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夏至のウルフ
必殺「狩りモード」発動! 松山きっての繁華街“北京町”で、デリヘル嬢が絞殺された。愛媛県警本部と松山東署は特別捜査本部を設置。 ウルフの異名を持つ刑事・壬生千代人も応援に駆り出された。捜査線上に浮かんだのは風俗店経営者だった。被害女性と愛人関係にあったらしいが、腑に落ちない。周辺捜査を進めるなか、スイッチを切り替えた。狩りモード――それはスポーツでいうゾーンに近い。五感が研ぎ澄まされ、事件の断片が繋がる。そして見えてきた真犯人とは……(表題作「夏至のウルフ」)。 バツイチ、家なし、39歳の壬生は、ピンク映画館で寝泊まりする絶滅種の邪道刑事である。そんなウルフを尻にしくのが警部補・吾味梨香子だ。職場では些細なことでセクハラを騒ぎ立てるが、いざとなれば、なぎなた名手の腕前を見せる。曲者揃いで「道後動物園」と呼ばれる松山東署で繰り広げられる全5編の事件簿。松山出身にして、「このミス」優秀賞作家発の超ローカル警察小説! -
青年の樹
東大に入学した坂木武馬は、さまざまな人生を背負った友人たちを持った。赤坂の有名な料亭の娘で、母親が汚職事件に巻き込まれている明子。やくざの大親分の長男として、跡目相続を迫られている和久。高校野球のヒーローだったのに、なぜかマウンドを踏もうとしない杉。見えない糸が彼らを結びつけ、青春の地図は苦悩と友情とで、複雑に彩られて行く。「本当の青年になれ、そしていつまでも青年であれ――」という父の希望を、若い樹の養分として、冒険を恐れずに生きる武馬を通して、行動派作家の思想を見事に昇華し、さまざまな苦悩に満ちた人生を歩む若者たちの、友情と恋と冒険を爽やかに描く青春ロマン。東宝で映画化された傑作。 -
蜜の刃
女子大生の今日子が二人の男に誘拐され、監禁された。全裸され、手錠で繋がれた上に、女二人も加わっての乱交状態で凌辱された。解放された彼女は恋人の慎治に事実を打ち明けるが、精神に破綻をきたしていた。 その後、脅迫の電話が今日子の実家にかかってきた。乱交状態を映したビデオテープと引き換えに、資産家である父親から1億円を脅し取ろうという魂胆だった。 自分が悪くもないのに罪悪感を感じていた今日子は、思いもかけない行動に出てしまう。そこから慎治は激しい復讐の炎を燃やし始めた。小さな手掛かりから男女4人を追い詰める。これぞ本物の復讐ハードバイオレンス! -
水の剣と砂漠の海 アルテニア戦記
遙か遠く……。未曾有の戦争により、世界は壊滅的な打撃を受けた。国家は分断され、文明は滅び去り、軍事用の使役動物として生み出した異形の生物たちが野生化し、地に満ちた。衰退した人類は、残された大地の片隅に追いやられ、砂漠化と目から感染する病(虹染病)のはびこる環境に暮らすことを余儀なくされていた。しかし、数百年の時を経て、失われた文明の力を借りた北方の小国が「ゲルミリア帝国」を名乗り、世界の覇権を狙い始めていた。ゲルミリア帝国の辺境都市で神殿の下働きをしている少女シリンは、かつて滅ぼされたジャンスー族の生き残り。特異な見た目のジャンスー族であるがゆえに虐げられながら暮らしている。そんなある日、神殿に奉納されている「水の剣」に触れられることに気づく。「水の剣」は、あらゆる生命を凍らせるという呪いの剣。それなのに、なぜ触れることが出来るのか……。また、時を同じくして、異国の青年エニシテと出会う。魔獣師で機械化された義手を持つエニシテは、ある野望を胸に抱いていた。「水の剣」を扱うことのできるシリンに、「帝国」を脱出しようと誘うのだが……。剣と魔獣と砂の世界で、少女の戦いと冒険が始まる…! -
出羽三山殺人事件
大手食品メーカーにかかってきた突然の脅迫電話がかかる。「明日の二時までに十億円を用意しなければ、菓子を食べた人が死ぬ」 現金を輸送するため者として、犯人に指名されたのは、営業部員の三崎だった。 三崎と社長室員の小舟春美は、東京から山形の月山へ現金を車で運ぶことになった。 途中、同行していた小舟春美が姿を消してしまう。彼女の捜索のさなか、地元警察は出羽三山神社裏で男の死体を発見する。 事態は脅迫事件に殺人が加わったことで混沌とし、三崎までもが疑われてしまう。 三崎は自らの潔白を証明しようとするが、彼には後ろめたい過去があった。 東北の霊山で、過去と現在が交錯し、欲と裏切りが入り組む。息詰まる展開がつづく長編山岳ミステリー。 -
月の虹
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新聞記者の瀬尾は、取材先でバイトをしている大学生・静音に出会い、美しい容姿と明るい性格に惹かれる。いつしか付き合い始めるようになった二人だが、瀬尾が企業間の合併をめぐる熾烈なスクープ合戦に巻き込まれている間に、静音の心は徐々に“壊れ”ていく。そこには瀬音の知らない、静音と母親との葛藤があった……。 -
私も燃えている
ユニークな自我に生きる女流作家の宇女子と、美しく聰明な姪の千晶を中心に、2人が同時に愛する若い原子物理学者の香取耕二、千晶の婚約者である医師の宇津木努、江戸趣味に生きる洒脱な美術評論家・市島克衛、繊細な心情を持つ理論物理学者・小坂部、千晶の父の病院長・弥曾次、母の類子、宇女子ファンの芸者・小千代など、さまざまな恋の姿と、綾なす人間群像が描かれる。この作品は、著者の男性観・恋愛観のすべてを注ぎ、個性的なリアリティを持った円熟の筆に、恋の虚飾と真実を、見事に凝縮し、彩りゆたかに描きつくしている。豊麗な大河の魅力を思わせる傑作長編。 -
太陽の子 GIFT OF FIRE
1945年の夏。軍の密命を受けた京都帝国大学・物理学研究室で、原子核爆弾の研究が進んでいた。若き研究者・石村修が実験に没頭する日々のなか、建物疎開で家を失った幼馴染の朝倉世津が修の家に居候することに。時を同じくして、修の弟・裕之が戦地から一時帰郷し、久しぶりの再会を喜ぶ3人。ひとときの幸せな時間のなかで、戦地で裕之が負った深い心の傷を垣間見る修と世津だが、一方で物理学に魅了されていた修も、その裏にある破壊の恐ろしさに葛藤を抱えていた。そんな二人を力強く包み込む世津はただ一人、戦争が終わった後の世界を見据えていた。死への恐怖や未来への希望、それぞれの想いを受け止め、自分たちの未来のためと開発を急ぐ修と研究チームだが、ついに運命の8月6日が訪れてしまう。戦争に翻弄されながら、未来へ向かう若者たちの青春グラフィティ。柳楽優弥×有村架純×三浦春馬×監督:黒崎博 映画ノベライズ! -
その本の物語
ずっと友達でいられると思っていた。なのに約束を破ったのはわたし――。病院のベッドで眠り続ける、かつての親友・沙綾のために、きょうも朗読を続ける南波。それは二人が子どもの頃に好きだった魔女の子のお話だった。遠ざけられても、裏切られても、なお魔法の薬で人々を癒そうとした風の丘のルルー。大好きだったこの物語が、あなたを呼び戻してくれたら。今を生きる十代の女の子と、本の中の冒険が響きあう、遥かな魂の物語! -
いたずら人形チョロップ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 いたずらを考えるのが大好きなおばあさん、イタズ・ララさんがバザーのために作った人形チョロップは、いたずらが大好き! バザーで売れ残ったチョロップは、一家そろって気むずかしいキムヅカ家にもらわれていきました。チョロップが犬のシロと組んで、毎日、キムヅカさんたちにいたずらをしかけているうちに、キムヅカさんたちに少しずつ変化が・・・。そしてある日、イタズさんがキムヅカ家に遊びにくることに! -
グリム童話
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 世界で愛されるメルヘンが児童文庫で登場! 百年以上もの間、世界中の人たちに読みつがれているグリム童話。「物語」のほんとうのおもしろさを伝える1冊です。 -
黒部渓谷殺人事件
残業で帰宅が遅くなったときのために、自宅とは別にアパートを持つ――。 妻の承諾のもと、遠距離通勤しているサラリーマンにとっての夢のひとつを叶えた銀行マンの相原亮介だったが、一本の恐ろしい脅迫電話がかかってきた。その電話の主は、相原が別宅でもあるアパートに部下の女子工員を連れこんでいた秘密を知っていたのだ。 バラされたくなければ山に登れ。脅迫者はなぜか、山に登れと命令してきた。相原は銀行マンとしての立場を守るため、平和な家庭を守るため、脅迫者に従ったが……。 エリート銀行マンの夢が、どこで悪夢となったのか。人生の破綻にスポットを当てた異色の山岳ミステリー! -
瀬戸際のハケンと窓際の正社員
「本を作りたい」という長年の夢を叶えたくて、出版社にばかりエントリーしていた岩城澪。だけど就活の結果は玉砕続き。誰もがやりたい仕事に就けるわけじゃない。やりたくなくはない仕事の中から、自分にできそうなものを選ぶ。そう自分に言い聞かせ、派遣の事務として働いてきた。なのに派遣切り――。社会の難易度どうなってんの!? 生活のためまた別の派遣で働くことにしたものの、なぜか不動産営業として新築タワーマンションを売る羽目に。さらに唯一の社員は窓際族でまったく頼りにならないことが発覚…! あてにならない窓際社員と力を合わせず、澪はなんとか自力で契約を勝ち取ろうとするが……!? 就職できなくても、人生は終わってくれない。崖っぷちハケン社員の営業奮闘記。 -
とにかくウツなOLの、人生を変える1か月
幸せって何なんだろう……。慢性的な倦怠感を抱く20代後半のOL奈緒が出会ったのはメンタルジムのカウンセラー・ヒカリ。「頭の中を変えるためには言葉を変えればいい」「運を落とすのは迷いなの」「幸せとお金を切り離して考えられない限り幸せにはなれないわ」。仕事に恋にお金、人間関係、ダイエット……人生にまつわる悩みが尽きない奈緒がヒカリの言葉で変わっていく! 今をしなやかに生きるヒントが詰まった応援小説。 <目次> プロローグ メンタルジムとの出会い 1 心と体のダイエット 2 仕事のやりがい 3 時間の余裕を作るには? 4 お金に振り回されないために 5 人間関係は変えられない!? 6 恋の第一歩とは、自分を愛すること エピローグ カウンセリング最終回 -
ジ エンド オブ ザ ワールド The End of the World
中東で起こった戦争をきっかけに世界各地で核爆弾が炸裂。 避難したシェルターの中で、母も父も、弱って死んでいった。 シェルターに一人残された少年。 そんな時に無線機が受信したか細い声。 少年たちはどうなったのか?(表題作) 卒園6年後に行われた幼稚園の同窓会、そういえばあの時……だんだん全員が思い出しはじめたあの子のこと。 (「六年目のクラス会」) 刊行当時に衝撃を呼んだ、那須正幹の名短編10編がよみがえる。 -
蛇淫の殺意
ひどい宿酔で午後3時過ぎに目覚めたとき、探偵の秋津慎平は自分がラブホテルの一室にいることに気づいた。隣には全裸の見知らぬ女が。女と淫蕩な時間を過ごした後、依頼人が待つ日比谷のシティホテルに赴いた。今回の依頼人は女優の伊吹杏子。盗まれた前衛美術家の作品を元の美術館に戻してほしいという仕事だった。たいして難しいことではないと思ったが、美術品を戻した後すぐに男たちに襲われてしまう。しかも伊吹杏子の家出した娘の捜索まで依頼されたことで、大きな謎に立ち向かうことになる。息詰まるサスペンスとエロス。上質のハードボイルド、ハードサスペンス長編! -
桜大の不思議の森〈新装版〉
昔はどこにでもあった少し不思議で大切な何か、 そんな何かを思い出させる優しさあふれる日常物語。 不思議と感動がいっぱい。 都会から遠く離れ、豊かな自然に囲まれた黒沼村。 村の傍にある森の奥には〈禁忌の場所〉があったが、 村人たちは森を愛し、そこにおわす神々の存在を信じていた。 村で生まれ育った中学生の桜大(おうた)も、不思議なできごとをいくつも体験してきた。 「センセイ」と呼ばれている謎の男に導かれ、桜大が森で見出すものとは--。 日本の原風景を鮮やかに描き出す、優しく心温まる物語。 〈目次〉 四季うつり センセイ あとがき -
京都スタアホテル
“運命が変わる”おもてなしを、あなたに。 創業・明治三十年。老舗ホテル「京都スタアホテル」の自慢は、フレンチから鮨まで、全部で十二もある多彩なレストランの数々。 そんなホテルでレストランバーの支配人を務める北大路直哉は、頼れるチーフマネージャーの白川雪と、店を切り盛りする一流シェフや板前たちとともに、今宵も様々な迷いを抱えるお客様たちを出迎える――。 仕事に暮らしと、すれ違う夫婦が割烹で頼んだ「和の牛カツレツ」。結婚披露宴前夜、二人で過ごす母と娘が亡き父に贈る思い出の「エビドリア」……おいしい「食」で、心が再び輝き出す。 『極みの京都』『鴨川食堂』でおなじみ、京都を知り尽くした著者が描くハートフルストーリー! -
さんかく窓の外側は夜 映画版ノベライズ
「私といれば怖くなくなりますよ――。」 書店で働く三角康介は、幼い頃から霊が見える体質に悩まされていた。 恐ろしい姿をした彼らが恐ろしく、人間と幽霊を区別するためメガネが手放せない。 ある日、書店に冷川理人と名乗る男が訪れる。 「私といれば怖くなくなりますよ」という言葉に心を動かされ、三角は冷川の“仕事”を手伝うことに。 だが、あるバラバラ殺害事件に関係する霊が、祓われる際に恐ろしい言葉を残す。 「ヒウラエリカに騙された」 ヒウラエリカとは何者なのか? なぜ、霊を“騙し”ているのか。 3人の“運命”が交わる時、東京中を巻き込む大事件が起きる。 -
大コメ騒動 ノベライズ
映画『大コメ騒動』を完全ノベライズ化! 「コメを旅に出すな---!」 時は1918(大正7)年、富山県の貧しい漁師町で起こった「米騒動」。井戸端から社会を変えた、日本の女性が初めて起こした市民運動といわれる騒動で活躍したおかか(女性)たちの奮闘ぶりを臨場感たっぷりに描き出す“大痛快”エンタテイメント映画『大コメ騒動』(監督・本木克英、主演・井上真央。2021年1月8日より全国公開)を完全ノベライズ化! いつも周りの目を気にしているが、日に日に米が値上がりし、追い詰められる中で、諦めるばかりでは何も変わらないと自覚し、やがて騒動を引っぱっていく存在となる松浦いとを演じるのは井上真央さん。そのほか豪華な俳優陣たちが演じる個性的な富山のおかかたちの奮闘ぶりを小説で活写します。 おかかたちは、どうする? どうなる? 命の源であるコメを守れるのか? 子供たちを、家族を、守りきれるのか!? ぜひおかかたちの活躍ぶりを映画で、ノベライズで、見届けてください。 -
時の報酬
ブティック七店とレストラン三店を経営し、不動産業にも手を出している凄腕の経営者・池沢久夫に、不気味な電話がかかってきた。 相手にしなかったが、その得体のわからない相手は、ブティックに現れ、店員にわかるように万引きをした。 単なる万引き犯でないことは明らかで、池沢は急ぎ、店に向かうことにした。案の定、万引き犯は見知った顔、武原耕司だった。 武原の出現は、池沢にとってやっかいだった。凄腕の経営者になるためのとっかかりの金の工面に、武原は深く関わっていたのだ。 池沢はネチネチと絡んでくる武原に、どうやって対処するのか。男としての本当の真価が何かを問う! -
不倫の報酬
義母が亡くなった。北軽井沢の林道に駐めた車の中で。自死というが遺書はなかった。 義母と秘かに深いつながりのあった息子は、義母の自死に納得できず、行動に出た。真実を突き止めることが義母への愛の証だという思いもあった。 母には、家族には秘密があることがわかった。莫大な借金、そして不倫。だとしても、納得できない。息子はさらに行動した。 本書は、自死の母について、義理の息子、不倫相手、そして息子と関係をもった義妹、それぞれの視点から描く。構成の妙に加え、官能を色濃く敷き詰めることで、それぞれの身勝手さを浮き彫りにし、ひとりの女の自死の不条理さを浮き彫りにする。見事な作品。 -
骸の街
工場経営者の森健に次々と不幸が襲い掛かる。人生のどん底。不況の煽りを受けて経営していた会社は傾き、妻は出入り業者と不倫、そして離婚。最愛の一人娘は夜道で通り魔に刺殺されてしまう。町工場は金策も尽きてついに倒産。 生きる気力を失った森は、「どこの誰ともわからないまま死にたい」と南房総の海べりの街にたどり着く。酒浸りの日々。 絶望の日々を送る森の前に、ある雨の夜、ずぶ濡れの女が現れた。自殺を試み、死にきれなかったホステスの浅倉夏子だ。 生きる望みを失くした2人は、互いに激しく体を求め、むさぼり、惹かれていく。 だが、夏子は地元の有力者に金で買われた「性の奴隷」だった。その男は地元やくざと手を組み、警察も手名付けていて、誰も逆らうことができないアンタッチャブルの、絶対的な存在だった。 森は女のために自分の生きる証を求めるために、命を賭けて街の黒幕に向かっていく――。男の激情が渦巻く長編ハードロマン。 -
倉敷・宮島殺人回廊
冷たい雨の降り続いていた上高地のホテルに、全身びしょ濡れ顔面蒼白の女性が2人転がり込んできた。 事情を聞くと、5ヵ月前に岳沢で雪崩に巻き込まれて死亡した早坂竜次の追悼のためにやってきた、彼の娘と妻の妹だという。そして、一緒いたはずの、妻の知恵、さらには同行していた山岳ガイドがいなくなったという。 捜索隊は山中で首を真横に切られた知恵の死体を発見。さらに翌日には上半身黒焦げの山岳ガイドの死体が見つかり、異様な事件に発展していった。 犯人を追って、山岳事件のスペシャリスト・安曇野署の道原伝吉が動き出す。ゾクゾクする長編山岳ミステリー。 -
鹿島槍ヶ岳殺人事件
重度の腎機能障害で苦しんでいる若い女性・麻也子は、幸運にも移植手術をすることができた。 麻也子は友人の弓子にその幸運について話すうちに、臓器提供者・ドナーが気になりはじめる。そのうちに、どうやら腎臓バンクから得られたものではなく、父親の財力による闇ルートによって得られた腎臓を使った生体移植ではないかと疑いを持つ。罪悪感も日増しに強くなる。 白馬の別荘で静養する麻也子は、弓子の勧めで、私立探偵を頼みドナー探しを始める。すると間もなく、探偵・出雲が鹿島槍ヶ岳で死体で発見され、その遺志を継いで調査を始めた探偵や病院スタッフも他殺遺体で発見される。 臓器移植を巡る異色の山岳ミステリー! -
草津・白根殺人回廊
「変な男が家に上がりこんで、母を脅しています」――街の資産家と知られる家からの通報だった。 男を確保し取り調べを始めるが、のらりくらりと道原伝吉ら刑事の質問をはぐらかす。被害者の女性にも事情を聴いたが、見当もつかないという返答だった。だが、道原は犯人との微妙な食い違いが気になった。飼い犬が数日前に毒まんじゅうで殺されたことも引っかかる。それは刑事の勘だった。事情を調べるうちに30年前の不審死が浮かび上がり、一連の殺人事件にたどり着く。 道原の執念は薄皮をはがすように、事件の全貌を明らかにしていくと、そこには女三代の悲しみが流れていた。 大人気、人情刑事・道原伝吉シリーズ! -
乙女
古都・鎌倉にある、選ばれた者だけが通えるといわれる全寮制「桜の宮女学院」に、なぜか入学することになった風子。時間が止まったままのような、レトロで不思議な空気が漂う世界で、浮世離れした級友たちと過す甘美な12ヵ月――。そして次々とふりかかる試練を乗り越えながら、風子に隠された出生の秘密と入学の理由が明かされていく。その謎を解く鍵は、「秘密の花園」で出会った上級生・凪子が握っていた!? -
るんびにの子供
草が生い茂り危ないからと近づくのを禁止された池で、四人の園児たちは水から上がってくる自分たちと同じ年齢の少女を茫然と見つめていた。その後、その女の子を園でも見かけるようになり……(「るんびにの子供」)。女のヒモ生活を追い出され、悪事の果てに辿り着いた古家の老夫婦に孫だと思わせ同居する男ーー(「柘榴の家」)。妹の性格が気に入らない姉が犬の散歩で見かけた右手のみの手袋が、だんだん家に近づいてきたらーー(「手袋」)。第1回『幽』怪談文学賞短部門で大賞を受賞した「るんびにの子供」ほか『幽』に掲載された「獺祭」、書下ろし作「狼魄」を含めた怪談作品を7篇を収録。待望の文庫化。 解説は『幽』怪談文学賞で選考委員を担当された岩井志麻子氏。
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