書店員レビュー一覧:小説・文芸

  • 貴婦人Aの蘇生
    皇族の生き残りと噂される伯母、強迫性障害を持ち、儀式を行わないと入室できないボーイフレンド、剥製が住む洋館………。美しく幻想的な、小川洋子の世界観を存分に味わえるのが、本作『貴婦人Aの蘇生』。

    本作のあらすじをご紹介いたします。
    主人公の<私>の伯父には、ありとあらゆる動物の剥製を収集する趣...続きを読む
  • 流浪の月
    「せっかくの善意を、わたしは捨てていく。
    そんなものでは、わたしはかけらも救われない。」

    温かい両親の元で幸せな暮らしを送っていた家内更紗(かないさらさ)は
    ある事情で両親を失い、伯母の家に引き取られることになった。
    自分の居場所がないと感じるようになった更紗は、ある日公園で一人の青年・...続きを読む
  • 40歳を過ぎたら生きるのがラクになった アルテイシアの熟女入門
    老い(加齢)が主題のエッセイでこんなに爆笑できるとは思いませんでした…!

    JJ(=熟女)仲間の皆様が読めば「わかる!」と膝を打ちたくなる共感エピソードが盛りだくさん、いつかJJとなる若い女性の皆様へも様々な固定観念を打ち砕いてくれるパワーワードが満載です。

    若い頃に「今が一番いい時だね」...続きを読む
  • 52ヘルツのクジラたち
    52ヘルツのクジラとは――
    他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。
    その声は広大な海で確かに響いているのに、受け止める仲間はどこにもいない。
    そのため、世界で一番孤独だと言われている。

    自らの人生を家族に搾取され続けてきた女性・貴瑚(きこ)が出会ったのは、母親...続きを読む
  • 羊たちの沈黙(新潮文庫)
    時代を超えて色あせない魅力を放つ、ホラーサスペンスの金字塔!

    主人公・クラリスは成績優秀なFBI訓練生。ある日、上司のクロフォードに呼び出されて、元精神科医にして凶悪犯のレクター博士に会うように命じられます。目的は、巷を騒がせている連続殺人犯"バッファロウ・ビル"のプロファイリング。
    クラリ...続きを読む
  • 推し、燃ゆ
    「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。」
    そんな鮮烈な書き出しで始まる、第164回芥川賞受賞作。

    子役出身のアイドル・上野真幸を推している高校生・あかり。しかしある日、真幸は不祥事を起こし……!?
    学校生活もバイトもままならない彼女にとって真幸は、「病めるときも健やかなるときも」推すべき存...続きを読む
  • 三体
    全世界で大ヒットした中国ハードSF!

    本作は、文化大革命で物理学者の父が殺害されるところを、娘の葉文潔(イエ・ウェンジエ)が目の当たりにするシーンから始まります。葉文潔は、科学者として最後まで革命に抗った父が惨殺されたことから、人間に失望し、先の見えない日々を送ることに。
    そんな彼女は軍事基...続きを読む
  • 罪の声
    「きょうとへむかって、いちごうせんを……にきろ、ばーすーてーい、じょーなんぐーの、べんちの、こしかけの、うら」

    かつて日本を震撼させたある脅迫事件。
    被害企業との接触に使われた録音テープの声は、幼いころの自分の声だった……。
    知らないところで犯罪に関わっていたことを知り、真相を明らかにする...続きを読む
  • 地下室の手記
    「苦悩こそ、まさしく自意識の第一原因にほかならないのだ。」
    主人公の自意識ゆえの苦悩・思想が語られる前半と主人公が過去に経験した3つの出来事が明かされる後半という2部構成になっている本作は、社会と関係を絶ち、自ら地下に閉じこもった、小官吏である主人公の独白を通して、人間の本質に迫る。

    「意地...続きを読む
  • 明け方の若者たち
    人生のマジックアワーを描くエモい青春小説

    明大前で開かれた就活勝ち組のみが集まる飲み会での出会いから5年間。どうしようもなく好きになってしまった彼女との甘い毎日。だけど決して報われない恋。一方で社会に出てからは理想と現実のギャップに打ちのめされていく。

    前半は甘い恋愛、後半は残酷な現実と...続きを読む
  • 全裸監督 村西とおる伝
    村西とおるの印象は学生の頃「パンツ一丁」でテレビに出てルー大柴と丁寧語をミックスしたようなしゃべり方をするをするよくわからない職業の人という印象である。後ほど職業を知って唖然としたのだが・・・読んでみての感想は狂気に満ちた毎日爆弾が落ちてくる人生でよく生きていられるなという印象。前科七犯でも懲りず借...続きを読む
  • 老人と海(新潮文庫)
    「叩きつぶされることはあっても、負けやせん」
    自らを慕う少年に見送られ、一人漁に出た不漁続きの老漁師。やがてその釣網にかかったのは、見たこともない巨大なカジキだった。老人とカジキは死闘を繰り広げるが・・・
    カジキとの対決の際、老人からは何度も「あの子がいてくれりゃ」というセリフが出てきます。あの...続きを読む
  • 一九八四年[新訳版]
    「戦争は平和なり 自由は隷従なり 無知は力なり」
    〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する近未来では、ありとあらゆることに統制が加えられる超全体主義的な社会が成立していた。真理省記録局で歴史の改竄に従事していた主人公・ウィンストン・スミスは、奔放な美女ジュリアとの出会いを契機に、反政府地下運動に惹か...続きを読む
  • 新世界より
    「人間とは、いったい何なのか」という問いを徹底的に突きつける、名作SFファンタジー!
    舞台は、1000年後の遠未来・日本。人間は、呪力と呼ばれる念動力を持ち、バケネズミという異類に”神様”として崇められていた。主人公・渡辺早季(わたなべさき)は、自然豊かな神栖(かみす)66町でのびやかに育った少女...続きを読む
  • 相棒
    説明いらずの国民的人気ドラマ「相棒」のTVシリーズをノベライズ。
    ファンにはおなじみ、輿水泰弘さん、櫻井武晴さん、砂本量さんらの脚本をもとに、
    デビュー作『中空』で第21回横溝正史ミステリ大賞優秀作を受賞し、
    数々の作品がミステリランキングに輝く碇卯人先生が筆を執っています。

    全12話を...続きを読む
  • 白いメリーさん
    表題作「白いメリーさん」のタイトルに惹かれ、読んでみました。メリーさんと言えば、40代以上の横浜市民にとっては知名度の高い人物かもしれません。私が初めてメリーさんを見たときの衝撃は忘れられません。小学生の頃「横浜高島屋」の入口の椅子に、全身白ずくめで白いドレスに白い靴、髪も真っ白のおばあさんが座って...続きを読む
  • 文学効能事典
    「悪魔に魂を売り渡したくなったとき」「月曜の朝が憂鬱なとき」「自分がまぬけに思えるとき」
    そんなときにはこの『文学効能事典』に相談してみましょう。きっとあなたに合った文学作品を処方してくれるはずです。「片思いのとき」「ストレスがあるとき」といった普遍的な悩みから、「性欲にさいなまれたとき」といった...続きを読む
  • はつ恋
    「女の愛を恐れよ。かの幸を、かの毒を恐れよ」
    16歳のヴラジーミルが別荘で出会ったのは令嬢ジナイーダ。高飛車で魅惑的な彼女に一目で恋に落ちたヴラジーミルは、初恋に気も狂わんばかりの日々を送っていた。しかしある日、彼女の様子がおかしいことに気づいてしまう…。
    海外文学で描かれる“魅力的な女の子”は...続きを読む
  • これは経費で落ちません!
    最近人気のお仕事系小説。知らなかった職業の裏側を知ることが出来たり、働く主人公に社会人として共感したり。本作もそんな系譜に連なる作品です。
    優秀な経理部員・森若沙名子が、経理部を訪れる社員や彼らが提出する領収書などを通して、社内の問題や社員同士のトラブルを「イーブン」にしていくという物語。この森若...続きを読む