書店員レビュー一覧:小説・文芸

  • 破天荒フェニックス オンデーズ再生物語
    倒産寸前のメガネ会社を買収して、会社再建を行う経営者の話。と聞いて私が最初に思い描くのは、凄腕の社長が経験と人脈をフル活用してあっという間に黒字化させるドラマ的な展開。

    でも実際は違いました。

    社長になったものの起死回生をかけた新店舗出店で失敗、私財を投げうってまで実施したM&Aも失敗し...続きを読む
  • パリ行ったことないの(フィガロブックス)
    「パリ」という街はもはやただの地名を超えて、色々な意味を持っていると思う。
    元祖・オシャレな憧れの街。
    けれど、実際に行ったことがある人はそう多くはない。
    だからこそ、イメージはどんどん膨らんでしまう。

    そんな理想のパリが、本当はただの海外の一都市だとみんなが微かに気づいている。
    オム...続きを読む
  • マチネの終わりに
    2019年秋、福山雅治、石田ゆり子主演で映画化!大人のための恋愛小説。
    主人公のギタリスト蒔野と、ジャーナリストの洋子は、わずかの時間話しただけなのに一瞬で恋に落ちる。仕事や、人の嫉妬、戦争など複雑に絡み合い二人を引き裂こうとする。その後二人はそれぞれ別々に結婚して家庭を築き、でも忘れられない二人...続きを読む
  • やがて哀しき外国語
    本書は、数多くの名作を生みだしたあるいは平成の文豪とも呼ぶべき作家、村上春樹によるエッセイです。
    著者は1991年から4年半の間アメリカに住んでおり、その体験を主として、90年代のアメリカ社会の情勢やアメリカに住む人々の暮らしなどが描かれています。

    ただし、内容は単なるエッセイに止まりません...続きを読む
  • デートクレンジング
    男に媚びない、というポリシーで活動してきた5人組女子アイドルグループ「デートクレンジング」。
    彼女たちが解散した後、その女性マネージャー・実花が婚活にチャレンジする様子を、親友の既婚者・佐知子の目線から描いたストーリー。

    結婚に対する社会的な風潮への疑問視が、きれいごとではなく自然な流れで描...続きを読む
  • 影裏
    本書は人の知覚表象、特に執着や陶酔といった心理が、自然の繊細な部分に焦点を当てることで描かれています。

    文章から読み取れる色づかいは非常に秀逸。輝く鱗、蛙が鳴く田舎町、横たわる大きな大木、等の自然をとても鮮やかに表現してあります。そして、何よりそこに投影される人の感情との結びつきが、ストーリー...続きを読む
  • 一行怪談
    「今まさに電車が迫る線路上に、物欲しげな目つきの人々が立っていたので、踏み切りに身を投げるのは止めにした。」題名は入らない、文章に句点は一つ、詩ではなく物語であり、物語の中でも怪談に近い。これらの条件に沿った一続きの文章を一行怪談とし、集めたのがこの小説集である。

    一行のなかにとびっきりの怖い...続きを読む
  • ハゲタカ2.5 ハーディ
    もはや経済小説を超えた!スパイ映画並みのシリアス感!
    主人公は『ハゲタカ』に登場した老舗ホテルのオーナー松平貴子。
    『ハゲタカⅡ』~『レッドゾーン』の間に起ったパリの一流ホテルの買収をめぐる内紛騒動を描いています。『ハゲタカ』の時と同様に、買収を目論む様々な輩(失礼)から中国当局まで!あらゆる陰...続きを読む
  • かがみの孤城
    あることが原因で学校へ行けなくなった主人公のこころは、光る鏡を潜り抜けた先のお城で、オオカミのお面をつけた「管理人」の少女と、こころと似た境遇の6人の子供たちに出会います。管理人は言います。「この城から鍵を見つけた1人の子供の願いを、なんでもかなえてあげる」と。
    鍵を探す話ではなく、そこに集った7...続きを読む
  • かくりよの宿飯
    アニメ化で話題。亡くなった祖父の借金のかたに、かくりよ(あやかしが棲む世界)にある宿「天神屋」へと連れてこられた主人公・葵。鬼神である大旦那様(美形)に嫁入りしろと言われるが、葵は得意の料理を武器に、宿で働いて借金を返そうとする。天涯孤独だけど明るい主人公と、ツンデレな大旦那様のやりとりが微笑ましい...続きを読む
  • 兎の眼
    「最近の若いのは」という言葉をよく耳にする。
    実際に使ったことがある人も、少なくないだろう。

    言葉こそ違えど同じニュアンスの文言は、明治の文豪たちの作品にも垣間見られる。
    つまり、この言葉は昔からずっと、時代毎の若者が浴びてきた罵倒の言葉である。
    では、現代に生きる若者は、明治に生きた若...続きを読む
  • 夫のちんぽが入らない
    ドラマ化決定で話題。これは著者が経験している本当の話。同じ大学に通う青年と交際を始めた主人公・こだま。だけど、何をどうやっても彼の性器が入らない。いつか入ることを夢見ながら、入らないまま二人の絆は深まっていく。18歳だった私は38歳になり、兄弟のように植物のように安心で清潔な暮らしを営むのもいいと思...続きを読む
  • 後宮の烏
    後宮の奥深くに住みながら夜伽をしない特別な妃、「烏妃」。彼女は不思議な術の使い手で、頼まれれば代償と引き換えに、呪殺、祈祷、失せ物探しと何でも引き受けてくれるという。そんな彼女のもとへ、あるとき皇帝がやってくるところから始まる、中華風ファンタジー兼ライトミステリー小説。コバルト文庫出身の作家というこ...続きを読む
  • 文鳥・夢十夜・永日小品
    みなさんは正夢を見たことがありますか?
    正夢は、自分の現実における記憶に基づいて、脳が錯覚を起こしている状態だそうです。

    みなさんの夢は白黒ですか?それともカラーですか?
    年配の方であればあるほど、夢は白黒と聞いたことがあります。
    現代の若者は特に、テレビ等も含めほぼすべての経験をカラー...続きを読む
  • ダブル・ファンタジー
    水川あさみ主演ドラマで話題。中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞の衝撃恋愛小説。主人公の奈津は、主に4人の男と関係を持ちます。面倒だけど優しいところもある夫・省吾、自信家で大人の演出家・志澤、穏やかで優しい学生時代の先輩・岩井、好みではないはずなのに何故か惹かれてしまう役者・大...続きを読む
  • ぼくは愛を証明しようと思う。
    実践的恋愛小説!
    主人公の渡辺は彼女に振られ自暴自棄になっている非モテ。ある日仕事で知り合った永沢さんに恋愛工学の手ほどきを受けて、次々と女性を口説けるようになるが。イエスセット、バックトラックなど、恋愛工学の手法はカタカナ語が多く、大げさ感があって、必殺技みたいでいちいちかっこいい(笑)全ての女...続きを読む
  • いろいろあった人へ 大人の流儀 Best Selection
    ベストセラー『大人の流儀』シリーズより抜粋して編集されています。淡々とした優しい文章で、幼いころから現在まで、様々な場面での出逢いと別れが書かれています。親しい誰かを失うことは、誰もが体験しうることであり、身を切られるような悲しい気持ちになります。著者自身もそのような悲しみを感じながら、その一方で、...続きを読む
  • 竜馬がゆく
    恥ずかしながら初めて読みました。昔から有名な作品ということは知っていましたが「どうせ竜馬は死ぬんだろ…」と手をつけなかったのです。何ともったいない!
    沢山のビジネス書や自己啓発書がありますが、若人たち、まずは『竜馬がゆく』を読みましょう!物語を通して自由闊達な発想・先を読む力・間の取り方・人脈など...続きを読む
  • 紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男
    タイトルからは想像もつかないが、ビジネスにもためになる!金言満載の自叙伝です。
    いい女を抱くため、それだけのために金を稼ぎ、使う、究極のミニマリストともいえる著者。最初のビジネスであるコンドームの訪問販売⁉︎は緻密なマーケティングとニッチを攻める嗅覚に脱帽です。さらに、実演販売をするくだりは笑いな...続きを読む
  • 太陽と乙女
    『四畳半神話大系』『有頂天家族』など、人気作品をポンポン世に放出する、森見登美彦先生のエッセイ集! 書くことを生業にするまでの森見先生の人生からご友人やご家族のお話、はたまた小説のネタ探しのコツまで、ファンにはたまらない贅沢な1冊です。先生の作品に心惹かれて、京都に足を運ぶファンが多いと思いますが(...続きを読む