極夜行

極夜行

880円 (税込)

4pt

ノンフィクション界のトップランナーによる最高傑作。

ヤフーニュース本屋大賞ノンフィクション本大賞、大佛次郎賞、W受賞!

探検家にとっていまや、世界中どこを探しても“未知の空間”を見つけることは難しい。様々な未知の空間を追い求めて旅をしてきた角幡唯介は、この数年冬になると北極に出かけていた。そこには、極夜という暗闇に閉ざされた未知の空間があるからだ。極夜――「それは太陽が地平線の下に沈んで姿を見せない、長い、長い漆黒の夜である。そして、その漆黒の夜は場所によっては3カ月から4カ月、極端な場所では半年も続くところもある」(本文より)。彼は、そこに行って、太陽を見ない数カ月を過ごした時、自分が何を思い、どのように変化するのかを知りたかった。その行為はまだ誰も成し遂げていない“未知”の探検といってよかった。

シオラパルクという世界最北の小さな村に暮らす人々と交流し、力を貸してもらい、氷が張るとひとりで数十キロの橇を引いて探検に出た。相棒となる犬を一匹連れて。この文明の時代に、GPSを持たないと決めた探検家は、六分儀という天測により自分の位置を計る道具を用いたため、その実験や犬と自分の食料をあらかじめ数カ所に運んでおくデポ作業など、一年ずつ準備を積み上げていく必要があった。暗闇の中、ブリザードと戦い、食料が不足し、迷子になり……、アクシデントは続いた。果たして4カ月後、極夜が明けた時、彼はひとり太陽を目にして何を感じたのか。足かけ4年にわたるプロジェクトはどういう結末を迎えたのか。

※この電子書籍は2018年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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極夜行 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    テクノロジーがない時代に厳しい環境の中で生きた人類の体験を追い求めての冒険。
    少しだけ追体験できた。

    太陽、月、星がこれだけ人間にとって重要なものだった(今も重要だが、実感しにくい)なんて!

    0
    2025年06月26日

    Posted by ブクログ

    太陽が昇らない極夜を旅するノンフィクション。

    十分に準備したにも関わらずトラブルに見舞われ、その度に落ち込んだり、絶望したり、自分や犬に当たったりする著者のストレートな文章に引っ張られて、あっという間に読んでしまった。

    「冒険はシステムの外側に出る行為」という著者の言葉が印象的だった。

    日々暮

    0
    2025年04月13日

    Posted by ブクログ

    極夜世界の旅で巻き起こる予想不能な事態の連続。
    視界を奪われ、寒さ、暴風、飢餓に苦しみ、月に騙くらかされる。
    こうした外的要因の影響を受けて徹底的に自己と向き合うという異常な体験を面白おかしく文章化している。
    沢木耕太郎の『凍』も同じ極寒世界の傑作小説だが、角幡唯介は冒険者と作家が同一なため、より逡

    0
    2025年03月10日

    Posted by ブクログ

    初めて読んだ探検ノンフィクション作品

    言語化能力が素晴らしく、著者自身の心理描写がとても圧巻で、時折クスッと笑えるシーンもあり、極夜体験というカオスを追体験する事が出来る名著。

    0
    2025年02月27日

    Posted by ブクログ

    足かけ4年の集大成となる探検。デポ設置含めた極夜行に向けての事前準備を描いた「極夜行前」を読むことでさらに本作品に没入出来ます。
    一般人が到底経験出来ない、命を懸けた探検なのでとにかく異世界で凄まじい光景が活字からでも充分に伝わってきます。また、ともに旅をしているウヤミリックという犬との深い絆も描か

    0
    2024年08月20日

    Posted by ブクログ

    他で同じような物語を読めないという意味で、読む価値がある物語です。

    ノンフィクションだからこそのハプニングで途中からハラハラドキドキしっぱなしでした。

    同じような表現が繰り返えされるため、冗長で読み難い部分もありますが、それを超える魅力があります。

    0
    2024年07月12日

    Posted by ブクログ

    著者の本は、普通じゃ死んでしまうことを、結構サラッとかいてます。年齢的に集大成な旅というのもわかる。何故病院から、始まるのか?なるほど。犬への考察もなるほど。相棒犬もいろいろな意味で良かった。

    0
    2024年06月07日

    Posted by ブクログ

    現代に、これだけ素晴らしい日本語を書ける人がいるのかと、衝撃を受けた。
    情景描写はリアルで美しく、適度にユーモアがおり混ざる。想像を絶する過酷な旅のストーリーなのに、何度も笑ってしまった。
    脱システムを目的に探検をする、という思想も、最高です。文明社会で何を失ってしまったか、自分でも省みる機会になっ

    0
    2024年01月01日

    Posted by ブクログ

    『空白の五マイル』依頼の角幡作品。圧倒的な冒険譚。GPSや期せずして使用することが叶わなかった六分儀などから『脱システム』することで、否応のなく外界との接触点が増え外界を自分の中に取り込み世界化されている角幡さんのリアルな語り口で極夜探検を疑似体験することができた。その角幡さんですら、冒険の最終盤の

    0
    2023年10月12日

    Posted by ブクログ

    最高に面白かった。
    私はどこかで冒険者や探検者に理解を示そうとしていなかった。
    スリルを求めて旅をするなんて意味がわからない、無くて済むなら無いままでいいものが危険で、人間というのは安心安全に対する欲求が強い生き物なのだとマズローも言っているではないか!
    それを現状に満足できず、刺激を求めすぎるから

    0
    2023年06月25日

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