角田光代のレビュー一覧

  • 笹の舟で海をわたる

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    戦前から戦後の日本を生きた左織が、結婚して子育てをして歳をとっていく時の流れや、その中でどんどん変わる日本に恐怖を覚える様子が生身の人間並みにリアルだった。他人の人生にどっぷり浸かれる醍醐味のある小説であった。
    左織の、卑屈なところや自分の意志で人生を謳歌しようとしないところが、もどかしくもあり個人的にも百々子と同じ側の気持ちになってしまう…。

    小説の結末では、風美子と左織の繋がりの始まりで終わるところがとても好き。

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    2023年04月21日
  • マザコン

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    様々な母と子の関係・形。

    価値観や常識を身につける時期に最も深く関わる母というものには良くも悪くも強い影響を受ける。

    空を蹴る以外の各話はとても興味深く、つい自分と置き換えて考えてしまうお話ばかりでした。


    パセリと温泉が好きです。
    うまくいかない事全部を何かのせいにしないと生きていけなかった、その苦しみが譫妄では反転して自分に優しい世界を見せる。


    ふたり暮らし。「胸が悪くなるような母娘関係」…だとは思えないのは、私がマザコンだからでしょうか。笑

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    2023年04月19日
  • 東京ゲスト・ハウス

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    角田さんってなんか大きな事件とか特に起きない、誰かの日々を書かれるよなと改めて

    そしてここで描かれてる日々と心境は少し前の自分と重なって、その延長にある今の自分だからこそ、この話のもう少し先が読んでみたかった

    アキオはこの先どうやって生きていくのかな
    5年後のアキオと高円寺の小汚い居酒屋で飲みたい

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    2023年04月15日
  • Presents

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    様々なプレゼントにまつわる短編集。
    私はプレゼントと言うと、どうしても物などの形のあるものを思い浮かべてしまいます。
    しかしこの小説を読んで、名前やぬいぐるみに込められた重さといった形のない気持ちのこもったプレゼントを受け取り、じんわりと温かい気持ちになりました✨
    形があろうが無かろうが、プレゼントに込められている気持ちを考えなおすきっかけになりました。

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    2025年12月21日
  • 私のなかの彼女

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    本田和歌はなにも知らない女学生だった。自分と違っていろんなことを知っている学生・仙太郎と付き合いはじめたこと、実家の蔵から祖母が描いたと思われる自主出版小説を見つけたことをきっかけに、和歌は小説を書くようになる。

    和歌は仙太郎をむやみに崇拝・尊敬していたけれど、その実彼の作品や彼が作品を通して伝えたいことなど、彼自身についてはさして興味がなかったのかな、とも思う。
    仙太郎からすると、和歌はずっと何を考えているかわからない得体のしれない女だったのかもしれない。だから自分の理解できる範疇に置くために、彼女をけなして、レッテルを貼っていたのかな、と考えた。
    先に表現の世界へ入っていったのは仙太郎だ

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    2023年04月12日
  • 今日も一日きみを見てた

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    ネタバレ

    角田光代さんご夫婦が、愛猫のトトちゃんを迎えて、その後の生活がどのように変わったかが描かれたエッセイ。
    ニャンコあるあるが多く、ニャンコを飼ってる人は共感する部分が多いのではないかと思う。

    私はニャンコと暮らした経験はないけれど、愛犬を迎えて人生がガラッと変わった経験はあるので、ものすごく共感できたし、角田光代さんという人格そのものも、益々好感を持てたし、とても親近感を憶えた。

    そして、トトちゃんに対しても、ものすごく尊くて愛しい気持ちになった。
    ニャンコもいいなぁと純粋に思う。

    こんな小さな生き物が、本当に自分の見てきた世界を変えるし、病んだ心を救ってくれるし、それこそいびきをかいて寝

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    2023年04月06日
  • ツリーハウス

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    な、長かった、、、
    途中から話にグッと入れたけど、自分の仕事の疲れとかもあってなかなか進まなかった。

    ただ、話は面白いし、こんな話だとは思わなかった。
    家族の歴史を紐解いていくお話。終始淡々と書いているのがまた良かった。
    どこにでもありそうな中華料理屋の藤代家。ただ、そのどこにでもいそうな家族にも、歴史があって。
    言われてみれば自分の両親、祖父母の若い頃の話はよく知らないよなぁ。
    きっとどこの家にもこういう、物語になるような話があるんだと思う。(藤代家はちょっと不真面目というか、変わった人が多い気はするけどね、、)

    元気な時にイッキに読むのをオススメします!

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    2023年03月29日
  • 100万分の1回のねこ

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    長くかかってようやく読み終わった。絵本「百万回生きたねこ」をもとに書かれた短編集。
    個人的に好きだったのは
    江國香織、岩瀬成子、井上荒野、町田康の作品。江國香織はやっぱり私の好みドンピシャだ〜。

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    2023年03月25日
  • 世界中で迷子になって

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    ワクワク旅行記かと思って読んだらそうではなくて旅行先で感じた思いを書いたエッセイだった。

    と思ったらシームレスに日常の話になっていた。あとがきを読んだら前編後編で旅行の話と買い物の話に分けて書いてあったらしい。

    お金の使い方の感覚とか共感できるところがあったけど、文章が少し合わなくてサクサクと読み進められなかった。

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    2023年03月18日
  • わたしの容れもの

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    感想
    年を重ね強調される自分。美点だけでなく欠点も表面化する。悪いことばかりでもない。ただそれは若い時代を真摯に生き抜いた人のみ。

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    2023年03月13日
  • 私のなかの彼女

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    ネタバレ

    昭和から平成になる頃の時代。

    有名になっていく彼
    元は作家だった?祖母

    その二人をすごく意識してる主人公。

    自分もそこから作家を選ぶけど
    なんだか全部中途半端で。

    彼に対して劣等感とかあったり
    彼が不在の部屋を楽しんでるのに
    結局彼が離れていくと
    ずっとなぜなぜに囚われて苦しそう。

    自分という価値を求めすぎて
    終始生き辛いよと思いながら読んだ

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    2023年03月06日
  • 平凡(新潮文庫)

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    想像はしているが現実では起こらないことの妄想を膨らませ生活を変えたいとどこかで思っている人々。もう少し年を取ったり結婚したりしてから読むと感じ方が変わるのかも。

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    2023年03月06日
  • ちいさな幸福 All Small Things

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    あの頃の私の日常の中に彼がいたことを、今になって幸せなことだったんだなと思えたりする。だからこそ思い出すのは何気ない日常の記憶なのかもしれないなあ。13のストーリーの元になったアンケート『彼みたいな素敵な人がいたから今でも人に優しくなれるんだと思う』って素敵な考え。ちいさな愛しい時間は私を今でも支えてくれてるんだなって思えた。

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    2023年03月04日
  • みどりの月

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    同棲する事になった男のマンションに実は戸籍上の妻が住んでいたと言う角田ならではのあり得ない設定の話とアジアを放浪する男女の話の2話。

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    2023年02月26日
  • 月と雷

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    書き出しから面白くてこれ短編集だったら寂しいなーって思ったら違くて嬉しかったけど後半にかけて面白さ減っていった

    家に住ませてくれる人について行って家で何もしない直子とその息子の話
    色んな人の家を転々とする不思議な親子
    その二人がいっとき暮らしてた家にいた息子と同じ歳の女の子を忘れられず30を超えて探し出して会いに行き子供授かるのもすごい
    起こること全部色々常識的におかしいけどまぁあり得ないことでもないことな微妙なラインなのがなんか面白かった

    こういう普通から少しかけ離れたところに暮らしてる人たちの話

    ひたすら直子が謎なのがいい

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    2023年02月23日
  • 月と雷

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    ネタバレ

    幼い頃少しだけ一緒に暮らした智が突然現れる。そこから、「普通」に暮らしていた泰子の生活が変わっていく。
    泰子を始め直子、一代。みんなたくましい。
    それに比べて、男性陣はみんなほわほわして優しい。
    直子はダメダメだけど、どんな時にも誰かに助けてもらえる。何か人を惹きつける不思議な魅力があるんだろうね。
    何かが始まったら終わることはない。始まったら切り抜けなければならない。でも、どんなふうにしても切り抜けられる。なんとでもなる。って直子の言葉良かった。

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    2023年02月23日
  • 字のないはがき

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    向田邦子さん=原作、角田光代さん=文、西加奈子さん=絵と豪華な顔ぶれで制作された絵本。

    絵本の下地となっているのは、戦争時代の向田さんが経験した家族との想い出を綴ったエッセイ『眠る盃』から。

    角田さんの文章はシンプルで小さな子供にも解りやすく書かれている。

    そのシンプルさと対比するかのようにクレヨンで力強く描かれた西さんの絵が目を引く。

    まだ字が書けない小さな妹が疎開する事になり唯一の連絡手段として、たくさんのはがきを持たせた父の心情はどれほど苦しく切なかっただろう。

    娘を抱きしめ号泣する父の深い愛情に涙が溢れる。

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    2023年02月14日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    NHKの「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」を書籍化した作品。

    角田 光代・吉田 修一・村山 由佳 ・柚月 裕子・保坂 和志・養老 孟司
    6人の作家さんの愛猫の写真、エッセイ、小説が綴られている。

    オールカラーなので写真だけでも十分見応えあり。

    あくびをしている顔、ドアの隙間から様子を窺う顔、背中に文房具を置かれてもへっちゃらな様子、人間のように見えるへんてこな格好、どれもほのぼのとしていてクスっと笑える。

    お気に入りは148ページ下段の養老さんのまるの写真。

    猫愛に溢れた1冊で読み終わると、きっと猫が飼いたくなる。

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    2023年02月14日
  • トリップ

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    どの登場人物も、どこか思い通りにいかない人生を生きている。そして、何か不満や不安を抱えている。もしかしたら、この人物は、私だったかもしれない、と感じてしまう何とも言えない親近感がある。時々、手にとって読みたい連作集だ。

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    2023年02月11日
  • 空中庭園

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    秘密のない家族なんて中々成立しなさそうに感じました。
    家族に対する裏切りの秘密でなかったらあってもいいし、裏切りの秘密であってもバレなきゃいいのでしょうか。

    「さっき聞いたコウの言葉を思い出す。外部の人間には閉ざされたオートロック式のドアが、自由に出入りできる家のなかに存在している。」

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    2023年02月05日