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レーモン・クノー 〈与太郎〉的叡智
与太郎は、ほんとうに馬鹿なのか? 馬鹿げた話やデタラメな話を「与太話(噺)」というが、これは古典落語にしばしば登場する〈与太郎〉から来ている。与太郎とは、定職にもつかずブラブラしていつも失敗ばかりの粗忽者、なのになぜかのんきで楽天的なお調子者といったところか。 フランスにも、この与太郎キャラを描くのが抜群に巧い作家がいる。レーモン・クノー(1903-76)である。代表作は映画化もされたスラップスティック・コメディ『地下鉄のザジ』や、たった一つの出来事を99通りの文体で書き分けた『文体練習』など。実験的文学集団「ウリポ」の中心的メンバーとしても知られ、ガリマールの『プレイヤード百科事典』の監修責任も務めた。 深刻ぶったり難解ぶったりするのが大好きなフランス現代小説において、しかも第二次世界大戦前後という切実な時代に、知の巨人のようなクノーは『わが友ピエロ』、『ルイユから遠くはなれて』、『人生の日曜日』といった作品で、「世の中ついでに生きている」ようなのんきな男たちを次々に創り出した。それはいったいなぜか──。クノー小説における愛すべき〈与太郎〉たちを通し、我々の通念を揺さぶる「知」や「真実」を問う。 -
レーモンドさんの小さな家
婚約者の両親と初めての顔合わせで緊張する美里は、自分が苦手なもののせいで、両親を嫌な気持ちにさせていないかと不安になってしまう。どうすれば自分らしくいられるのかと悩む美里は、東京タワーを写真に撮ろうとしているのか、四苦八苦している青年に出会って言葉を交わす。彼が敬愛するレーモンドさんという建築家が手掛けた「ここにいていいよ」と言ってくれるような場所と聞いて、聖オルバン教会に足を踏み入れた美里は、張り詰めていた気持ちがふっとやわらぐのを感じる(「風が見える教会」)。ピアニストの道を諦めた良治は、娘が楽しくピアノを弾くのをいつも見守っていた。娘のコンクールの下見のため、娘とその友人を連れて音楽センターを訪れた良治は、娘の思いがけない言葉を耳にしてしまう。そんな中、建物そのものに感激している不思議な青年に出会って――(「ホールに満ちる生命の息吹」)。自然との調和を大切にした建築家アントニン・レーモンドの造った場所は、時間を超えて人々の「居場所」となっている。本当に大切なものに気づかせてくれる温かな短編集。 -
艪
壺井栄はダメ男をいい男に描くのが巧い 小学校を普通は6年のところを8年皆勤したボンヤリ茂一は卒業すると、漁師の父親と海へ出て行った。 嫁は二度きたが交わり無くいなくなる。身体は大きいが、人と交わるのも争うのも下手な引き蘢りな茂一。 母親キシは40を超した茂一にどうぞ嫁をと願うのだが。 【著者】 壺井栄 香川県小豆郡坂手村(現内海町坂手)生まれ。 坂手郵便局や役場勤務後、同郷の壺井繁治を頼り1925年に上京。以後東京。 1941(昭和16年)『暦』が第4回新潮社文芸賞を受賞。 1955(昭和30年)『風』で第7回女流文学者賞を受賞。 『母のない子と子のない母と』で第2回芸術選奨文部大臣賞を受賞。 1954(昭和29年)映画「二十四の瞳」(木下恵介監督、高峰秀子主演)が公開され、全国的ヒットとなり、小豆島と壺井栄の名が一躍クローズアップされる。 -
Row&Row
漕げよ、漕げ(ロウ・アンド・ロウ)、 あなたの舟をーー 夫婦の歪みと「再生」を高解像度で描く、デビュー30年にして到達した恋愛文学の極致。 東京の広告代理店に勤める43歳の涼子は、3歳年下で美容師の夫・孝之と結婚して13年。毎日の生活にうっすら不満を抱えつつ、表面的には凪いだ日々を送っていた。ところが、20代の美登利を美容院のアシスタントとして招き入れたことで少しずつゆらぎが生まれて......。気づかぬうちに"深い川"に隔てられた二人は再び漕ぎ寄ることができるのか? 夫婦、そして、男と女の心理を細密に描き出した傑作長編。週刊誌「サンデー毎日」の人気連載がついに単行本化! -
廊下に植えた林檎の木
世界文学の極北〈残雪コレクション〉開幕! ぼくの家族はみな他人にはいえない秘密をもっていた。変わり者で、リュックを背負い、甲羅をつけた昆虫を思わせる父親。夜は姿を消し箱の中で眠るという母親は、皮膚に針を刺して水を絞りだす。喘息を治すためミミズを食べる妹は横暴で、ぼくを馬鹿にしきっている。二階の住人で妹の婚約者は医者にも探偵にもなり、天井に貼りつき床を這いまわる。廊下に住む檳榔(びんろう)売りの女は実は叔母で、かつて父と密通していたらしい。異形の家族の奇妙な日々と、鳴りわたるような孤独を超現実的手法で描き、作者が「難解ではあるが、とりわけ好きな作品」と語る表題中篇。夜、草地の外れに建つ家にたどりついた〝わたし〟が陥るカフカ的な不条理状況を綴った「帰り道」。ある日、母親がたらいの水に溶けてしまう「汚水の上の石鹼の泡」ほか全五篇。付録として「残雪との対談」、近藤直子「夜の涯の家――「帰り道」を読む」を併録。 -
老害の人
迷惑なの! と言われても。 昔話に説教、趣味の講釈、病気自慢に孫自慢。 そうかと思えば、無気力、そしてクレーマー。 双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。 彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、老害五重奏(クインテット)は絶好調。 「もうやめてよッ」福太郎の娘・明代はある日、たまりかねて腹の中をぶちまけた。 『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く著者「高齢者小説」第4弾! 定年、終活、人生のあとしまつ……。 自分のこと、親のこと、いずれは誰もが直面する「老後」。 「最近の若い人は……」というぼやきが今や「これだから『老害』は」となってしまった時代。 内館節でさらなる深部に切り込む! -
老人と犬
『少年と犬』(第163回直木賞受賞)馳星周氏絶賛! 「人は犬にいかに癒されるか。ケッチャムは暴力と流血の中でその事実を綴る」 『隣の家の少女』『オフシーズン』に次ぐ、待望の復刊! 老人が愛犬と共に川釣りを楽しんでいる。そこへ少年が三人近づいて来た。中の一人は真新しいショットガンをかついでいる。その少年が老人に二言三言話しかけたかとおもうと、いきなり銃口を老人に向け金を出せと脅した。老人がはした金しか持っていないと判るや、その少年は突然、銃を犬に向けて発砲し、頭を吹き飛ばした。愛犬の亡骸を前に呆然と立ち尽くす老人。笑いながらその場を立ち去って行く少年たち。あまりにも理不尽な暴力!老人は“然るべき裁き”を求めて行動を開始する。 -
老人と海
巨匠の遺した永遠の名作――画期的新訳 ※本コンテンツは文春文庫『老人と海/殺し屋』(2025年1月4日刊行)のために訳し下ろされたもののうち、「老人と海」のみを収録しています。 老漁師はひとり、海に漕ぎ出した。やがて一匹の大魚が針にかかり、大海原での孤独な戦いがはじまる――。ノーベル文学賞受賞作家の不朽の名作の画期的新訳。 あの魚を殺したのは自分が生きるためだとか、売りつけて儲けるためだとか、そんな話じゃないんだ。俺があいつを殺ったのは矜持からであり、俺が漁師だからだ。俺はあいつが好きだった、奴が生きていた時も、そのあとも。(本文より) -
老人と海
老漁師サンティアーゴには、もう84日間も釣果がなかった。幼い頃から老人の見習いをしていたマノーリンは、一人前の漁師となったいまも老人を慕い、生活を気づかう。老人はそんなマノーリンをたのもしく思いながら、まだ自身のプライドも捨ててはいなかった。 翌朝、ひとりで漁に出た老人の釣縄に、巨大なカジキがかかる。そこから、老人とカジキの命を賭けた闘いが始まった。不眠不休の極限を超える死闘のなかで、老人は次第にカジキへの畏敬の念と、強い絆を感じるようになっていく。やがて運命の瞬間が訪れ、満身創痍となった老人に、しかし海は、さらなる試練を課すのだった――。 簡潔な文体と研ぎ澄まされた表現で、大いなる自然と自らの人生に対峙する男の姿を力強く描きだす、ヘミングウェイの最高傑作。 -
老人と狩りをしない猟犬物語
南アルプスの荒涼とした岩山を中心に、ひとりの老猟師が“荒野の王者”と名付ける三頭の獣が棲息していた。巨大な犬鷲、狂猛な巨熊、長大な牙を誇る猪……老猟師は、いつしかすべての王者たちと闘う日が来るとは思っていた。が、とりわけ怨敵と考えていたのは、可愛い嫁や孫をはじめ猟犬の“隼”までも鋭爪にかけた巨熊だった。そんな折、老猟師は一匹の仔犬を拾い、二代目“隼”と名付けた。王者たちとの対決の日は刻一刻と近づいてくる……。最後の闘いに残り少ない命を燃やす老猟師と、一匹の犬との交流を描き、生命の不思議と悲しさを謳い上げた壮大なドラマ。作家・西村寿行の幻の処女長編であり、原点ともいえる名作。 -
老人賭博
第142回芥川賞(2009年)候補作。 コメディ映画だけが救いの若きマッサージ師・金子堅三は、客として出会った映画監督・海馬五郎に「弟子入り」することに。はじめての撮影現場は、北九州のさびれたシャッター商店街だった。そこでスタッフやキャストが退屈しのぎにはじめた賭けは、78歳にして初主演の老優・小関泰司のNG回数を当てるというものだった……。 賭けねば、へたれだ。逃げ場はない! 北九州のシャッター商店街が心ない賭博のワンダーランドと化す──。映画撮影に打ち込む人々の心の黒さと気高さを描く爆笑&涙の小説。 解説・ケラリーノ・サンドロヴィッチ -
老人ホーム 一夜の出来事
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この商品は、作品の内容を鑑み、固定レイアウト型で制作した電子書籍です。文字だけを拡大することができませんので、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できませんので、ご注意ください。また、お読みになる端末で無料サンプルをお試しいただいた上でのご購入をお願いいたします。※ある老人ホームの一夜。八人の老人と一人の寮母。食事と作業とお楽しみ会……。体力も知力も異なる八人の老人たちと寮母に、時は等しく流れる。登場人物九人の同時進行小説。同じ場面のそれぞれの行動、意識(があれば、だが)が、各人に割り当てられた章の同じページ、同じ行に浮かび上がる。傑作実験小説!/解説=若島正 -
浪人左門あやかし指南 全4冊合本版
酒と怪談を愛する剣客が“この世の不思議”に対峙する。「時代×怪談×ミステリ」で話題をさらった第38回メフィスト賞受賞作。 酔いどれ左門は腕が立つ。 酒より好きなものは怪談ばなし。 甚十郎も腕こそ負けぬが、こちらは怖い話は大の苦手。 10年前、家老が闇討ちされた霧深い城下で「女の幽霊を見た者は死ぬ」という噂が。 ふたたび家老闇討ちに巻き込まれた甚十郎は、城下の寺で女を見てしまう。 (『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』) 『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』『百物語 浪人左門あやかし指南』『無縁塚 浪人左門あやかし指南』『狐憑きの娘 浪人左門あやかし指南』全4冊合本版 -
浪漫疾風録/星になれるか(合本)
翻訳ミステリ雑誌『EQMM』編集長を経て日本におけるハードボイルド小説の先駆者となった直木賞作家の自伝的実名小説。 一九五六~六四年の疾風怒濤の編集者時代を描いた『浪漫疾風録』と、『傷痕の街』でのデビュー後、六四~七八年の綺羅星のような作家たちの交遊を描いた『星になれるか』の合本。 ■目次 ◎『浪漫疾風録』 地獄へようこそ/悪戦苦闘/汗みどろの日々/粋で貧乏で/色やら恋やら/走り出す人々/ミステリ戦国時代/さらば編集者/あとがき ◎『星になれるか』 星になれるか/面白き罪/バンコク有情/ドリアンの謎/モンスターの尻尾/独り砂漠を/甘美なる腐敗/回帰への終章 -
老令嬢探偵の事件簿
【1910年、ハレー彗星の降る夜。誰が子爵を殺したか?】 面白すぎて発売前に14ヵ国が版権取得!! 79歳の老令嬢と少年院帰りの召使いが挑む。 フーダニット×孤島×密室×貴族の館=どんでん返しの連続殺人!? 解説・若林踏 【誰が子爵を殺したか? 容疑者リスト】 No.1 エドウィン ケチな下院議員。 No.2 ミスター・ストークス 優秀な執事。 No.3 レティス 子爵の従姉(いとこ)。 No.4 ジョリオン 大酒飲みの海軍少将。 No.5 ミュラー教授 ドイツ人科学者。 《探偵チーム》 ミス・デシマ 79歳の毒舌老令嬢。 スティーブン 少年院帰りの召使い。 テンペランス 泣き虫メイド。 《ロンドン警視庁》 ジャーヴィス警部 【あらすじ】 1910年の英国。少年院帰りのスティーブンは謎の手紙に導かれ、孤島の館で従僕(じゅうぼく)として仕えることに。 その日は奇(く)しくもハレー彗星が地球に到達する日で「毒ガスが広まり、世界が終わる」と騒動が起きていた。主の子爵は館中の窓や扉を板で密閉させ、スティーブンに嫌われ者の老令嬢デシマの世話を任せる。 その夜、事件が起きる。子爵が書斎で殺されたのだ。犯人は誰(フーダニット)? 面白すぎて発売前に14ヵ国が版権取得した超期待作! The Murder at World's End by Ross Montgomery カバーイラスト/原田俊二 カバーデザイン/鈴木成一デザイン室 -
六月の薄化粧
あれこれ、流れ落ちていく だから、薄化粧 一緒に暮らしている男女がいる。 女性はケーキ教室のアシスタントを務め、 男性は予備校および学習塾の講師であり、 同時に田舎にも家を借り、彫金を試みようとしたりしている。 一緒にいても屈託や軋轢の見られない2人だが、 それはいつもこの2人がビールを飲んでいるからではないか? と思えてくる。 それほどこの短篇小説は全編、ビールのことが描かれている。 雨や海岸で濡れることなど、水にまつわるシーンも多いが その傍らをいつもビールが流れていく。 これは、「水に流す」ではなく、ビールに流す小説だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
六月のカラス 地下廃駅ホーム殺人事件
東京の原宿、午前四時。始発直前の地下鉄・表参道駅の線路上で、カラスについばまれた無惨な男の刺殺体が発見された。前夜終電後、シャッターに閉ざされて完全密室となった駅構内での殺人事件だった。地下鉄開業以来六十余年、前代未聞の出来事に、営団首脳部はエリート広報課員・藤林を警察に派遣、捜査の協力にあたらせた。地下の鉄道網に精通する藤林は、構内に入り込んで死体に群がり、そして忽然と消えたカラスに着目、事件解明の突破口をつかむ。だがその矢先、地下鉄・日本橋駅で第二の殺人が……。長篇ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。 -
六月の雪
夢破れた30代の将来への不安、認知症がはじまった本人と周囲の驚愕。 いまの日本の現代的なテーマと、台湾と日本との現代史がからみ合う、乃南アサ台湾ものの決定版! 30代前半、独身の杉山未來は、声優になるという夢に破れ、父母、妹、弟と離れ、祖母・朋子と東京でおだやかな二人暮らし。 ある日、祖母の骨折・入院を機に、未來は祖母が台湾うまれであることを知る。 彼女を元気づけるため、未來は祖母ゆかりの地を訪ねようと台湾へと旅立つ。 ところが戦前の祖母の記憶はあいまいで手掛かりが見つからない。 そこで出合ったのはひと癖もふた癖もある台湾の人たち。 台湾が日本の植民地であったこともぼんやりとしか知らない未來は、中国国民党に蹂躙された台湾の人々の涙を初めて知る。 いっぽう、朋子は認知症を発病し、みずからの衰えに言いようのない恐怖を覚えていた。 それに追い打ちをかける、朋子の遺産目当ての実の娘、真純(ますみ)の突然の出現……。 未來は祖母のふるさとに辿りつくことができるのか。 朋子の衰えに、未來は間に合うのか。そして長い旅路の果てに、未來が下した重大な決断とは……。 『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』と続く著者の台湾ものの、決定版とも言うべき感動巨篇。 ※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
六色の蛹
昆虫好きの心優しい青年・エリ沢泉(えりさわせん。「エリ」は「魚」偏に「入」)。行く先々で事件に遭遇する彼は、謎を解き明かすとともに、事件関係者の心の痛みに寄り添うのだった……。ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、銃撃事件の謎を探る「白が揺れた」。花屋の店主との会話から、一年前に季節外れのポインセチアを欲しがった少女の真意を読み解く「赤の追憶」。ピアニストの遺品から、一枚だけ消えた楽譜の行方を推理する「青い音」など全六編。日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞を受賞した『蝉(せみ)かえる』に続く、〈エリ沢泉〉シリーズ第3作!/【目次】白が揺れた/赤の追憶/黒いレプリカ/青い音/黄色い山/緑の再会/あとがき
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