小説・文芸 のおすすめレビュー
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ブックライブ書店員
ドラマ化決定で話題。これは著者が経験している本当の話。同じ大学に通う青年と交際を始めた主人公・こだま。だけど、何をどうやっても彼の性器が入らない。いつか入ることを夢見ながら、入らないまま二人の絆は深まっていく。18歳だった私は38歳になり、兄弟のように植物のように安心で清潔な暮らしを営むのもいいと思えるようになった。セックスをするのは当たり前?結婚して子供を産むのは当たり前?「普通」というイメージに当てはまらない幸せが、ここにある。心も体も痛い描写がたくさんありますが、痛みをユーモアに変換して生きていく強さを感じます。衝撃的なタイトルを上回る、新しい視点をもらえる作品。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
後宮の奥深くに住みながらも夜伽をしない特別な妃、「烏妃」。彼女は不思議な術の使い手で、頼まれれば依頼者の差し出す代償と引き換えに、呪殺、祈祷、失せ物探しと何でも引き受けてくれるという。そんな彼女のもとへ、あるとき皇帝がやってくるところから始まる、中華風ファンタジー兼ライトミステリー小説。
コバルト文庫出身の作家だからなのか、少女小説のような雰囲気もあってとても読みやすいです。硬質な烏妃の姿と言葉が非常に印象的で、美しい表紙イラストと相まって、あっという間に本の世界に引き込まれます。また、どの巻も連作の短編で構成されており、いずれのお話も謎解き短編として充分楽しめますが、共通して描かれる烏妃と皇帝のささやかな交流が二人の孤独をかえって際立たせているようで、大きな伏線と思われる二人の関係とそれにまつわるさまざまな謎とともに、先が気になってつい読み進めてしまいます。個人的には、衣装や風景を表現する作家の文章力を強くアピールしたい! ぜひ読んでみてください。2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
みなさんは正夢を見たことがありますか?
正夢は、自分の現実における記憶に基づいて、脳が錯覚を起こしている状態だそうです。
みなさんの夢は白黒ですか?それともカラーですか?
年配の方であればあるほど、夢は白黒と聞いたことがあります。
現代の若者は特に、テレビ等も含めほぼすべての経験をカラーでします。
このように、夢は現実で起こった様々なことに起因して、脳が見せているものなのでしょう。
また、夢十夜で語り手が見た夢は非日常的な世界でありながら、日常に溢れている人間の醜い部分をとても繊細に描いてあります。
「長いあいだ大空を落ちている間に、角が取れて滑らかになったんだろうと思った。」
「堪えがたいほど切ないものを胸に盛れて忍んでいた。」
「ただ背中に小さい小僧が食っ付いていて、その小僧が自分の過去、現在、未来をことごとく照らして...」
人間味のある短編集をお好みの方は是非一読ください。2022年07月20日 -
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水川あさみ主演ドラマで話題。中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞の衝撃恋愛小説。主人公の奈津は、主に4人の男と関係を持ちます。面倒だけど優しいところもある夫・省吾、自信家で大人の演出家・志澤、穏やかで優しい学生時代の先輩・岩井、好みではないはずなのに何故か惹かれてしまう役者・大林。同時に4人と関わるのではなく、常に好きな人は一人というところが女性の特性なのかも。(移行期は交錯しますが……) 心も体も満たされたくて、妥協せず彷徨い続ける奈津の姿は、濃厚な官能表現がありながら、力強く清々しくもあります。かつて恋をしていた人にも、いま恋をしている人にもオススメしたい大人のための小説。
2022年07月20日 -
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実践的恋愛小説!
主人公の渡辺は彼女に振られ自暴自棄になっている非モテ。ある日仕事で知り合った永沢さんに恋愛工学の手ほどきを受けて、次々と女性を口説けるようになるが。イエスセット、バックトラックなど、恋愛工学の手法はカタカナ語が多く、大げさ感があって、必殺技みたいでいちいちかっこいい(笑)全ての女性に恋愛工学が効くとは思わないが、作中に出てくる女性の恋愛に求める価値観の定義が正しいとするならば、論理的かつ合理的で、たまにハズす、あらゆる手法は説得力がある。でも、実践するがどうかはあなた次第です。(非モテのおっさん)2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
ベストセラー『大人の流儀』シリーズより抜粋して編集されています。淡々とした優しい文章で、幼いころから現在まで、様々な場面での出逢いと別れが書かれています。親しい誰かを失うことは、誰もが体験しうることであり、身を切られるような悲しい気持ちになります。著者自身もそのような悲しみを感じながら、その一方で、生きていること、出逢えたことの素晴らしさも語ってくれます。家族、著名人、偶然に関わった人も含め、様々な人々とのエピソードは、私たちは一人ではないということも教えてくれるのです。心を支えてもらえるような一冊。
2022年07月20日 -
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タイトルからは想像もつかないが、ビジネスにもためになる!金言満載の自叙伝です。
いい女を抱くため、それだけのために金を稼ぎ、使う、究極のミニマリストともいえる著者。最初のビジネスであるコンドームの訪問販売⁉︎は緻密なマーケティングとニッチを攻める嗅覚に脱帽です。さらに、実演販売をするくだりは笑いなしには読めません!
こんな人いるんだ!という驚きと、人生の立志伝として素晴らしく夢にあふれたノンフィクションの傑作です。2022年07月20日 -
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有村架純主演で映画化決定!過去に戻れる喫茶店を訪れた女性たちの、愛情と後悔、過去と未来の物語。登場人物は、結婚を考えていた彼氏と別れた女性、記憶が消えていく男と看護師、家出した姉とよく食べる妹、この喫茶店で働く妊婦。彼女たちには、「過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない」というルールがあっても、それでも過去に戻りたいほど会いたい誰かがいます。過去は変えられないけれど、未来は変えられる。過去にとらわれず、思い込みを持ったまま時を過ごさず、前向きな気持ちで今会うことができる大切な人と接していきたい。そんな暖かい気持ちにしてくれる作品です。
2022年07月20日 -
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ピアノ付きの家、優しい恋人と美味しい食事。ピアニストのるり子は婚約者の宗介と幸せな暮らしを送る一方で、地に足のついた未来を恐れてもいた。その不安から、彼女はピアノを習いに来る魚屋勤務の暁生に惹かれるように。どうして一度に二人の人を好きになっちゃいけないんだろう――。やがてるり子は大きなしっぺ返しを食らうことになる。
読み始めは「こんないい暮らしで満足しないなんて贅沢な女!」と思っていました。けれど、平凡な青年である暁生がやたら魅力的に見えてきて、るり子と一緒に彼の一挙一動にドキドキするようになってしまうから不思議。浮気願望がなくても、恋愛の最初の一口の味はやみつきになるほど美味しいもの。読み終わってふと気づく、私も立派な「ぶらりぶらこ」予備軍かも…。2022年07月20日 -
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武豊はやはり凄い!
父の邦彦氏が元名ジョッキーなのは誰もが知っている通り。しかし武の曽祖父とその兄が近代日本競馬の礎に大きく関わっていたとは・・・全く知りませんでした。
ただサラブレッド同様、血統が良ければ活躍が約束されているわけではなく、努力・経験・強運を以て現在の地位を築くまでが本作に詰まっています。
スーパークリークからキズナに至る愛馬遍歴と並行し、海外武者修行(きっかけはイナリワンでG1連勝したことに対するオーナーのご褒美だった!)のエピソードが多数。やっぱり90年代の競馬は良かったなぁって、私はまだ馬券買えない年齢でしたが。
未だ謎として残る、蜜月だった社台軍団との別離に関してはもっと触れて欲しいところですが、これから関係修復の可能性もありますもんね。2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
仕事を主軸にしながら長年付き合っている彼もいて、それを改めて考えることはしていないが、充実した生活を送っていた矢先、突然彼からの別れ話。その現実を受け入れることが出来ないまま、どうにか前の充実した生活を取り戻そうと努力するけれども現実はそうはいかない。そんな状態に追い打ちをかけるように元彼の今を知った時から激情し行動し始めたことは…!!!
主人公の行動が怖すぎます。ただ、失恋したことがある女性なら主人公の感情の動きに共感できると思います。とにかく心揺さぶられ、主人公がどん底から人として再生していく過程に感情移入して、喉の奥がぎゅっとなったり、黒い何かが生まれてきたリ、心が軽くなったり・・・。本当に小説なのか!?と思うほど、リアルな恋愛作品です。2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
「あぽやん」とは、空港に勤める旅行会社スタッフのこと。旅行業界用語で「空港(Airport)」を意味する略語「あぽ(APO)」が元になっています。華やかな空港でお客様を海外に送り出す大切な仕事…のはずなのですが、実は他に行き場がない社員が異動させられる閑職になっていたのです!
上司の不興を買い空港勤務へ島流しされてしまったアラサー青年、遠藤慶太。「あぽやんだけにはなりたくない!」と本社への返り咲きを決意するも、次々と押し寄せてくるトラブルは本当に頭を抱えたくなるような難題ばかり。しかも制限時間は飛行機の出発時刻まで!遠藤はクセの強い先輩達や空港スタッフ達と一致団結し、お客様を笑顔で送り出すことができるのか?トラブルが解決した際は彼と一緒に空港内を走りまわっていたかのような達成感と爽快感を味わえます!
閑職なんてとんでもない!とってもスリリングで、ちょっと心が温まる「あぽやん」をあなたも体験してみませんか?2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
初めて『不毛地帯』を読んだとき、圧倒的な感動が胸に押し寄せ、しばし呆然としてしまいました。けして、楽しいばかりの話ではありません。戦争の話、抑留の話、友の死、そして―。
“結局、古き良き昭和の話だよねー”と言う人もいるでしょう。でも、そんな陳腐な言葉は寄せ付けないほどのドラマがここにあると、私は声を大にして言いたい!!
また、私が山崎豊子さんの作品の中で一番『不毛地帯』を好きな理由は、途中はいろいろな困難と挫折に見舞われながらも最後に「救い」があるからです。油田がねえ…。彼女ともねえ…。いかん、ここからはネタバレ!!
さてさてどんな救いなのか?は、あなたの目で確かめてください。2022年07月20日 -
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1979年11月4日。イラン革命下にて発生したアメリカ大使館占拠事件。大使館から脱出し街に潜伏した6名の職員を救出するため、CIAが取った驚きの脱出作戦。『アルゴ』はこの作戦を発案し実行した元秘密工作員が、当時を振り返って記した真実の物語です。
イランが革命に至る過程を丁寧に辿った後は、変装や身分詐称などスパイ映画のようなギミックが次々と登場。驚きの実話に惹きつけられること間違いなし!映画版とは異なり、徹底的な情報収集と事前準備について実行者本人が詳細に描いているため、先に映画を見た方もこの作戦を別角度から楽しめます!映画の再上映も行われている今、映画より先に読むか後から読むかは貴方次第。映画ファンのみならず、諜報活動・秘密工作という文字にワクワクしちゃう方、必読の一冊。2022年07月20日 -
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幼いころ、下級武士だった父の卑屈な態度を見て、「出世してやる!」と誓った小三郎は、文武に努力を重ねて階段を上がっていきます。しかし、成長を重ねるにつれ、ライバルや師と出会い、社会への視野を広げることによって伸びる力を養い、才能を認めてくれる見えない力によって「人生の長い坂道」を一歩一歩上がってきたのだと気付くことになります。
若い藩主から絶大な信頼を受け、藩政改革の主役に躍り出た時、自分が何に支えられてきたのか、誰が自分をこの地位に押し上げたのかを振り返り、出会ったすべての人が自分の血となり骨となったことに気付くのでした。
私はこの小説と出会って、男は行動しなくちゃいけない!と思い、しかし、時には回り道も必要だと胸に刻んだのでした。2022年07月20日 -
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日本でも大反響を呼んだ英国ドラマ「シャーロック」。誰もが知るあの名探偵が現代の人物だったら?という驚愕の設定と、原作小説を見事にアレンジした脚本で社会現象を巻き起こした人気ドラマの解説本が電子書籍で登場!
本書はシャーロック・ホームズの相棒ジョン・ワトソンによる捜査資料を集めたスクラップブックを完全再現したもの。ドラマの様々な場面が資料写真として掲載されているほか、特に目をひくのが資料の合間に貼られた大量の付箋!そこに記されたシャーロックの反論(ツッコミ?)から、劇中の軽妙なやり取りそのままに、彼らの知られざる日常も垣間見ることができます。
また、撮影の裏話や俳優達のインタビューも満載。ベネディクト&マーティン両ファンは必見です!その他、コナン・ドイルの原作との対比や過去の映像化作品との比較など、あらゆる角度から徹底解剖。ネタバレ満載なためドラマ未見の方にはオススメできないのですが、一度でも観た方なら大満足できる一冊!2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
どうすれば20代でこんな骨太の長編が書けるのでしょうか。そして人の人生を語れるのでしょうか。読み進めながらそのことに感動します。映画化もされましたが、活字で想像を働かせた方がよほどスケールが大きく感じられる作品です。
登場人物の背景が印象的に描かれる前半から、それが徐々にクロスしていき、それぞれの時間を経過させてイージス艦「いそかぜ」に集められていく中盤が秀逸です。そして後半では、息をのむ緊張感の中での攻防を祈るように読み進めます。
この作品を追いかけるように拉致問題が明らかになり、領土問題が頻発し、日本人は「国」が何をしてくれるのかを問うようになっていきました。軍備拡張はイージス(=盾)に成り得るのか、逆に脅威になってしまうのか、この作品を読んでから真剣に考えてください!2022年07月20日 -
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人と龍が共存し、様々な取り決めを持った大協約世界。日露戦争を彷彿とさせる戦場が舞台の架空戦記小説です。世界観や人物像、戦記物には必要不可欠な戦略・戦術が細部まで深く作り込まれ、その説得力には感嘆のため息が出るばかり。
主人公・新城直衛は、剣牙虎(サーベルタイガー)を戦力として運用する実験部隊「剣虎兵」の中尉。圧倒的な戦力差を持つ「帝国」に攻め入られ、味方の撤退支援のため敗北必至の戦いに臨まなければならなくなります。
「莫迦と勇者は命の値段が違う」「嫌だ嫌だ。凄く嫌だ。英雄なんて冗談じゃない」……主人公は冷徹かつ現実主義なのですが、だからこそ余計に戦場の苛烈さを感じさせます。
ファンタジー要素も幻想的というより現実的な描写、例えば部隊員である導術兵の主な役割は通信や索敵など、実に実際的。どこまでも最悪な状況下、それでもその中の最善を求め実行する……彼らがどう戦い、どう進み、そしてどこへ辿り着くのか。戦記が好きな方はぜひお試しくださいませ!2022年07月20日 -
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和風ファンタジーの題材としてすっかりおなじみの陰陽師。そのブームの火付け役であり、9月に市川染五郎・市川海老蔵らによる歌舞伎座公演も決定したのがこの「陰陽師」シリーズです。
平安時代の天才陰陽師、安倍晴明。その親友で音楽の才能豊かな源博雅。この二人が鬼や生霊など様々なものの怪にまつわる怪異を解き明かしていくこの物語。映画のような派手なアクションはほとんどなく、彼らは問題の怪異の原因となった人の業を探り、ものの怪達を納得させることで怪異を見事に解決していきます。
この物語の大きな魅力は、主人公二人の掛け合いが格別に面白いこと!
厄介事を頼まれ困り果てた博雅が、二人で酒を酌み交わしながら晴明に解決を依頼するのですが、その軽妙なやり取りに、自分も仲のよい友人と庭を眺めながら、美味い肴片手にお酒を舐めたくなる事間違いなし!
美しくも怪しい平安時代の余韻から抜け出せなくなりそうな不思議な物語です。2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
「もちろん俺たちのCDとか曲とかを買ってくれてたら最高だけど、お金もお小遣いも少なくなってきてる中、君はヘッドホンを買ったんだねって。音楽を楽しむためにヘッドホン買ったってだけで、好きになるね(笑)」
インタビューの中でKREVAが言ったこの一言が、今の時代がどれだけ音楽にお金を払う人が減っているのか、そしてKREVAがどれだけ音楽を愛しているのか、を物語っていると思います。
それでもこの対談では、KREVAも後藤正文も、CDが売れない現状を悲観するでもなく、冷静に分析して、『何をすれば音楽はカルチャーの真ん中に来るのか』を語っています。
音楽に対する真摯な言葉からは、ジャンルの垣根を超えたトップランナーとしての後ろ姿が見えるような気がしました。
ちなみにこちらの本は、日本人の平均可読時間から算出し、30分で読める分量となっています。通勤・通学時間に是非♪2022年07月20日
