角田光代のレビュー一覧
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女のリアルな部分がぎゅっとつめこまれているので、同じく女の私は読みながらぐんぐん引き込まれました。もっと早くこの本に出会えていれば若かりし私はもっと違う考え方で生きていけたのかな、、とも思う反面、今読んだからこそ理解出来たり共感できる部分があるのかもしれないなとも思います。
角田さんの作品は読み終わった後のこの何とも言えない余韻も大好きです。 -
Posted by ブクログ
冴えない主婦の、ささやかな幸せさえも常に横取りされるのではないかと懐疑する心。そして実際に指の間から抜け落ちるように、その僅かな幸せの要素一個一個が去っていく様。それは疎開という異様な原体験のせいなのか。忘れられないいじめが発端なのか。風美子という強い女性の存在感のせいなのか。
私には、この本の根底には、疎開先だろうが戦後だろうが、時代を超えて存在する「女子」特有の心情の駆け引きが全編を通して蔦のように絡まっており、主人公がその蔦に絡まって身動きとれなくなっていくようで、読んでいて疲れ果てた。一度読み出した本を放棄したくないから読み続けたが、もうこれ以上読みたくない、あと何ページで終わってく -
Posted by ブクログ
ネタバレ集英社文庫「ナツイチ」の一冊。
多くは母と娘との物語。8つの短編の中に、自分と母の類似系があるかも、と思って読み始めたものの、すぐにそれはあり得ないことだと気づいた。
好きなのは、息子と、息子を高校生のときに置いて家を出た母を題材とした『クライ、ベイビイ、クライ』。
自費出版詐欺?みたいなのに引っかかって会社を辞めた男が、高校生の時に家を出た母に「オレオレ詐欺」電話をかける。
あからさまに「オレオレ」風の電話なのに、母はお金を振り込むといって口座番号をメモに取る。電話を切った男は、世間に対しても、自分の未来に対しても、出ていってしまった妻に対しても、「いろんなことがいい方向へ転がり始めた」と感 -
Posted by ブクログ
最初、街の物語かと思った。
架空の街だけど、人物や出来事になにか象徴的な意味を与えるような。
いわば隠れた主役が街というか。
ところが、短編集の一作目、冒頭で、違っていたと気づいた。
「待ち」の物語だったのか!
夫に浮気され、その浮気相手を尾行せずにはいられない女性。
不倫の関係で、相手が関係を清算しないのでいつまでも結婚できず、ただ意地悪になっていく女性。
昔の栄光を忘れられず、自分はこれで終わるはずじゃない、と思い続けるくすぶっているモデル。
姑にいびり続けられ、認知症になった姑を施設に送り出して複雑な感慨を持つ兼業主婦。
最初はいろんな境遇の女性の鬱屈をよく取り上げるものだなあ、と思