角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
35歳のちづる、麻友美、伊都子それぞれの視点から語られる小説。3人とも「生きる手応え」を求めていて、他人と自分を比べては何かを成し遂げなければ、という焦りを抱いている。
自分の人生の岐路における決断を、100%自分でしたのか、周りからの圧力や雰囲気に流されてしたのか。自信のない3人は、みんな今の生活が順調ではない。
そんな3人が末期癌の伊都子の母親のために力を合わせ、ある計画を成し遂げる。正直、途中は3人の登場人物に対してイライラするところもあったけど、社会からの人気とか評価とか度外視して秘密の計画を成功させるために邁進する3人の姿はとてもキラキラしていて清々しかった。
そして、計画を成し遂げたちづるは、「自分の人生」なんてないこと、「自分の人生があったとしても、それは必ずしも魅力的ではない」ことに気がつく。
p. 355
「でも、私たちは本当に、自分の人生というとてつもない魅力的なものを手に入れたのだろうか。あるいは、自分の人生などと言いきれるものが、果してあるのだろうか。あったとして、それは本当に「とてつもなく魅力的」なのだろうか?」 -
Posted by ブクログ
2006年の作品
主人公ハナ、37歳
友人と立ち上げたこだわりの古着屋の共同経営者
知人達の結婚に焦燥感がある
共同経営者の新たな事業に疎外感を持つ
家族との関わりに悔恨も感じる
長い付き合いの「責任を取る」的プロポーズに納得できず、退屈しのぎの恋愛が長引く事もない
周囲の変化に揺らぐ女性の心情が痛々しい程伝わります
これが昭和に書かれたら27歳だったかもしれない
そして、令和の女子達はもっとしなやかに生きているのかもしれない
人生勝ち負けだけで判断できない
当事者が自分で守る物を自分で決めていくしかないと いろいろ過ぎてからは思う
その時々の人生の社会的平均値に固執していたような気がする
薄闇に浮かぶシルエットは立ち去る彼のものだけでなく、行く先に迷う彼女自身でもある
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Posted by ブクログ
わたしはずっと片親だったこともあり、結婚自体を身近に感じた事も無かったため、そういう願望もほとんどありませんでした。
しかし最近、職場の方に結婚願望について聞かれ、結婚というものがどういうものなのか知りたくなり、この作品を手に取りました。
結婚をする事は、簡単に決断できる事ではないですが、
その過程をともに歩いてくれる人が隣にいるというのは、とても素晴らしいことだと思いました。
結婚をしたくなったというよりも、わたしもそういう人と出会いたくなりました(*^^*)
そして最後の「消えない光」というお話は
男女問わず、結婚、そして離婚を視野に入れている方全員に読んでほしいです。 -
Posted by ブクログ
わたしはまだハナより一回り若いけど、「結婚」「仕事」「生活」すべてにステータスの高低差があるように感じられ、もつ者ともたざる者との境界線が見え、その土俵から降りて傍観したいと思いながらレールを走り続けてる感じが、とにかくリアルだった。チサトの言ってた持ち物検査って表現、秀逸だな。。
文句ばっかり言ってるこういう女性いるよなあというのもリアルに感じた理由のひとつ。こうなりたくないなあと、まだそうなってないつもりでいる自分で思う。別に口に出さなくたって、心の中で毒づいたり見下すような性格にはなりたくないな。
印象的だったのがハナが古着屋を始めた理由をタケダくんに話すため、ロンドンでの出来事を語るシーン。たしかになあと思った。日本では古着屋に行く層ってめちゃくちゃ限られてるけど、それは勿体無いなと。
あとはお母さんの話が胸がぎゅっとなった…お母さんが大切にしていたもの、守りたかったお城、受け継がれたかった意思、大切に保管していた子ども服。手作り至上主義の母が作るものをダサいってつっぱねたナエの気持ちもわかる。でもそれを思い返してワンワン泣くのも、わかるよ。
何かを選択し、生きていかなければならない
スカッとするような読後感ではなく、リアルだからこそ生き方を考えさせられる、ちょっとずしんとくるお話でした。