ブックライブの書店員おすすめレビュー

小説・文芸 のおすすめレビュー

  • ブックライブ書店員

    「シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――」
    2011年本屋大賞5位にランクインした音楽ミステリー小説『シューマンの指』。
    この作品をオススメしたい理由は、なんといっても作者の圧倒的な描写力!!私はシューマンの曲を全く知らなかったのですが、読んでいるうちになぜか頭の中でシューマンの音楽が鳴り出したのです!
    音楽小説にして極上の青春ミステリーである本作は、魅力的なキャラクターたちのストーリーを楽しみながら同時に音楽の知識も身に付くという、一粒で二度おいしい作品です。
    ミステリーファンだけでなくクラシックファンの中でも話題騒然となった本作。面白くてほかにはない小説を探している方は、ぜひご一読ください。読み終えたあと、シューマンの曲を聴きたくなること間違いなしです!(私は我慢できず読んでいる最中にCDを購入しました…)

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    全人類が生まれた時、すべて女性だったというマジカルな世界観に意表を突かれました!作者である石持氏は、宇宙人が主人公の『暖かな手』や、特殊能力を持つ人物が登場する『ガーディアン』など、意外性に富んだ推理小説を描く作家として有名です。本作はその極めつけで、物語の前提となる世界観をまるごとひっくり返してしまった超意欲作。
    この作品中の男性は、一部の優秀な女性が出産後に転換することで誕生します。主人公の「わたし」は男性化候補の筆頭で、学校のみんなから慕われていた姉・優子殺害の謎を追ううちに、「BG」の秘密に触れ、事件の深みにはまっていきます。
    突飛な設定とキーワードを駆使して、読者をラストシーンまで引っ張るパワーを持った一作です。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    作者が大学を卒業してからエッセイストになるまでの5年間のお仕事奮闘記。
    特におすすめなのは、前半の広告代理店時代。代官山OLってかっこいい!と思って入社したのに、現実は非人道的な残業時間とエロ上司。同僚の女の子はストレスで10円ハゲが二つもできてしまう最悪な職場だった!
    大笑いしながら「ああ、私はこんなブラック企業に入らなくて良かった」と心から安心するのですが、どこか他人事と割り切れなくてふと悲しくなってきてしまう。時代も違うのにこんなに感情移入しちゃうのはなんででしょう。いつの時代も女子が思うことは同じということでしょうか!?

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    学生生活の全てを賭けていた。そんなことのひとつふたつ、ありませんでしたか?「最近あの頃みたいに熱くなってないな…」というあなたにぜひオススメしたい一冊です。きっと熱いモノがジワジワくるはず。自分もまた頑張ろうって背中を押してもらえます。
    陸上競技に学生生活の全てを賭けて成長していく高校生たちを見ているうちに、思わず「あの頃」の自分を思い出す。信じあえる仲間、気になる異性、天才的な才能を持つライバル、自分の夢、挫折、諦められない情熱。なんだかもう全てがひたすらに青春!です。
    学生時代に何かに打ち込んだ経験のある人なら絶対に共感してしまうはず。読後の爽やか感は120%!爽やかすぎて直視できない!

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    忘れたくとも失いたくはない過去に区切りをつけ、完結させるため、たくさんの人がその“標本室”を訪れる。持ち込まれる品は様々。例えば、楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、ヤケドの痕。そして、標本技術士の助手になった「わたし」は、欠けてしまった薬指の先端を。
    登場するのは、皆、かつて何かを永遠に諦めてしまった人ばかり。寂しさは新たな寂しさを導いて、人々は己の物足りなさを埋めようと、他者にすがる。静謐な文章の底に息づく狂気がとても美しい。
    本作は2005年にフランスで映画化されている。主役は「007 慰めの報酬」でボンドガールに抜擢されたオルガ・キュリレンコ。フランス映画らしい静けさとエロチシズムにくらくらとめまいを覚える。原作にほぼ忠実に描かれており、こちらもおすすめである。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    時効まで24時間というタイムリミットの中、15年前に起きた事件を追っていくミステリー小説。
    事件は昭和50年、かの三億円事件が時効を迎えようとしていた頃の事。そんなノスタルジックな雰囲気漂う時代を舞台に、事件の当事者の供述(回想)で物語は進行します。当時、高校生の少年3人が期末テストを盗み出すという「ルパン作戦」を計画。スパイ気分でワクワクしていたところへ殺人という重すぎる事態が絡んできます!楽しげな様子が一転し、一つの謎が明らかになると、今度は別の謎が浮上してくるなど、読書の中断に難儀します。幾重にも重なる謎、次々と明らかになる人間模様、一体誰がどうして…。そして思わず大きく息を吐いてしまう読後感!
    ここでオススメしたいのが再読です。真実の裏の裏まで知った上で読み返すとまた違った印象で楽めること間違いなし。あの人の言葉の裏にはこんな想いが、あの行動にはこういう意味が等々、そんなミステリーの醍醐味がしっかり味わえる一作です。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    「夏空の飛び込み台に立つひとの膝には永遠のカサブタありき」――頼りない、イケメンでもない、しかも自己愛炸裂。そんな「ダメ男」なのに、モテる男がいます。その名は「穂村弘」。人気の若手歌人で、あだ名は「ほむほむ」。自意識過剰ゆえに繰り広げられる、なさけない体験や妄想を詰め込んだ初期のエッセイ本。「なんだこいつ」と笑いつつ、ふと「そういえば自分も…」と、ドキリとすることも。
    ところで、穂村弘はなぜモテるのか。それは「自分」を見せることが上手いからだろう。本当の自分は言葉には表しきれない。けれどその中から切り取った「自分」をおもしろおかしく語ることができたなら、女の子はぐっと距離が縮まったと感じるはず。それがダメ男なら、なおさら母性本能をくすぐられてしまう。モテたいあなたは、まずダメ男の研究から始めてみてはいかが?

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    レオナルド・ディカプリオ主演の映画公開をきっかけに初めて本作を手に取るという人もおられるでしょう。いくつも翻訳が重ねられている本作ですが、個人的には『ライ麦畑でつかまえて』の邦訳でも知られる、この野崎孝訳をおすすめします。語り手の一人称が「ぼく」であること、そして適度にしゃちほこばった文体が、いかにもお金持ちの青春小説らしくて魅力的。
    目も眩むような大富豪たちの栄華の裏にある、それぞれの虚栄と慢心。それらが交錯し、最後はギャツビーもろとも、多くの人間が破滅の一途を辿ります。それでも最後、物語の語り手であり、自らも大切な知り合いを数人失ったニック・キャラウェイがこれまでの出来事を振り返り、改めて世界と向き直そうとする姿勢には、普遍的な青春のきらめきが見られることでしょう。ラスト二文が特に秀逸。
    「こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう舟のように、力のかぎり漕ぎ進んでゆく。」

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    花村萬月の名前を聞くと、サラダ油のシーン(!)で印象深い映画化タイトル「皆月」を思い浮かべる人も多いかもしれない。過激な性と暴力描写を得意とする作家だが、その根底にあるのは神への猜疑と冒涜である。
    著者の「王国記シリーズ」の第一章目にあたる本作『ゲルマニウムの夜』の主人公・朧は、頭脳明晰だが人を殺し、育った修道院に舞い戻る。彼は人を殺し、純潔の修道女を犯しても、何の罰も下さない神を見限り、宗教者のなれのはて――王国の建立を決意する。
    表題作の他に「王国の犬」、「舞踏会の夜」が収録されている。いずれも朧が修道院で神を疑い、信心深い神父とアスピラントを試し、自我に目覚めるまでの小編だ。修道院という本来神聖であるはずの場所で行われている暴力、虐待、同性愛の生々しく残酷な描写は圧巻。なお、2005年に大森立嗣監督・新井浩文主演で映画化もされている。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    『マルドゥック・スクランブル』が愛読書の私が、読み始めたら止まらない新人作家の作品に巡り会えました。
    舞台は西暦2045年。大震災により崩壊した東京は層現都市「イーヘブン」になっており、AIの<co-HAL>によって人間の行動・職業などが制御されています。
    主人公の「広江 乗」は、一度は<co-HAL>よりイーヘブンを追放され、漆黒の強化外骨格<黒花>をまとい世界を巡っていた。その後、<co-HAL>に「hero」の役割を与えられイーヘブンに迎えられることに。追放された際の記憶が欠けた乗は、なぜイーヘブンを追放されたのか、今なぜ呼び戻されたのかさえわからない。そこに白き強化外骨格<白奏>をまとう「ピーター」が現れて…。乗の過去とは?ピーターの目的とは?そして<co-HAL>とは?
    多くの謎が仕掛けられ、SFとしてだけでなく、ミステリーとしても楽しめる作品。伊藤計劃や冲方 丁が好きな方には特にオススメです!

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    「最近、いつ泣きましたか?」――ジメジメした梅雨も終わり、そろそろ疲れも溜まってきたのでは?そんな時は本を読んで泣いて、心をすっきりリフレッシュするのはいかがでしょうか?そこで、悲しいけれど心が暖まるストーリー、重松清の『流星ワゴン』をご紹介します。
    リストラ、妻の浮気、息子の家庭内暴力など、度重なる不幸と家庭崩壊によって、死を考えていた主人公の永田一雄。そんな時、1台のワゴン車(流星ワゴン)に乗って、人生の岐路となる場面を旅するという物語。
    タイムマシンで時空を巡るといった、非現実的な物語を想像するかもしれませんが、書かれている内容は実にシビアで現実的。流星ワゴンは決して希望に満ち溢れているわけではなく、非情なくらい現実を突きつけてきます。しかし、それでも主人公は問題解決のために必死に体当たりしていく…。そんな姿に「過去は振り返るためにあるのでは無く、前を向くためにあるのだ」と強く教えられたような気がして、何度も涙を流しました。人間とは何か、過去とは何か。心に残る名作です。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    怪獣と聞くと幼き日を思い出しますが、本作は驚くほど綿密に練られた大人のSF小説です。怪獣がシリアスな災害として描かれ、“特異生物対策部”が怪獣の出現予測や対策を講じる……まさに「プロフェッショナル!」な仕事ぶりの隊員達が実に熱い!
    法律や世論などの兼ね合いで判断・決定がスムーズにいかないもどかしさは『図書館戦争』などにも通じるものがあります。経済への影響や動物愛護の声も無視できず、危険度が分かるまで退治に踏み切れないといった現実的な描写には妙にソワソワ……。
    怪獣については実際の神話や伝説、伝承などを絡ませることで深みを増し、雰囲気を損わないまま説得力も演出。対怪獣の武器描写も詳細です。無反動砲「カールグスタフ」使用上の注意や装甲貫通のメカニズム「モンロー効果」まで言及されていたことには心底驚きました!(マニアックな感動で失礼;)
    現実的な展開で怪獣対策を行うSF作品、大人になった今だからこそ読んで欲しい一作です。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    二十一歳の夏は一度しか来ないのにどうしよう――入院する精神病棟から脱走した「花」と、気まぐれについてきてしまった弱気の「なごやん」。二人は汗まみれになりながら1台の車で九州中を逃げ回る。
    「手に手を取って逃亡する男女」と聞けばつい、追手から逃れるうちに高まる愛情…などと想像しがち。しかし、絲山節のきいた本作はそんなベタなメロドラマとはほど遠い。罵り合ったり、置き去りにされたり、幻聴と闘ったり、思い出に苦しんだり…。結局どこまで逃げても自分からは逃げられないのだ。それでも、うんざりしながら南下を続けるうちに、頑固な二人の価値観がそれぞれ少しずつ変わり始める…。逃走願望の行方はいかに!?
    ちなみに、方言女子萌えの方にもオススメ。「逃げないと。こげなとこおったら捕まるばい」などなど、花の話す博多弁は痛快でキュート。たまりません。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    芥川賞作家、藤野可織が描く、現実と非現実の交錯する恐怖の世界。
    主婦の内田百合は隣人男性の高木の奇行に不安を覚える。どうして彼は、玄関ではなく家の裏の窓から、靴も履かずに、狭いブロック塀の間を縫うようにして外へ出るのだろう…?あの家の中で、一体何が起こっているというのか。
    薄暗い部屋の中に、食われた鳥の残骸と鳥に変身した大男が立っている。鳥男が次に食べるものは決まっている。その家の主人だ。家の隅に追い詰められた高木は、食われる前に、鳥男を殺すことを決意する。
    登場人物たちの恐怖と不安が入り混じり、読者は幻想世界へと誘われる。現実と非現実とがつなぎ目なく語られて、どこからどこまでが本当で夢なのか、誰にも分からない。
    表題作の他、恐竜に母を食われた女性の内面を描いた「溶けない」、奇妙な愛の叙情作「胡蝶蘭」を収録。藤野の描く恐怖の幻想世界へ、ぜひ溺れてみては。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    人気ドラマ「半沢直樹」原作小説『オレたちバブル入行組』の池井戸 潤が描く、銀行を舞台にした作品。どんどん続きが気になって一気に読み終えてしまいました。
    とあるメガバンクの一支店に勤務する10人の銀行員をそれぞれ主人公とした短編集かと思いきや、全然そんな甘いものではございません。
    上層部の勝手で非現実的な目標設定、低価値な商品の販売ノルマ、競合他社のなりふり構わない営業、足元をみて天秤にかけるクライアント等々。銀行員でなくともサラリーマンなら嫌というほど共感できる日常が舞台となっており、ウラではとんでも無いミステリーが進行していきます。
    元バンカーである著者により、銀行内部の葛藤がリアルに描かれていて、まるでノンフィクションを読んでいるかのようです!

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    頭が良く、研究熱心で、理屈っぽい。全然子供らしくないけど、どこか憎めない小学四年生のアオヤマ君。彼の町で起こる不思議な現象とミステリアスなお姉さんとのひと夏の研究と冒険の物語。
    ペンギンの群れや「海」、シロナガスクジラやジャバウォックが次々と町に出現してくると思ったら、普通にいじめっことのケンカや探検、おっぱいに思いを馳せたりと、非日常と日常がうまく合わさっていて、あまりSFが得意じゃない人にもオススメです。
    森見登美彦独特の、小学生とは思えないくどい言い回しは健在でありながら、表紙の絵のような淡い切なさが全体を通して感じられます。舞台が京都ではなく新興住宅地なのは森見作品にしては珍しいかも。
    短い夏休みが終わってしまう、あの懐かしい切ない気分を思い出すのにぴったりな作品です。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    法の番人でありながらアウトロー。公務員なのに暴力的。そんなダーティハリーやダイ・ハードのような刑事が本作の主人公です。しかし他の警察小説の主人公と大きく違うのは、いかついワイルドなタフガイでなく容姿端麗な女性であること!そしてその捜査の仕方もかなりブラック。殴打戦など名刺代わり、非社会的な面々とも強いコネクションを持ち、必要とあらば表沙汰にできない金も躊躇なく使う等々。ここまで書くとやたらと悪辣な雰囲気ですが、決して悪徳刑事でないところが魅力的です。
    真相究明にストイックすぎるせいで警察内にも敵が多い反面、強い意志力に一目置く人々も。主人公を警戒し睨みを利かせる上司等、人間関係も見所の一つ。ジェットコースターのように怒涛の勢いで読み進んでしまう力強い話をお求めの方に特におススメです!

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    酸の海に浮かぶ十八の島。その一つの島で語り部たちが魔物の物語を語り明かす煌夜祭が開かれます。ストーリーは彼らによる語りで進みますが、その一つ一つが胸の奥にジンとくる魅力があり、どんどんのめり込んでしまいます。話が進むにつれ全てのエピソードが見事に繋がっていくなど、構成力が抜群にうまい!人を食う業を負った魔物の苦悩、それを取り巻く人々の悲劇、そして葛藤しながらも懸命に進み続け、その先に待つ救い…。読了後、思わず目を閉じ、しばし余韻に浸ってしまいました。著者の他の作品も読んでみたいと感じる人は私も含め少なくないはずです。この本と出会えた偶然と生みの親である著者に感謝します!
    本作には書き下ろし短編も収録。過去に読んだ事がある方にもぜひ読んでいただきたいです。別途配信中の外伝『煌夜祭前夜』もおすすめです。ぜひぜひ煌夜祭へのご参加を!
    追伸:著者あとがきには個人的に非常に力づけられました。ありがとうございます!

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    丸岡さんといえば、「情報ライブ ミヤネ屋」の担当コーナーでいつも宮根さんにいじられていた美人アナウンサー。あの人が“うつ”に…!?信じられない気持ちでページをめくると、そこには、彼女が直面した恐るべき「うつ地獄」の実態が…!
    学生の頃から元気で明るい体育会系。バリバリの報道キャスターとして活躍するなど、病とは無縁だったという彼女が“うつ”に陥るきっかけとなったのは、東日本大震災での取材活動。だんだんと心が壊れていく様子が、本人の言葉で赤裸々に綴られています。
    家族やご主人など周りに支えられながら闘病し、現在は穏やかな生活を送っているという丸岡さん。いつ誰がなってもおかしくないこの病気について、もっと皆が気軽に話せるようになれば、との思いから、この本を執筆したそうです。
    「休むことも生きることだと知りました」という一文が胸に迫る、渾身の一冊です。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    すべての事はもう一度行われている
    すべての土地はもう人が辿り着いている
    ――――― 『マニアの受難』 ムーンライダーズ

    今どき探検家ほど活躍が難しい職業もないだろう。マロリー、アムンセン、植村のような英雄の活躍はすでに前世紀の神話。今でも世界は驚きに満ちているが、前人未到の峰や秘境はほとんど残っていない。文中の著者のセリフは、世界中で共通する悩みに違いない。
    「いったいどこを探検すればいいのかよくわからない」

    そしてようやく見つけたわずか五マイルの、しかしながら人跡未踏の地、チベット・ツアンポー。
    Google Earthで下調べして出かける、21世紀の探検の顛末は?
    高野秀行さながらのエンタメ冒険譚を予想していたが、いやはや、これほど凄まじい展開になるとは。
    名声を伴わない命懸けの行為。現代に生きる探検家の勇気と業に満ちたドキュメンタリーです。

    2022年07月20日