角田光代のレビュー一覧

  • 空の拳

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    ボクシングファンの私にとっては、なんだか盛り上がりの無いまま終わってしまったような感じです。これが一般的な戦歴のプロボクサーなんだろうけど、小説の題材としては少し不満が残る。

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    2015年10月18日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    精神学てきには男性は身体を持っていないというのは驚き。女性の母と娘の関係は、女性は身体を持っているので、身体性を通じて支配・被支配が起こるという視点。

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    2015年10月18日
  • 夜かかる虹

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    「ほら、人のこととやかく言うくせに、人のこと傷つけても全然平気で、それが正しかったんだとか言えちゃう人。私、そういう人が大嫌いなんだけど、」

    と妹は言う。

    そうだよね、あなたも私もみんな同じだよね。

    ひとに傷つけられたことは大きな痛みとしていつまでも忘れず、ひとを傷つけたことは「仕方がなかった」と言い切り忘れる。または気づきもしない。

    ひとに尽くしたことは「やってあげた」といつまでも忘れず、そのくせひとにしてもらったことは当然のように受け取りあっという間に忘れてしまう。または気づきもしない。

    とくに自身に正義を信じる場合、ひとはひとに対してどれだけでも残酷に無頓着になれるようです。

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    2015年08月26日
  • 私たちには物語がある

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    若くしてデビューした直後、編集者やら先輩作家やらの容赦ない指摘によりあまりにも読書体験の少なかった自分を知り、書評に類する仕事をいっさい断らないと決心したそうです。
    なんとたいへんな決意を…!
    (現在ではお仕事の許容量を超え、さすがに断念されたもよう)

    まじめで誠実で善意にみちた文章がならぶ。

    本当に本当に、本のある世界でよかった。
    心から同意します。

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    2015年08月25日
  • 庭の桜、隣の犬

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    ネタバレ

    特別な夢や欲望はなく大きな不満もない、でも自分はいわゆる「幸福」ではないとわかっている三十代夫婦。

    どこかで聞いたような台詞を口にする人を不思議な思いで眺めたり、自分で台詞めいたことを喋りながら「本当はこんなことが言いたいんじゃないのに」と思ったり。
    離婚するといいつつ結局仲良く過ごしていたり。
    特殊なようでいて、実はよくある夫婦像なのかもしれない。
    演じている自分を冷めた目で見る妻や、何にもしたくない無気力な夫。
    状況は違うのに妙に共感するところがあった。

    すごく読みやすいのに心に残る、後味もなかなか良い話でした。

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    2015年08月22日
  • 人生ベストテン

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    2015.8
    人生ベストテンは面白かった。
    彼は一体誰?
    他の登場人物はどうしたいか自分自身もわからないのかな?こういう人増えているのかもね。

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    2015年08月20日
  • 菊葉荘の幽霊たち

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    さらっと読み終えたが、多分、すごく難しいことが書いてある。
    6分割された小さなアパート、その1室1室にある異質な世界。
    お互いに無関心、アパートは単なる入れ物でしかない。
    別次元とでも言いたくなる。
    学生でもない人間が大学に紛れ込んでも何の不思議も抱かれない不思議。
    自分でさえ、どこから来てどこへ行くのか分からない。
    集合住宅に住まう他人同士の交流を描いた作品や、いろいろな人間関係で他人や疑似家族と同居する作品などとは対極にある人間関係を描いているといえる。

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    2015年08月18日
  • ドラママチ

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    中央線沿線の街が舞台になっている短編集で、主人公はみんな「待つ女」。
    全体的に視点が醒めていて、特に前半の3編くらいまで閉塞感や主人公の歪んでいる性格が苦手で、面白くないなあという印象を持ってしまったので、最後まであまり嵌れなかった。

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    2015年08月04日
  • 私たちには物語がある

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    角田さんの小説は読んだ事はないが、この書評集から角田さんの人柄が伺えた。
    本好きには共感ポイントが満載。
    「再読」の意義を考えさせられる一冊となった。

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    2015年08月03日
  • 三月の招待状

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    ネタバレ

    大学時代の友人たち5人の物語り。
    皆、それぞれ恋人を持ち(仲には大学からの付き合いのカップルもいる)大人になったはずなのに、全員が学生時代から抜け出せずにいるのが妙に怖かった。
    いつまでも大人になれないというか、過去しか見ていない人たちだなという印象。
    個人的には充留に一番感情移入してしまう。

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    2015年07月14日
  • エコノミカル・パレス

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    ネタバレ

    ユリイカの角田光代特集で何度も取り挙げられていた本。
    フリーター文学と言うらしい。

    この主人公ほどではないけどお金の不安を感じているときに読んでしまい、なかなかきつかった。
    ひりひり痛くて苦しいのに、もっともっと読みたいと欲してしまうような中毒性のある角田作品。
    ラストは物足りないような、でもしびれるような。
    はしもっちゃんはどこへ行くんだろう。

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    2015年07月10日
  • 三月の招待状

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    30代の恋愛模様。
    登場人物がバブルを生きた人たちなので、あんまり共感できなかったな~

    ミツルは幸せになれそうでよかったけれど。

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    2015年06月04日
  • かなたの子

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    日本の土俗的な因習をテーマにした表題作をはじめ、ちょっと奇妙で後味の悪い短編集。泉鏡花文学賞受章。
    闇夜、前世、道理に因果。宗教ではないが、日本独特の祖先からひきずっている風習や思考のいやーな部分を角田さんの解釈で現代の物語にしている。近代文明がどんなに発達しても、良かれ悪かれ日本の土着的な考え方は消えることはないだろう。それは日本人の謙虚さにつながっている部分もあるのだから。

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    2015年05月03日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    「男性作家が選ぶ太宰治」は、どの話も小説の王道のごとく、
    シンプルにストレートに面白かった。
    対してこちらは、エッセイ風だったり、入れ子構造になっていたりと、
    やたらと技巧に凝っているのが目立つ。
    他人と同じものを選びたくないという女性心理だろうか?
    私の頭が単純なのか男性寄りなのか、「男性作家」の方が断然良かった。

    本書でいちばん気に入ったのは、角田光代さん選の「恥」
    「自分を暴かれる傷みが、読む快楽になることを知った」というコメントに膝を打つ。

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    2015年06月05日
  • 空の拳

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    文芸部希望の若手編集者がボクシング専門誌配属となり、取材を続けるうちにボクシングに熱中し、成長していく話。
    スポーツ小説だかスポーツをする側ではなく観る側から描かれている。
    「正義」とは何か考えさせられる。

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    2015年04月21日
  • 庭の桜、隣の犬

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    角田さんの本を読むのは恐らく初めて。
    だからどんな作風かも分からないまま読み進めていった。

    生活の生々しさがそこにはあった。
    宗二が言う“ビジョン”を思い描くこと。

    その“ビジョン”を思い描き続けていくことの難しさに思いを馳せた。

    年を重ねるに連れて、それは難易度を増していくのではと思う。

    それは明確な“正解”や“枠”がなくなっていくから。

    例えば義務教育の間であれば、小学校→中学校と一連の流れがある。
    余程のことがない限りは向かう道を特に迷う必要がない。

    しかし、その後はどうだろうか。
    進学、就職と少しずつ枝葉が分かれていく。
    その中から自分で“選択”をしていかなければならない。

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    2015年04月19日
  • なくしたものたちの国

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    松尾たいこさんの美しいイラストから角田さんが紡いだ5編の物語。人生でなくしたもの、失ったもの、別れたものを切なく温かく見守る作品集。
    人間は忘れる生き物である。その時、その瞬間に大事だと思っていても、後の記憶に残っていないことがほとんどだ。ただ、喜怒哀楽のすべてを明確に記憶していたら、とてもではないがまともな社会生活は遅れないだろう。先天的に人間が持っている本能を、角田さんの才能で描いたストーリー。

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    2015年04月19日
  • あしたはうんと遠くへいこう

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    ネタバレ

    泉という女性の成長と退化?の話

    ヤドカリが次の宿貝を探すように、次々と移り変わる自分自身。まだ見ぬ何かを求め、新しい物に惹かれる泉という一人の女性の遍歴。田舎の学生だった頃。都会の大学生になった頃。OLとしてお金を稼ぎだした頃。変わりゆく泉の視点から見える世界が精緻な筆致で描かれている。

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    2015年04月04日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    改めて読み返し、未読なもの、既読なものまちまちだなと思った。
    わたしも江國さんと同じで太宰作品ですきだとはじめに感じたのは女生徒です。
    そして角田さんの言うように太宰作品は読み手が、私自身が書かれていると思い込むなにかがあること。
    もっと広い世代に読んでもらいたいですね。

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    2015年03月12日
  • ぼくとネモ号と彼女たち

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    なんとなく手に取ってみた本だけれど、読んでみると、「海底二万里」の内容が少しだけ出て来る。だから本のタイトルも「ネモ号」となっているわけだけれど。最近「海底二万里」を読んだので、関連があってなんだか嬉しかった。

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    2015年03月10日