ブックライブの書店員おすすめレビュー

ラノベ のおすすめレビュー

  • ブックライブ書店員

    マンガ業界や打ち切り作品への熱い愛を語り合う、軽妙な会話劇が魅力の部室ダベりラノベ。

    マンガ家志望の月見里司と打ち切りマンガ愛好家の小鳥遊が、放課後のマンガ部部室で繰り広げる掛け合いが楽しい。
    後輩・小鳥の偏愛的マンガ批評に、先輩・月見が冷静にツッコミを入れるやりとりが絶妙。

    正確には小鳥が好きなものとは──。
    マンガ誌の巻頭を飾るような人気マンガではなく、巻末をウロウロしている“打ち切りと戦っているマンガ”なのである。
    小鳥は「打ち切りレースをエンタメとして楽しんでいる性格の悪い読者」と自身を揶揄するが、決してそれらが打ち切られても構わないわけではなく、続いてほしいと願っているのだ。
    そんな面倒な偏ったマンガ愛に、マンガ好きなら共感せずにはいられないのではないだろうか。

    しかし彼女、ラノベには一切興味がなく「面白い作品はどうせコミカライズするから、それだけ読めばいい」というのだ。
    これに対する月見のツッコミには完全同意。
    ラノベはマンガの下位互換じゃねえわ!

    2025年03月31日
  • ブックライブ書店員

    何度死んでも別の賊の身体で復活!?
    決して強くない主人公の生き様を描いた新感覚転生ファンタジー!

    密かに人様の役に立つ冒険者に憧れを抱いているグラム(便宜上の呼び名)ことオレ。
    賊らしく粗野で、高尚な精神の持ち主でもない彼が、他人の命を救うために行動する。
    (他人の危機を見てしまった以上、放っておくのは寝覚めが悪いから。というのが彼の行動原理。)

    ザコとしてあっさり命を落としながらも、彼の行いが周囲の人々の運命を変え、世界に影響を与えていく展開は見応え抜群。
    張られた伏線の回収、何気ない出来事が大きな意味を持っていたことへの感奮は何ともいえない、まさにエモさしかない、名も無いザコの英雄譚!
    シブいぜ、グラム。

    にしてもこの作者、著者兼イラストレーターなのシンプルにヤバい。

    2025年03月31日
  • ブックライブ書店員

    余命1年の見習い魔女が織り成す、ほっこりハートフルファンタジー!

    17歳の誕生日に、師匠から呪いによる余命を告げられる主人公・メグ。
    “命の種”を使い、不死になることで呪いからは逃れられるが、それには人々の嬉し涙1000粒が必要だった。

    日々嬉し涙集めに奔走するメグは、様々な人と関わり、想いに触れる中で魔女として成長していく。
    そうこれは、未熟な見習い魔女・メグの成長譚でもあるのだ。

    天真爛漫なポジティブおばけでありながら、口の悪さとおっさんくささを併せ持つ、メグの生き生きとしたキャラクター性も本作の魅力。

    どうしようもない結末に涙せずにはいられない場面もあり、同時に優しさや希望を感じさせるものも。
    心に残る余韻を求める方におすすめの一作。

    2025年03月26日
  • ブックライブ書店員

    本作は、学園×頭脳戦×実力主義という異色の組み合わせで、まったく新しい学園ドラマを描き出します。物語の舞台は、希望する進学・就職先にほぼ100%応えるという超エリート校・高度育成高等学校。毎月10万円相当のポイントが支給され、校則も自由——まるで理想郷のように見えますが、その裏には“実力至上主義”のシビアなルールが存在していました。頭脳、運動能力、交渉力、あらゆる能力を駆使しなければ生き残れない環境で、学生たちは時に協力し、時に蹴落とし合いながら生き抜いていきます。
    特におすすめしたいのは、知略戦が繰り広げられるスリリングな展開と、伏線の巧みな仕込み。登場人物たちが繰り広げる心理戦や策略は、まるで極限状態のゲームのようで、読者の予想を裏切るどんでん返しの連続。さらに、表には出さない主人公の底知れぬ実力が物語に深みを与え、ただの学園ラノベにとどまらない魅力を生み出しています。
    知略系のストーリーが好きな方、緻密に張り巡らされた伏線を回収する爽快感を味わいたい方に、間違いなく刺さる作品です。学園ラノベの新境地を切り開いた本作、ぜひ手に取ってみてください!

    2025年03月12日
  • ブックライブ書店員

    「ラブコメが好き! でも、よくある展開じゃ物足りない…」とお悩みの皆様に読んでほしい一冊です。
    本作は、名手・丸戸史明が手がける“ヒロイン育成”ラブコメ。
    王道を踏襲しつつも、その枠に収まらない新しさが詰まっています。
    物語の始まりは、まさにラブコメの定番。桜の舞い散る通学路で運命の出会い——のはずが、相手は全く印象に残らない“冴えない”クラスメート。 しかし、主人公は決意します。「ならば、俺がお前をメインヒロインにしてやる!」と。ここから始まるのは、単なる恋愛物語ではなく、“ヒロインをプロデュースする”という斬新な視点のラブコメです。
    特におすすめしたいのは、丸戸節とも称される、女性キャラクターの心理描写の巧みさ。ツンデレ、幼なじみ、クール系…個性豊かなヒロインたちが、それぞれの魅力を存分に発揮しながらも、どこかリアルな感情を持ち合わせているのが本作の魅力。会話のテンポも心地よく、時に軽妙、時に切なく、読者を引き込んで離しません。
    また、文章が柔らかくて読みやすいため、読書初心者にもぴったり。
    ラブコメの新境地を開拓した本作、ぜひ手に取ってみてください!

    2025年03月12日
  • ブックライブ書店員

    これはおハーブですわwww

    内容はといえば、くそ長いタイトルの通り。
    所謂ダンジョン配信ものの現代ファンタジーであり、ぶっ飛んだお嬢様系配信者がバズりまくって伝説になってしまうお話。

    主人公・山田カリンは、大好きなアニメ作品の優雅に可憐に戦うお嬢様キャラに憧れ、ダンジョン配信者になる。
    口調や服装を模倣し、優雅なダンジョン攻略で皆に元気を与える存在を目指すものの、一向に視聴者は増えずにいた。

    しかし、ひょんなことから話題になり、瞬く間にバズりにバズって数々の伝説を打ち立てることになるのだが…。
    “お優雅”を心がけているものの、どこかズレた言動、ちょいちょい露見する脳筋っぷりに視聴者のツッコミが止まらない!
    (彼らのコメントが的確すぎて、読者も完全に視聴者の気持ち。)

    この頭のネジの飛んだお嬢様の配信チャンネル、まじおすすめですわ。
    思わず「これはおハーブ」とコメントしてしまうこと必至ですわ。

    ともかく気軽に読めて笑えるダンジョン配信ものの傑作。

    2025年02月28日
  • ブックライブ書店員

    ヒロイン達の愛が重すぎる!!

    胸クソ展開が大嫌い、ハッピーエンド至上主義な主人公・ウォルカ。
    そしてそんな彼に激重な想いを持つパーティメンバーの女の子達による“曇らせ”異世界ファンタジー!

    ダンジョンで強敵に遭遇し絶対絶命のピンチに陥る一行。
    しかしウォルカの片目片足を犠牲になんとか生還。
    皆を守る為に死ぬ覚悟で戦い、自身も含め全員無事だったことにウォルカは胸を撫で下ろすのだが…。

    「彼が片目片足を失ってしまったのは私のせい」
    彼女らは原因は自分にあると思い詰め、なにかとウォルカの世話を焼こうとしたりクソデカ感情をぶつけるのだった…。

    全体的にシリアス寄りだが、ウォルカと女の子達との間の想いのすれ違いや勘違い。
    女の子達の愛の重さ、男のプライドとの狭間で胃痛に苦しむウォルカの様子などにはクスリとしてしまう。

    読者によって解釈は異なりそうだが、陰鬱な雰囲気もなくこれは「病んでる女の子カワイイ」を楽しむ作品なのではないだろうか。
    あ、これが“曇らせ”ってやつか。

    2024年09月25日
  • ブックライブ書店員

    【ディストピア×アイドル】オリジナリティ溢れるSFラノベ!

    隕石によって荒廃してしまった世界。
    生き残った人類の手で作られた国々の資源争いは、アイドルのライブによって行われる。

    アイドルは戦争の道具であり、ステージに立つアイドルはやがてとある病に蝕まれていく、ハードな世界観で描かれるストーリー。

    感情を失った“人形”になることで最強のアイドルとなった主人公・レイン。
    旧世界には存在した、人々から愛されるアイドルを目指すハナ。

    そんな彼女らを中心に、絶望しかない世界に抗う少女たちの姿がアツい。
    この物語にハッピーエンドは訪れるのか!?

    アイドルものが好きな方はもちろん、ちょっと他にはない作品を楽しみたい方にもおすすめ。

    鬱展開等が苦手な方はご注意を。
    私も「嘘だろ??」な衝撃の展開に何度かひっくり返りました。

    2024年09月19日
  • ブックライブ書店員

    読みやすく読み応えもある、ちょっとライトなハードファンタジー。

    依頼をこなす為なら殺しも厭わない、金次第でどんな仕事も引き受ける孤高の傭兵・ジグ。
    災いをもたらす存在として、人々から忌み嫌われ住処を追われる孤独な魔女・シアーシャ。

    ひょんなことで出会った異色コンビが、誰も知らない異大陸を目指すことにはじまり、様々な騒動に巻き込まれたり起こしたりするお話。

    王道のハイファンタジーと異世界転生ものをあわせたような作風で、重厚感がありつつとっつきやすさもあり、シリアスと思いきやコミカルさもある、なんとも独特の味わいのある文体がGOOD。
    妙に著者のこだわりを感じる白熱のバトルシーン、無骨なジグと常識に疎いシアーシャのちょっとしたやりとりの微笑ましさも推しポイント。

    王道ファンタジー好き、異世界転生もの好き、そしてバディもの好きな方にもおすすめの一作。

    2024年09月05日
  • ブックライブ書店員

    「俺妹」『エロマンガ先生』の伏見つかさ×かんざきひろタッグによるTSドタバタラブコメ!

    非の打ち所がない、誰もが羨む“持てる者”である主人公・八隅千秋には唯一の悩みがあった。
    それは女子にまったくモテないこと。

    高校入学を機にモテモテになることを心に誓った千秋だが、マッドサイエンティストな姉・夕子の実験体として女の子になってしまう。
    さらに双子の妹・楓も局所的に男の子になってしまい、さあ大変!

    序盤からギャグ/コメディに全振り。
    TS・下ネタ・百合?妹?幼馴染?
    どこかポンコツなキャラクター達。
    要素多すぎ尖りすぎなハチャメチャっぷりでありながら、しっかり王道ラブコメのようにおさまるのはさすがの伏見つかさ。

    既存の伏見つかさ作品が好きな方はもちろん、コメディ作品が好きな方にもおすすめ。

    2024年08月29日
  • ブックライブ書店員

    第8回カクヨムWeb小説コンテストエンタメ総合部門受賞作、タイムリープ学園青春ラノベ!

    10年間生き甲斐にしてきたバンドをクビにされてしまったドラマーの青年・芝草融。
    苦悩する中、心の支えだった“推し”である元同級生のシンガーソングライター・奈良原時雨の自殺を知り、彼はその後を追う。

    が、目を覚ますと高校1年生に戻っていた。
    報われなかった人生をやり直すチャンスが巡ってきたと融は奮闘する!

    すんなりとはいかないバンド活動、過去のトラウマや家庭環境による悩みを抱えるメンバーたち、そんな彼女らへ空回りしつつも手を差し伸べる融。
    ただ音楽がやりたい、この人と組みたい、という猛烈な想いで活動に取り組む姿がアツい。
    タイムリープ前の記憶を持っているにしては未熟と思える融だが、それがかえっていい塩梅。

    バンドもの・青春もの好きな方には間違いなくおすすめ。
    各章のサブタイトルや作中に実在のバンドネタも盛り込まれているが、個人的には融とベーシスト・理沙の「ラモーンズごっこ」のくだりが大好きだ。

    2024年07月22日
  • ブックライブ書店員

    かつてはハルヒからオタクデビューしたと言うと「新参者が」という眼でみられた(ような気がした)時代がありました。
    気が付けばアニメからも20年!!もう、いいよね…?

    「萌え」文化はこの作品がメジャーにしたといって過言ではないはずです。
    当時全オタクが一度はキョンになりたい、ハルヒに会いたいと思ったのではないでしょうか。

    魅力的な登場キャラクターたち!
    そのうえで学園ラブコメ要素とSF要素が混ざりあう絶妙なバランス!
    間違いなく名作ですよーー。
    ハルヒシリーズの世界に飛び込んでもらえれば、発売からこれだけ長い間多くの人たちに愛され続けている理由がわかっていただけるはずです。
    この作品について語りだすとオタクの早口でも長くなりそう…。

    同志は再読し当時を懐かしむもよし。
    歳をとってから読むと当時と推しキャラが変わったりして面白いですよ。
    まだ手に取っていない方は是非ご一読いただきたい。
    そして一緒に新刊を待ちましょう…。

    2024年03月29日
  • ブックライブ書店員

    みなさんが「いちばん嫌だな……」と思うことはなんでしょうか? 僕は不慮の事故がいちばん嫌です。たとえば、交通事故。暴走した車に跳ねられてしまうなんて想像もしたくないですね。
    この小説『セピア×セパレート 復活停止』は、不慮の事故で人が死ぬ、なんてことがなくなった素晴らしい世界の話です。

    3Dプリンターで作られた肉体とバックアップされた記憶によって、復活が可能になった世界。主人公の園晴壱(そのはるいち)は大企業でエンジニア職に就いています。
    そんな彼が不慮の事故で一度死に、復活したのと時を同じくして、記憶のバックアップがロックされて復活ができなくなってしまうという大事件が発生!! なんと、その主犯格として晴壱が指名手配されてしまいます。
    不慮の死を克服した人類に、突如言い渡された"復活不可能"という残酷な現実。パニックの中、疑いを晴らそうとする晴壱は世界の真実を知っていくことに――

    常識の範疇を軽々と超える、令和SFの決定版と言っても過言ではないでしょう。SF好きの人にも、ラノベ好きの人にも、そうでない人にもぜひオススメの一冊です。

    2024年03月28日
  • ブックライブ書店員

    SEを題材としたお仕事ラノベ。
    だが、追放モノ異世界ファンタジーのノリで肩肘張らずに楽しめる一作。

    コスプレ趣味のエンジニア・佐藤愛が社長の交代をきっかけに退職に追い込まれてしまう、「お前はクビだ」からはじまるストーリー。

    退職後、ひょんなことから幼馴染と再会したことで決まった次のお仕事「真のプログラマ塾」。
    有能だがちょっと変人でもある愛は新しいお仕事に邁進(?)する。(コスプレをしながら。)

    お決まりのざまぁな展開もあり。
    しかしなんと言っても、人生に行き詰まりを感じている様々な人が、愛と関わることで前向きさを取り戻していく。自分の存在意義を実感することで愛自身の心も満たされていく。
    「私TUEEE」よりもそういったほっこりハートフルドラマをメインに据えたのが本作である。

    愛ちゃんの突き抜けたオタク女子っぷりも面白い。
    お仕事を頑張るのってお金の為なのはもちろんだけど、それだけじゃないよね。

    2024年03月27日
  • ブックライブ書店員

    転生モノながら、チートや無双といったワードとはほぼ無縁。
    過酷で悲惨な戦場の地獄を、衛生兵の少女・トウリによる日記として描いた物語。

    現世でいうところの第一次世界大戦頃の時代に魔法も存在するファンタジー世界。
    戦争で両親を失い、孤児院で育ったトウリは、成人となる15歳で軍へ志願する。

    回復魔法の適正があり、衛生兵となった彼女だが、配属されたのは後方ではなく、最前線の突撃部隊だった!
    前世ではFPS廃人だったトウリは優秀な兵士になれる自信があったが、目の当たりにした現実はまさに地獄。

    前線での新兵の生存率は極めて低く、戦友がひとりまたひとりと命を散らしていく。
    非戦闘員であり、ただの華奢で非力な少女でしかないトウリは、この絶望しかない戦場をどのように生き抜くのか?

    本作は、数十年後の歴史マニアが当時の戦場跡から発掘したトウリの日記を読み進める、という形で進行する。
    ということはトウリはもう…?

    重苦しい雰囲気が漂っているもののリアリティもあり、主人公の辿り着く結末をすこぶる見届けたくなる作品である。

    2024年03月27日
  • ブックライブ書店員

    ラノベ読者でない方にもおすすめしたい傑作!

    勇者は魔王を倒した。だが同時に帰らぬ人となった。
    なぜ、勇者は死んだのか。
    魔王が殺したのか、それとも仲間なのか……。

    他作品ではあまりない珍しい切り口で描かれるファンタジーミステリ!

    魔王が倒され、落ち着きを取り戻した王国は、亡き勇者の偉業を文献にまとめる事業を開始。
    魔王討伐の旅を共にした仲間をはじめ、勇者とゆかりある人物へのインタビュー、そして彼らの視点による回想を挟みながら物語は徐々に核心へ。

    読みやすい文章ながら、登場人物たちの心情描写や物語の構成の巧みさに唸らずにいられない。
    そして充実の読後感。

    本作の著者、ライトノベルというジャンルで「本屋大賞」の受賞を目指しているとのことだが、これ本当に狙えるのでは?
    老若男女問わずおすすめ。

    2024年02月13日
  • ブックライブ書店員

    聖女を名乗るパワー系成人女性・アリス(26歳児)が、異世界から現代日本へ向け動画配信!
    視聴者との繋がりが力になる、異文化交流コメディ!

    魔王を倒したものの、王族や貴族らに疎まれ死刑同然の国外追放と魔物討伐の罰を受けた聖女・アリス。
    流された地である迷宮で自暴自棄の中、異世界と繋がる鏡により現代日本の料理人・誠と出会う。

    食料や衣類、娯楽を与えられ救われたアリスは恩返しの為、配信者としてデビュー。(目指せ収益化!)
    食レポしたり、魔物をフルボッコにしたり、罠だらけの迷宮攻略に挑んだり、その活動は多岐にわたる。

    力こそパワーな脳筋プレイっぷり。普段は真面目で控え目だが、撮影中ははっちゃけたキャラにトランスするアリスがおもしろ可愛い。
    冒頭こそ重いが、視聴者のツッコミも入り混じるドタバタ動画配信と、時々ほっこりなオチが付く、人々との繋がりをテーマとした物語となっている。

    しかしアリスさん、本当に26歳なんでしょうか?

    2024年01月29日
  • ブックライブ書店員

    『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』で知られる伏見つかさ×かんざきひろコンビの新作!!
    インパクトのある題名だが、普通のラノベ作家の兄とイラストレーターの妹のラブコメだったので、どうぞご安心を。

    主人公の高校生兼ラノベ作家の和泉正宗には、「エロマンガ先生」という、凄腕の担当イラストレーターがいる。
    その正体は、驚いたことに、なんとまったく部屋から出てこない、妹の和泉紗霧!?
    まさか、ひとつ屋根の下でずっと引きこもっている妹が、いかがわしいペンネームで、エッチなイラストを描いていたとは……。

    「そんな名前の人は知らないっ」
    とりあえず紗霧ちゃんのこのセリフ、本当に可愛い。ページをめくるたびに可愛さやうれしさ、感動で鳥肌がたってしまう。
    少しずつ外の世界に出ようと変わっていく姿に、逞しさに感動した。沙霧ちゃんの成長は、読んでいて心が和んだ。

    まだ読んでない人は是非ご一読ください!!

    2023年09月29日
  • ブックライブ書店員

    偏屈婆さんのおでんが人々の運命を変える!?
    変わり種異世界グルメファンタジー!

    昔ながらの屋台のおでん屋である春子婆さんは、ひょんなことから異世界へ転移してしまう。

    チートな能力が発現するということもない。
    異世界でも春子婆さんのすることは変わらず、訪れたお客へおでんを振る舞うことだけである。
    おでん屋なのだから。

    本作は1話ごとにお客として登場する人物が異なる短編形式で、そんな異世界の住人達が主役となる群像劇。

    ぽかぽかおでんで身も心も温まり、ぶっきらぼうな春子婆さんの言葉をきっかけに、ほんの少し背中を押されるお客達。
    それぞれの事情を抱え、別々の道を歩む彼ら。しかしやがてそれらは交差し、物語は圧巻の展開に!

    くつくつと煮えるおでん。それを春子婆さんがお客へ提供する様子。はじめて口にするおでんに夢中になるお客の様子。
    とにもかくにも、こだわりのおでん描写に食欲が刺激されてたまらない!

    2023年09月19日
  • ブックライブ書店員

    ニート青年とワガママ淫魔(サキュバス)の同居生活を描いた、現代ファンタジー系ギャグコメディ!

    「淫魔にいやらしく搾り殺されたい!!」という願望を持つ童貞ニート・和友。
    しかし、自力で学んだ召喚術により現れたのは、スケベに興味ナシ!ぐーたらで凶暴なダメ淫魔・イン子だった。

    和友の願いを叶えない限り元居た世界へ帰ることができないイン子は、そのまま和友の家に居着き、タダ飯を喰らう寄生淫魔となる…。

    “暴力は全てを解決する”的な脳筋思考であり、唯我独尊、自由奔放なぶっ飛んだイン子の言動と、それに振り回されながらもキレのある和友のツッコミ。
    イン子に負けず劣らず、どこか頭のネジが飛んでいる周囲の人たちも巻き込んだドタバタっぷりが痛快。

    また、シリアスな展開もあり、序盤の伏線を回収しつつ、最終的にホロリとくる作品に仕上がっている。
    ギャグに定評のある著者だが、加えて物語の構成力が光る1作だ。

    2023年08月31日