歴史・時代小説作品一覧

  • 黒染の剣(上)
    -
    室町幕府兵法所を開きながら幕府滅亡後は黒染屋を営む剣の名門・吉岡家。その次男・伝七郎は剣の遣い手として名を馳せていたが、許嫁を野盗に拉致されてしまう。彼女の行方を気にかけながらも関ケ原合戦へ出陣せざるをえなくなった伝七郎は戦場で後の宮本武蔵と立ち合うことに。そしてそれが吉岡家の悲劇の始まりだった。長編時代小説。
  • 不思議絵師 蓮十 江戸異聞譚
    3.3
    時は文化文政期の江戸。幕末なんてどこ吹く風の太平楽な町の片隅に、駆け出しの浮世絵師がひとり。女性と見紛うばかりの美貌に、優れた才を持つ。名は石蕗蓮十という。 蓮十の筆には不思議な力が宿っている。描くものに命が吹き込まれるのだ。でも、それは内緒。知っているのはごくわずか。 蓮十の周りはいつも賑やかだ。蓮十の世話を焼きたがる地本問屋のお嬢さん小夜に、悪友の歌川国芳。彼らとともに蓮十は、今日もふしぎな筆の力で町で起こる事件を解決することになり?
  • なにわの源蔵事件帳1 大浪花別嬪番付(小学館文庫)
    5.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 捕物帳作品といえば、江戸時代の江戸市中を舞台にしたものが主流の中で、本作は、時代も舞台も異色中の異色として大喝采を浴び、1978年、第八十回直木賞を受賞。81年には、桂枝雀主演によりNHKでテレビドラマ化された作品。ユーモアに溢れ、痛快至極の有明ワールドが完全復刊。
  • 夜の明けるまで 深川澪通り木戸番小屋
    3.8
    江戸の片すみ・澪通りの木戸番小屋に住む笑兵衛(しょうべえ)とお捨(すて)。心やさしい夫婦のもとを、痛みをかかえた人たちが次々と訪れる。借金のかたに嫁いだ女、命を救ってくれた若者を死なせてしまった老婆、捨てた娘を取り戻そうとする男……。彼らの心に温かいものが戻ってくる8つの物語。
  • 戦国秘譚 神々に告ぐ(上)
    -
    応仁の乱以降、室町幕府は力を失い、群雄が割拠し、世は乱れた。古来、神々に礼を尽くして地上の平安を守ることを務めとしてきた京都朝廷は、衰微を極めた。弘治三年(一五五七)、後奈良天皇は後事を若き関白・近衛前嗣に託し、崩御。前嗣の奔走が始まる。幕府再建による朝権回復を目論む前嗣は、都を逐われた将軍・足利義輝と結び、都を支配する三好長慶を除こうと計画。これを阻もうとする長慶の権臣・松永久秀の秘められた思惑とは?
  • 鼠、危地に立つ
    4.7
    ちょいとドジを踏んでしまい、捕手に追いかけられてしまった鼠小僧の次郎吉。追っ手を撒くために入った家には、母と娘の死体があった。この親子に何があったのか気になった次郎吉は、調べる事に……。
  • 小説 竹光侍(一)
    4.0
    その男の本性、狂気か。 江戸のかたぎ長屋にやってきた浪人・瀬能宗一郎。ある日、彼のもとに侍の集団が押しかけてきた。道場破りをされた恨みをはらすべく果たし合いを申し込んできたのだ。宗一郎は、彼らを抜刀することなく撃退してしまう。その際に、隣の家に住む大工の息子・勘吉は、宗一郎が腰に差している刀が、竹べらに銀箔を捲いた竹光であることを知ってしまう。 勘吉は、この怪しい浪人の秘密を探ろうとつけ回すのだが、宗一郎にはいつも尾行がばれてしまい、次第に二人は仲良くなっていく。 一方、辻斬り事件が相次ぎ、宗一郎に疑いがかけられる中、宗一郎をつけ狙う凶悪な剣士があらわれた。 瀬能宗一郎とは何者か。なぜ竹光なのか。その本性は、凶器か狂気か。 侍とはいえ、刀を抜くことすらなくなった平和な時代。それでも剣に憑かれた男たち。彼らの行く手に待ち受けるのは、闇か光か。 「こんな娯楽をやりたくて原作をお願いした」漫画表現の最先端を走る松本大洋初の時代劇『竹光侍』。その原作者による書き下ろし長編時代小説シリーズ第一弾。
  • 糸針屋見立帖 逃げる女
    4.0
    「わたし……売られてきたんです」。糸針屋ふじ屋の前で倒れていた若い女・お夕は泣きながら、逃げてきたことを告げた。聞けば、親の借金返済のため吉原に売り飛ばされたのだという。しかも、故郷には将来を誓った男が。千早と夏は、浪人・小川金三郎と共に彼女を救うことを決意。だが、お夕を探す女衒の執念がどこまでも一行を追いつめる――。
  • 糸針屋見立帖 宵闇の女
    4.0
    ある晩、酢醤油問屋で二人の脱藩浪士が殺された。偶然近くの舟着場で、頬に血のついた怪しい男を目撃していた自由奔放なお転婆娘・夏は、居候先の糸針屋女店主・千早と共に事件の真相解明に乗り出す。ところが解決の糸口を探るうちに、一人、また一人と周りの人間が殺されていく。気がつくと、不気味な男の影は夏のすぐ近くまで迫っていた――。
  • 関東郡代 記録に止めず 家康の遺策
    3.4
    将軍家から格別の恩恵を賜っている伊奈家は、関東郡代を世襲し権勢を誇っていた。その裏には神君家康が隠匿した莫大な遺産を護るという役目が。だが、逼迫した財政を立て直すべく、幕府重鎮・田沼意次がその奪略をもくろむ。当主・半左衛門は武と智を尽くして応戦するが……。やがて迎えた対決の時、死してなお世を揺るがす家康の策略が明らかになる!
  • 鼠、剣を磨く
    4.7
    次郎吉の目前で娘が腕を斬られた。娘は峰といい、奉公先の主人と通じ、その妻の恨みをかって襲われたのだった。峰の父は、娘の不貞に激怒するが、浪人暮らしの父を思い手当てをもらっていたことを知り、言葉を失う。そして、一度は断った「ある仕事」を引き受ける決意をした。それは、武士としてのプライドを捨てるものだったが……。次郎吉こと〈鼠〉が八面六臂の活躍をする痛快時代小説シリーズ第5弾。
  • 鼠、影を断つ
    4.0
    なじみの小料理屋で飲み、寝入ってしまった次郎吉。おかしな気配に気がついて目を覚ますと、隣家から火の手が上がっている! 次郎吉の機転で延焼は防げたが、火元の家に住んでいた母と幼い娘が焼け出された。火事の原因は不明。さらに母子の周辺に見え隠れする怪しい人物たち。何かあると感じた矢先、今度は小料理屋が火事に――。人情篤い盗賊・鼠小僧こと次郎吉が悪と闘う痛快時代小説シリーズ。ますます絶好調の第3弾!
  • 戸隠秘宝の砦 第一部 吉原惣籬
    3.5
    秀吉の遺した財宝を巡る争奪戦!新伝奇小説 江戸時代の天保期、諸藩の財政は危機的状況にあった。 松枝近忠は、自分が府内藩当主である大給近訓の実子であることを告げられる。そして、近訓から藩の財政的な窮状を救うために、秀吉が遺したという百万両に相当する財宝を探し出すよう命じられた。その秘宝は、対外貿易で潤沢に蓄えたもので、長崎から秘密裡に運び出されていた。その中心にあったのは石田三成、三成が協力を依頼したのは、大谷吉継と真田幸村、実際に動いたのは、長崎奉行の寺沢広隆と敦賀の廻船業者である高島屋伝右衛門だった。そして、ギヤマンの皿と奉納の絵馬、宝刀の茎(なかご)が揃わなくては財宝の場所がわからず、収められた石窟を開けることができなかった。近忠が、この話を聞いたとき、密かに盗み聞きをしていた男がいた。それは、その当時処刑されたことになっていた鼠小僧次郎吉だった。次郎吉は、実はその秘宝に所縁のある家の末裔だったこともあり、秘宝を探し始める。さらには、ギヤマンの皿を持っていた高嶋屋伝右衛門の子孫、五郎左衛門や高嶋屋と昵懇の仲にある小浜藩も秘宝を得ようと動きはじめる。全3冊でお送りする伝奇時代小説、第1弾。

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  • 武蔵野水滸伝(上)
    3.5
    「関八州取締役・遠山銀五郎と妖術使い」の大伝奇小説 『甲賀忍法帖』『魔界転生』等の忍法帖で一大ブームを巻き起こした著者の集大成ともいうべき一冊。徳川幕府最後の改革が行われた天保年間、関八州取締役に任ぜられた北町奉行子息・遠山銀五郎はお燿と共に坂東一円の博徒の鎮圧に乗り出す。「人間が人間らしく生きるには乱世においてこそ……」とうそぶく、謎の美怪童・南無扇子丸の妖術に配下の剣客が次々とはまり、遂には任侠もはまり、魔人と化す。銀五郎の革命はなるのか? そして恋の行方は?

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  • 風の市兵衛[1]
    3.9
    時代小説界に新風を吹きこみ、テレビドラマ化もされたベストセラー・シリーズ第1弾! 柳原堤下で、武家の心中死体が発見された。旗本にあるまじき不祥事に、遺された妻と幼い息子は窮地に陥る。そこにさすらいの渡り用人唐木市兵衛が雇われた。 算盤(そろばん)を片手に家財を調べる飄々とした武士に彼らは不審を抱くが、次第に魅了されていく。 やがて新たな借財が判明するや、市兵衛に不穏な影が迫る。心中に隠されていた奸計とは? “風の剣”を揮う新ヒーロー・市兵衛誕生!
  • 日日平安 青春時代小説
    3.7
    お家騒動に遭遇したのを幸いに、知恵を絞り尽くして食と職にありつこうとする主人公の悲哀を軽妙に描き、映画「椿三十郎」の原作にもなった「日日平安」をはじめ、男勝りの江戸のキャリアウーマンが登場する「しゅるしゅる」、若いふたりの不器用な恋が美しい「鶴は帰りぬ」など、若者たちを主人公に据えた時代小説全六篇を収録。山本周五郎ならではの品のいいユーモアに溢れ、誇り高い日本人の姿が浮かびあがるオリジナル名作短篇集。(編/解説・竹添敦子)
  • はぐれ牡丹
    3.4
    一乃は夫・鉄幹と四歳になる幹太郎と三人、深川冬木町の裏店に暮らしている。日本橋両替商の跡取り娘であった彼女は、かけ落ちして鉄幹と一緒になったが、貧しくとも幸福な日々を送っていた。そんなある日、一乃がにせ一分金を見つける。一方同じ裏店のおあきが人さらいにあってしまう。一乃たちは、おあきを助けるために立ち上がるが……。助け合い、明るくたくましく生きる市井の人々を情感こめて描く長篇時代小説の傑作。   (解説・清原康正)
  • 弦月の風 八丁堀剣客同心
    完結
    4.0
    日本橋の薬種問屋に賊が入り、金品を奪われた上、一家八人が斬殺された。風の強い夜に現れる賊――隠密廻り同心・長月隼人は、過去に江戸で跳梁した兇賊・闇一味との共通点に気がつく。そんな中、隼人の許に綾次と名乗る若者が現れた。綾次は両親を闇一味に殺され、仇を討つため、岡っ引きを志願してきたのだ。綾次の思いに打たれた隼人は、兇賊を共に追うことを許すが――。書き下ろし時代長篇。
  • 一の富 並木拍子郎種取帳
    3.3
    「ちと、面白いことがござりました」――人気狂言作者・並木五瓶の弟子・拍子郎は、”町のうわさ”を集め、師匠のうちに報告にくるのが日課だ。大店の不義密通事件、出合茶屋の幽霊騒動、金貸しの老婆の首吊り事件……拍子郎は、遭遇する事件の真相を、五瓶とその妻の小でん、料理茶屋のおあさ、拍子郎の兄で北町奉行所に勤めている惣一郎などを巻き込んで、次々と明らかにしていく――。江戸の四季と人の心の機微が織りなす、粋でいなせな捕物帳の傑作シリーズ第一弾!(解説・細谷正充)
  • 剣客同心 鬼隼人
    完結
    4.0
    日本橋の米問屋・島田屋が夜盗に襲われ、二千三百両の大金が奪われた。八丁堀の鬼と恐れられる隠密周り同心・長月隼人は、奉行より密命を受け、この夜盗の探索に乗り出した。手がかりは、一家を斬殺した太刀筋のみで、探索は困難を極めた。そんな中、隼人は内与力の榎本より、旗本の綾部治左衛門の周辺を洗うよう協力を求められる。だが、その直後、隼人に謎の剣の遣い手が襲いかかった――。著者渾身の書き下ろし時代長篇。(解説・細谷正充)
  • 秘する花 刀剣目利き 神楽坂咲花堂
    完結
    4.0
    人の心の真贋も見抜く! 刀剣鑑定師にして名うての剣士、江戸に参上! 馬喰町から上州の駆け込み寺に向かったはずの女が、神楽坂の三日月坂で息絶えた。死因はわからず、爪が割れるほど土を掴んだ女の両手が無念さを物語っていた……。京に本店を構える刀剣鑑定で著名な「咲花堂」。その江戸店(だな)を任された上条綸太郎(かみじょう・りんたろう)は女の死に疑念を抱くが……(『秘する花』)。文化文政の江戸を舞台に、刀剣や骨董を鑑定する綸太郎の鋭い眼力が人の心の真贋をも見極める、書下ろし傑作時代小説シリーズ第1弾!
  • 切り絵図屋清七 ふたり静
    3.8
    絵双紙本屋の「紀の字屋」に出入りする浪人・清七郎は、弱い者を見過ごしにできない性分。江戸の町に不慣れな者たちが辛い目に遇っていると知り、自分の足で調べ上げた切り絵図を作りたいと夢を抱く。折しも主の藤兵衛が病に倒れ、清七郎に店を譲りたいと持ちかけられる……。『藍染袴お匙帖』の作者による、清新な時代小説書き下ろし新シリーズ誕生!
  • 三鬼の剣
    -
    天下無敵の剣、無住心剣流の奥義を極めた弟子に譲られる、長谷川道場主の座。常陸幻鬼、三河水鬼、出羽猿鬼の三鬼が修業から江戸に戻り、比留間道場三兄弟との因縁の対決が始まった。息づまる死闘と謎の数々。加えて直心影流毬谷直二郎の剣の冴え。乱歩賞作家が初挑戦したミステリーと剣豪小説の二刀流!
  • おもかげ坂
    -
    凶賊捕縛の大捕り物で、同心・坂巻慶之進は、賊の頭目が放った捨て身の一撃により非業の死を遂げてしまう。残された妻・お幸は、ひとり息子の辰之助とともに、市ヶ谷の屋敷へと移り住んだ。慶之進の死から五年が過ぎ、天保三年、夏―。武芸道場月心館で、辰之助の学友、新一郎の行方がわからなくなった。心配する辰之助をよそに、あまりにも冷淡な態度をとる新一郎の母親。話を聞いたお幸は、新一郎の消息を知るため、ある策を講じる。秘めた親子の情が結んだ、意外な結末とは?市井に巻き起こる様々な事件を、鮮やかに解決していくお幸の活躍。夫の親友、北町同心・麻生源史郎との間に芽生えるほのかな恋慕に、お幸の女心が揺れ動く。
  • 孤剣 勇之助世直し始末
    -
    天保十一年、江戸の風紀は乱れに乱れ、とくに堕落した幕府役人の間では、賄賂や不正がはびこっていた。幕臣の腐敗に業を煮やした目付・鳥居耀蔵は、使い捨てにできる若い侍を探し、きたるべき政治改革に向けて、極秘の計画を進める…。深川の岡場所をうろつく中川勇之助は、小人目付中川家の三男。いわゆる部屋住の身分である。将来に希望が持てず、自暴自棄となっていた勇之助は、深川で思わぬ刃傷沙汰に巻きこまれた。やくざとの喧嘩に負け、切腹さえも覚悟した勇之助の前に、実戦剣術の荒武者と、鳥居耀蔵の姪、お凛が現れる…。必殺の剣法を身につけた勇之助が、卑劣な役人どもを成敗する。
  • うっかり同心蕪十内 泪橋おえん
    4.0
    ふとしたことから、浅草広小路で評判の娘水売り・おえんの縁談の口利きをするはめになった十内。だが相手の幸助は大店の跡取りで、二人の身分の差は乗り越えるにはあまりに大きな障害だった。すでに幸助の子を身籠り、先を憂えるおえん。そしてそんなおえんの身を案ずる幼馴染みの乙吉。十内は苦境の若者たちを救うべく動きだすが…
  • 極楽安兵衛剣酔記
    4.0
    1~11巻628~693円 (税込)
    子持ちの女将が切り盛りする料理屋に居候の安兵衛は、実は旗本の三男坊。気ままな暮らしぶりから、極楽とんぼと呼ばれているが、ひとたび剣を抜けば、遣い手に。義理人情に厚く、嫌と言えない安兵衛は、毎度持ち込まれる難題に奔走して……。人情溢れる時代小説。
  • 失われた日本古代皇帝の謎
    3.0
    正史『日本書紀』は、倭国/日本国の君主の治世記からなる。かつて倭国と呼ばれた国は連邦国家であった。倭国王とは、ある時期は九州王統から、ある時期はヤマト王統から、ある時期は別の王統から出た…。九州王朝とヤマト王朝の相剋の古代史に鋭く迫る!!
  • 江戸剣客遊戯 一 侍ふたり、跳ねて候
    3.0
    大名笠原家の江戸詰めの柊虎之介兼信は、主君から呼び出され「わしの四人目の男子を守ってくれ」と懇願される。おりしも嫡子が病没して家中では派閥争いが苛烈を極める中の密命。虎之介は渋々動き出すのだったが……
  • 死化粧 介錯人・野晒唐十郎〈十二〉
    3.7
    闇に浮かぶ白い貌に紅をさした口許。白皙異形の浪人が瞬く間に二人の侍を切り捨てた。 無造作に剣を下げた秘剣下段霞は、太刀筋が読めない。 それを遣う最強の刺客・石神喬四郎が唐十郎の前にたちはだかる。 藩の内紛に巻き込まれた、唐十郎、師範代弥次郎、助造の壮絶な闘いの行方は?
  • 紅葉山御文庫推理秘録 江戸城の御厄介様
    -
    旗本・木島新太郎は、若年寄から極秘任務を命じられた。江戸城の書物庫奥の座敷牢に閉じ込められた謎の奇人(貴人?)、『御厄介様』の警護である。楽なお役目だと油断する新太郎に、御厄介様が命じたのは……。
  • なにわ万華鏡 堂島商人控え書
    -
    大坂の米問屋、栄屋の手代・佐助は美代と夫婦になり番頭に取り立てられる。独立を目指して励む佐助だが、大鳥圭介や清水次郎長の子分・石松らと知遇を得て……。商人の矜持を胸に時代の転換点を見つめた男の物語。
  • 音無し剣 又四郎(一) 撃剣天下一
    -
    北辰一刀流玄武館の千葉周作は、名門・中西道場から極秘の依頼を受け、門弟の平田深喜に高柳又四郎の監視を命じた。撃剣の天才、音無し剣の遣い手と称される高柳又四郎には、世に出してはならない秘密があった――。
  • 秘帖 托鉢剣 一 虚無僧胡空 闇仕置き
    3.5
    虚無僧・胡空は、元越後村石藩の藩士で、剣の達人。藩首脳の汚職を知ってしまい、追われる身となった。胡空の過去を知った廻船問屋の葭屋徳兵衛は、お上が手を出せない悪を始末する闇稼業へと胡空を誘うが……。
  • 悲の剣 介錯人・野晒唐十郎〈十一〉
    4.0
    「そこもとなら蝶も切れたであろう」切腹に望む武士の呟きを耳にとめ、訝しんだ。 改革派と保守派に割れた大藩の内紛。その不可解な言葉は保守派の謎の刺客「影蝶」を指していたのだ。 姿なき刺客を追いつめる唐十郎に、逆風のごとく襲いかかる最大最強の難敵現る!
  • くちなわ剣風帖(一) 蝦蟇と大蛇
    -
    無器量だが侠心溢れる同心・釜口右衛門は、上役の吟味方与力から「五百両で真剣試合を請け負う凄腕の剣客を捜せ」という密命を受ける。さる筋からの引き合いで彼が相まみえたのは、女人のように美しい浪人者だった!
  • 入り婿侍商い帖(一)
    3.8
    旗本家次男の角次郎は米屋の主人に見込まれて婿に入った。婿に入ると聞いていた話と大違い、店は借金だらけで妻は自分と口をきかない。角次郎は店を立て直すべく奮闘するが……。妻と心を通わせ商家を再興する物語。
  • 無外流立志伝 獅王の剣 巻之一 恋文
    -
    恩師を斬殺した仇の手がかりを追い、吉原を訪れた辻兵内……またの名を月丹。彼の手には、桂昌院一派が血眼になって追う“恋文”があった……。やがて兵内は、将軍綱吉の出生をめぐる幕閣の争乱に巻き込まれていく!
  • 寝太郎与力 映之進
    -
    町方与力の今井映之進は、かつては仕事熱心だったが、今は刻限が来ると同僚が仕事をしているのを横目に、さっさと家に帰ってしまう。映之進の態度に業を煮やした上司の筆頭与力・盛伊三郎は家に押し掛けるが……。
  • 伊達藩黒脛巾組 独眼竜の忍び 上
    3.0
    天正十八年、豊臣秀吉から減封処分を受けた伊達政宗を陥れようと、徳川家康は伊賀忍者を奥州へと差し向けた。家康の動きを察知した政宗は、精鋭忍者部隊・黒脛巾組に企ての阻止を命じる。奥州忍者戦争、ここに開幕!
  • 冬萌え―橋廻り同心・平七郎控
    4.0
    吾妻橋―忠義のため、惚れた女房を苦界に沈めた男。弁慶橋―殺害現場に居合わせながら、なぜその子はは堅く口を閉ざすのか?蓬莱橋―「二年待って」という約束を胸に、罪を肩代わりしながら懸命に待ち続ける女。人気急上昇、北町奉行所の橋廻り同心の人情裁きの一太刀がきらり冴えわたる!
  • 縁切り屋要介人情控(一)
    -
    冬木要介は、かつては内与力も勤めた元旗本家臣。だが今は浪人で、怪しい裏稼業を手掛けている。依頼を受けて男女を別れさせる縁切り屋だ。大金を稼ぐことを目論んで、要介は今日も縁切り屋として暗躍する。
  • からくり隠密影成敗 弧兵衛、推参る
    3.0
    八代将軍吉宗が御庭番を登用したため、公儀隠密のお役目を解かれた根来組で一番の凄腕隠密・弧兵衛。彼は同じ境遇の元甲賀組・お蜜、元伊賀組・才蔵と共に、弱者を助けて許せぬ非道の悪漢を討つ、影成敗を開始する!
  • 闇蝙蝠(一) 江戸詰め始末剣
    -
    江戸詰めを申し渡された西国の藩士・青葉藍ノ真が耳にしたのは、巷間に蔓延る悪人を誅して葬る“闇蝙蝠”の噂。南町奉行同心・佐久間虻丸と共に“闇蝙蝠”の正体を追いかける中で、二人が見た暗夜の真実とは……!?
  • 夕立ち―橋廻り同心・平七郎控
    4.0
    新大橋――男に裏切られた女を包む涙雨、赤羽橋――水面を舞う初蛍に母の面影が、今川橋――愛するがゆえに姿を消した男の決意…。涙橋、情け橋、面影橋――悲喜こもごもの人生模様が交差する江戸の橋を預かる、北町奉行所橋廻り同心が情をもって剣をふるう。人情裁き、橋づくし物語。
  • おっとり若旦那 事件控(一) 大江戸世間知らず
    4.0
    湯女に入れあげて追い出された呉服屋の若旦那、惣二郎。刀は持てぬが侍には引けを取らぬ。女には甘いが男には手厳しい。習い事に凝ったり、人妻に惚れたり、騒動に巻き込まれる天才の若旦那に降りかかる事件とは!?
  • 弾正の蜘蛛
    3.0
    室町将軍・足利義輝を暗殺、織田信長に仕え後に離反。乱世を謀略と裏切りで生き「戦国一の梟雄」と呼ばれた男、その想いとは――
  • 八卦見豹馬 吉凶の剣(一) 三度、斬る
    -
    旗本の次男・榊原豹馬は、一目置かれる腕前の持ち主である。しかし仕官も養子入りも叶わず、実家に居候する厄介者だった。そんな豹馬に養子話が舞い込むが、偶然出会った妖艶な女八卦見に不吉な卦を告げられ……。
  • うろつき同心勘久郎 鬼刀始末
    -
    大川で見つかった中間の死体は、真っ二つに両断されていた。「鬼の仕業」と噂されるその奇怪な事件を調べる中で、定町廻り同心・空木勘久郎は、善規という蓬髪の浪人と出会った。善規は自らこそが「鬼」だと名乗る。
  • 冬の蝶 梟与力吟味帳
    3.6
    暗い世相に目を光らせ、闇に潜む悪を捕らえる北町奉行吟味方与力の藤堂逸馬は“梟”の異名で知られていた。同じ寺子屋で学んだ幼なじみの、計算が得意で神経質な八助、根っからの助平だが憎めない信三郎、性格も生活もバラバラの2人とともに、逸馬は世直しに立ち向かう。文庫書下ろし痛快連作時代小説のシリーズ第1弾。(講談社文庫)
  • 土龍
    3.0
    口入れ屋の紹介で御台場普請に雇われた国太郎と百蔵。2人がそこで見たものは、死人続出の怪しい穴掘り作業だった。一体、誰が何の目的で穴を掘らせるのか? 不審な男たちが跋扈(ばっこ)する中、真相をつきとめようとする国太郎たちの身に数々の危機が。黒船と地震に江戸の町が揺れるとき、城内までも揺れだした! (講談社文庫)
  • 勝山心中
    5.0
    湯女(ゆな)あがりながら、抜群の美貌と才覚で吉原随一の太夫となった花魁勝山(おいらんかつやま)には、人には言えない秘密があった。遊女の身で、男を受けつけられない煉獄の日々。ただ1人心を許した町奴(まちやっこ)の幡随院長兵衛(ばんずいいんちょうべえ)も、水野十郎左衛門の屋敷で凶刃に……。明暦の大火、親友の謀殺。波乱に満ちた遊女の生涯を描く哀切の吉原絵巻。(講談社文庫)
  • 武者とゆく(一)
    4.3
    剣術指南役を解かれ、手習い所を開いた桜井俊吾。大火で妻子を失い、今は拾った子犬とつましい暮らしを送っていた。だが男にさらわれる寸前、川に飛び込んだ女を助けたことで生活は一変。執拗な男は、周囲の人間の命を容赦なく奪いながら2人の身近に迫ってくる。時代小説に新しい風が吹く!
  • 朧月夜の怪 薬師・守屋人情帖
    3.5
    江戸の中心から離れ、ひとり暮らす薬師・守屋真。江戸府内で一通りの医学を学んだのち渋谷町に居をかまえ、江戸の中心とを往復しながら暮らしを立てている。そんな守屋は着流し姿で背に刀傷のある男を助けるが……。
  • 時宗 巻の壱 乱星
    3.6
    国を守り抜いた男を描く渾身の歴史巨編。源頼朝亡き後、北条氏に権力が移り抗争が続く鎌倉。若き北条時頼は、病に臥した兄の執権・経時に、棟梁になれと告げられた。北条を継ぐ者に安寧はない。地獄の道だ――。内部闘争に血を流しても、国のあるべき姿を求めねばならぬ。武家政治を築いた父子を描き、「国を守るとは」を問う巨編、ここにはじまる。(講談社文庫)
  • 船頭岡っ引き控 花冷えの霞
    -
    行徳河岸の船宿で猪牙舟の船頭である霧太郎は、定町廻り同心の浦部から手札を得て、日本橋小網町界隈を縄張りとする岡っ引きだった。亡くなった父の鍬蔵から跡を引き継ぎ、早とちりのおっちょこちょいで、しくじることもあるが、情に篤い男でもあった。

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  • 明智左馬助の恋 上
    3.7
    嫉妬の棘が光秀を狂わせる――。『信長の棺』『秀吉の枷』につづく「本能寺3部作」ついに完結! 後醍醐天皇から錦旗(きんき)を賜った祖先を持つ三宅弥平次はその出自を隠すべく、明智家の養子となって左馬助を名乗り、信長方についた主君とともに参謀として頭角を現すようになる。秀吉との出世争い、信長の横暴に耐える光秀を支える忠臣には、胸に秘めたある一途な決意があった。「本能寺の変」をめぐる純愛を描く、感動の歴史長篇。
  • 宵待ち同心三九郎
    -
    南町奉行所の定町廻り同心・刈葉三九郎は、夕方から遅くまで酒を呑むのがこの上ない愉悦と感じていた。そんな刈葉を知る者は、陰で「宵待ち同心」と揶揄していた。刈葉が、いつものごとく酔って月夜をそぞろ歩きしていた時、楓川の傍にいる女に出逢った…

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  • 耳袋秘帖 日本橋時の鐘殺人事件
    4.0
    日本橋本石町にある旅籠「長崎屋」で、腹を竹槍で無残に抉られた酉右衛門の死体が見つかった。隣りには、江戸の市中に時刻を知らせる「時の鐘」があり、その鐘撞き堂で、鐘を撞いていた撞き師の孫六が死んだ酉右衛門を恨んでいたと分かり……。南町奉行根岸肥前が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第13弾。文春文庫オリジナルの書き下ろし時代小説。
  • 耳袋秘帖 谷中黒猫殺人事件
    4.0
    美人姉妹が住む谷中の“猫屋敷”に猫が増えすぎて、近隣から奉行所へ苦情が来た。やがて、姉妹が以前に鬼平が担当して未解決になった押し込み強盗の被害者と分かり……。根岸肥前が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第5弾。根岸の妻・おたかとの日々を描いた、短編「白雲斎のこと」を書き下ろしで特別収録。
  • 大江戸仙界紀
    5.0
    暮れから正月にかけての、江戸市中のにぎやかな生活。かわいい芸者のいな吉を連れて熱海へ……。160年前に転時(タイムスリップ)できる中年男の洋介が目を覚ますと、妻のかわりにホテルのベッドでいな吉が寝ていたから大あわて。綿密な考証で、江戸に遊び、江戸に学ぶ大好評の「大江戸シリーズ」第4弾。(講談社文庫)
  • 立花宗茂
    4.7
    高橋紹運の子として生まれたのち、立花道雪の養子となり立花家を継いだ。関ヶ原の戦いでは徳川家康の誘いを断り西軍に所属、敗戦後、改易されて流浪の身となるが、武功をかわれ徳川秀忠より旧領・柳川に封じられ大名として復活した。

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  • 上杉謙信
    4.5
    越後侵略を目論む宿敵・武田信玄との川中島合戦、関東管領・上杉家の名に懸けた関東制覇と北条氏康との戦い、そして新興勢力・織田信長の撃破と、その神懸り的な戦術で越後の虎と恐れられた上杉謙信の、常に「義」を規範として戦った清廉なる生涯を描く。

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  • 大江戸艶夜帖
    -
    昼も夜も女房の尻に敷かれっぱなしの髪結い亭主、起死回生の一発とは!? 隣家の夜の営みが歯痒くて、つい余計な手出ししたために…!? 「ずいずいずっころばし」意外な裏話とは!? 大江戸八百八町で繰り広げられる十七の随喜絵巻。

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  • 耳袋秘帖 佃島渡し船殺人事件
    4.0
    年の瀬の佃島で、渡し船が突如突っ込んで来た正体不明の船に当て逃げされ転覆。四人が死んだ。だが、死んだ船頭以外の三人の遺体には刺し傷が見つかる。やがて、出航直前に別の船に乗るよう声をかけられた娘がいたとの証言も出て、事件の謎はさらに広がる。乗り合わせた客たちの意外な過去とは? 絶好調『耳袋秘帖』殺人事件シリーズ第12弾。
  • 口伝三国史話 第一巻 俺は雲長
    -
    「正史」「演義」「民間伝説」その源流を垣間見る新たな視点で描かれる三国志物語。第一部は若き日の「関羽」! その出生から黄巾賊討伐に立ち上がるまで。作者自ら語る、「史実三割、虚構七割」の三国志の新たな物語。これまで謎とされていた部分にも迫る意欲作!

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  • 明治暗殺刀――人斬り俊策
    -
    明治四年、早春。長刀を仕込んだステッキを持ち東京に姿を現わしたのは旧幕臣・風戸俊策。狙う敵は新政府の高官…動乱時に無罪の元勘定奉行・小栗上野介を斬首した長州の男である。驕り高ぶる旧薩長藩士に“人斬り俊策”の必殺の剛剣が舞う!『新・幕末風雲録』に続く新シリーズ第一弾。

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  • 北町奉行 定廻り同心控
    -
    文化・文政期の江戸は、市中に犯罪がはびこり、事件事故の絶える日がなかった。江戸北町奉行所の定廻り同心・暁蘭之介は、冷徹な法の番人。町衆はみな彼を信頼し、江戸の治安を任せている。蘭之介は将軍家の行列先の通行をも許された御成先御免の着流しに、三ツ紋つきの黒羽織、大小の刀を腰に差し、今日も新たな事件に立ち向かう。自慢の心形刀流の剣を振るって悪を断つ、非情の同心を描く迫力の時代小説!一話完結の全五話で贈る、胸のすく傑作捕物帳!

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  • 鬼神の剣
    -
    福岡藩黒田家の上士八名に凌辱された妻が一人息子を殺し、自害。なぜ、わが子まで道連れにしたのか? 復讐の鬼神と化し、一人また一人と妻の敵を葬る法眼又一。その脳裡にはいつも謎がこだましていた。幕末開国と波打つ時代の武士魂。

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  • 捨て首 臨時廻り同心日下伊兵衛
    4.5
    南町奉行所定廻り同心日下伊兵衛は、崩落した永代橋に殺到する祭礼日の群衆を止めようと抜刀し、町人たちを死傷させてしまう。息子新一郎の将来を考え、臨時廻りに退く頃合いなのか、と惑える伊兵衛。さらに夫婦仲も冷え切っていた妻荻乃が何者かに刺されてしまい!? 謎を追う同心父子を描く新シリーズ開幕。
  • 「龍馬」を読み解く100問
    -
    NHK大河ドラマ『龍馬伝』時代考証家が、最新の研究成果と史料をもとに作成。33年の激動の生涯を読み解く100問100答!龍馬と彼を取り巻く人々が生きた時代についてクイズ形式で学ぼう。

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  • 銭とり橋 高瀬川女船歌三
    -
    居酒屋「尾張屋」の主・宗因は、このところ頻繁に薄汚れた托鉢僧の姿を目にしていた。そんなとき、半年前にやむを得ず人を殺(あや)め、隠岐島に流罪となっていたお蕗がもどってきた。角倉会所に引き取られたお蕗だが、休みの日には姿をくらまし、安宿に泊まる托鉢僧と会っているのだ。托鉢僧は、山奥の村に橋を架けるための金が必要だというが……。
  • いのちの螢 高瀬川女船歌二
    -
    公金横領の冤罪が晴れた元尾張藩士の宗因は、国元へ帰らず京都・高瀬川で居酒屋「尾張屋」を開き、無愛想だが旨くて安いと評判になっていた。一方、娘のお鶴は旅籠「柏屋」に嫁ぎ、忙しくも幸せな日々を過ごしている。ある夜、仰々しい振り袖姿に裸足で歩く面妖な若い女が尾張屋に現れ、客の鯵にかじりつき、じっと宗因を見つめた……。
  • 高瀬川女船歌
    3.0
    十七歳のお鶴は、京都・高瀬川沿いの旅籠「柏屋」の養女になって八年。尾張藩の京詰め武士だった父親は公金横領の濡れ衣を着せられて逐電し、高瀬船の女船頭だった母親は桂川で不審な死を遂げていた。一方、高瀬川に架かる四条小橋の庚申堂に、息を潜めて暮らす一人の男が――。荷船や客船で賑わう高瀬川に集う人々の哀歓を描くシリーズ第一作。
  • 憂き世店 松前藩士物語
    4.1
    鎖国体制がゆらぎはじめた江戸末期。浪人となった相田総八郎とその妻なみは、江戸・神田三河町の裏店に移り住む。個性豊かな長屋の住人たちや共に帰封を願う元松前藩士たちとの、貧しくも温かい暮らしを、丹念に情感たっぷりに描く、傑作長編時代小説。
  • 御用船捕物帖
    3.0
    大番屋への護送中に逃亡した、盗賊の鎌太郎。やり手同心の続木音之進と江戸の川を知り尽くす船頭・多吉のコンビが、鎌太郎をはじめ、跳梁跋扈する悪を討つ。川を舞台に繰り広げられる、著者待望の書下ろし新シリーズ!
  • 賤ケ岳 七本槍 秀吉を支えた勇将たちの生涯
    3.0
    1583(大正11)年、豊臣秀吉は、柴田勝家との天下分け目の賤ヶ岳合戦で遂に勝利をおさめた。この合戦に功績のあった福島正則、加藤清正、脇坂安治ら七人の武将は、秀吉から等しく一番槍の感状と三千石の加増を与えられた。世にいう「賤ヶ岳七本槍」である。本書では、戦国時代の終息期のエリート武将である彼ら七勇士たちが、賤ヶ岳合戦以後どんな生き方を選んだのかを、種々のエピソードを交え多面的に描く。

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  • 百獣屋の猛者たち 御助宿控帳
    3.0
    さまざまな肉を食べさせる店「百獣屋」は肉同様、多士済々の御助人が集う「御助宿」だ。書き下ろし時代小説。

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  • 雲の盗十郎 御助宿控帳
    3.0
    さまざまな肉を食べさせる店「百獣屋」は肉同様、多士済々の御助人が集う「御助宿」だ。ある日、主人を夜盗「盗十郎」一味に殺された妻と息子が彼らを捕まえて欲しいと訪ねて来た。剣の使い手である十四郎は引き受けることにしたが……。

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  • おいぼれ剣鬼 御助宿控帳
    3.3
    様々な依頼を請け負う御助宿にある日、老武士が訪ねてくる。孫娘が女衒に攫われたらしいのだが、金はないので自らも御助人として雇ってほしいという。十四郎が試しに腕を確かめると見事な剣士だった。「御助宿控帳」シリーズ第3弾。

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  • ごろんぼう 御助宿控帳
    3.0
    御助人である十四郎のもとに「仕事をしたい」と黒崎という男が訪ねてくる。仕方なく受け入れるも、器量が悪く、剣の腕も良くない、その上、女の尻をすぐ追い回す……。ある日、命を狙われている女から助けて欲しい、と依頼があるが……。書き下ろし。

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  • ももんじや 御助宿控帳
    3.5
    さまざまな肉を食べさせる店「百獣屋」は肉同様、多士済々の御助人が集う「御助宿」。ある日、剣の遣い手である十四郎が若い兄弟を助ける。彼らは内紛に巻き込まれた父親を同じ藩の者に殺され、敵討ちに上京したのだった……。

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  • 深川船番心意気<一>お助け奉公
    4.0
    江戸は深川、物流の要所として船荷を見張る中川船番所。ここに勤める、多摩の田舎出身で天然理心流の使い手・軍平と、粋な江戸っ子侍・静馬。江戸の物づくりに込められた思いが二人の活躍と共に鮮やかに描かれる。待望の書き下ろし新シリーズ!

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  • 風の陣【立志篇】
    4.2
    八世紀中頃の黄金発見に端を発する奥州動乱と、中央政界の血腥い権力抗争を描く大河ロマン。本篇は全三部構成の第一部であり、奈良朝を震撼させた「橘奈良麻呂の乱」を中心に描く。蝦夷の若者・丸子嶋足は、黄金を土産に帰京する陸奥守・百済敬福の従者となり、平城京に上る。朝廷の野心から陸奥国を守るための上京であり、敬福の後押しもあって兵衛府に仕えることになった。やがて、八年の歳月が過ぎ、番長に出世していた嶋足のもとに、同じ蝦夷の若者・物部天鈴が現れる。天鈴は嶋足を衛士府の少尉・坂上苅田麻呂(田村麻呂の父)と引き合わせ、苅田麻呂に採り立てられるよう仕向けた。一方、中央政界は、橘諸兄の死後、その子・奈良麻呂と藤原仲麻呂との対立が激化。奈良麻呂派による仲麻呂打倒の策謀が進行する中、嶋足はそれを未然に防ぐべく、渦中に身を投じていくのであった……。奥州動乱前夜の若き蝦夷たちの躍動と葛藤を、壮大なスケールで描く。
  • 欅しぐれ
    3.6
    桔梗屋太兵衛と霊巌寺の猪之吉は奇妙な友情を結んでいた。太兵衛の死後、後見人を任された猪之吉は、桔梗屋乗っ取り一味からの闘いを受けて立つが……。江戸の光と闇を情緒たっぷりに、女の凛とした強さ、男の心意気を描く長編時代小説。

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  • 太閤の城
    -
    実の父である徳川家康に毒殺された悲劇の猛将・結城秀康。その落胤にして、必殺の富田流残月剣の遣い手・結城虎之介が、自らの祖父である徳川家康の陰謀と刺客に敢然と立ち向かう!――己れのすべてを賭けて幕府の圧迫に対抗する豊臣秀頼。そんな秀頼を護り、父の仇である家康を打つべく、死んだ父の形見である名剣「鬼切丸」を携えて、ひたすら剣の道を突き進む虎之介。慶長年間の活気あふれる大阪を舞台に、二人の生き様を迫真の筆致で描いた、筆者渾身の痛快時代小説。

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  • 耳袋秘帖 目黒横恋慕殺人事件
    3.6
    茶店の主人が首を吊った。南町奉行・根岸肥前守は事件のカギが目黒にありと察知、家臣である宮尾玄四郎を派遣する。不動尊の参詣客でにぎわう町で遭遇する怪事件。優れた耳を持つ岡っ引き・音無の六蔵と、松平定信が普請を命じた屋敷の謎。そして大悪党・暁星衛右門の正体とは――。舞台は大坂にも広がり、ますます展開が加速! 根岸肥前守の名推理と恋模様が絡み合う人気シリーズ第19弾!
  • 航海者(上) 三浦按針の生涯
    3.7
    オランダの東洋探検船団の一隻、リーフデ号に乗り込んだ英国人ウイリアム・アダムスは、1600年4月19日、豊後水道の臼杵に漂着した。足掛け3年の過酷な航海の果て、同船の乗組員110人は24人の生存者を数えるのみであった。航海長アダムスは天下統一をめざす家康に目をかけられ、艦載の大砲を関ケ原へと運ぶ――。海洋小説の第一人者である著者畢生の超大作!
  • 怒る富士 上
    3.7
    宝永4(1707)年、突然大爆発を起こした富士山は、16日間にわたり砂を降らせ続け、山麓農村に甚大な被害をもたらした。ときの関東郡代・伊奈半左衛門忠順は、農民の窮状を救うべく幕府に援助を強く要請した。だが、彼が見たものは被災農民を道具にした醜い政権争いだった――。大自然の恐怖を背景に描く、著者会心の長篇時代小説。
  • ご制外新九郎風月行 邪神
    -
    無頼の日々を過ごす浪人・雨宮新九郎は、富商・尾島屋に娘を連れ戻すよう依頼された仕事を機に、新興教団・天華一の闇と野望を知る。天華一を操る陰の存在を究明すべく、思わぬ人物から依頼を受けた新九郎は、独自の難剣を振るって敵に対峙する!

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  • 裏柳生探索帳
    -
    下総・市川村の江戸川渡船場近くで、五体の遺骸が見つかった。幕府道中奉行勝手方・柳生久通の妾腹で、配下の斎藤欣史郎が探索の命を受けた。殺された五人は松前藩脱藩浪士で、背後には莫大な金塊とその在処を示す業物が…。明白に難題を解明する痛快事件帳!

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  • 棒手振り同心事件帖 初水の夢
    3.0
    大店両替商の若旦那・雀太郎は、三代目の父親が店を潰し、いまは棒手振りで笊を売る身の上だった。かつて許嫁であったお雅の新たな縁談相手の店に盗賊が入ったことを知り、様子を見に行った雀太郎は、北町同心の磯貝と出逢い思わぬ事態に巻き込まれることに…

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  • 棒手振り同心事件帖 皐月の風
    -
    北町奉行所定町廻り同心の娘・薫と祝言をあげ、同心見習いとなった雀太郎。もとは大店の若旦那だが父親が店を潰し、笊売りの棒手振りだった。町廻り中に子どもに頼まれ、姿を消した父親を探す雀太郎は、その失踪の裏に盗賊一味の関わりがあることを知った。

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  • 縮尻鏡三郎 浜町河岸の生き神様
    3.5
    「一番札をお持ちの方、どうぞ」書役小頭(しょやくこがしら)の佐吉の声で鏡三郎の一日の仕事が始まる。八丁堀近くの仮牢「大番屋」の元締・鏡三郎の許には、話を聞いてくれ、牢屋から出してくれ、と早朝から人々が詰め掛けるのだ。欲と欲とが突っ張り合う金公事(かねくじ)から、娘夫婦のまたしてもの揉め事、しごき帯で結びあって流れ着いた心中死体の後始末まで、よろず相談事が持ち込まれる上、はしご酒が続けば女房どののご機嫌もななめに……。人気シリーズ第三弾!
  • おろしや国酔夢譚
    4.2
    天明二年(1782)の暮、伊勢を出帆し江戸へ向かった大黒屋光太夫率いる神昌丸は、強風に運ばれアリューシャン列島に漂着した。帰国の途を求めて光太夫はシベリアを横断し、モスクワを経由してぺテルブルグを越え、ついにロシア女帝エカチェリーナ二世の謁見を受ける。風雪十年ののち対日使節とともに故国に帰った光太夫に、幕府は終身幽閉を命じた……。鎖国の時代、運命に操られるままに世界を見た漂民の波瀾と感動の生涯を十八世紀日露交渉史、漂民史等を駆使して描いた哀切の大作。
  • 無宿人別帳
    4.0
    無宿者は江戸制度の谷間──。人別書き、現代でいえば戸籍から除かれた彼らは町内で住居を定めるのもままならず、ましてや定職など持てようはずがない。食い詰めた無宿人から犯罪が頻発したのは当然である……。賭場の喧嘩で八丈島へ流され、赦免船を待ちわびる忠五郎、牢の火事で思わぬ自由を得た平吉、佐渡から島抜けを図る新平、入墨を暴かれて堅気の暮しを失う卯助など、都市の底辺で喘ぎながらも自由と公正を渇望する男達を描いた傑作時代短篇集。
  • 侠盗組鬼退治 烈火
    -
    悪い奴らに怒りを燃やせ! 相次ぐ火事の黒幕は!? 人情旗本の必殺鬼退治! 書下ろし痛快時代エンタメ! 火事の裏にある企みは――真の悪党を炙り出せ! 銭相場で大儲けした旗本・堀田左近は、この世にはびこる悪党どもを退治しようと、幼なじみの土屋又兵を火付盗賊改役に仕立て上げた。さらに剣客から盗人あがりまで、義侠心にあふれた仲間を引き込み、世直しに乗り出す。そんな左近の周辺で立て続けに火事が。これは偶然か、それとも……!? 闇にうごめく悪と人情仕事人たちの丁々発止の闘い!
  • 猫忍(上)
    3.0
    長い間会えずにいた父上はなぜか猫になっていた!? 霧生(きりゅう)の里で毎日厳しい忍(しのび)の修行に明け暮れる陽炎(かげろう)太(た)。仲間の虎(こ)眼(がん)、燕(つばめ)とともに江戸に出て、主君・沢木家の若年寄・天坂(あまさか)次郎右衛門(じろうえもん)の身辺を探るよう命じられる。天坂の屋敷に忍び込むと、そこには赤毛のふくよかな猫が。この猫こそ長い間姿をくらませていた父上(の変身した姿)と信じこんだ陽炎太は……。癒し度満点、ドラマ化で話題の時代エンタメ!連続テレビドラマ化決定!!
  • 耳袋秘帖 蔵前姑獲鳥殺人事件
    4.0
    浅草で雷を捕まえようとする大工の若い衆。深夜に突如炎上した有名な榧の木。浅草界隈の摩訶不思議な出来事が南町奉行の根岸たちの首をひねらせる。そんな中蔵前で悪名を馳せていた札差が殺されるのだが、疑わしい者が多すぎて、捜査は難航する。近所の評判の良い札差の店に妖しが出るとの噂が根岸の耳に入ってきて……。文庫書き下ろし。
  • 行雲流水 おやこ相談屋雑記帳
    NEW
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    「シンコーサン」「わたしのことだよね」・・・・・・娘の七五三(しめ)が、ついに父の名を呼び信吾は大感激! 「おやこ相談室」と称しつつ「どうぶつ&将棋」の話題が多い本作ですが、やっと「らしい」お話をお届けできます。娘以上に烏のカア助と話し込んだりもしていますが。相談客の女性が名も名乗らぬうちにいきなり号泣したり、今回も色々あって賑やかです。落語よろしくマクラからサゲまで、存分に楽しめる大人気書き下ろし時代シリーズ全5話!

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