
作家さんたちの多くは、自分の経験について語っているのが、大人として読む側はおもしろかったな。
子どもと大人、どっちが読めば共感できたり面白く感じたりするんだろう。
一番最初に「夏休みの宿題ぎりぎり派はだめ?」というテーマについての角田光代さんの回答で、小学生の時絵が好きで美術部に入っていたが、夏休みの絵画の宿題ができずぎりぎりになってくまのぬいぐるみ(茶色)を書いたら絵が黒と茶色になってしまい、教師から「きったねー絵だな」と言われ、それから絵を描いていないという話が心に刺さった。
私の小学生の時も、美術の男性教師がとても個性的な人で、児童の絵について笑いながらバカにしてた。それも他の児童に同意を求めるように言うから同級生からもからかわれるんだ。私もやられて、恥ずかしくて鉛筆で必死に絵を消して描き直したっけな。・・・まさか同じ教師じゃないよね?
私は大人だから、大人の一言がが子どもにどんな影響を与えるのかということについて、自分の苦い思い出とともに、痛感した。
あと、津村記久子さんの同級生が、教師になったから自分の学生時代のことがよくわかるようになったというのも、なるほど。そうだよね。教師は、自分の学生時代のことを思い出して「あのときのことって・・・」と答え合わせができることもありそうだ。 -
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暑い夏の小旅行のお供にと手にした文庫。
台湾多めのアンソロジーで、待ち時間にちょこちょこと読むのに丁度よかった。
台湾には若い頃訪れたことがあるけれど
桜庭一樹さんも角田光代さんも描いていた「月下老人」は聞いたことがなかった。
角田光代さんの猫をモチーフにした輪廻にまつわる短編が、ぼんやりとした結末にも関わらずグッときた。(やっぱり角田さんといえば猫ですね…)
私自身に前世の記憶はないけれど、私の姉もひょんなことから前世の記憶が蘇ったという。
角田光代さんの前世の記憶が気になる…
前世の記憶はないけれど、私も生まれ変わったら出逢うべき人に出逢えるようにいつか月下老人にお参りに行きたい。