【感想・ネタバレ】母と娘はなぜこじれるのかのレビュー

あらすじ

支配を超えて生きる!

「母の愛が重たい」という娘たちが増えている。なぜ今、母娘問題が浮上しているのか、その背景には何があるのかを、精神科医の斎藤環氏と五人の女性陣が語り合う。それぞれの実体験をもとに、女性ならではの感覚やジェンダーについて深く論じ、母娘問題を克服するためのヒントをも示す、待望の対談集!

斎藤環(編著) 田房永子(著) 角田光代(著) 萩尾望都(著) 信田さよ子(著) 水無田気流(著)

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Posted by ブクログ

著者が「対談を終えて」のコメントにも書いたように、萩尾望都さんのプライヴェートなお話が聞けてよかった。就活の学生さん、本当の「貴重なお話」っていうのは、こういう話のことなんですよーーだそうですw
まあ皆さん酷い母親をお持ちで。私も機能不全家庭で育ちましたが、大して珍しい事ではなかったんだなと。また母親と距離を置きたいと思う事に罪悪感を感じなくてもよかったんだと今更ながら納得しました。水無田さんのように理路整然と考えていれば、もっと早くに楽になれたのかなと思いました。
母性は存在しない、精神分析的には男性は身体を持っていない、にはビックリ。

p152
信田 だからあんなメタボな身体でも平気でさらせるんですね(笑)。私、よく恥ずかしげもなくメタボな身体や、薄くなった髪の毛を電車のなかで平気でさらして、足を広げて寝ていられるなと思うんですけど、あれはそういうことだったんですね。

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2014年06月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

水無田先生以外の方の本は読んでいたのでより深く理解できた。「母がしんどい」「さよなら、お母さん」「母は娘の人生を支配する」など事前に読んでおかれるといいかもです。
今まで対談形式の本は面白いと思ったことがなかったけど、これは最後まで飽きることなく読めた。
特に水無田先生ところがググッと来る。明治30年以降の急速な変化の中で、良妻賢母とロリコン言説と少女趣味と、家父長制の強化と幼児虐待と言うのは、同時期に発生している云々

あぁ、それ以前に帰りたい(笑)

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2014年04月09日

Posted by ブクログ

他の本と併読をおすすめ 「母と娘はなぜこじれるのか」 

「母は娘の人生を支配する―なぜ「母殺し」は難しいのか
(NHKブックス)」を読んでからこちらを読むことをおすすめします。

著者の斎藤さんが、母娘問題にゆかりのある方と対談していきます。

角田さんの小説は同じ日に読み終わったばかり、
萩尾望都さんの「イグアナの娘」はマンガもドラマも見、
信田さよ子さんの「母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き」も
読んでいたので対談の背景を知った上ですっと読んでいきましたが、
今、実際困っている人は、「母は娘の人生を支配する―なぜ「母殺し」は難しいのか (NHKブックス)」、
「母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き」の併読をおすすめいたします。

田房永子さんとの対談が、一番付箋が多くなりました。
実際の母との経験をマンガにされているということで、
呪詛植えのメカニズムと、呪詛抜きについてなど、マンガで
わかりやすく描かれているので、田房さんのマンガ作品にも
興味がわきました。

「母親から植えつけられた呪い、呪詛を抜いていく
『呪詛抜き』が必要だと思っています」

「いびつな母娘関係のラスボスは、男性の怠惰」

というような発言にひとつひとつ、頷く経験がある方が
いらっしゃるのではないでしょうか。
また、逆に全くぴんと来ない方も同じくいらっしゃるのでしょう。
それは、とても幸せなことだと知ってほしいです。

「母親の呪縛から解放される一番のポイントは、
自分は母親の思う通りじゃない、
母親の望む言動をしなくてもいいんだ、
イヤなことはイヤだって思っていいんだ、
と気づくことでしょうか。」

とありますが、このような本に出あっているということは
なんらかの気づきがあって読んでいるのかなと思うと、
それは大きな一歩だなと思います。
自分がそのような問題を抱えていることすら気づかず、
そう振る舞うのを当たり前と思っている人も多いはず。

また、

「今は母親との関係は、距離を置けているので、
直接的な被害はないんですが、自分のなかにある
母の呪縛みたいなものから、夫や子どもへの対応に
問題を抱えています。

お母さんとの関係が安定していなかったから、
夫に対してこれでいいのか、子どもに対して
これでいいのかと不安を感じたり、不安によって
夫に対してキレちゃったりする」

という言葉があったのですが、そういった、距離を置いてから、
自分が母となったときのよすがになるような
本というものも読んでみたくなりました。

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2014年06月14日

Posted by ブクログ

私が当事者ではないせいか(父とは問題があったけれど母とは特になかった)信田さよ子さんや水無田気流さんとの専門的な話になるとあまり頭に入ってこない。子どもも息子一人なので娘を育てる悩みもママ友から聞くだけだし。
母娘問題について思い当たる人には気付きのきっかけになるかも。(ただ田房永子さんの「呪詛植え」は我が子に対しても気を付けようと思いました)

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2017年08月17日

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ネタバレ

女性の謎、ジェンダーの壁、父親不在…。問題の原因から、葛藤を乗り越えた体験、自立した関係の築き方まで、精神科医・斎藤環と5人の女性が、母と娘について語り合う。朝日カルチャーセンターでの対談を加筆・修正し書籍化。

なんか,悲しいくらい理解できる感じ。

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2016年11月03日

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対談形式なので読みやすい。母と娘は身体的同一化しやすい関係であるため、こじれやすいと。母にとって娘は自分の生き直して捉えるために抑圧的になるという解釈は面白く。確かに息子の方が親に対してはドライかもね。

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2015年08月26日

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母と娘の間には
母と娘の間にある問題がクローズアップされてきている。
母は娘を支配しようとし、娘はそれに応えるために必死になる....
その問題を5人の女性と対談形式で齋藤環が論じる。

一番興味深かったのが水無田気流氏との対談。
現代の育児の負担というものが女性に過剰に負担を強いているという論調であるがこの点は非常によくわかる。
保育園が見つからない、見つかっても子供が病気になれば休まなければならない、夫は帰って来ない、孤独感を募らせていく......
これは現代の母親には感じるものがあるのではないだろうか。
ある程度の社会基盤がある人ならば公的サービスを受けられる(それがあることを知ることができるから)が、そうではない人に対するケアが少ないのは深刻な問題だと水無田氏は語る。
それは現在の制度の大いなる弱点であろうと思う。
個人主義的な自己責任や自己決定が声高に叫ばれているのに肝心の個人というものが尊重されていない、という指摘にも頷かせられる。

信田氏との対談も面白い。
マゾヒスティック・コントロールやロマンティック・ラブ・イデオロギーという概念が興味深い。
後者が近代家族の維持装置の一つだというのは面白い視点だ。
それは幻想だとはっきり言っているわけではないが、一種の大いなる物語という指摘がある。
それが悪いというものではないがそれによって母のパワーが極端に一カ所に集中しているというのは納得できる部分もある。

他にも田房永子氏、角田光代氏、萩尾望都氏の三人との対談がなされている。
それぞれとても興味深い。
自身が母との関係に苦しんでいる場合もあり、それをもとにいろいろなこうさつがおこなわれている。

母というものが娘の人生に大きな影響を与えるのは決しておかしなことではない。
それをもとに自分自身の世界を構築していくのだから。
しかし、母と娘蜂が繋がっていたとしても別個の人間であり、母自身の「やり直し」ではない。
娘であり母である自分に照らして怖くなりつつ、わが家はどうだろうかとしばし考え込んでしまった。                   

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2015年03月18日

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うーむ。
 なるほど……。と言おうかなんと言おうか。
 女性が生む性だからなのか、産む性で有ることを社会的に期待されているからなのか、母、祖母、とさかのぼり、もしかしたらミトコンドリア・イブにまでたどり着く呪詛を感じる。すげーわ。

 社会や人情、世間の常識に照らし合わせて間違っているとしても、本人が辛いならば「辛い」って言うのは当たり前なんですよ、と言うことを切々と語っているなぁと。
 そして何より、逆もありき、と言うのが新しかった。端から見てどんなに辛そうでも、本人が大丈夫ならばそれでいいい。
 本人にとっては、本人が感じていることが真実なのだし、それを大切にしてほしいと思いました。

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2014年04月17日

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実母とうまくいっていない長女の私にも娘がいるので、娘とはうまくやっていきたいと常に思ってます。

なので、心に留めておこうと思うこともありながら、女同士はやっぱり難しく永遠のテーマなのかなぁとも思う。

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2014年04月06日

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結構、衝撃的でした。でも、よく考えてみたら。後輩にこういう親子関係の子いたなぁ・・・その子の弱さのせいだと思って、埒が明かない感じに嫌気がさしちゃって疎遠になっちゃったけど、切りたくても切れないのか・・・全然わかってあげられなくて、悪かったな。。。

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2014年03月26日

Posted by ブクログ

一言に母と娘の問題といっても、様々な違う問題を抱えていることに改めて気づいた。著者と5人の女性との対談でも、やはりそれぞれの母娘関係がある。息子は娘のように母親に罪悪感は抱かず、恩義を感じない、ということが1番の発見だった。

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2021年01月04日

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特に信田さん、水無田さんとの対談が勉強になった。

 女であることと人間であることの違いが大きすぎた
 第二次性徴の身体的感覚の違い、
 女装してる 服は脱げても体は脱げない
 良妻賢母は明治に作られた

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2019年05月14日

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精神学てきには男性は身体を持っていないというのは驚き。女性の母と娘の関係は、女性は身体を持っているので、身体性を通じて支配・被支配が起こるという視点。

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2015年10月18日

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田房永子、角田光代、萩尾望都、信田さよ子、水無田気流との対談 田房永子のは、まあまあ。角田光代の「八日目の蝉」の親子関係の異常さが、この対談を読んで何となく納得。萩尾望都の母親とのこじれは、作品を読んでいたからなんとなく察しはついていたけど、公にするべきではないような気がする。作品を読めばすべてが書かれているから。「残酷の」を書いてから憑きものがおちたような気がして、作品を読んでもあまりおもしろく感じられない。最後の二人は、ほんのつけたし。

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2014年11月04日

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水無田気流との対談が面白い。母子密着を助長する様々な要因が挙げられるが、最終的に父親の不在・疎外に行き着いてしまう。日本の父性は明治30年頃に捏造されたもので、一貫してそんなものは無いと。かといって日本で父性の代替を発明するのは至難だろう。

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2014年10月29日

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お受験の本にも書いてありましたが、ブランドバックやシューズや服や装飾品を持つことの先には、子どもが有名小学校に通っているということが何よりのステータスになる…ことに近い、親子のゆがみを感じます。が、それにしても登場する親子のケースが極端でびっくり。

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2014年07月27日

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精神科医の斎藤環氏と5人の女性達による対談集。
テーマは母と娘。
対談相手の中に角田光代さんがいたので読んでみたくなった。

いやー、色々あるんだなと言うのが正直なところ。
私自身母との関係性は取り立てて問題もないと思うし、自分の子供も息子だけだからこれからも悩むこともない。
それでも母と娘が特別な関係だというのはよく分かる。
良くも悪くもその結びつきの強さだとか。
そうそう、母に対して罪悪感を抱くって感覚は私にもあるなぁ。
自分が母より幸せになってしまったら後ろめたい気分になったり。

いわゆる毒親だったり、母から抑圧や過干渉を受けている人にはこの本、絶対お勧めですね。
あー、私だけじゃないんだって思うんじゃないかな。
ここまでひどくなくても周りには一卵性親子って呼ばれるような人達は結構いるし。
過干渉がいやだいやだといいながら離れられないのが不思議でならなかったけれど、この本を読むとその気持ちが分からなくもない。

欲を言えば、シンプルだとされる母と息子の関係に嫁が登場した時にどう変化していくのか知りたかったな。
私にとってはこっちの方が気になる!(笑)

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2014年07月07日

Posted by ブクログ

精神分析的な視点から見て、極論すれば男性は身体というものを持っていません
健康な男性の身体はいわば"透明な存在"で、それゆえ彼らは、日常的に自らの身体性を意識することはほとんどありません

序文にあった言葉が、とても驚きで
でも、続く対談を読むと、本当に納得する
それは、インタビュアーが男性だから

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2014年06月07日

Posted by ブクログ

母と娘の関係についての、対談集。
やっぱり、いろんなひとがその関係について、違和感を抱いてるのね、と思った。
親子はこじれたとき、育てられてきたからこそ、つらくなる。残酷ではあるけど、そんなときに親を突き放して考えることができたら、楽になるやろうなあ。
田房さんのところに出てきた、「呪詛」の考え方がしっくり来すぎて、感動した。

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2014年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

母と娘の確執ってのはものすごく奥が深いだね。
ひいてはそのまた母親の母親との問題でもあるわけだから。
ここに出てくる母親たちは、あまりにもひどい。
娘を自分の所有物と勘違いしてるのではないか。

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2014年04月03日

Posted by ブクログ

毒母、毒親という概念が紹介されるようになってだいぶたつ。
自分とその母親の関係はどうだったのかなぁ、こどものを育てる母親として自分はどうなんだろう・・・と振り返りたくて、本書を読んでみた。

まぁびっくりする。世の中にはいろんなお母さんがいるんだな、と。うちの母親も結構強烈な人だが、毒でもなんでもないかも。

毒母に苦しんだマンガ家の田房永子さん、家族とか母子関係を描いた作品の多い角田光代さん、萩尾望都さん、母娘問題などに詳しい臨床家の信田さよ子さん、女性問題や家族関係、子育て論の社会学者で詩人の水無田気流さんと引きこもりを専門にしている精神科医の斎藤環先生との対談集。

それぞれの体験談も交えているが、実際に母親との関係で困って、克服した人の話ではなく、それぞれの専門分野から、この問題へアプローチしているものなので、興味深くはあるが、ピンとこないところも多かった。
斎藤先生の『母は娘の人生を支配する』か信田さよ子氏の『母が重くてたまらない』を読んでおけばよかったかも。

あらためて・・・
萩尾望都さんの作品は、トーマの心臓とかイグアナの娘とか、もう何十年も前の作品なのに、現代の母娘問題にも引き合いに出され、いまだに古びず普遍的なテーマを表現しててすごいわーと驚きます。

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2014年03月13日

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