角田光代のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「ほら、人のこととやかく言うくせに、人のこと傷つけても全然平気で、それが正しかったんだとか言えちゃう人。私、そういう人が大嫌いなんだけど、」
と妹は言う。
そうだよね、あなたも私もみんな同じだよね。
ひとに傷つけられたことは大きな痛みとしていつまでも忘れず、ひとを傷つけたことは「仕方がなかった」と言い切り忘れる。または気づきもしない。
ひとに尽くしたことは「やってあげた」といつまでも忘れず、そのくせひとにしてもらったことは当然のように受け取りあっという間に忘れてしまう。または気づきもしない。
とくに自身に正義を信じる場合、ひとはひとに対してどれだけでも残酷に無頓着になれるようです。 -
Posted by ブクログ
角田さんの本を読むのは恐らく初めて。
だからどんな作風かも分からないまま読み進めていった。
生活の生々しさがそこにはあった。
宗二が言う“ビジョン”を思い描くこと。
その“ビジョン”を思い描き続けていくことの難しさに思いを馳せた。
年を重ねるに連れて、それは難易度を増していくのではと思う。
それは明確な“正解”や“枠”がなくなっていくから。
例えば義務教育の間であれば、小学校→中学校と一連の流れがある。
余程のことがない限りは向かう道を特に迷う必要がない。
しかし、その後はどうだろうか。
進学、就職と少しずつ枝葉が分かれていく。
その中から自分で“選択”をしていかなければならない。