空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

550円 (税込)

2pt

チベットの奥地、ツアンポー川流域に「空白の五マイル」と呼ばれる秘境があった。そこに眠るのは、これまで数々の冒険家たちのチャレンジを跳ね返し続けてきた伝説の谷、ツアンポー峡谷。人跡未踏といわれる峡谷の初踏査へと旅立った著者が、命の危険も顧みずに挑んだ単独行の果てに目にした光景とは─。開高健ノンフィクション賞をはじめ、多くの賞を受賞した、若き冒険作家の野心作。

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空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む のユーザーレビュー

すべての事はもう一度行われている
すべての土地はもう人が辿り着いている
――――― 『マニアの受難』 ムーンライダーズ

今どき探検家ほど活躍が難しい職業もないだろう。マロリー、アムンセン、植村のような英雄の活躍はすでに前世紀の神話。今でも世界は驚きに満ちているが、前人未到の峰や秘境はほとんど残っていない。文中の著者のセリフは、世界中で共通する悩みに違いない。
「いったいどこを探検すればいいのかよくわからない」

そしてようやく見つけたわずか五マイルの、しかしながら人跡未踏の地、チベット・ツアンポー。
Google Earthで下調べして出かける、21世紀の探検の顛末は?
高野秀行さながらのエンタメ冒険譚を予想していたが、いやはや、これほど凄まじい展開になるとは。
名声を伴わない命懸けの行為。現代に生きる探検家の勇気と業に満ちたドキュメンタリーです。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年11月21日

    読後の脱力感が半端ない。
    一人旅が好きで、単独登山も(かつてだけど)、冬山もやっていた自分(角幡さんの足元にもおよばないが)にとっては、共感するところが多かった。
    情景だけでなく心の動きも見事に描写され、読みながらハラハラさせられた。

    最後のことばより。
    どこかに行けばいいという時代はもう終わった...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月01日

    心が震えた。
    著者の角幡さんに、そして同様にツアンポー川の激流に挑んだ武井さんに同じ人間とは思えない凄みを感じた。探検家とは何という生き物なのか。
    彼らは自らも知らない「業」によって突き動かされている。
    探検に挑み半ば意識的に己の命を死地に晒し、しかし全身全霊でその死...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年12月29日

    ★なじみのないものを読ませる技術★グーグルアースで地球上のどこもが見られる時代に冒険の意義を求めるのが難しいことは著者が一番分かっており、現在の探索と歴史を交互に記して時間軸により深みを持たせる。冒険に過度な意味を持たせるの慎重に避けながら、独りよがりにならない読み物に仕立てるのがうまい。
    最初の探...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年03月17日

    未踏地や未踏峰がほぼ無くなりつつある今の地球で、それでも冒険をするとすればどういう形が可能なのか?
    20世紀までの冒険は、功名心や功利心、あるいは知的好奇心に駆動されて、人跡未踏の地に踏み込みさえすれば冒険と見做された。とてもシンプルで、わかりやすかった。
    文明の発展とともに地図の空白地帯は消えてい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年12月07日

    辺境作家高野秀行氏との対談集『地図のない場所で眠りたい』にて、本著者がこの作品の裏話を語っており興味を持った。
    自己の挑戦に過去の冒険家との記録を交互に重ねる構成が効いていて、それがどれだけすごいことかをただ説明されるより深く理解できた気がする。
    ツアンポー峡谷の最狭部にある巨大な岸壁「門」こそ越え...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年06月20日

    面白かったー!自分では1ミリもいってみたいと思わない冒険を(多少なりとも)追体験できる読書って最高だなー、と思う一冊。

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    購入済み

    非常に良質なノンフィクション

    2013年03月19日

    非常に楽しく読めました。

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    Posted by ブクログ 2024年02月24日

    ノンフィクションといえば良いのか、若者の成長物語とも言えそう。死ととなりあわせの冒険に赴く人々の気持ちが、最後につぶやくように記されており、ために冒険者は続き、それを我々は追体験したいのかもしれない。
    文章は平易で読みやすく、感情移入も容易。
    「冒険は生きることの意味をささやきかける。だがささやくだ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月02日

    チベットの奥地に、ツアンポー渓谷があり、人類未踏の「空白の5マイル」と呼ばれる場所がある。そこを目指す冒険ノンフィクション。

    ノンフィクションを読んでいる。その中の一冊。
    冒険心をくすぐられるが、段違いの熱量を持った著者が何度もツアンポー渓谷に挑み、時には危険な目にあっても実際に行かないと得られな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年06月09日

    チベット自治区の北東部に世界最大級の峡谷があるという。そのツアンポー峡谷は、ヒマラヤを源流とする大河の激流に削られて何度も湾曲し、ついには峡谷のどこかで忽然と消えてしまうのだという。河の上流と下流の標高差を考えると、どこかに未発見の巨大な滝があるとの伝説もある。大河が山中で消えてしまうなんてことがあ...続きを読む

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