角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ10代からの長い付き合いである彼氏の影響って本当に強い。
私も10代で初めて付き合った人と10年近く続いたけど、そこが自分の常識だった。
別れた後は何もかもが驚きであった。
和歌にとっての仙太郎は永遠のライバルであり物事の基準的存在。
恋人というより仙太郎が全ての目盛りだったのかも。
仙太郎は言うほど悪い人では無いと思った。
和歌と普通に向き合って人生を共にしていきたかっただけでしかない。
和歌が思うほど仙太郎は特別な人間では無かっただけ。どこにでもいる、あたたかい家庭の幸せを求める普通の人だったのだと思う。
攻められてる気持ちになるのは、和歌自身が自分の足りない部分への劣等感が強 -
Posted by ブクログ
旅がお好きな角田さんならではのストーリー展開かな、と思いました。
恋愛に、男に夢中になって、そしてふとしたきっかけで喧嘩して。
そこでリセットして旅に出る。
リセットはどうやるかというと、住み替えだったり、旅だったりするのです。
世間一般にはなかなかリセットに踏み切ることはできないけれど、いずちゃんは家財すべてを捨ててリュックひとつで踏み出します。
今住んでいるところをすべて捨てるので、戻るところはとりあえずなくなっています。そこまでリセットして大丈夫か? と不安になるくらいのリセットなのですけれどある意味潔い。
こうやってときどきリセットする人は世の中に結構存在しているのかもしれない。
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Posted by ブクログ
ハッピーエンドから始まる11組の恋人たちの、平凡な日常。そう、日常というものはこういうことなんだよな、と思わされるビターな味わい。角田光代さんは、なんてことのない日常の、けれど決定的な歪みを見逃さずに書くのがほんっっっとうに上手い。
解説で芦沢央さんも引用されているのだけど、ドレッシングのたとえが絶妙に当を得ている。
〈永福町ではじめた私たちの暮らしは、ドレッシングみたいなものだったと思うことがある。サラダ油に酢を入れて、ぐるぐるかき混ぜる。なかなか混じり合わない両者は、数秒でちゃんと融合しどろりと白濁したドレッシングになる。三十四、五年で培ってきたそれぞれの生活は、油と酢のようにくっきりと