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坂本さんは、食肉センターで牛を“解く”仕事をしています。息子のしのぶくんは、小学校の授業参観でおとうさんの仕事を聞かれて、「ふつうの肉屋です」とこたえました。その後、担任の先生に「おとうさんが仕事ばせんと、肉ば食べれんとぞ」といわれたしのぶくんは、「おとうさんの仕事はすごかとやね」と坂本さんにつたえます。そんなある日、坂本さんがつとめる食肉センターに、女の子と一頭の牛がやってきて……。
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米粒ひとつも残さず食べなさい。
いただきますをちゃんとしなさい。
そう、小さな頃から教えられてきた方は多いのではないでしょうか。
日々「食べ物が私たちに辿り着くまでの背景」を想像しながら食事をする人はどれだけいるか。
私たちが口にする一つ一つの食材には、多くの人たちの苦労、想い、そして生命が詰め込まれています。
動物にも感情があり、植物にだって痛みを感じるシグナルがあるといわれています。
人間のためだけに、家畜として生まれ、育ち、成長し、一生を終えていく。
その家畜と呼ばれる生命は、日々、何を思い、一生を終えるのか。
母は自らの生命をかけて子を産み育てる。
子は大きくなった途端にどこかへ連れ去られ、ずっと戻ってこない...。
待っても待ってもあの子はかえってこない...。
一方、大きくなった子は突然大きな車に乗せられ、来た事もない場所で降ろされる。
何か楽しいことが待っているの?
見たこともない人間が近づいてきた。すごく怖い顔で近づいてきた。
恐怖と本能からくる拒絶。そして――…。
母の悲しみを、子の恐怖を、親子の傷みを、私たち人間は自身に置き換えて考えることができるのでしょうか。
この絵本は、食肉解体作業員の「坂本さん」と、肉牛として連れられてきた「みいちゃん」のお話です。
子どもたちには勿論ですが、大人にこそ読んでもらいたい一冊です。
命の大切さと「いただきます」の意味を心に刻み込んで。
Posted by ブクログ
まずしのぶくんの担任の先生の想像力が素晴らしかった。
その先生の言葉によって、しのぶくんはお父さんの仕事に対する見方が変わり誇りを持つようになった。
屠殺は世の中に必要な仕事であり、誰かがやらなくてはいけないと頭では分かっていても、牛に対し銃の引き金を引かなくてはいけない現実に苦しんできたしのぶくんのお父さん。
お父さんがその悩みをしのぶくんに打ち明ける。
しのぶくんからの言葉。
そして大事に育ててきた牛を屠殺場に送らなければいけない女の子とその家族から受け取った感謝の気持ち。
苦悩に共感した上でお父さんの仕事を認める身近な存在によってお父さんは仕事を続けていこうと思い直す。
牛さんの命を頂いてること、屠殺場で働く方々にも思いを馳せながら大事に頂いていこうと思いました。
Posted by ブクログ
食べ物は生きていたんだということを考えるとやっぱり辛いので、そのことを考えないようにして過ごしていました。その気持ちの答えになる本です。
食肉解体作業員の方が最後のほうのページで「俺の仕事は、この子たちが少しでも楽な気持ちで天国に行けるようにすることなんだ」と書いているのを読んで、動物の気持ちも考えているんだ、よかった…と思ったしそのうえで辛いことをしてくれているので、ありがとうございますという気持ちと、自分も実際に解いたほうがいいのではないかという気持ちになりました。実際にするなら、絶対なんとなくの食事なんてできないから。
今の自分は、ありがとうと思いながら食べることをちゃんとする。
この肉は殺された生き物だよな…ということを人に相談すると、感謝すればいいんだと言われてきました。そんなときわたしは「それは軽い。それくらいで済むはなしじゃない」と思っていたけれど、やっぱり強く感謝するしかないなと今思いました。
強く感謝する心があれば、魚も解体できるようになるのかな。ものすごく勇気がいる。
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